2017年11月29日

北朝鮮船漂着

海上保安庁によると、今月23日に秋田県沖に漂着氏した船に8人の生存者がいて報道された件以外にも、これまでにも北朝鮮籍と見られる木造船が漂流、漂着しているそうです。

今年は、11月22日時点で43件となっています。

北朝鮮は国際社会の経済制裁が強まる中で、国挙げて漁獲量の拡大に力を入れています。

「漁船は祖国と人民を守る軍艦であり、魚は軍と人民に送る銃弾・砲弾と同じだ」と朝鮮労働党機関紙の社説で檄を飛ばしています。

北朝鮮船は、プランクトンが多く発生して良好な漁場となっている日本の排他的経済水域(EEZ)内にある大和堆付近に集結していて、違法操業を繰り返しています。

なんせ老朽化した木造船ですから、荒れた海で遭難することは必然です。

なんで身の危険を冒してまで違法操業をするのか、背景には、金正恩委員長の指示があるようです。

金正恩委員長は、軍人と人民に新鮮な魚を切らさず供給しようと呼びかけています。

国連制裁で石炭や武器輸出が大幅に減り、北朝鮮当局が外貨稼ぎのため漁業操業権を中国に大量に販売したことで、北朝鮮の漁獲量が減り、住民の不満が強まっているといいます。

このため、沖合に出て操業せざるを得なくなってい様で、違法操業に駆り立てているようです。

また、国連制裁では、北朝鮮産の海産物も禁輸の対象に加わっています。

北朝鮮当局が冬の漁を強いるのは、慢性的な食糧不足のほか、制裁後も国境付近では海産物が密輸の対象となっている可能性を指摘する専門家もいます。

今朝も、北朝鮮はICBMと思われる弾道ミサイルを発射しました。

北朝鮮はどこに向かおうとしているのでしょうか。
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2017年11月28日

もやし

今年は不漁でサンマが高くても、長雨できゅうりやトマトが高くても、いつも私たち、庶民の財布に優しいのが「もやし」だったはずです。

栄養満点で、200グラム入り1袋30円で、この40年間、ほとんど価格の水準は変わらない“物価の優等生”といえます。

ところが、今、そんな「もやし」を取り巻く環境が大きく変わろうとしています。

実は私たちが食べるもやしの原料となる豆は、ほぼ海外から輸入されています。

2017年に日本に輸入された原料豆の数量は5万トン、このうち中国からが7割を占めています。
原料豆の大部分が緑豆です。

原料を輸入している商社によると、2000年初頭に1トン当たり10万円を下回っていた緑豆の輸入価格は、ここ数年は20万円から25万円ほどまで2倍以上に上昇し、今も高い水準で推移しています。

神戸市のもやし原料豆の卸業者が、原料価格の高騰の一方で販売価格への転嫁が進まなかったことなどから採算が悪化し経営破綻しました。

中国は緑豆の主要産地となっていますが、主な産地の吉林省などで収穫時期の9月に雨が多く降った影響で収量が落ち込んで、前年比7.45%減少しました。

加えて、中国で起きている栽培品目の変化です。

中国で緑豆を生産する農家の中には、少しでも高い収益を狙って、飼料用のトウモロコシに栽培品目を転換する動きが出ているというのです。

中国では、生活水準の向上とともに食事も欧米化。以前に比べて牛乳や肉の消費量が多くなり、それに伴って家畜用の飼料用トウモロコシの需要も増大しています。

このため、高い収益を狙って、緑豆から飼料用トウモロコシに栽培品目を変える農家が相次いでおり、緑豆
の生産量の減少にもつながっているというのです。

原料は高騰する一方で、上がらない販売価格。

こうした現状にあえいでいるのが、国内のもやし生産者です。

こうした中で、もやしを取り巻く環境を少しでも改善しようという試みが始まっていて、中国などに依存してきた原料豆を国内で確保しようという試みです。
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2017年11月27日

キャリア権

23日は勤労感謝の日でした

今、国をあげて取り組んでいるのが働き方改革ですから、この祝日と合わせていろいろと話題となっています。

重要な鍵をにぎる可能性がある“キャリア権”というキーワードについて取り上げます。キャリア権とは、平たく言えば、自分が何の仕事をするかは、会社まかせにしないで、自分で希望して、そのための能力や経験を作っていく権利が働く人にあり、そしてそれを会社も支援すべきだ、というような考え方のようです。

働き方改革とは“正社員改革”で、まず、政府の働き方改革の柱は、@長時間労働の是正Aそして正規・非正規の格差是正のための同一労働・同一賃金の二つです。

正社員のありかたの何が問題なのかというと、日本の正社員の大きな特徴は、仕事が明確に決まっていないということです。

総務でも経理でも営業でも、何をやるかは、その時の会社の命令、配置転換によってクルクル変わります。
何でもやる正社員こそが、いつまでやっても仕事があとからあとから出てきてなかなか終わらない、長時間労働の温床になっています。

