今日、九州北部、四国、中国地方の梅雨明けが発表されました。
九州北部の梅雨明けは、平年より11日ほど遅く、昨年より5日遅くなりました。
期間が長かったこと、梅雨前線の停滞が長く続いたことにより、「令和2年7月豪雨」を引き起こすなど記録的な大雨に見舞われ、梅雨期間中の降水量は軒並み平年の2倍前後に達しました。
佐賀で平年の270%に相当する1624.5mmを観測していますし、福岡では同233%の1114.5mmを記録しました。
この先は、高気圧に覆われて、日差しの届く日が続くようで、最高気温は連日30℃を超え、暑い日が続き、熱中症や強い紫外線に十分注意する必要があります。
一方、東日本や北日本には上空の寒気が流れ込みやすく、大気の状態が不安定になる日が続くため、東海や関東甲信地方などの梅雨明けは8月に持ち越しとなると見られています。
ところで、お隣の中国ですが、長江の水を堰き止める世界最大の水力発電施設「三峡ダム」が、まだ豪雨により決壊の危機に瀕しています。
現地メディアの報道によれば、警戒水位を大幅に上回っているといいます。
放流量よりも流入量が多く、毎秒1万7800㎥ずつ水を溜め込んでいる状況で、ダムにかなりの負荷がかかっていると予測されます。
近辺では微震が続いているようで、ダムの地盤にかなりの重圧がかかっている模様です。
いまインターネット上には2018年に撮影された三峡ダムの堤防が歪んでいる写真が拡散し、構造的な不具合や手抜き工事の可能性も指摘されて不安を煽っています。
さらに6月11日には、中国水利省の次官が、「ブラックスワン(予測不能な事態)が起こるかもしれない」と発言し、大きな波紋を呼びました。
ある専門家は、「他のダムも連鎖的に崩壊し、長江流域に住む3億〜6億人が被災することになります。下流にある武漢、南京、上海にまで間違いなく水は流れ込み、都市機能はマヒします。流域のこのエリアは中国のGDPの約半分を占めており、経済的損失は計り知れず、また数十万規模の死者が出る可能性を否定できません。しかも三峡ダムは中国の年間消費電力の1割を発電しています。その点でも被害は甚大です。公開されている情報は少ないですが、『ブラックスワン発言』もあり、いまは楽観できる状況ではないということは、はっきり言えます」は三峡ダムの決壊による最悪のシナリオの可能性に言及しています。
日本と同様に、大雨が峠を越すといいのですが。
2020年07月30日
2020年07月29日
三峡ダムの安全性
中国南部の長江(揚子江)上流地域が再び水に浸る危機に直面しています。
今年に入って3回目で、2カ月間降り続いている大雨で少なくとも150人余りが命を失ったといわれています。
そのような中、長江中流に位置した三峡ダムは依然として崩壊説がささやかれています。
シミュレーションを見ると 上流から水が押し寄せているため三峡ダム崩壊説も弱まらないままです。
前日、中国SNSでは「三峡ダム崩壊模擬テスト」という題名のシミュレーション映像も拡散していました。
映像によると、三峡ダムが崩壊する場合、50キロメートルを離れた宜昌市は30分間で深さ10メートルの水に浸り、武漢市一帯は深さ5メートルの水に浸ることが明らかになっているようです。
中国政府は「三峡ダム崩壊説は虚言だ。三峡ダムは500年間崩れることはない」とし、崩壊説を鎮めるために手を尽くしているようで、中国SNSで拡散したシミュレーション映像のリンクも遮断しました。
「三峡ダム」は上流からの流入水を引き続き放流していますが、ダムの水位も上昇していて、昨日の午前8時段階でダムの水位は162.45メートルを記録しました。
洪水統制水位である145メートルを超えてすでに久しく、ダム最高水位である175メートルもわずか12メートルを残すまでに至っています。
三峡ダムは19日にも水位が163.85メートルまで上昇したことがあります。
中国水利当局は1秒あたり3万8000トンの水を放流しながら三峡ダムの水位調節にあたっていますが、流入量は1秒あたり6万トンで、排出量の倍近くになっていて、水位上昇が懸念されているわけです。
すでに湖北、安徽など、長江の中・下流地域は、甚大な洪水被害を受けていますから、これ以上の放水は下流の被害を助長します。
25日時点でこの2地域では5人が亡くなり、6万5100人が緊急避難し、また、住宅954軒が崩壊するなど3億6000万元の経済的被害が発生しています。
習近平執行部にとって頭が痛い話です。
今年に入って3回目で、2カ月間降り続いている大雨で少なくとも150人余りが命を失ったといわれています。
そのような中、長江中流に位置した三峡ダムは依然として崩壊説がささやかれています。
シミュレーションを見ると 上流から水が押し寄せているため三峡ダム崩壊説も弱まらないままです。
前日、中国SNSでは「三峡ダム崩壊模擬テスト」という題名のシミュレーション映像も拡散していました。
映像によると、三峡ダムが崩壊する場合、50キロメートルを離れた宜昌市は30分間で深さ10メートルの水に浸り、武漢市一帯は深さ5メートルの水に浸ることが明らかになっているようです。
中国政府は「三峡ダム崩壊説は虚言だ。三峡ダムは500年間崩れることはない」とし、崩壊説を鎮めるために手を尽くしているようで、中国SNSで拡散したシミュレーション映像のリンクも遮断しました。
「三峡ダム」は上流からの流入水を引き続き放流していますが、ダムの水位も上昇していて、昨日の午前8時段階でダムの水位は162.45メートルを記録しました。
洪水統制水位である145メートルを超えてすでに久しく、ダム最高水位である175メートルもわずか12メートルを残すまでに至っています。
三峡ダムは19日にも水位が163.85メートルまで上昇したことがあります。
中国水利当局は1秒あたり3万8000トンの水を放流しながら三峡ダムの水位調節にあたっていますが、流入量は1秒あたり6万トンで、排出量の倍近くになっていて、水位上昇が懸念されているわけです。
すでに湖北、安徽など、長江の中・下流地域は、甚大な洪水被害を受けていますから、これ以上の放水は下流の被害を助長します。
25日時点でこの2地域では5人が亡くなり、6万5100人が緊急避難し、また、住宅954軒が崩壊するなど3億6000万元の経済的被害が発生しています。
習近平執行部にとって頭が痛い話です。
2020年07月28日
コロナによる教育危機
世界の学校再開の歩みが遅く、過半数の107ヵ国・地域が今も新型コロナウィルス感染拡大を防ぐための全面休校を続けています。
対面授業の不足を補うオンライン授業ができない低所得国や中所得国が多く、広がる教育の危機が世界的な問題となっていて、将来が心配です。
感染をいち早く抑えたオーストラリアやベトナムに続き、日本も6月にかけて再開するなど正常化の動きも出てきましたが、世界ではまだまだ少数派となっています。
ユネスコの調査では、49ヵ国・地域の全体の23%にすぎません。
全面休校を続ける国・地域は51%となお半数を占めるようです。
長すぎる休みの代償は大きく、教育機会に乏しい低所得世帯の子供の学習が遅れることが懸念されています。
世界銀行は有効な手を打たないと、5か月間の学校閉鎖が子供たちの生涯収入を10兆ドル低下させかねないと推計しています。
打撃はオンライン授業の実施率が低いアフリカや中南米に多い低所得国と低位の中所得国でより深刻です。
日本はというと、オンライン授業が小学校で8%、中学校で1割にとどまっており、感染拡大で再び休校を迫られる恐れがある中で、2020年度中の必要な授業の終了が危ぶまれています。
教育は未来への投資そのものですから、コロナで子供たちの将来の可能性と豊かさを奪い取ることは避けたいものです。
対面授業の不足を補うオンライン授業ができない低所得国や中所得国が多く、広がる教育の危機が世界的な問題となっていて、将来が心配です。
感染をいち早く抑えたオーストラリアやベトナムに続き、日本も6月にかけて再開するなど正常化の動きも出てきましたが、世界ではまだまだ少数派となっています。
ユネスコの調査では、49ヵ国・地域の全体の23%にすぎません。
全面休校を続ける国・地域は51%となお半数を占めるようです。
長すぎる休みの代償は大きく、教育機会に乏しい低所得世帯の子供の学習が遅れることが懸念されています。
世界銀行は有効な手を打たないと、5か月間の学校閉鎖が子供たちの生涯収入を10兆ドル低下させかねないと推計しています。
打撃はオンライン授業の実施率が低いアフリカや中南米に多い低所得国と低位の中所得国でより深刻です。
日本はというと、オンライン授業が小学校で8%、中学校で1割にとどまっており、感染拡大で再び休校を迫られる恐れがある中で、2020年度中の必要な授業の終了が危ぶまれています。
