2026年05月18日

着々とG2を目指す中国

  中国の重要政策を決める人民大会堂、共産党の中枢である中南海に相次ぎトランプ米大統領を招いた首脳会談でしたが、11月の中間選挙を前に手柄を欲し短期商談を目指したトランプ氏の足元を見透かした中国側の中長期的な戦略が際立つ会談となった模様です。



  トランプ氏は今回の訪中を機に、中国、イラン、ロシアの外交3点突破を狙っていました。

  対中国ではボーイング機の売却や農産品・エネルギーの輸出といった巨額商談を取りまとめ、イランでは戦闘終結へ習近平国家主席の力を得て、その勢いでロシア・ウクライナの本格的な終戦交渉に入るというものでした。



  その個人的な思惑は、初日の交渉であっさり崩れました。

  「台湾問題を適切に対処できなければ、中米両国は対立・衝突して危険な境地に追い込まれる」とトランプ氏に強く警告(脅し?)しました。


  その後も、習氏は自らが「核心的利益の核心」と位置づけする台湾問題で「米国は台湾を防衛するのか」「台湾への武器売却を続けるのか」と米国に譲歩を迫ったといいます。

  トランプ氏は「それについては話さない」と応じましたが、台湾問題に長い時間をかけて議論をすることになったようです。



  関係者によると、習氏はトランプ氏の武器売却などに関わる譲歩を期待していて、今回の首脳会談でトランプ氏の成果となる米国産品などの購入規模は、米国側の台湾問題への譲歩の度合いによって決める姿勢だったようです。



  中国にとって台湾の重要性はこの数年で一層高まり、それはAIの覇権を台湾が握ったからです。

  AI半導体の製造を請け負うTSMCからAIサーバーの組み立てを受託する鴻海精密工業まで、米テック企業の事業展開は台湾企業なしには成り立たなくなっています。


  また、エヌビディアに依存しないAIのサプライチェーンづくりを目指す中国にとっても同様です。



  トランプ氏は9年ぶりの訪中となりましたが、習氏は前回、米国産の農産物を大量購入するなど2500億ドルもの商談をまとめ上げました。

  今回は中国側から商談リストの発表すらなく、中国のトランプ氏へ対処方針が第1次政権時から大きく変化したようで、その理由は「この先、米国が衰退していくと確信をも持つに至ったからだ」といいます。



  米国は11月に中間選挙を控え、トランプ氏は選挙に向け訪中での短期的な成果は欠かせないといわれ、中国は建国100年にあたる49年までに「中華民族の偉大な復興という中国の夢」の実現を目指します。


  今年、あと3回、両首脳の会談の機会があるようですが、西側の国々はトランプ氏の場当たり的な対応に一喜一憂することになりそうです。
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2026年05月17日

異常気象「適応」にニーズあり

地球温暖化による記録的な猛暑や大雨などが増える中、異常気象への「適応」に役立つ技術やサービスへの関心が高まっています。


世界市場は2050年までに足元の4倍に拡大する見通しで、日本は関連するノウハウを持つ企業が米国に次いで多いといわれています。



温暖化対策は温暖化ガスの排出を抑える「緩和」と異常気象による影響を抑える「適応」に分かれます。


暴風雨などの気象災害による経済損失額の16〜25年の年平均は3614億ドル(約58兆円)と2000年以来の年平均2869億ドルを上回りました。



トランプ米政権が再生可能エネルギーや電気自動車への補助を縮小するなど、緩和策に逆風が吹く一方、適応策への関心は高まっています。

必要になる適応策は様々で、経済産業省は主な事業分野としてインフラ強靭化、エネルギー・食料・水の安定供給、保険・衛生、気象監視、リスク関連金融の7つを挙げています。