欧米では日本と違い、社員のやる仕事ははっきりと決まっていて、雇用契約書や職務記述書(ジョブ・ディスクリプション)などでその人がどんな仕事をするかが明確に決められています。

もし、このキャリア権が認められたら、働く人がその意欲と能力に応じて自分が望む仕事を選択しますから、業務は明確になりますし、長時間労働の温床である何でも屋ではなくなるはずです。

また、格差の問題はというと、もし非正規の人たちにもキャリア権が認められるなら、「正社員と同じように、自分たちにも研修や教育をしてほしい!」という要求できるようになります。

キャリア権が日本の風土に合っているかというと課題もあって、企業の論理で配置転換ができなくなると企業側は雇用保障ができずらくなります。

キャリア権という考え方がどこまで認められるのか、雇用保障とキャリア保障をどうバランスさせるのかが問われそうです。
posted by 川上義幸 at 21:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年11月26日

年末の話題

今年もあと1月余りを残すまでになりました。

先の衆院選で与党が公約した施策をどう実現するか議論がなされていますが、つまるところはその財源をどうするかです。

社会保障費が年々1兆円規模で増加する中で、根本的な対応は一朝一夕には難しいかもしれませんが、何とかしないと将来に対して国民の不安は解消されません。

現在は、2年に1度の診療報酬の改定が当面の課題としてホットな話題となっています。

2016年度の会計検査院報告で874億円超の税の無駄遣いが指摘されました。

中でも、法令違反等の不当事項は137億にものぼるということです。

森友学園問題もまた再燃しそうになってきて、会計検査院報告では調査結果、約8億円の値引きについて十分な根拠確認ができなかったということです。

自民党税制調査会では、「たばこ増税」「森林環境税」「出国税(観光促進税)」などの増税議論がなされているようですが、国民感情からすると税の無駄遣いから先に進めてほしいということかもしれません。


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今日、ホークスの日本一祝賀パレードを見てきました。

1時間以上から場所取りに来ていた人もいたようですが、パレードは数分で目の前を通り過ぎて行ってあっけ
ないものでした。

そのあとに、清掃車が後を追っかけるように道路を掃除して回り、流れ作業を見ているようで、しらけて盛り上がりに欠けました。

パレードを見に来た人は、そのあと群れを成して天神と博多駅に向かっていき、食事、ショッピングとかなりの消費をもたらしたかもしれません。

私がよく行く「札幌ラーメンどさん子」は今まで見たことがないほどの長蛇の列となり、帰りに寄ろうと考えていましたが、この日はあきらめて帰ってきました。

常勝ホークスが今後も期待されそうですから、このパレードは年末の風物詩になるかもしれません。
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2017年11月25日

初冬の那珂川

1日に10000歩程度歩くと体調も良くなり、気分もさわやかになります。

今週は、車で出勤することが多く、また天候が不順だった日もあって、なかなか歩くことができませんでした。

今日は天気も良く、那珂川まで足を運びました。

初冬の那珂川は、草木の成長が抑えられ、河畔の木々も紅葉が残っていますがだいぶ落ち葉となっています。

何と言っても特徴は、河川の水量が少ないことと透明度が高いことでしょうか。

夏場よりもジョギング、ウォーキングの人は少ないですが、それでも常連らしき人にすれ違います。
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昨日は、お寺の新築工事が完成し、その落成式が行われました。

ご縁で、その建設委員を途中からさせていただきましたが、そもそも市の道路工事に引っかかったものですからその補償費で新築工事に至り、これまでの行政経験が期待されたのかもしれません。

市との交渉、事業計画の対象範囲、その収支等、檀家の皆様だけでは困難な状況でしたが、市の可能な応援や檀家の中に設計事務所の方がおられたということで、何とかここまでたどり着いたように感じます。



明日は、ホークスの日本一祝賀パレードが行われます。

天候が少し心配ですが、行ってこようかと思っています。
posted by 川上義幸 at 14:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年11月22日

いい夫婦の日

今日、11月22日は、「いい夫婦の日」だそうです。

この取り組みは、1985年に日本政府の経済対策会議にて、ゆとりの創造月間として11月が提唱されたことと、「11月22日=いいふうふ」と読める語呂合わせで開始されました。

1988年に財団法人余暇開発センター(現日本生産性本部)によって提唱され、その後、1998年に「いい夫婦の日」をすすめる会(名誉会長・桂文珍)を設立し普及を推進しています。

1999年より、毎年、広く一般からの投票を基に、理想の夫婦・カップルにふさわしい「パートナー・オブ・ザ・イヤー」を選出していて、実質、いわゆる有名人から選ばれています。