教育は未来への投資そのものですから、コロナで子供たちの将来の可能性と豊かさを奪い取ることは避けたいものです。
2020年07月26日
感染再拡大に備え、懸念への対応
新型コロナウィルス感染の再拡大が顕著になってきました。
その備えに対して、体制の再点検が必要のようです。
まずはデジタル化の推進で、感染情報を共有する国の新システム『HER-SYS(ハーシス)』は、緊急事態宣言が全面解除された5月末に稼働しました。
医療機関などが感染者の発生や入退院、症状の重さ、行動歴といったデータを直接入力し、国と都道府県が共有・分析することができます。
感染状況をリアルタイムで把握できるので、迅速な政策判断に役立つほか、濃厚接触者などの対応で他の自治体と連携しやいということが言われています。
保健所が医療機関と電話やファックスでやり取りする従来の業務の効率化も期待されています。
ただ問題なのは、新規感染の半分を占める東京都と大阪府が参加せず、過半数の情報を欠くなかでの運用になっており、全国の感染動向を迅速に把握できていません。
東京都は5日連続で200人を上回る状態で、医療現場や保健所が多忙となり新システム移行に踏み切りにくい側面があるものの、導入する意向はありますから早期に導入にもっていっていただきたいものです。
もう一つは、都市部を中心に陽性率が上昇していることが懸念されます。
検査網を広げると、陽性率は下がるとされていますが、都内では5月下旬の1%台から7月16日以降は6%台が続き、大阪でも7日で8%に達しています。
次に、無症状者や軽症者の一部など、ホテルや自宅で療養する人を除く入院者数が増えているのも気になります。
新型コロナは発症から10日ほどで重症化する傾向にあるようで、全国で4月に重症者が最も増えたのは同月下旬に入ってからと、新規感染者がピークを迎えて1週間ほど経過した後でした。
需要を見誤ると、瞬時に医療崩壊につながるだけに、政府と都道府県はこれまでの経験も活かしつつ連携を密にして、国民を巻き込んで情報交換や対策を適確に行ってほしいものです。
その備えに対して、体制の再点検が必要のようです。
まずはデジタル化の推進で、感染情報を共有する国の新システム『HER-SYS(ハーシス)』は、緊急事態宣言が全面解除された5月末に稼働しました。
医療機関などが感染者の発生や入退院、症状の重さ、行動歴といったデータを直接入力し、国と都道府県が共有・分析することができます。
感染状況をリアルタイムで把握できるので、迅速な政策判断に役立つほか、濃厚接触者などの対応で他の自治体と連携しやいということが言われています。
保健所が医療機関と電話やファックスでやり取りする従来の業務の効率化も期待されています。
ただ問題なのは、新規感染の半分を占める東京都と大阪府が参加せず、過半数の情報を欠くなかでの運用になっており、全国の感染動向を迅速に把握できていません。
東京都は5日連続で200人を上回る状態で、医療現場や保健所が多忙となり新システム移行に踏み切りにくい側面があるものの、導入する意向はありますから早期に導入にもっていっていただきたいものです。
もう一つは、都市部を中心に陽性率が上昇していることが懸念されます。
検査網を広げると、陽性率は下がるとされていますが、都内では5月下旬の1%台から7月16日以降は6%台が続き、大阪でも7日で8%に達しています。
次に、無症状者や軽症者の一部など、ホテルや自宅で療養する人を除く入院者数が増えているのも気になります。
新型コロナは発症から10日ほどで重症化する傾向にあるようで、全国で4月に重症者が最も増えたのは同月下旬に入ってからと、新規感染者がピークを迎えて1週間ほど経過した後でした。
需要を見誤ると、瞬時に医療崩壊につながるだけに、政府と都道府県はこれまでの経験も活かしつつ連携を密にして、国民を巻き込んで情報交換や対策を適確に行ってほしいものです。
2020年07月25日
中国VSファイブアイズ
香港問題や新型コロナウイルス感染の拡大、中国通信機器ファーウェイに関する議論などを巡り、英国が中国に対し対決姿勢を強めています。
オーストラリアやカナダなどもこれまでにないほど対中姿勢を硬化させており、英国との連携強化を図っているようです。
英国とこの2国に米国、ニュージーランドを加えた5カ国は、互いの情報機関同士が情報共有を進める「ファイブアイズ」という枠組みをつくり、「中国VSファイブアイズ」という対立構図が形成されつつあります。
「中国VSファイブアイズ」という対立構図は、一時的なものなのか、それとも「ポストコロナ」の世界で新たな「冷戦」構造にまで発展するのかわかりません。
そもそも今回の中国の新型コロナウイルス感染症への対応をめぐり、中国の初期対応が後手に回ったこと、および情報開示が十分でなかったことなどから、米国をはじめ各国において中国に対するイメージが悪化しています。
そうした中、中国はコロナウイルスの制圧に成功したと喧伝する一方、世界各国に医療物資や医師団を送るいわゆる「マスク外交」を展開し、自国のイメージ回復に躍起になりました。
また、Twitterを駆使し中国外交部報道官が自身のTwitterアカウントで諸外国の世論に働きかけ、さらには習近平国家主席自らが各国首脳に電話攻勢をかけるなど、世界のリーダーとして振舞おうと必死さが垣間見えます。
しかし、中国の攻勢は空転し、むしろ世界の反発を買う結果となっています。
伝統的な政府対政府の外交とは異なり,広報や文化交流を通じて,民間とも連携しながら,外国の国民や世論に直接働きかける外交活動のことを「パブリック・ディプロマシー」といいますが、中国はまさに「パブリック・ディプロマシー」を展開しているようですが、これまで度々、プロパガンダと呼ばれてきました。
中国のパブリック・ディプロマシーは、他国に対する世論工作は中国共産党中央宣伝部をはじめ、統一戦線工作部、そして外交官らによって行われており、中国語や中国文化の普及活動をはじめ多彩なメディア戦略等を用いて、時には他国批判も行いつつ、国際社会に対する情報を制限し他国に対して威嚇的なメッセージを発信してきました。
中国は、新型コロナウイルスをめぐり、「戦狼外交」や「最後通牒外交 」といった強硬な外交を加速させているように見受けられます。
ファイイブアイズの動きを見ていると、中国からの脅威を感じる中、米国は頼りにならない、権益を守るために地域で新たなパートナーを探し始めているように感じます。
中国との貿易や中国からの投資を無視することはどの国にとっても、もちろん難しい問題です。
それが分かっているからこそ、中国は強気な姿勢で経済をカードに各国への圧力を強めています。
しかし、コロナ禍はマスクや感染防護具などの医療器具をとってみても、輸入を極端に中国に依存していることの弊害を各国に気づかせましたし、香港問題では、民主主義を根本原理に据える多くの国にとって、中国の振る舞いが自分たちの基本理念に容易に抵触することを強く印象づけました。
ファイブアイズの結束をこれまでになく強めているのも、中国側の「戦狼外交」であることは確かなようです。
オーストラリアやカナダなどもこれまでにないほど対中姿勢を硬化させており、英国との連携強化を図っているようです。
英国とこの2国に米国、ニュージーランドを加えた5カ国は、互いの情報機関同士が情報共有を進める「ファイブアイズ」という枠組みをつくり、「中国VSファイブアイズ」という対立構図が形成されつつあります。
「中国VSファイブアイズ」という対立構図は、一時的なものなのか、それとも「ポストコロナ」の世界で新たな「冷戦」構造にまで発展するのかわかりません。
そもそも今回の中国の新型コロナウイルス感染症への対応をめぐり、中国の初期対応が後手に回ったこと、および情報開示が十分でなかったことなどから、米国をはじめ各国において中国に対するイメージが悪化しています。
そうした中、中国はコロナウイルスの制圧に成功したと喧伝する一方、世界各国に医療物資や医師団を送るいわゆる「マスク外交」を展開し、自国のイメージ回復に躍起になりました。
また、Twitterを駆使し中国外交部報道官が自身のTwitterアカウントで諸外国の世論に働きかけ、さらには習近平国家主席自らが各国首脳に電話攻勢をかけるなど、世界のリーダーとして振舞おうと必死さが垣間見えます。
しかし、中国の攻勢は空転し、むしろ世界の反発を買う結果となっています。
伝統的な政府対政府の外交とは異なり,広報や文化交流を通じて,民間とも連携しながら,外国の国民や世論に直接働きかける外交活動のことを「パブリック・ディプロマシー」といいますが、中国はまさに「パブリック・ディプロマシー」を展開しているようですが、これまで度々、プロパガンダと呼ばれてきました。