異常気象は工場の操業や労働環境、製品の供給網などに物理的リスクをもたらします。

適応は民間の投資テーマとしても注目され始めており、水インフラ分野では水を多く使う製造業では降水量の変動や水温の上昇で渇水や水質悪化が起きると工場の操業に影響することから、栗田工業が水の中から不純物
を取り除く水処理装置を展開しています。



前田工繊で製作される石を入れるネット「ボトルユニット」は河川沿いや堤防の補強や復旧に使われ、販売を伸ばしています。


高温や乾燥に強い品種改良技術を含む有機農業の分野で、国内トップのサカタのタネは高温下で着果不良や実割れを抑えられる大玉トマト品種「麗月」を提供しています。


能美防災では、暑熱対策として工場などを冷やすシーリングミストを開発しました。



緩和では欧州勢が規格作りを主導し、機関投資家から資金を呼び込む仕組みを作りました。


日本が防災分野で国内企業の技術や活動に適合する国際標準やルールを作ることができれば、気象災害リスクを抑える適応技術を持つ事業会社のビジネスに追い風となりそうです。
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2026年05月16日

西九州新幹線、佐賀南回りの議論

  西九州新幹線の武雄温泉駅から博多駅方面への延伸を巡り、やっと前向きの議論が始まった感じがします。

  国土交通省事務次官と佐賀県知事の間で、まずは信頼関係を築いて幅広い議論が行われているようで、フル規格での新幹線整備を前提とした環境影響評価(アセスメント)について議論できるようになった模様です。



  国はJR九州が最適とする佐賀駅経由ではなく整備ルートを限定しないアセスを提案しています。

  これは佐賀県が関心を示す佐賀空港を経由する南回りルートも含めて検討することで、佐賀県をテーブルにつけさせようとしています。



  ただ、事務次官は南回りルートには基本的には懐疑的で、「佐賀の交通ネットワークは鉄道もバスターミナルもある佐賀駅が中心で最適だ。わざわざ離れたところに新幹線駅を造るのは利便性の観点から著しくマイナスが大きい。なぜ県が佐賀駅ルートではなく南側にこだわるのか、政策的な意味が理解できず困惑している」と否定的のようです。

  そして、「空港に近い南側は軟弱地盤で、施工面で技術的な困難が伴う。県南にルートが膨らめば事業費が高くなり、財源に関しても深刻な問題が出てくるであろう。空港との直結に夢を抱くのは悪いことではない。でもその夢と現実の新幹線問題を混同してはいけない」と、議論の対象にはするが、現実的ではないとの厳しい評価です。



  20年ぐらい前から空港経由の南回りルートの話はあり、将来を見据えるとその時、私もその案が魅力的な案に思えました。

  ただ、武雄温泉駅〜新鳥栖駅間のフリーゲージトレインによる在来線活用でしたから、表だった議論とはなりませんでした。



  ちょうどその時、津屋崎沖の新福岡空港の建設の話が議論となっていて、当時、代替案として、新北九州空港と佐賀空港との機能分担も検討されていましたが、最終的には新空港は諦め、機能分担の話もとん挫し、現空港のまま滑走路の拡張で現在に至ります。


  当時、佐賀空港は新たに夜間貨物便、国際便(春秋航空)を就航することができましたが、羽田便他国内便の需要を十分に掘り起こすことができず、滑走路も2000mのままで将来ビジョンは描けない状況でした。



  西九州新幹線推進のボトルネックはそもそも利用者が少ないことで、この路線沿いで人口増は見込めず、観光等で交流人口を増やすことを考えないと“夢のある新幹線”の推進には至りません。

  しかし、佐賀空港を国際空港として位置づけし、北部九州経済圏の発展の基盤となるよう福岡空港の機能分担の話が進んでおれば、新幹線により長崎駅、博多駅、熊本駅から30分程度で佐賀空港にアクセスできるようになり、空港経由の南回りルートは面白いと考えていました。