2000年代に入り、一般にも認知されるようになり、11月22日に入籍する有名人なども増えているということです。

「いい夫婦の日」を進める会では、普段パートナーに伝えられない思いを伝え、気持ちをカタチにして贈る機会としてほしいと、「二人の時間」を深める様々な企画を毎年行っているようです。

確かに、なかなかそのような機会でないと具体的に口に出せないものですから、絶好の機会ですが、私のパートナーは今東京の娘のところに行っていて伝えることができません。

直接ではありませんが、「いつも、ありがとう」といいたいものです。
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2017年11月21日

行動経済学

行動経済学とは、これまでの経済学ではうまく説明できなかった社会現象や経済行動を、人間行動を観察することで実証的にとらえようとする新たな経済学を言います。

2002年に行動経済学者のダニエル・カーネマンがノーベル経済学賞を受賞して以来、脚光を浴びるようになりました。

カーネマンが心理学を修めたこともあって、経済モデルに人間の心理を組み込み、経済実験やアンケート調査などを駆使する特長があるといいます。

従来の経済学(新古典派)は、合理的で、利己的で、金銭的利益を最大限追求しようとする「完全な個人」をモデルとして、精緻な理論を構築してきました。

しかし日本経済がバブル経済期に株式や土地投機に熱狂して大きな損失を被ったように、人々は合理的とはいえない行動をとるケースがままあります。

こうした非合理性な人間の行動に一定の法則性をみいだし、行動の癖や傾向を明らかにするのが行動経済学のようです。

例えば、ゴルフでショットが右にそれてトラブルとなり、目の前には林があるとします。

木々のわずかな隙間からグリーンが見えて、「俺ならできるかも」と、いちかばちかのスーパーショットをねらうケースをよく見かけます。

しかし、あえなく木にぶつかってしまいまたトラブルとなり、後悔することになることがよくあります。

こういうよくある行動を、肘でちょんと突くように、ちょっと誘導してあげるだけで、ベストな選択ができるようになるのではないか、これが行動経済学です。

そして今、政府や企業の間で、行動経済学を積極的に取り入れようという動きが出てきてるようです。
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2017年11月20日

水道事業の岐路

全国の市町村が運営する水道事業が岐路に立っています。

人口減に伴う需要縮小に加えて設備が老朽化し、このままでは水道を維持できない事例が続出する恐れがあります。

国は広域的な連携が不可避として、水道法改正案を国会に提出する見通しで、都道府県の旗振り役を求めていくことにしています。

国の方針もあり、抜本的なコスト削減に向けて、近隣自治体との広域連携といった機運が高まりつつありますが、検討が進むほど、自治体間の財政状態や料金格差が壁となって立ちはだかっているようです。

香川県では、来年4月に県内16市町の事業を統合し、全国初の1県1水道体制を作ります。

香川県は長年、少雨渇水に悩み、高知県を水源とする香川用水を分かち合ってきましたので、他地域よりも広域化に向けて動きやすかったといいます。

それでも、検討から約9年を要したといいますから、大変です。

大阪では府域1水道の実現を目指して、大阪市と大阪府の広域水道企業団との統合が健闘されましたが不調に終わっています。

専門家は、「多くの事業者がいまだに危機感が乏しい。まずは現状をしっかり認識すべき」と指摘します。

事業者は単独では生き残れないとなると、そのことを全体に理解を求めていくしかありません。
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2017年11月19日

冬の訪れ

今年一番の寒気が日本列島に押し寄せ、全国各地で冬の訪れを感じさせる寒い一日となりました。

福岡の平地でも紅葉がきれいになっていましたが、晩秋を通り越して寒い冬になった感じです。

家の前の公園の木々もすっかり紅葉して、落ち葉が自宅の方にも風で押し寄せてきています。
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今日は育成会の方で、こどもとその父兄が落ち葉清掃をしてくれていました。

この清掃は年に4、5回は行われているようで、多くの人が参加しています。

福岡市から支援は行われているようですが、これからのまちづくりには「公助」「共助」「自助」の3つが
バランスよく一体的に行われることが必要で、とりわけ「共助」の役割が重要視されています。

しかし、地域コミュニティの崩壊や高齢化の進展で、どこの地域も自治会、育成会等の「共助」の維持、継続に苦労しています。

佐賀市には佐賀市水対策市民会議という組織があって、自治会組織がしっかりしていて比較的活発に活動しています。

その会長をしていますが、先日、佐賀市の方が見え、年明け後に行われる次回の総会の件で相談に見えました。

春、秋に行っている川の清掃活動が年々高齢化の流れの中で困難となってきている自治体が増えていることから、総会の場でその対策を議論したいということでした。

大いに議論し、しっかり取り組むようはっぱをかけさせてもらいました。

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博多駅前は、夜になるとイルミネーションがきれいに点灯し、恒例となったクリスマスマーケットが始まりました。
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2017年11月18日