中国のパブリック・ディプロマシーは、他国に対する世論工作は中国共産党中央宣伝部をはじめ、統一戦線工作部、そして外交官らによって行われており、中国語や中国文化の普及活動をはじめ多彩なメディア戦略等を用いて、時には他国批判も行いつつ、国際社会に対する情報を制限し他国に対して威嚇的なメッセージを発信してきました。
中国は、新型コロナウイルスをめぐり、「戦狼外交」や「最後通牒外交 」といった強硬な外交を加速させているように見受けられます。
ファイイブアイズの動きを見ていると、中国からの脅威を感じる中、米国は頼りにならない、権益を守るために地域で新たなパートナーを探し始めているように感じます。
中国との貿易や中国からの投資を無視することはどの国にとっても、もちろん難しい問題です。
それが分かっているからこそ、中国は強気な姿勢で経済をカードに各国への圧力を強めています。
しかし、コロナ禍はマスクや感染防護具などの医療器具をとってみても、輸入を極端に中国に依存していることの弊害を各国に気づかせましたし、香港問題では、民主主義を根本原理に据える多くの国にとって、中国の振る舞いが自分たちの基本理念に容易に抵触することを強く印象づけました。
ファイブアイズの結束をこれまでになく強めているのも、中国側の「戦狼外交」であることは確かなようです。
2020年07月23日
中国の今年の豪雨と三峡ダム
今年の豪雨では、「2万8000軒の住宅と3800万人の住民が程度の差こそあれ、被害を受けた」と被害の状況が報じられています。
中国では夏に洪水が起こるのはめずらしくありませんし、とくに、いくつもの地方を横断して流れる長江流域ではよく洪水が起こっています。
今回は習近平首席自らが地元当局と軍への出動を要請したことから、事態の深刻さがみてとれます。
政府広報によれば、“洪水の制御がきわめて重要となる時期に入った”と習近平主席は強調し、そして、“共産党の全委員会と関係当局はすべてのレベルで、各自の使命に勇猛に邁進しなければならない”と述べたといいます。
また、中国メディアがこの災害を最小限にしか報道しない事実は、この問題がセンシティブであることを示していますし、憶測として三峡ダム決壊説につながります。
中国湖北省宜昌市にある三峡ダムは世界最大規模で、ダムの長さは全体で2.3キロにのぼります。
貯水容量は390億トンと、日本全体のダムの湛水量とほぼ同じで、水力発電量も世界最大規模です。
1994年に着工し、15年後の2009年に完工しました。
20日午前、三峡ダムの水位は約165メートルと、最高水位の175メートルまで残りわずか10メートルとなり、中国オンライン上では三峡ダム決壊説が出ているとか。
三峡ダムの上流・下流地域ともに豪雨で洪水が発生しており、ダムの放水量を増やせば、下流地域がさらに増水して被害が拡大しますし、 放流量を減らせば、上流地域で被害が増えることになります。
三峡ダム付近にある大規模な貯水量を誇る洞庭湖とハ陽湖もすでに満水状態です。
このような状況にある三峡ダムは、氾濫、いや、決壊を憂慮し、世界が注目しています。
三峡ダムが2008年に試験貯水を始めた当時から手抜き工事の懸念があった点も心配に輪をかけています。
そして、三峡ダムには長期にわたり上流から流れてくる大量の土砂が底に積もり、ダムの水門をふさいで緑藻が発生し、ねばっこい雑草とゴミが混ざっているといい、この問題について中国政府も解決策を見いだせない状況のようです。
仮に、三峡ダムが決壊すれば、あふれる水で周辺の多くの都市と農村が水没するおそれがあり、長江が流れる安徽・江西・浙江・江蘇省の穀倉地帯が埋没し、食料難を迎えることも考えられます。上海、南京、蘇州など東部の大都市にも致命打となるでしょうし、この地域の約4億−6億人の住民が被災者になるかもしれません。
中国国内総生産(GDP)の約40%を占める地域が水没すれば中国経済への影響は甚大です。
10年前の三峡ダムの運用開始の際、中国当局は過去1万年で最悪の洪水にも耐えられるダムだと言ったそう
で、これは全体主義体制に特有の表現です。
コロナのこともあり、中国の今後の動静を注意深く見ていくことが必要のようです。
中国では夏に洪水が起こるのはめずらしくありませんし、とくに、いくつもの地方を横断して流れる長江流域ではよく洪水が起こっています。
今回は習近平首席自らが地元当局と軍への出動を要請したことから、事態の深刻さがみてとれます。
政府広報によれば、“洪水の制御がきわめて重要となる時期に入った”と習近平主席は強調し、そして、“共産党の全委員会と関係当局はすべてのレベルで、各自の使命に勇猛に邁進しなければならない”と述べたといいます。
また、中国メディアがこの災害を最小限にしか報道しない事実は、この問題がセンシティブであることを示していますし、憶測として三峡ダム決壊説につながります。
中国湖北省宜昌市にある三峡ダムは世界最大規模で、ダムの長さは全体で2.3キロにのぼります。
貯水容量は390億トンと、日本全体のダムの湛水量とほぼ同じで、水力発電量も世界最大規模です。
1994年に着工し、15年後の2009年に完工しました。
20日午前、三峡ダムの水位は約165メートルと、最高水位の175メートルまで残りわずか10メートルとなり、中国オンライン上では三峡ダム決壊説が出ているとか。
三峡ダムの上流・下流地域ともに豪雨で洪水が発生しており、ダムの放水量を増やせば、下流地域がさらに増水して被害が拡大しますし、 放流量を減らせば、上流地域で被害が増えることになります。
三峡ダム付近にある大規模な貯水量を誇る洞庭湖とハ陽湖もすでに満水状態です。
このような状況にある三峡ダムは、氾濫、いや、決壊を憂慮し、世界が注目しています。
三峡ダムが2008年に試験貯水を始めた当時から手抜き工事の懸念があった点も心配に輪をかけています。
そして、三峡ダムには長期にわたり上流から流れてくる大量の土砂が底に積もり、ダムの水門をふさいで緑藻が発生し、ねばっこい雑草とゴミが混ざっているといい、この問題について中国政府も解決策を見いだせない状況のようです。
仮に、三峡ダムが決壊すれば、あふれる水で周辺の多くの都市と農村が水没するおそれがあり、長江が流れる安徽・江西・浙江・江蘇省の穀倉地帯が埋没し、食料難を迎えることも考えられます。上海、南京、蘇州など東部の大都市にも致命打となるでしょうし、この地域の約4億−6億人の住民が被災者になるかもしれません。
中国国内総生産(GDP)の約40%を占める地域が水没すれば中国経済への影響は甚大です。
10年前の三峡ダムの運用開始の際、中国当局は過去1万年で最悪の洪水にも耐えられるダムだと言ったそう
で、これは全体主義体制に特有の表現です。
コロナのこともあり、中国の今後の動静を注意深く見ていくことが必要のようです。
2020年07月21日
土用の丑の日
今日は、土用の丑の日です。
日本人はウナギが大好きで、スーパーマーケットの店頭に、「土用の丑の日」のキャッチコピーと共にウナギが並んだようです。
ここしばらく、シラスウナギの減少で、価格が高騰していましたが、今年は幾分値を下げましたので、多くの人が土用の丑の日にウナギを食したのではないでしょうか。
私は昨日、ちょっと高めのうな重をいただきました。
そもそも土用の丑の日とは何の日でしょうか。
まず、「土用」は立夏・立秋・立冬・立春直前の約18日間の「期間」を示す言葉で、”土用の丑の日”とは、土用の期間におとずれる丑の日の事を指しています。
立夏・立秋・立冬・立春それぞれに土用がありますので、土用の丑の日は「季節の変わり目」といえます。
2019年は夏に土用の丑の日が1回だけで、7月27日(土)が「一の丑」です。
そして2020年は夏に土用の丑の日が2回あり、この場合は7月21日を「一の丑」、8月2日を「二の丑」と呼びます。
昔から体調を崩しやすい夏にはウナギを食べて栄養をたっぷり摂ろうという考えがあったようで、いま土用の丑の日にウナギを食べるのも、土用の丑の日は季節の変わり目にあたる為に体調を崩しやすいので、合理的と言えます。
実際、ウナギにはビタミンAやビタミンB群など、疲労回復や食欲増進に効果的な成分が多く含まれています。
夏バテ防止にはピッタリの食材いえるでしょう。
ウナギを食べる習慣が一般にも広まったのは1700年代後半、江戸時代と言われています。
一説によれば「夏に売り上げが落ちる」と鰻屋から相談を受けた蘭学者の平賀源内が、店先に
『「本日丑の日」、土用の丑の日うなぎの日、食すれば夏負けすることなし』
という看板を立てたら大繁盛したことで、ほかのウナギ屋もマネするようになったとか。
いずれにしても、今年の夏もウナギを食べて乗り切りましょう!