  今ではインバウンド客の需要も取り込めますから、あの時北部九州の総合交通体系のあるべく姿をしっかり議論していればと悔やまれます。



  福岡空港は第2滑走路や国際ターミナルの拡張が進んでいますし、福岡都市高速道路からの空港へのアクセスも改善されますし、熊本空港もTSMCの好影響で利便性が格段に向上しています。



  今となれば、事務次官のコメントのように西九州新幹線(現実)を佐賀空港(夢)と接続させる意味合いが理解できないということになるのでしょう。
posted by 川上義幸 at 14:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2026年05月15日

世界に誇れる日本の新幹線

日本の新幹線は海外からも高く評価されています。


今年のゴールデンウィークも各地が大にぎわいで、東京駅の新幹線ホームは、大きなスーツケースを引く家族連れや、久しぶりの帰省に胸を躍らせる人々で、活気に満ちあふれていたようです。

2026年は最大12連休にもなる大型連休で、4月24日から5月6日までの期間、東海道新幹線の予約数は153万席(4月9日時点)わずか数分おきに、約1300人もの乗客を乗せた巨大な列車が、1秒の狂いもなくホームに滑り込み、そして静かに、かつ正確に目的地へと走り去っていきました。



この「日本の当たり前」が、いかに異次元の完成度であるか、それを痛感させてくれるのが、海の向こうで「時限爆弾」と化している中国主導の高速鉄道計画で、中国の習近平政権が世界に誇示する「総延長5万キロ」の高速鉄道網です。

そこにあるのは「持続可能性」を完全に無視した、あまりに無謀な国家規模の自転車操業ともいえる運営主体である中国国家鉄路集団の債務総額は、実に約133兆円(約6兆1947億元)にも達しています。



日本の国家予算を上回るこの巨額負債は、もはや運賃収入で返済できるレベルをとうに超えています。

それどころか、毎日の収入のほとんどが借金の「利息の支払い」だけで消えていくという、出口のない迷路に迷い込んでいるのではないか、「時限爆弾」ともいえる天文学的な額の負債となっています。



それは、経済合理性を度外視し、党のメンツと政治的アピールのためだけに、需要のない過疎地にまで強引に線路を敷き続けたからとも言えそうです。


その象徴が、中国全土に点在する「幽霊駅」で、立派な駅舎を建設したものの、一度も列車が止まらない、あるいは利用者があまりに少なすぎて早々に閉鎖された駅のことを、俗にこう呼び、こうした幽霊駅は26カ所以上もあります。

建設ありきのプロジェクトが生んだ、コンクリートの残骸で、これこそが、利用者のニーズを置き去りにした「量」の追求のなれの果てです。



さらに、国家規模の鉄道プロジェクトは腐敗の温床にもなっており、過去に存在した鉄道省は政府内でも独立性が高く、不透明な資金の流れが利権供与や賄賂の温床となっていました。

こうした透明性なき巨大インフラ投資は、システムを内側から腐らせ、結果として安全管理という鉄道の「一丁目一番地」さえも危うくしています。



こうした状況は中国国内だけにとどまりません。

中国が手掛けたインドネシアの高速鉄道は、年間数百億円の赤字を垂れ流しています。



ビジネスマンが時刻表を確認せずとも駅に向かい、数分待てば座って移動でき、日本の新幹線はこの「高頻度・大量輸送」こそが、日本の経済成長を支える大動脈としての真価です。
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2026年05月13日

中国の科学大国化。米がアシスト

英キングス・カレッジ・ロンドン「ラウ中国研究所」所長を務めるケリー・ブラウン氏は英科学誌「ネイチャー」への寄稿で「目を覚ませ、中国は科学的な主導権を握ろうとしている」と世界に訴えました。


寄稿は、中国の研究開発費が07年〜23年にかけて6倍に増え、EUを超えたと指摘し、OECDも中国の研究開発費が24年に1兆300億ドル(約164兆円)に達し、米国の1兆100億円を超えたとしています。