東京モーターショーから見えるもの

東京モーターショーが終了したようですが、未来のクルマがずらり並び、未来社会が少しは垣間見えたのではないでしょうか。

EV、自動運転など、未来の車が並び、東京モーターショーには77万人が訪れました。

「安全」「安心」の視点から見ていくと、車内のエアバックが充実してきたほか、フロントガラスの外に歩行者用のエアバックも展示されていました。

また空気なしタイヤで安定走行を実現したり、車体全体に衝撃を吸収する合成ゴムを取り付けた車も展示されていました。

安全、安心は、特に日本では必要な概念で、交通事故の死亡者数は減ってきていますが、高齢者の比率は増加しています。

高齢者は体も弱く骨ももろいので、事故の衝撃を受けやすく、被害を軽減する必要があります。

衝撃吸収ボディも重要ですが、今後は何よりもぶつからない車=安全運転支援技術が重要で、今後は周囲の環境の情報をより濃密に提供したり、ドライバーの体調管理などのIT技術も必要です。

モーターショーでは、AIがドライバーの表情や目の動きを察知して、覚醒の度合いを知るシステムが展示されていたようで、これを使えば、ドライバーの健康が急変したとき、アラームで起こしたり、自動運転に切り替えて路側に停車するなどが可能になります。

また光を使って周囲にメッセージを出したり、ドライバーの心理をAIが記憶して、適切な運転支援をしたり、情報提供をする車も展示されていたようです。

  今後どこまで進化するか楽しみでもありますが、基本はドライバーの運転技術とマナーが問われます。
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2017年11月17日

よもやま話

○今日は「将棋の日」

今日は「将棋の日」です。

江戸時代、将軍家は将棋を奨励し、徳川吉宗の時代、旧暦11月17日に江戸城の格式高い書院で名手の戦いを観覧したことに由来があるそうです。

藤井聡汰4段の快進撃に隠れた感はありますが、今年は後世に語り継がれる対局がありました。
コンピューターソフトPONANZAとの人間の最終決戦、電王戦がありました。

佐藤天彦名人が対峙しましたが、ペースを乱されたか、71手で投了しました。

「コンピューターがプロを負かす日が来るか」、1990年代にはプロ棋士は想定できなかったようです。
歴史的な驚きの出来事になりました。

日本の労働力の約5割が20年後、人口知能やロボットに替わるという調査結果があるようですが、現実味を感じます。


○貴州茅台酒
貴州茅台酒は、毛沢東がリチャード・ニクソン大統領をもてなし、周恩来が田中角栄首相をこの酒で接待したことで日本でも有名になりました。

実際中国ではしばしばお祝いの宴席で乾杯に用いられることなどから、名実ともに国酒といえます。

接待用の高級酒となりましたから、中国指導部による反腐敗運動のあおりで一時苦戦していましたが、低価格による大衆化で業績が大幅に回復しています。

貴州茅台酒の株価が大幅に続伸しているようです。


○観光促進税

政府は今夏から観光財源の確保に向けた税制を検討してきました。

観光インフラ整備の財源に充てるために出国者1人当たり千円を徴収する「出国税」でした。

年間で約4千万人ですから、単純計算で年400億円の財源が確保されるとになります。

自民党の観光立国調査会は、イメージがよくないとして、税の名称を「観光促進税」とする決議をしたようです。

確かに、名称はこの方がいいですし、財源を確保することで観光インフラが整備され、観光客が増えるという正のスパイラルで回っていくといいですね。
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2017年11月16日

日本橋が変わる


「日本橋が空を取り戻す!?」という動きがあります。

今、日本橋の上には、首都高速道路の高架がかかっていて、橋が覆われたような格好になっています。
これは、昭和39年に開催された東京オリンピックが関係しています。

当時は、経済効率を最優先する高度成長期、そしてオリンピックは、国の威信がかかった一大事業でした。

オリンピックまでに、何としても、首都高速道路を整備したいと、当時はそういう雰囲気で、このためには用地取得の手間が省ける、河川の上のルートが採用され、日本橋川の上に高架がかけらました。