日本人はウナギが大好きで、スーパーマーケットの店頭に、「土用の丑の日」のキャッチコピーと共にウナギが並んだようです。
ここしばらく、シラスウナギの減少で、価格が高騰していましたが、今年は幾分値を下げましたので、多くの人が土用の丑の日にウナギを食したのではないでしょうか。
私は昨日、ちょっと高めのうな重をいただきました。
そもそも土用の丑の日とは何の日でしょうか。
まず、「土用」は立夏・立秋・立冬・立春直前の約18日間の「期間」を示す言葉で、”土用の丑の日”とは、土用の期間におとずれる丑の日の事を指しています。
立夏・立秋・立冬・立春それぞれに土用がありますので、土用の丑の日は「季節の変わり目」といえます。
2019年は夏に土用の丑の日が1回だけで、7月27日(土)が「一の丑」です。
そして2020年は夏に土用の丑の日が2回あり、この場合は7月21日を「一の丑」、8月2日を「二の丑」と呼びます。
昔から体調を崩しやすい夏にはウナギを食べて栄養をたっぷり摂ろうという考えがあったようで、いま土用の丑の日にウナギを食べるのも、土用の丑の日は季節の変わり目にあたる為に体調を崩しやすいので、合理的と言えます。
実際、ウナギにはビタミンAやビタミンB群など、疲労回復や食欲増進に効果的な成分が多く含まれています。
夏バテ防止にはピッタリの食材いえるでしょう。
ウナギを食べる習慣が一般にも広まったのは1700年代後半、江戸時代と言われています。
一説によれば「夏に売り上げが落ちる」と鰻屋から相談を受けた蘭学者の平賀源内が、店先に
『「本日丑の日」、土用の丑の日うなぎの日、食すれば夏負けすることなし』
という看板を立てたら大繁盛したことで、ほかのウナギ屋もマネするようになったとか。
いずれにしても、今年の夏もウナギを食べて乗り切りましょう!
2020年07月19日
文在寅大統領の公平感から生まれた不公平
韓国の玄関とも言われる仁川国際空港。
それを運営する仁川国際空港公社は、韓国を代表する公企業で、高水準の年俸(平均8800万ウォン=約780万円)に加え、充実した福利厚生、雇用の保証などで知られています。
大学生が入社を希望する会社ランキングでも、2018年から3年連続で1位に輝いている「夢の職場」となっています。
人気の高さ故に入社するための競争は熾烈となっており、その競争率は2019年を見ると187倍で、毎年100倍を軽く超えています。
もちろん、TOEICの点数はほぼ満点でなければならないし、有名大学卒という肩書でも突破が難しい難関です。
去る6月22日、韓国のインターネットが騒然となりました。
公社の非正規職員のうち、1900人を正規職に雇用転換するという発表があり、「内紛」が起きたからです。
今回、正規職に転換されることが決まったのは保安検査員です。
彼らは求人サイトなどを通じて採用された人たちで、採用条件は、高卒以上、年齢不問、資格不問であり、単純業務を行うことを前提に雇用されていることがうかがえます。
彼らの立場から見れば、仁川国際空港公社に正規職として採用されることは、それこそ「夢」のような出来事だったでしょう。
一方で、この決定をよしとしない人たちがいて、正規職として入社した人たちです。
夢の職場へ入るために何年間も勉強し、努力を重ねてようやく入社が認められた人たちからすれば、非正規職員たちが一日にしてシンデレラストーリーのように、突然「同僚」になることは、とうてい容認できない出来事だったに違いありません。
両者間の溝は、22日に仁川空港職員らによる団体チャットルームでの口論がインターネット上に公開されたことでより深刻化しました。
非正規職員の転換に対し、正規職員が「金を払って学校に通って、TOEIC、TOEFLの点数を取るために懸命に勉強してきたことは何だったんだ」と、虚無感の交じったいら立ちをぶつけると、非正規職員たちは「誰が勉強
しろと言った? あなたの選択だろう?」「いい大学出ても給料はわれわれと同じ」と、皮肉で返したといいます。
この内容が公開されると、公社への入社を目標に勉強している人たちから、公社に対する失望、怒りの声が相次いだといいます。
ところで、このように、内部の反対や対立を生んだ正規職転換はなぜ起こったのかというと、事の発端は就任わずか3日目の文在寅大統領が、仁川国際空港を電撃訪問し、非正規職員を正規職化すると約束したことにあります。
それから3年間、進展がなかったため、非正規職員たちは「大統領の約束を守れ」と怒っていたのですが、今回の決定によりようやく大統領の約束が実現したということです。
多分に支持率の低下が影響しているのではないでしょうか。
それを運営する仁川国際空港公社は、韓国を代表する公企業で、高水準の年俸(平均8800万ウォン=約780万円)に加え、充実した福利厚生、雇用の保証などで知られています。
大学生が入社を希望する会社ランキングでも、2018年から3年連続で1位に輝いている「夢の職場」となっています。
人気の高さ故に入社するための競争は熾烈となっており、その競争率は2019年を見ると187倍で、毎年100倍を軽く超えています。
もちろん、TOEICの点数はほぼ満点でなければならないし、有名大学卒という肩書でも突破が難しい難関です。
去る6月22日、韓国のインターネットが騒然となりました。
公社の非正規職員のうち、1900人を正規職に雇用転換するという発表があり、「内紛」が起きたからです。
今回、正規職に転換されることが決まったのは保安検査員です。
彼らは求人サイトなどを通じて採用された人たちで、採用条件は、高卒以上、年齢不問、資格不問であり、単純業務を行うことを前提に雇用されていることがうかがえます。
彼らの立場から見れば、仁川国際空港公社に正規職として採用されることは、それこそ「夢」のような出来事だったでしょう。
一方で、この決定をよしとしない人たちがいて、正規職として入社した人たちです。
夢の職場へ入るために何年間も勉強し、努力を重ねてようやく入社が認められた人たちからすれば、非正規職員たちが一日にしてシンデレラストーリーのように、突然「同僚」になることは、とうてい容認できない出来事だったに違いありません。
両者間の溝は、22日に仁川空港職員らによる団体チャットルームでの口論がインターネット上に公開されたことでより深刻化しました。
非正規職員の転換に対し、正規職員が「金を払って学校に通って、TOEIC、TOEFLの点数を取るために懸命に勉強してきたことは何だったんだ」と、虚無感の交じったいら立ちをぶつけると、非正規職員たちは「誰が勉強
しろと言った? あなたの選択だろう?」「いい大学出ても給料はわれわれと同じ」と、皮肉で返したといいます。
この内容が公開されると、公社への入社を目標に勉強している人たちから、公社に対する失望、怒りの声が相次いだといいます。
ところで、このように、内部の反対や対立を生んだ正規職転換はなぜ起こったのかというと、事の発端は就任わずか3日目の文在寅大統領が、仁川国際空港を電撃訪問し、非正規職員を正規職化すると約束したことにあります。
それから3年間、進展がなかったため、非正規職員たちは「大統領の約束を守れ」と怒っていたのですが、今回の決定によりようやく大統領の約束が実現したということです。
多分に支持率の低下が影響しているのではないでしょうか。
2020年07月18日
線状降水帯
2020年7月3日から13日にかけて、九州地方を中心に広い範囲で大雨となりました。
気象庁ではこれらの7月3日からの豪雨に対して、「令和2年7月豪雨」と名称を定めました。
この大雨により、九州地方で13事例の線状降水帯が発生し、このうち球磨川では11時間以上継続した模様で、異例の長さの継続時間となっていたことがわかりました。
YouTubeで球磨川の線状降水帯の動画を見ると尋常でない様子が伺えます。
また、筑後川の上流域では、7月6日正午から7月8日正午までの48時間に3事例の線状降水帯が発生していました。
平成30年7月豪雨では、東海以西の広い範囲で15事例の線状降水帯が発生しましたが、今回は九州地方だけで平成30年7月豪雨に匹敵する線状降水帯が確認されたことになります。
線状降水帯について少し触れます。
線状に見える雨雲には、動きの速いものと停滞するものがあって、そのうち、同じ場所に停滞するものは大きな災害に結びつく集中豪雨を発生させ、線状降水帯と呼ばれることがあります。
線状降水帯は、激しい雨を降らせる積乱雲が連続して発生し線状に並び、その規模は幅20〜50km、長さ50〜200kmに及びます。