中国のSTEM(科学、技術、高額、数学)系の卒業生が20年に360万人を数えたのに対し、インドは260万人、米国は100万人未満となっています。



状況は一変するとブラウン氏は見ていて、サイバースパイなどの問題は今後も厄介ですが、英国はもうすぐバイオテクノロジーやグリーンテック、素材などのセンシティブでない分野で中国の技術を切望するといいます。

25年1〜3月に米製薬大手のライセンスを受けて販売された新薬のうち、約1/3は中国企業が販売しています。



一方、中国にとって最大のライバルである米国は科学技術予算を削減して科学者を国外に追いやるという愚を犯し、中国に利する結果を招いています。

世界的な課題に対処する手段である科学技術から距離を置き、友好国や同盟国を当惑させています。



実際、米国は科学から距離を置いているというより世界の科学大国の座をむざむざ放棄したという方が近く、その間に中国は、静かに王者の座に滑り込もうとしているようです。

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2026年05月12日

輸送能力を大幅に増やすJR貨物

JR貨物が17年ぶりに輸送力増強に踏み切りました。


鉄道貨物は輸送手段の多様化の有力な選択肢とされながら長年輸送量が低迷していました。

トラック運転手の不足を背景に起死回生を狙いますが課題も多く、生き残りをかけた模索が続きます。



JR貨物は3月にダイヤ改正を行い、日本の物流の大動脈で輸送力を増強することで、物流が抱える様々な課題に貢献していくとしています。

需要に合わせて運行区間を細かく分割するなどダイヤを工夫し、例えば、東京発大阪行きは1日に輸送可能な荷物量を過去最大の4割増に、自動車部品の輸送ニーズが堅調な名古屋発福岡行きも輸送能力を25%増やしました。



狙うのはトラック輸送の代替で、00年度に82万人だったトラック運転手は20年度は2割減の66万人に減りました。

30年度には27万人が不足し、荷物の36%が届かなくなるという予測も出ています。

安い運賃とドライバーの長時間労働に支えられてきたトラック業界が根本から見直しが迫られる中、鉄道輸送にかかる期待は大きくなっています。



トラック輸送との競合だけでなく一体化も進めています。

一つの象徴がJR貨物が導入を進める「31フィートコンテナ」で、従来の鉄道貨物コンテナはトラックと規格が異なり、鉄道からトラックに荷物を映すには中身を入れ替える必要がありました。

31フィートコンテナは10トントラック車の荷台とほぼ同じ大きさのため、元のコンテナの中身をそのままトラックに移すことができます。



発足当時から経営難が懸念されていたJR貨物は数々の支援を受けてきており、例えばJR各社に支払う線路の使用料は本来支払うべき金額の10%〜30%程度に抑えられ、整備新幹線の平行在来線の線路使用料の支払いも同様に減免されています。

それでもJR貨物の鉄道事業は赤字が続いており、今回のダイヤ改正や31フィートコンテナ導入拡大の効果で27年3月期に単体の鉄道事業の売上高に当たる営業収益を6%増やす計画です。



改革を進める一方で新たな課題も生まれていて、JR貨物が使用する線路そのものの持続性です。

線路などの設備を自治体が保有・管理し、運航を鉄道事業者が担う上下分離の議論が進んでいる路線もあります。


地方を含めた鉄道網の「最後の担い手」としての役割も持つJR貨物ですが、低迷が続けば赤字路線の廃止に踏み切らざるを得なくなる可能性もあります。

物流網や鉄道網全体の危機が叫ばれる中、JR貨物の改革の成否がもつ意味はかつてないほど高まっているようです。
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2026年05月10日