当時の事情を考えれば、やむをえなかった面もあるでしょうが、結果的に、景観は著しく損なわれました。

この反省を込めて、首都高を地下に移して、日本橋の景観を一新しよう、いわば、空を取り戻そうというプロジェクトが、動き出しました。

日本橋といえば、江戸文化の象徴として、古くから親しまれてきましたから、現在の景観とのギャップは大きいと思います。

日本橋は、江戸時代の画家、歌川広重の絵に出てきます。

日本橋は、江戸幕府が開かれた1603年・慶長8年に架けられて、東海道、中山道、甲州道中、日光道
中、奥州道中のいわゆる五街道の起点でした。

橋は木造で、何度か、架け替えられましたが、明治44年に架け替えられた現在の石造りのアーチ橋は、国の重要文化財に指定されています。

相当な距離の高速道路の高架を取り壊して、その分、川沿いにトンネルを掘って、丸ごと移そうという大工事です。

日本橋が青空のもと、美しい姿を見せるようになって、川沿いに公園やレストラン、カフェが並ぶ親水空間ができれば、東京を代表する新たな観光名所になる可能性も十分にあります。

日本の都市景観を改善する象徴的な事業ですから、ぜひ実現してほしいものです。
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2017年11月15日

今どきの七五三

子どもの健やかな成長を願う「七五三」。

晴れ着を着て、家族そろって神社にお参りし、ちとせあめをもらって、写真館でパチリ…、そんな一日が定番でしたが、今では様子が変わってきています。

七五三は、乳幼児の死亡率が高かった昔、七五三の年齢まで育ったことに感謝し、その後の健やかな成長を願ったのが起源とされています。

江戸時代以降、今日、11月15日にお祝いするようになったと言われています。


神社でご祈とうをするともらえるのが「お下がり」と呼ばれるいただきものですが、これが今“進化”しているといいます。

ちとせあめの袋の中に、クレヨンや縄跳び、紙風船など子どもの喜ぶものがたくさん入っているそうで、神社によって様々です。

東京・千代田区の「日枝神社」は、5年前から、みこ姿のリカちゃん人形や、ミニカーなど、オリジナルの記念品を渡しています。

先日、孫がこの日枝神社にお参りに行きましたが、確かにミニカーが入っていました。

このように神社が力を入れるのには、理由があって、七五三詣でには、子どもだけでなく、両親と祖父母の大人6人など、大勢で来られることが多く、神社のことを知ってもらう絶好の機会になるといいます。


定番のちとせあめにも変化が見られます。

全国の神社からも注文を受け、年間200万本以上を作るという菓子メーカーの不二家では、ことしから新しい味のぶどう味とミックスジュース味が登場しました。


最近では、七五三詣でをするのはヒトだけではないようです。

東京・新宿区の市谷亀岡八幡宮は、以前からペットのためのお守りを扱っていましたが、飼い主からの要望を受けて、9年前からペットの七五三のご祈とうをするようになりました。

評判は口コミで広がり、神社によりますと、ペットの七五三の問い合わせは年々増え続け、ことしは去年より50件ほど多いおよそ400件のご祈とうを行い、中には、北海道や九州からペット連れで訪れる人もいるそうです。

9割は犬、次いで多いのは猫ですが、これまでに、うさぎや亀の七五三詣でもあったということです。
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2017年11月14日

筑後川流域視察

北部九州河川利用協会の理事をしていることもあり、今日は協会が持っている基金の運営委員会に出席しました。

会議の前に、ここ数年整備を進めてきた源流碑と先の九州北部豪雨の被災地を訪れました。

今の時期、山間部は紅葉がきれいでした。

今日見に行った源流碑は、小石原川源流碑と遠賀川源流碑でしたが、遠賀川源流碑の名版の文字は麻生副首相が書いたもので、なかなかの達筆でした。

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九州北部豪雨の被災地は、これから復旧・復興ということですが、赤谷川下流部は直轄代行施工で緊急復旧がだいぶ進んでいるようでした。
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一時期直轄不要論が出ていましたから、国の実力を示した形になってよかったのではないでしょうか。

基金運営委員会では、今年度の採択案件の進捗状況が示されましたが、それはさておき、NPO活動組織の広がり、組織の人材育成への支援など、基金運用にあたっての幅広い議論がなされたことは意義深いことでした。
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2017年11月13日

パラダイスペーパー

「パナマ文書」報道を手がけた「ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)」が、租税回避地(タックスヘイブン)に関する新たな文書を入手したようです。

新たな文書は、北大西洋の島イギリス領バミューダにある法律事務所などから流出したタックスヘイブンに関する膨大な量の電子ファイルで、ICIJは「税の楽園」になぞらえて「パラダイスペーパー」と名付けました。

この文書の分析で、アメリカのロス商務長官が実質的に出資する海運会社が、ロシアのプーチン大統領の親族らが役員を務める企業との取り引きで巨額の収入を得ていることがわかりました。

トランプ政権がいわゆる「ロシア疑惑」に揺れる中、その重要閣僚に対して、プーチン大統領に近いロシア企業から得られた利益の一部が流れる構図が浮かび上がりました。

アメリカで、去年の大統領選挙にロシアが干渉したとされるいわゆる「ロシア疑惑」の捜査が進む中、トランプ政権の重要閣僚とプーチン大統領に直結する人物らのビジネス上のつながりが明らかになったのは初めてです。