線状降水帯は、ときには同じ場所で激しい雨を3時間以上も降らせ続けることがあり、まさにその場所に居る人にとっては経験したことのない大雨となります。
停滞性の線状降水帯の発生要因のひとつにバックビルディング現象があり、次のような流れで線状降水帯を作り出します。
1.最初に風の収束や地形効果などによって積乱雲が発生し、激しい雨を降らせながら上空の風に流されてゆっくりと移動します。
2.風上側のこの積乱雲が発生した場所で新たに積乱雲が発生し、またゆっくりと風下へ移動します。
3.また同じ場所で積乱雲が発生し、発達した積乱雲が流され、また同じ場所で積乱雲が発生する…、というこの流れを繰り返すようです。
このようにして、組織化された線状降水帯が作り出され、
・積乱雲を発達させる水蒸気の供給や上昇気流を引き起こす要因の解消
・積乱雲を移動させる上空の風の流れの変化
どちらかがない限り、線状降水帯による激しい雨が続いてしまうことになります。
メディアなどを通じて頻繁に使われるようになった「線状降水帯」ですが、その発生要因は少し複雑で、メ
カニズムそのものを理解するのは難しいようですが、この言葉は“大きな災害を引き起こすおそれがあるもの”として理解しておけよいことで、メディアなどを通じてこの言葉を耳にした時に、避難等の備えに結びつけることが肝要です。
気象庁ではこれらの7月3日からの豪雨に対して、「令和2年7月豪雨」と名称を定めました。
この大雨により、九州地方で13事例の線状降水帯が発生し、このうち球磨川では11時間以上継続した模様で、異例の長さの継続時間となっていたことがわかりました。
YouTubeで球磨川の線状降水帯の動画を見ると尋常でない様子が伺えます。
また、筑後川の上流域では、7月6日正午から7月8日正午までの48時間に3事例の線状降水帯が発生していました。
平成30年7月豪雨では、東海以西の広い範囲で15事例の線状降水帯が発生しましたが、今回は九州地方だけで平成30年7月豪雨に匹敵する線状降水帯が確認されたことになります。
線状降水帯について少し触れます。
線状に見える雨雲には、動きの速いものと停滞するものがあって、そのうち、同じ場所に停滞するものは大きな災害に結びつく集中豪雨を発生させ、線状降水帯と呼ばれることがあります。
線状降水帯は、激しい雨を降らせる積乱雲が連続して発生し線状に並び、その規模は幅20〜50km、長さ50〜200kmに及びます。
線状降水帯は、ときには同じ場所で激しい雨を3時間以上も降らせ続けることがあり、まさにその場所に居る人にとっては経験したことのない大雨となります。
停滞性の線状降水帯の発生要因のひとつにバックビルディング現象があり、次のような流れで線状降水帯を作り出します。
1.最初に風の収束や地形効果などによって積乱雲が発生し、激しい雨を降らせながら上空の風に流されてゆっくりと移動します。
2.風上側のこの積乱雲が発生した場所で新たに積乱雲が発生し、またゆっくりと風下へ移動します。
3.また同じ場所で積乱雲が発生し、発達した積乱雲が流され、また同じ場所で積乱雲が発生する…、というこの流れを繰り返すようです。
このようにして、組織化された線状降水帯が作り出され、
・積乱雲を発達させる水蒸気の供給や上昇気流を引き起こす要因の解消
・積乱雲を移動させる上空の風の流れの変化
どちらかがない限り、線状降水帯による激しい雨が続いてしまうことになります。
メディアなどを通じて頻繁に使われるようになった「線状降水帯」ですが、その発生要因は少し複雑で、メ
カニズムそのものを理解するのは難しいようですが、この言葉は“大きな災害を引き起こすおそれがあるもの”として理解しておけよいことで、メディアなどを通じてこの言葉を耳にした時に、避難等の備えに結びつけることが肝要です。
2020年07月16日
GoToトラベル事業
東京都の本日の新型コロナウィルス感染者数は、286人となったようです。
検査件数が4000を超える現下の状況で、感染者数が増えるのは想定されていたようですが、数だけを示されると国民は第2波の到来ではないかと身構えます。
新型コロナウイルス感染者が増加する東京都を観光や仕事などで訪れ、地元に帰って7月1〜14日に感染が判明した人が、東京圏3県を除く43道府県のうち少なくとも20道府県で41人に上ることが読売新聞の全国調査でわかったということです。
最多は茨城県の10人で、北海道や愛知県、島根県、鹿児島県などでも確認されました。
6月19日に都道府県境をまたぐ移動自粛が解除され、都内でイベントや会食などに参加する人が増えたのが要因とみられています。
移動自粛が全面解除された後の1週間(6月19〜25日)の感染者は茨城、福岡両県で計3人でしたが、都内の感染者が100人を超えた7月以降急増し、直近1週間(7月8〜14日)は13道府県で計28人と約9倍になりました。
このように見ていくと、GoToトラベル事業の実施に本当に大丈夫かと懸念の声があがるのもわかります。
政府の新型コロナウイルス対策の分科会の尾身茂会長が経団連のフォーラムで「旅行自体に問題はない」との見解を述べました。
尾身茂会長は、「旅行自体が感染を起こすことはないですから、もしそれが起きていれば日本中は感染者だらけ」 と。
ただ旅行先で飲み屋や接待を伴う店などで3密の状況になったり大声を出すなどの行動を取れば、感染の可能性があるとして移動自体が感染拡大につながらないと説明したということです。
尾身会長の指摘通りで、数字だけに一喜一憂していてはwithコロナ社会経済活動は困難です。
感染の実態を的確に把握し、withコロナ社会経済活動の具体的にどの点に問題があったかを国や都道府県は示し、国民にそれに対処してもらうよう働き掛けないといけません。
特に危険と思われる場所では、3密等に自らが自制するようにしないといけないのを地方の感覚でそれを怠り、感染結果を地方に持ちかえって地方で自由奔放に振舞われては感染が広がるのは当たり前です。
GoToトラベル事業の是非については、地方から感染の拡大を懸念する声が相次いでいて、本日の夕方、政府の分科会で予定通り始めるか議論されました。
その結果、赤羽国土交通大臣はGoToトラベル事業については現下の感染状況に鑑み、東京都の発着、具体的には東京都を目的としている旅行、東京都に居住する方の旅行を対象から外し、宿泊旅行業界また旅行者の双方に具体的な感染拡大防止策を求めた上で、7月22日から事業を実施すると決定しました。
GoToトラベルキャンペーンが悪いのではなく、もう一度withコロナ社会経済活動を国民一人一人がもう一度しっかり考えないといけません。
検査件数が4000を超える現下の状況で、感染者数が増えるのは想定されていたようですが、数だけを示されると国民は第2波の到来ではないかと身構えます。
新型コロナウイルス感染者が増加する東京都を観光や仕事などで訪れ、地元に帰って7月1〜14日に感染が判明した人が、東京圏3県を除く43道府県のうち少なくとも20道府県で41人に上ることが読売新聞の全国調査でわかったということです。
最多は茨城県の10人で、北海道や愛知県、島根県、鹿児島県などでも確認されました。
6月19日に都道府県境をまたぐ移動自粛が解除され、都内でイベントや会食などに参加する人が増えたのが要因とみられています。
移動自粛が全面解除された後の1週間(6月19〜25日)の感染者は茨城、福岡両県で計3人でしたが、都内の感染者が100人を超えた7月以降急増し、直近1週間(7月8〜14日)は13道府県で計28人と約9倍になりました。
このように見ていくと、GoToトラベル事業の実施に本当に大丈夫かと懸念の声があがるのもわかります。
政府の新型コロナウイルス対策の分科会の尾身茂会長が経団連のフォーラムで「旅行自体に問題はない」との見解を述べました。
尾身茂会長は、「旅行自体が感染を起こすことはないですから、もしそれが起きていれば日本中は感染者だらけ」 と。
ただ旅行先で飲み屋や接待を伴う店などで3密の状況になったり大声を出すなどの行動を取れば、感染の可能性があるとして移動自体が感染拡大につながらないと説明したということです。
尾身会長の指摘通りで、数字だけに一喜一憂していてはwithコロナ社会経済活動は困難です。
感染の実態を的確に把握し、withコロナ社会経済活動の具体的にどの点に問題があったかを国や都道府県は示し、国民にそれに対処してもらうよう働き掛けないといけません。
特に危険と思われる場所では、3密等に自らが自制するようにしないといけないのを地方の感覚でそれを怠り、感染結果を地方に持ちかえって地方で自由奔放に振舞われては感染が広がるのは当たり前です。