テイラー・スウィフトさん、「声」の商標登録を出願

  人気歌手のテイラー・スウィフトさんが米国特許商標庁に自身の音声や写真の商標を出願したようです。


  スウィフトさんに似せたAI生成の音声や画像が本人の了承なく広告や政治的メッセージ、性的画像などに使われる例が多発していました。

  AIで本人そっくりの声や映像を生成できる技術が広がるなかで、権利の保護を求めたわけです。


  商標はスウィフトさんがステージに立つ写真1点と、「こんにちは、テイラー・スウィフトよ」と話す音声クリップなど2点の合計3点を出願した模様です。



  米国ではアプリ起動時のチャイムなど「音」の商標登録は行われていますが、著名人が声を商標登録するのは珍しいといいます。

  AI技術の進展により、本人の性質や話し方、外見を模倣するコンテンツが容易に生成されるようになりました。



  従来、楽曲などの保護に使われてきた著作権法は、音源の無断使用を規制しますが、AIで生成された本人に「似ている声」が規制の対象となりにくい問題が指摘されていました。


  これまでに、人気俳優のマシュー・マコノヒーさんもAIの不正利用防止を求め、音声などの商標を出願した例がありましたが、AIを使った「ディープフェイク」などによる権利侵害を防ぐ手段として今後、類似の出願が増える可能性があります。
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2026年05月09日

AIの軍事利用は危険をはらむ

AIは戦争の形態を変えてしまうかもしれないといわれ、その象徴的なのが米国・イスラエルによるイランへの軍事作戦です。

AIによって攻撃のスピードが一気に速まり、AIにどこまで軍事作戦を任せてよいか、人が関与すべき一線をどこに引くのか、各国の軍や外交、国際会議の現場で激しい議論が続いています。


24〜26日、パリ近郊で、国際問題を討論する「世界政策会議」が開かれ、焦点の一つとなったのがAIが戦争にもたらす変化です。




UAEのシンクタンクの分析では、米国・イスラエル軍がイランの最高指導者ハメネイ師ら要人を殺害した2月28日の攻撃は、標的の捕捉から攻撃完了までわずか11分23秒だったとしています。

作戦の実効に先立ち、米国やイスラエル軍は膨大な衛星情報などを統合・分析し、人間であれば328人の分析者が100日間を要する作業だったといいますが、これもたったの約90分で完了したようです。


米国のAI企業、パランティア・テクノジーズやアンソロピックなどが提供するデータ統合や分析の技術が、一連の作戦を可能にした要因といいます。



しかし、AIは万能ではなく、今回の攻撃の最終的な承認には人間が関与したとされていますが、誤りも犯しえます。

AIが悪用されると、ディープフェイクという本物そっくりのニセ動画や情報が簡単に生まれ、大量に拡散される恐れがあります。



AIが人の指示を待たずに攻撃まで行う自律型致死兵器システム(LAWS)が広がれば、影響はさらに深刻で、核兵器の運用にAIを関与させた場合、核戦争の危険が高まるとする分析もあります。

「世界政策会議」の非公開の討論では、AIによって敵対する国同士で誤認や疑心が瞬時に拡がり、「世界戦争」に近づく恐れを指摘する専門家もいたようです。



AIの軍事利用を規制する国際社会の動きは、十分とは言えません。

国連は自律型致死兵器システムを禁止・制限するルール作りを探っているようですが、実現の見通しは立っていません。


カギを握る米中はリスクを認めつつも、法的拘束力を持つ国際ルールの策定には慎重な立場にとどまっています。

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2026年05月08日

韓国、株の「借金投資」が過熱

韓国の株式市場で「借金投資」が過熱しているようです。


個人が証券会社から借り入れる信用取引融資の残高は3兆円超と1年前から倍増しました。

住宅価格の高騰や年金制度の破綻懸念といった将来への不安が、若者や中高年を高リスク投資に駆り立てているようです。



韓国総合株価指数(KOSPI)は足元で過去最高の6400を超え、1年で2.6倍に急上昇し、26年の株式市場への個人マネーの流入額は4月上旬までに70兆ウォンを突破し、過去最高のペースです。