「パナマ文書」と同様、ドイツの南ドイツ新聞が入手し、ICIJと共有しましたが、入手した経緯や情報提供者について南ドイツ新聞は一切明らかにしていません。

ICIJと連携する世界67か国の96の報道機関が、およそ1年をかけてそれぞれの国での分析を進めてきました。

日本ではNHK、朝日新聞、共同通信が去年12月から日本に関する資料の分析や関係者への取材を連携して行いました。

プロジェクトのメンバーは自分の国で得られた情報を高度に暗号化した連絡手段を使って共有しながら世界一斉での報道に向けた取材を進めてきたようです。

ICIJは「パラダイスペーパー」の分析によって120人を超える世界各国の首脳や指導者、その関係者とタックスヘイブンとのつながりが判明したとしています。

イギリスでの分析ではエリザベス女王が2005年に「王族公領」と呼ばれる個人資産から750万ドル、現在の日本円で8億5000万円余りをケイマン諸島のファンドに投資し、3年後に36万ドル、およそ4000万円の配当を受けたことがわかりました。

日本では現職のすべての国会議員と過去数年間の国会議員関係者などを対象にNHK、朝日新聞、共同通信が分担して調査しました。

その結果、鳩山由紀夫元総理大臣など3人の元国会議員の名前が文書の中に見つかりましたが、現職の国会議員は確認されませんでした。

パラダイスペーパーに資料があった日本の企業や個人の数はこれまでに判明した分だけでも1000を超えます。

ことしイギリスのNGOなどが国連大学に示した報告書では、こうした租税回避によって世界全体で失われている税収が年間58兆円余りにのぼるとされていて、国別では日本は5兆円余りと、アメリカ、中国に次いで多いとされています。

日本はタックスヘイブン対策税制として日本の企業や個人が税率の低い国や地域に事業実態の乏しい法人を設立している場合、その法人の所得を日本国内の所得と合算して税務申告するよう義務づけていますが……。
posted by 川上義幸 at 19:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年11月10日

独身の日

明日11月11日は、いまや恒例となった中国での「独身の日」ですが、中国のインターネット通販の最大の商戦日です。

現地でネット通販各社による大規模な値引きセールが行われ、この日だけで少なくとも2兆円のお金が動く一大イベントになっていて、年を追うごとに盛況さが増しています。

この爆買いに象徴される、ネット通販を活用して海外の消費者に商品を直接販売する「越境EC」は、売り上げ拡大の切り札として日本の多くの企業が参入しています。

そんなネット爆買いの分野でいま、早くも中国に続く次の市場を掘り起こそうという動きが出てきています。

最大手のアリババ集団や2位の京東集団は中国国内にとどまらず海外の消費者にも目を向けています。

京東は11月1〜14日の期間、香港とマカオ、台湾で商品の郵送料を無料にし、アリババは今年初めて、中国の100以上のブランドを海外の消費者に提供します。

さらに傘下の東南アジアのネット通販大手ラザダを使い、11月11日から12月12日までセールを繰り広げ、東南アジアに多い中国系の住民の需要を取り込む狙いです。

また、その次の市場として、インドにも熱い視線が向けられ、日本の企業も進出を狙います。

なぜ、いま日本企業がこぞってインドのネット通販を目指すのかというと、それは今後、市場が爆発的に拡大すると見込まれているからにほかなりません。

インドの人口は現在13億人余りで、今後さらに増え、中国を上回ると予想されています。

しかし、小売店はほとんどが「パパママストア」と呼ばれる個人商店で、品ぞろえは不十分で、スーパーやショッピングモールは、あっても都市部に限られています。

その一方で、スマートフォンが普及し、アメリカのIT企業の調査では2014年からの5年間でスマホ台数が5倍近くに増えると試算されています。

特に農村部でスマホを使う人が顕著に増え、ネットを使えるすそ野が急速に拡大しているのです。

「近くに店が少なく品ぞろえも悪いとあれば、みんながスマホを使ってネット通販で買い物をするようになる」という訳です。
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2017年11月09日

久しぶりの大阪

今日は、大阪にあるわが会社の株主に九州重粒子線治療の現状について説明し、引き続きPR活動で支援をしていただくようお願いしてきました。

その会社は、JR大阪駅付近(梅田)にある阪急タワーの40階にあります。

地図上ではあたりをつけていましたので、目的地に簡単にたどり着けると思っていましたが、いざ大阪駅に降りて歩き出すと途中でわからなくなりました。

途中の15階までは80人乗りのエレベータで行くことになりますが、そもそもこんな大きなエレベーターは初めてでしたので、大阪の出張は迷子になったり驚いたりで大変でした。