GoToトラベル事業の是非については、地方から感染の拡大を懸念する声が相次いでいて、本日の夕方、政府の分科会で予定通り始めるか議論されました。
その結果、赤羽国土交通大臣はGoToトラベル事業については現下の感染状況に鑑み、東京都の発着、具体的には東京都を目的としている旅行、東京都に居住する方の旅行を対象から外し、宿泊旅行業界また旅行者の双方に具体的な感染拡大防止策を求めた上で、7月22日から事業を実施すると決定しました。
GoToトラベルキャンペーンが悪いのではなく、もう一度withコロナ社会経済活動を国民一人一人がもう一度しっかり考えないといけません。
2020年07月15日
気候変動下での治水対策
今年も球磨川をはじめ多くの河川で、破堤、氾濫、内水被害が発生し、地球温暖化による気候変動に治水対策をどのように適合させるか、大きな課題を突き付けられました。
球磨川では、長年川辺川ダムの建設の是非を巡って、地域で二分する議論が交わされてきました。
その時代の環境を強調する議論、全国的なダム反対運動、地域の長期化するダム問題に疲労感などが相まって、現在の知事が建設の白紙撤回を表明して止まっています。
今回の災害で、人の命や経済対策を重視する世論が加わり、球磨川流域の治水対策の在り様がまたホットな議論となりそうです。
気候変動による水災害リスクの増大に備えるためには、これまでの河川管理者等の取組だけでなく、流域に関わる関係者が、主体的に治水に取り組む社会を構築する必要があります。
国土交通省では、河川・下水道管理者等による治水に加え、あらゆる関係者(国・都道府県・市町村・企業・住民等)により流域全体で行う治水「流域治水」へ転換するため、令和元年東日本台風で甚大な被害を受けた7つの水系での「緊急治水対策プロジェクト」を策定しました。
同様に、全国の一級水系でも、流域全体で早急に実施すべき対策の全体像を「流域治水プロジェクト」として示し、ハード・ソフト一体の事前防災対策を加速していくことにしていました。
まずは国で「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」のとりまとめ(令和2年7月6日)、それを踏まえ、今後、各一級水系において、国・都道府県・市町村等との協議会を設置し、議論を進め、令和2年度末までに、流域治水プロジェクトを策定する予定のようです。
球磨川は再度、今回の災害も踏まえて検討されるようで、当然川辺川ダムも対策の一つとして議論されるのではないでしょうか。
流域対策として事前に実施すべきものとして堤防整備や河道掘削、ダム再生といった河川対策、土地利用規制・誘導など流域対策、非難を円滑に行うためのソフト対策が挙げられています。
政府は、経済財政運営と改革の基本方針に、防災強化を「国の重大な政務」と明記する案を与党に提示したようで、ハード面はもとより移住促進などソフト面からの対策の実効性を高めていくことが大きな課題となっています。
国が浸水の危険があると警告している地域に住民を居住させている都市が、全体の約9割を占めていることがわかり、今後一つの方向としてコンパクトシティーの整備を進める中、居住誘導区域と浸水危険区域が重ならないようすることを目指すべきです。
気候変動リスク対応は現下のコロナ対策(withコロナ)と似通ったところがあって、経済活動と浸水危険区域(感染リスク)回避とのバランスをどのように図っていくか、どちらも具体的な対応で試行錯誤が続きます。
球磨川では、長年川辺川ダムの建設の是非を巡って、地域で二分する議論が交わされてきました。
その時代の環境を強調する議論、全国的なダム反対運動、地域の長期化するダム問題に疲労感などが相まって、現在の知事が建設の白紙撤回を表明して止まっています。
今回の災害で、人の命や経済対策を重視する世論が加わり、球磨川流域の治水対策の在り様がまたホットな議論となりそうです。
気候変動による水災害リスクの増大に備えるためには、これまでの河川管理者等の取組だけでなく、流域に関わる関係者が、主体的に治水に取り組む社会を構築する必要があります。
国土交通省では、河川・下水道管理者等による治水に加え、あらゆる関係者(国・都道府県・市町村・企業・住民等)により流域全体で行う治水「流域治水」へ転換するため、令和元年東日本台風で甚大な被害を受けた7つの水系での「緊急治水対策プロジェクト」を策定しました。
同様に、全国の一級水系でも、流域全体で早急に実施すべき対策の全体像を「流域治水プロジェクト」として示し、ハード・ソフト一体の事前防災対策を加速していくことにしていました。
まずは国で「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」のとりまとめ(令和2年7月6日)、それを踏まえ、今後、各一級水系において、国・都道府県・市町村等との協議会を設置し、議論を進め、令和2年度末までに、流域治水プロジェクトを策定する予定のようです。
球磨川は再度、今回の災害も踏まえて検討されるようで、当然川辺川ダムも対策の一つとして議論されるのではないでしょうか。
流域対策として事前に実施すべきものとして堤防整備や河道掘削、ダム再生といった河川対策、土地利用規制・誘導など流域対策、非難を円滑に行うためのソフト対策が挙げられています。
政府は、経済財政運営と改革の基本方針に、防災強化を「国の重大な政務」と明記する案を与党に提示したようで、ハード面はもとより移住促進などソフト面からの対策の実効性を高めていくことが大きな課題となっています。
国が浸水の危険があると警告している地域に住民を居住させている都市が、全体の約9割を占めていることがわかり、今後一つの方向としてコンパクトシティーの整備を進める中、居住誘導区域と浸水危険区域が重ならないようすることを目指すべきです。
気候変動リスク対応は現下のコロナ対策(withコロナ)と似通ったところがあって、経済活動と浸水危険区域(感染リスク)回避とのバランスをどのように図っていくか、どちらも具体的な対応で試行錯誤が続きます。
2020年07月14日
コロナ下の消費の動き
新型コロナウィルスの影響で大きく落ち込んだ国内消費がやっと動き出したようです。
1人10万円の特別定額給付金の支給が8割を超え、高額家電や自転車などの消費に回っているということです。
5月の家計調査では10万円の給付が始まったことで、勤労者世帯の実収入が増えた一方で、消費支出過去最大の落ち込みとなっており、このギャップが反転して6月の消費増となって表れたようです。
6月の売上高がV字回復した企業の共通点は新型コロナ後の生活様式に適応している点です。
前年同月比47%増となったニトリや同26%増となったユニクロは在宅勤務に必要な商品というだけでなく、滞在時間が増えた自宅で快適に過ごそうとその需要を捉えたみたいです。
一方で、スーツ需要には回復の兆しは見えませんし、化粧品も同様で、マスク着用でメイクは控えめの人が増えているようです。
消費回復の継続には、まだ底入れ見えないサービスなどの「コト消費」も欠かせませんが、日本旅行の主要店舗には国の「GoToトラベル」事業の詳細について問い合わせが相次いでいるようで、感染を抑えながら潜在需要を顕在化できれば押上効果が見込めます。
ただ、6月にいったん持ち直した消費の勢いが7月に入ってかなり鈍ったようで、新規感染者が再び増えたことに加え、九州をはじめとした大雨や夏季一時金の減額もあって、消費者はひもを締めているという指摘もあります。
1人10万円の特別定額給付金の支給が8割を超え、高額家電や自転車などの消費に回っているということです。
5月の家計調査では10万円の給付が始まったことで、勤労者世帯の実収入が増えた一方で、消費支出過去最大の落ち込みとなっており、このギャップが反転して6月の消費増となって表れたようです。
6月の売上高がV字回復した企業の共通点は新型コロナ後の生活様式に適応している点です。
前年同月比47%増となったニトリや同26%増となったユニクロは在宅勤務に必要な商品というだけでなく、滞在時間が増えた自宅で快適に過ごそうとその需要を捉えたみたいです。
一方で、スーツ需要には回復の兆しは見えませんし、化粧品も同様で、マスク着用でメイクは控えめの人が増えているようです。
消費回復の継続には、まだ底入れ見えないサービスなどの「コト消費」も欠かせませんが、日本旅行の主要店舗には国の「GoToトラベル」事業の詳細について問い合わせが相次いでいるようで、感染を抑えながら潜在需要を顕在化できれば押上効果が見込めます。