投資家の数は25年末に1450万人と、新型コロナ禍前の19年末から2倍以上に増え、5100万人余りの韓国人の3人に1人が株取引をしている計算になります。



「ビットウ(借金投資)」と呼ぶ信用取引が投資熱に拍車をかけていて、4月半ば時点の信用取引融資の残高は約34兆ウォンと前年同時期のおよそ2倍に膨らんでいます。

信用取引は証券会社に預けた保証金を元手に株を売買し、損失が一定額を超えたり、期日までに返済できなかった利すると株が強制売却されます。



2月末に米国とイスラエルによるイラン攻撃が始まるとKOSPIは一時20%近く急落することがありましが、このタイミングで多くの投資家が強制売却による損失を被りました。

取引ルールを熟知しない個人から「知らない間に株を売られた」「高い利息を取られた」といった苦情が殺到しました。



韓国で問題になっているのは、個人が銀行やクレジットカード会社からの借り入れを元手に株を売買しているという実態です。

韓国の家計の負債は増え続けていて、25年3月末時点の40代世帯主の平均負債は約1400万円に上り、GDPに対する家計負債の割合は5年9月末時点で89%と日本(61%)や米国(68%)を上回ります。



カード決済が他国に先駆けて普及するなど、借入への心理的ハードルが低いようです。

韓国は日本を上回るペースで少子高齢化が進み、年金基金の枯渇懸念が指摘され、借金投資は公的年金を当てにできない若年層の自衛策ともいえます。



韓国証券取引所は25年秋以降、返済能力の低い若年層の借金投資が増えれば「連鎖的な株価の下落を招きかねない」と警鐘を鳴らしてきました。

株高の裏で膨張する若年層の信用リスクは韓国経済のアキレス腱となります。
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2026年05月07日

新幹線輸送、地方の命綱に

  JR東日本は3月、荷物専用新幹線の運行を始目、平日は毎日1便、盛岡から東京都内の車両センターまで荷物を運びます。

  車両は山形新幹線で使われたE3系を改造し、最大で約17トン、1000箱ほど積載できます。



  JR東日本が新幹線や特急を利用した荷物輸送サービス「はこビュン」を始めたのは2021年で、従来は旅客用車両のため最大200箱でしたが、利用拡大を踏まえ専用車両を導入しました。

  日本航空の国際線と組み輸出も可能になりました。


  現在は盛岡から東京までですが、JR東日本は想定を上回る予約で、今後は東京から東北に荷物を運ぶ運航を検討するといいます。

  高級スイーツを手掛ける食品メーカーからの相談もあるようで、特急などの輸送もあわせて年間100億円の売上高を目指します。



  JR西日本やJR九州、JR東海もスピード輸送を売りに荷物輸送を始めており、旅客用の「夢の超特急」として始まった新幹線ですが整備が進みネットワークが広がったことで高速物流網の役目を帯び始めました。



  当日配送や翌日配送などのスピード輸送でもトラック運転手の不足が課題となっています。

  特に地方は深刻で、シンクタンクの推計では2030年度に東北地方の荷物の41%が運べなくなり、中国(39%)や九州(40%)も同様で高齢化が著しい地方ほどトラックが足りません。


  航空便は新幹線よりも本数が少ない区間が多く便がないこともあります。



  新幹線は航空便よりも高頻度でトラックよりも速く、料金は割高になることがありますが、トラックを急に貸切るよりも安価の場合もあります。

  工場の緊急補修部品や医療用品目などが輸送の候補になりそうです。


  JR西日本が25年に始めた即日配送サービス「荷もっシュッ!Quick」の最初の荷物は血液検体でしたし、JR九州も輸血用血液の輸送の実証を新幹線で実施しました。



  豪雨や地震で道路が寸断された場合も、新幹線が被害を逃れ機能している場合もあり、新幹線が地方の物流を支える命綱になりえます。


  それぞれの長所を生かしたモーダルシフトが求められています。
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