実のところ大阪で、おいしいものでも食べてゆっくりしてこようと思っていましたが、急遽福岡で打ち合わせが入りましたので、あわただしくとんぼ返りとなりました。

新幹線に乗った時間が今日一日の多く占めることになりましたが、久しぶりの新幹線の乗車時間を本を読んだり楽しむことができました。

それにしても、山陽新幹線は乗客が多いですね。

自由席は満席です。

どうしても九州新幹線と比べてしまって、今の乗客数で大丈夫かなとちょっと心配になりました。
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2017年11月08日

トランプ氏の訪問

トランプ氏は日本、韓国を歴訪し、今日は中国に向かいました。

いつものことですが、韓国メディアには、2泊3日滞在し、安倍晋三首相とゴルフをともにして絆を深めた訪日と1泊だけとなった今回の訪韓を比較し、韓国の外交力不足を嘆く論調が目立つといいます。

韓国は相変わらず、何事も日本に先を越されると気が済まないようです。

韓国大統領府関係者は「訪日初日は日曜日で実質的な差はない」とか「国会演説をするのは韓国だけ」、「重要なのは中身」などとメディアをなだめるのに腐心していたようです。

そんな中、トランプ氏の長女で大統領補佐官のイバンカさんが訪日しましたが、韓国には来なかったことで、韓国をさらに落胆させたようです。

和食を楽しみ、安倍晋三首相と談笑するイバンカさん、そして安倍首相とゴルフを共にし、首脳会談や共同記者会見するトランプ氏…、日米友好の様子を詳しく伝える韓国の報道からは複雑な思いが伝わってきます。

晩さん会では、大統領府が公開したメニューには、巨済島産の焼きカレイやマツタケ釜飯、韓国産牛肉のカルビなどが並びました。

カレイはトランプ氏の好物とされ、南東端にある巨済島は文氏の出身地です。

異彩を放つのが「独島エビ」のあえ物で、「日本が領有権を主張する独島をわれわれが守るという意思を米側にアピールする狙いがある」ということです。

文政権側には、元慰安婦や独島エビを持ち出し、独自色を打ち出したことを国内向けにアピールしようという思惑が垣間見えますが、米首脳を歓待する場に、日本との“紛争の種”を持ち出したことは、外交非礼に当た
りかねないといえるようです。

米国の歴代政権は、同盟国である韓国と日本が歴史や領土問題で関係をこじらせることを最も嫌ってきましたので、今回、内向きのメッセージを国賓の接待の場に持ち込んだ文氏流の“おもてなし”を、トランプ氏がどう受けとめたのでしょうか。

隣国の日本との関係をどのように考えているのか、韓国の文政権の日本外交のかじ取りに不安を覚えざるを得ません。
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2017年11月07日

アジア湿地シンポジウム

第8回アジア湿地シンポジウムが佐賀市ホテルグランデはがくれで行われました。

午前中に開会式、基調講演が開催されたようですが、私は午後の有明海セッションから参加しました。

大学の先生、NPO 活動家、写真家など、9人の報告がなされ、私もその一人として発表することになりました。
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私は、有明海再生機構の活動概要を設立者の立場からお話をさせていただきました。

佐賀市では珍しい国際会議で、アジアの各国から来ていただき、会場は国際色豊かなものになりました。

年々、有明海に対して関心が薄れる中で、少しは市民に関心を持っていただいたでしょうか。
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2017年11月06日

クールジャパン

日本文化を海外に売り込むクールジャパン。

政府に、ブランド戦略を通じて経済成長につなげる狙いがあるといいます。

この活動を支援する官民ファンドのクールジャパン機構(CJ)の業績が芳しくないようです。

成長戦略という大義のもとに関連予算は拡大を続け、資金の振り向け先もなし崩し的に広がっているようです。

このためか、発足後4年間の投資24件中、決定後1年を超す事業の過半が収益などの計画を達成していないようです。

そもそも、クールジャパンの定義が明確でないことからカバー範囲があいまいになるという指摘もあります。

CJ機構設置の根拠法には「日本の生活文化の特色を生かした魅力ある商品・サービス」とだけ示されており、拡大解釈の余地を残しています。

政府全体のクールジャパン予算も膨らんでおり、「国策」のクールジャパンを掲げれば予算が得やすくなるということで、各省庁は軒並み事業増額を求めています。

専門家は、「日本の競争力がある分野を見極める必要がある。伝統工芸などに対象を広げすぎると、単なる輸出支援に終わる」と危惧し、総花的な戦略は無駄遣いの温床になると指摘します。

クールジャパンの個別事業について効果の検証が必要のようです。
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2017年11月05日