ただ、6月にいったん持ち直した消費の勢いが7月に入ってかなり鈍ったようで、新規感染者が再び増えたことに加え、九州をはじめとした大雨や夏季一時金の減額もあって、消費者はひもを締めているという指摘もあります。
2020年07月13日
大相撲、観客を入れての開催
当初は無観客開催を目指すとしていましたが、日本相撲協会は今日、大相撲7月場所(19日初日・両国国技館)の開催を正式決定し、観客を入れて実施することになったようです。
新型コロナウイルス感染拡大や政府の緊急事態宣言を踏まえて5月の夏場所を中止しており、史上初の無観客だった3月の春場所以来4カ月ぶりに本場所が行われることになります。
プロ野球やJリーグが観客を入れての開催となりましたし、政府が行うGotoトラベルキャンペーンも後押ししたのかもしれません。
withコロナも経済重視の多少前のめりになってきましたので、大相撲もということになったことが想定されます。
しかし、連日の東京を中心とした感染者の増加に、この先の不安を覚える国民も多くいるとは思います。
経済を戻していく方向に対しては支持できますが、感染防止に対する政府や東京都の発する的確さをかけるメッセージや具体的な対応の中では不安を感じます。
予定より2週間延期された7月場所は、ウイルスの感染拡大防止の観点から大人数の移動を避けるため、開催地を通常の名古屋から国技館に変更しました。
11月の九州場所も国技館で行うことが決まったようで、個人的には不満ですが観客を入れての開催までこぎつけたことは喜ばしいことです。
国民がwithコロナ下で多少の不自由さはあっても日常を楽しめるようにするためには、コロナ対応があいま
いな中では経済の活性化も感染防止も効果をあげることはできません。
政府の適切なリーダーシップを国民は期待しています。
新型コロナウイルス感染拡大や政府の緊急事態宣言を踏まえて5月の夏場所を中止しており、史上初の無観客だった3月の春場所以来4カ月ぶりに本場所が行われることになります。
プロ野球やJリーグが観客を入れての開催となりましたし、政府が行うGotoトラベルキャンペーンも後押ししたのかもしれません。
withコロナも経済重視の多少前のめりになってきましたので、大相撲もということになったことが想定されます。
しかし、連日の東京を中心とした感染者の増加に、この先の不安を覚える国民も多くいるとは思います。
経済を戻していく方向に対しては支持できますが、感染防止に対する政府や東京都の発する的確さをかけるメッセージや具体的な対応の中では不安を感じます。
予定より2週間延期された7月場所は、ウイルスの感染拡大防止の観点から大人数の移動を避けるため、開催地を通常の名古屋から国技館に変更しました。
11月の九州場所も国技館で行うことが決まったようで、個人的には不満ですが観客を入れての開催までこぎつけたことは喜ばしいことです。
国民がwithコロナ下で多少の不自由さはあっても日常を楽しめるようにするためには、コロナ対応があいま
いな中では経済の活性化も感染防止も効果をあげることはできません。
政府の適切なリーダーシップを国民は期待しています。
2020年07月12日
国の政治力
新型コロナウィルス感染者がまた東京を中心とした首都圏で増加しています。
その一方で政府は、コロナに気を配りながら社会経済を平常時とまではいかなくても徐々に戻していくことに舵を切っています。
そんななか、旅行代金の一部を支援して需要を喚起するGoToトラベルキャンペーンが今月22日からスタートとするようです。
今朝の「日曜報道 THE PRIME」で、前大阪市長の橋下氏は「GoToトラベルキャンペーン」の実施に感染防止対策と経済活動の両立が重要であるとし、「両立させるために重要なのは、ピンポイントでダメなところはダメ、そこは停止させる。その他のところは注意しながらみんなで社会経済活動しましょうよ、とその区分けが重要」と指摘しました。
さらに「特定地域の特定業種が問題だからそこは止める代わりに、他のところは注意しながらやっていきましょう、ここのメッセージを出すのはある意味、国家戦略だと思う。どうも日本政府のメッセージ聞くと、みんなで注意しましょう…みたいな。みんなで注意しましょうということでやってしまったら盛り上がらない」とコメントしました。
その番組で視聴者に「GoToキャンペーンあなたはどうする?」のアンケートを実施し、「旅行する」「旅行しない」「悩み中」の回答への投票を呼びかけ、その結果は「旅行する」はわずか18%でした。
今回のコロナ危機は、わが国でも重要課題をいくつも浮かび上がらせましたが、失敗を教訓として社会を変えていく意識は欧米に比べて低いようにも感じます。
とにかく、今回のコロナ対応では政治の力が問われました。
担当大臣が一生懸命にやられていることはわかりますが、未だにコロナの感染の実態が分かりませんし、毎日の感染者数にマスコミが一喜一憂するものですから、このまま社会経済活動を再開してよいものか国民は不安に駆られます。
第1波のころとは状況は異なっていることはわかりますが、政治の発言力の適切さ、力強さがないものですから、橋下氏の指摘につながるわけで、橋下氏の主張に全面的に同感します。
ヒト、モノ、カネの集中は平時に効率的でも、自然災害や感染症、武力攻撃やテロのすべてに弱いわけですが、それでも中央省庁は予算と権限の縮小を嫌い、首都機能の移転にも背を向けてきました。
長期的な視野で国益の最大化を目指すのが政治家の仕事ですが、悲しいかな目先の利害損失の声に振り回されているのが現実です。
コロナ後の対応で期待されるのは政治家の意識改革かも知れません。
その一方で政府は、コロナに気を配りながら社会経済を平常時とまではいかなくても徐々に戻していくことに舵を切っています。
そんななか、旅行代金の一部を支援して需要を喚起するGoToトラベルキャンペーンが今月22日からスタートとするようです。
今朝の「日曜報道 THE PRIME」で、前大阪市長の橋下氏は「GoToトラベルキャンペーン」の実施に感染防止対策と経済活動の両立が重要であるとし、「両立させるために重要なのは、ピンポイントでダメなところはダメ、そこは停止させる。その他のところは注意しながらみんなで社会経済活動しましょうよ、とその区分けが重要」と指摘しました。
さらに「特定地域の特定業種が問題だからそこは止める代わりに、他のところは注意しながらやっていきましょう、ここのメッセージを出すのはある意味、国家戦略だと思う。どうも日本政府のメッセージ聞くと、みんなで注意しましょう…みたいな。みんなで注意しましょうということでやってしまったら盛り上がらない」とコメントしました。
その番組で視聴者に「GoToキャンペーンあなたはどうする?」のアンケートを実施し、「旅行する」「旅行しない」「悩み中」の回答への投票を呼びかけ、その結果は「旅行する」はわずか18%でした。
今回のコロナ危機は、わが国でも重要課題をいくつも浮かび上がらせましたが、失敗を教訓として社会を変えていく意識は欧米に比べて低いようにも感じます。
とにかく、今回のコロナ対応では政治の力が問われました。
担当大臣が一生懸命にやられていることはわかりますが、未だにコロナの感染の実態が分かりませんし、毎日の感染者数にマスコミが一喜一憂するものですから、このまま社会経済活動を再開してよいものか国民は不安に駆られます。
第1波のころとは状況は異なっていることはわかりますが、政治の発言力の適切さ、力強さがないものですから、橋下氏の指摘につながるわけで、橋下氏の主張に全面的に同感します。
ヒト、モノ、カネの集中は平時に効率的でも、自然災害や感染症、武力攻撃やテロのすべてに弱いわけですが、それでも中央省庁は予算と権限の縮小を嫌い、首都機能の移転にも背を向けてきました。
長期的な視野で国益の最大化を目指すのが政治家の仕事ですが、悲しいかな目先の利害損失の声に振り回されているのが現実です。
コロナ後の対応で期待されるのは政治家の意識改革かも知れません。
2020年07月10日
「世界の未来図を描く」に今回のパンデミックを予想
今から16年前の2004年に、ワシントンのホワイトハウスに提出された「世界の未来図を描く」とある報告書に、西暦2020年の国際情勢を予測し、「パンデミック」、感染症の世界的大流行という記述があるといいます。
主な記述に、「大規模な世界的紛争を除いては、グローバル化を止めてしまう大きな出来事にパンデミックが考えられる」
「かつて1918年から19年に世界中で2千万の死者を出したとされるインフルエンザ(筆者注・スペイン風邪)同様、一部の専門家は、新たな大流行が起きるのは時間の問題としている」