卒業40周年同窓会

九大土木系の卒業40周年同窓会が昨日、昭和52年卒の半分の40数名が参加し、原鶴温泉六峰館で盛大に開催されました。

夜の部の前に、有志でゴルフコンペも行われ、14名が体力の衰えを昔培った技術でカバーし、18ホールを競いました。

結果は、何と私が優勝。

九大バレー部のコンペに続き2連勝しました。

スコアは、アウト49、イン49、トータル98の褒められたものではありませんでしたが、ダブルペリア方式に助けられ、ハンディ25をもらったのが効きました。

オーナーは2回だけしか取れず、メンバー4名の中で常に後塵を拝していましたので、まさかの優勝に驚きでした。

宴会では、各研究室ごとに自己紹介、ゴルフコンペの表彰式(なぜか私が表彰者)と楽しいひと時があっという間に過ぎていきました。

幹事室で行われた2次会にはほとんどのものが参加し、なぜかおいしい酒が多く用意されていたものですから、ついつい飲んでしまいました。

途中からはテレビをつけてホークス観戦となり、みんなで熱い応援に興じました。

劇的な逆転に皆が酔いしれました。

それにしても、今回の同窓会で感じたこと、皆さん老けましたね。

  私なんか、髪の毛が黒く残っている方でしたが、初老を感じさせる同窓会となりました。
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2017年11月04日

博多千年煌夜

博多には、久の歴史と伝統を語り継ぐ数々の寺や神社があります。

それらに照明を施し、奥深い魅力を浮かび上がらせるのが、今年で12回目となる「博多ライトアップウォーク2017千年煌夜(こうや)」です。

博多がこれからもずっときらめく街であるように、という思いが込められています。

2017年のライティングテーマは、ユネスコ無形文化遺産にも登録された博多の神事「博多祇園山笠」です。

今年の博多祇園山笠で博多の街を駆け抜けた七番山笠東流の舁き山「〇△□宏仁照花(マルサンカクシカクコウジンハナヲテラス)が承天寺に展示されていました。

一番人気の玄界灘を表現した承天寺の石庭や東長寺の山門・六角堂をはじめ趣向を凝らしたライティングによる情緒あふれる景観は、息をのむような美しさがあります。
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昼間からは、創造できない全く異なるたたずまいは感動を呼び起こします。

昨夜は、1時間待ちの承天寺、30分待ちの円覚寺、妙楽寺を訪れました。
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2017年11月03日

がんサバイバー

国民の2人に1人はがんになる時代です。

身近な病気となったいま、課題となっているのが“がんサバイバー”への支援です。

がんサバイバーというのはあまり聞きなれませんが、がんと診断されたことのある人たちのことで、患者団体や支援団体の間で使われています。

語源となっているラテン語には「超えて生きる」という意味があることから、がんになった後に直面する課題を乗り越えて生きていく、がんに支配されないで生きていくという思いもこめられています。

がんサバイバーの方への支援、今何が課題になっているかというと、日本のがん対策は10年前に法律が施行され、社会全体でがんを克服していこうという動きが始まりました。

この間、全国に専門的な治療を行う拠点病院がつくられ、一定以上の治療が受けられる体制は整ってきました。

一方で、がんになったあと治療を受けながら普通の生活を送るための支援は取り残されています。

先日、閣議決定された今後6年間のがん対策の指針となる計画では初めてサバイバーへの支援が明記されました。

いま、患者の3人に1人は働く世代の人たちですので、治療と仕事をどうやって両立させていくのかが大きな課題となっています。

がんと診断された後仕事をやめた人の割合ですが、平成15年の時点で34.7%でした。

これが10年経ってもほとんど変わっていません。

さらに、どの段階で仕事をやめているのかというと、治療が始まる前と答えた人が実に4割を超えています。

ですから、希望する人が治療と仕事の両立をかなえるための制度の充実も欠かせません。

治療に専念できるような休暇制度に加え、通院しながら仕事をすることができるよう、時間単位での有給休暇制度や、治療の副作用で体がだるいといったこともありますので、短時間勤務や自宅で仕事ができるようなしくみが必要です。

国はこうした勤務制度を導入した企業に対して今年度から助成金を支給しています。

さらに、今後は、治療と仕事の両立を後押しするコーディネーターの養成も計画しています。
このコーディネーターは、患者さんの希望を聞きながら、医療機関、そして企業の間を橋渡しする役割を担います。

がんのサバイバーへの支援は、様々な事情を抱えた人、その多様性をどう受け入れ、いかしていくのか改めて考えるきっかけになると思います。

いずれにしても、九州重粒子線がん治療に関わらせていますから、がんに対する関心が今まで以上に高まってきたように感じます。
posted by 川上義幸 at 15:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記