「主要国で数百万の死者が発生し、感染拡大で世界中の貿易や人の移動が止まれば、グローバル化は危機に瀕する。各国の政府も医療分野に莫大な資金投入を迫られるだろう」 と。
まさに今年に入って猛威を振るう新型コロナウイルスの蔓延、16年も前から、その到来を繰り返し警告してきたのです。
当時は東西冷戦の終結から10年余り、米国型資本主義が我が世の春を謳歌していた頃で、今後も国境を越えた人やモノ、資金の移動、グローバル化が加速して世界は一体化、国家の支配を離れた巨大企業も誕生するとしています。
また新興国、特に中国が目覚ましい存在感を持ち、「数世紀に亘る衰退を経て、その地位を復活させ」、いずれ世界第2位の経済大国に躍り出ると言っています。
しかし同時に挙げたのが、きっかけがあれば、こうした流れは一気に止まり、逆転してしまうというシナリオでした。
そのきっかけが未知のウイルスによるパンデミックだったのですが、まさに想定した2020年にそれが的中した格好です。
あの頃はグローバル化が流行して、それは有益で永遠に続くものとされていました。
わが国では「市場原理」、「官から民へ」といった掛け声が溢れ、米国帰りの学者や経営者がグローバル化の宣教師のようにふるまっていた頃です。
彼らをアドバイザーに重用した小泉政権は、郵政民営化や規制緩和など「聖域なき構造改革」を推し進めていました。
分析の背景にあったのは間違いなく、その前に中国で発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)でしょう。
SARSはコロナウイルスが引き起こす呼吸器疾患で、2002年11月、中国南部の広東省から「原因不明の急性肺炎」として発生し、その後、香港などから旅行者を通じて各国に広がり、翌年にはWHO(世界保健機関)が中国への渡航延期を勧告する事態になりました。
当時も、中国政府が意図的に感染者を少なく発表し、隠蔽しているとの批判が起きる一幕もありました。
一般的に、中国のように中央集権の国家というのは急速な経済成長を遂げるのには向いていますが、いざ何かの危機が起きると、自由に情報が伝わらず柔軟な対応が取れないという問題があります。
このことが、前回と同様に今回も事態を悪化させてしまうことになりました。
こうして報告書はブッシュ政権に渡され、その後、ホワイトハウスに繰り返し警告が発せられていったようです。
バラク・オバマ大統領の時に、2025年の世界を予測する報告書の中に新型のコロナウイルスのインフルエンザを警告しています。
「パンデミックは、現在の病原体の遺伝子が突然変異、再集合したり、人間へ感染する新たな病原体が発生したりするかにかかっている。専門家は、H5N1型の鳥インフルエンザが変化しうるとするが、SARSコロナウイルス(中略)も可能性がある」
「そうしたパンデミックが起きるとすれば、発生地は、おそらく中国や東南アジアなど人口密度が高く、家畜と人間の生活圏が近い地域であろう。野放しの畜産はH5N1型など人獣共通の感染症を広げ、それが突然変異して大流行するかもしれない」
「発生国で国民の健康状態を適切にモニターしなければ、早期の病気識別は困難である。公衆衛生の対応が遅いと、感染性の高い病原体の認識も遅れる。信頼できる検査結果が出るまで数週間が経ってしまい、その間、東南アジアの市町村にクラスター(感染者集団)が現れる。海外渡航が制限されても、症状の軽い、または無症状の旅行者が他の大陸に感染させていくだろう」と。
思わず背筋が寒くなるほど予想しており、今回の中国で発生した謎のウイルス、それを無症状の感染者がクラスターとなって世界中へ広げる……まさしく、今、目の前で起きている現実そのものになっています。
主な記述に、「大規模な世界的紛争を除いては、グローバル化を止めてしまう大きな出来事にパンデミックが考えられる」
「かつて1918年から19年に世界中で2千万の死者を出したとされるインフルエンザ(筆者注・スペイン風邪)同様、一部の専門家は、新たな大流行が起きるのは時間の問題としている」
「主要国で数百万の死者が発生し、感染拡大で世界中の貿易や人の移動が止まれば、グローバル化は危機に瀕する。各国の政府も医療分野に莫大な資金投入を迫られるだろう」 と。
まさに今年に入って猛威を振るう新型コロナウイルスの蔓延、16年も前から、その到来を繰り返し警告してきたのです。
当時は東西冷戦の終結から10年余り、米国型資本主義が我が世の春を謳歌していた頃で、今後も国境を越えた人やモノ、資金の移動、グローバル化が加速して世界は一体化、国家の支配を離れた巨大企業も誕生するとしています。
また新興国、特に中国が目覚ましい存在感を持ち、「数世紀に亘る衰退を経て、その地位を復活させ」、いずれ世界第2位の経済大国に躍り出ると言っています。
しかし同時に挙げたのが、きっかけがあれば、こうした流れは一気に止まり、逆転してしまうというシナリオでした。
そのきっかけが未知のウイルスによるパンデミックだったのですが、まさに想定した2020年にそれが的中した格好です。
あの頃はグローバル化が流行して、それは有益で永遠に続くものとされていました。
わが国では「市場原理」、「官から民へ」といった掛け声が溢れ、米国帰りの学者や経営者がグローバル化の宣教師のようにふるまっていた頃です。
彼らをアドバイザーに重用した小泉政権は、郵政民営化や規制緩和など「聖域なき構造改革」を推し進めていました。
分析の背景にあったのは間違いなく、その前に中国で発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)でしょう。
SARSはコロナウイルスが引き起こす呼吸器疾患で、2002年11月、中国南部の広東省から「原因不明の急性肺炎」として発生し、その後、香港などから旅行者を通じて各国に広がり、翌年にはWHO(世界保健機関)が中国への渡航延期を勧告する事態になりました。
当時も、中国政府が意図的に感染者を少なく発表し、隠蔽しているとの批判が起きる一幕もありました。
一般的に、中国のように中央集権の国家というのは急速な経済成長を遂げるのには向いていますが、いざ何かの危機が起きると、自由に情報が伝わらず柔軟な対応が取れないという問題があります。
このことが、前回と同様に今回も事態を悪化させてしまうことになりました。
こうして報告書はブッシュ政権に渡され、その後、ホワイトハウスに繰り返し警告が発せられていったようです。
バラク・オバマ大統領の時に、2025年の世界を予測する報告書の中に新型のコロナウイルスのインフルエンザを警告しています。
「パンデミックは、現在の病原体の遺伝子が突然変異、再集合したり、人間へ感染する新たな病原体が発生したりするかにかかっている。専門家は、H5N1型の鳥インフルエンザが変化しうるとするが、SARSコロナウイルス(中略)も可能性がある」
「そうしたパンデミックが起きるとすれば、発生地は、おそらく中国や東南アジアなど人口密度が高く、家畜と人間の生活圏が近い地域であろう。野放しの畜産はH5N1型など人獣共通の感染症を広げ、それが突然変異して大流行するかもしれない」
「発生国で国民の健康状態を適切にモニターしなければ、早期の病気識別は困難である。公衆衛生の対応が遅いと、感染性の高い病原体の認識も遅れる。信頼できる検査結果が出るまで数週間が経ってしまい、その間、東南アジアの市町村にクラスター(感染者集団)が現れる。海外渡航が制限されても、症状の軽い、または無症状の旅行者が他の大陸に感染させていくだろう」と。
思わず背筋が寒くなるほど予想しており、今回の中国で発生した謎のウイルス、それを無症状の感染者がクラスターとなって世界中へ広げる……まさしく、今、目の前で起きている現実そのものになっています。
2020年07月09日
好不調
プロ野球も無観客で今シーズンが始まって3週間が過ぎました。
ホークスは絶対的な戦力で、他チームより頭一つ抜きんでているということでV候補に挙がっていましたが、故障者も出ていますし、投手も野手も好不調の選手がかみ合わず、借金生活が続いています。
投手は先発陣が長いイニングを投げきれていないことで、リリーフ陣に負担がかかる、故障者も多いことから若手にチャンスが回ってきても緊張して普段の力が出せない、その結果、ドタバタしていて勝利の方程式が作れないでいます。
昨年活躍した加治屋投手がいない中で、岩嵜投手が逆転ホームランを2回喫していて、精神的に立ち直れていないのが気がかりです。
投手陣では、エースの千賀投手が帰ってきたのが朗報ですが、高報酬のサファテ投手に早く戻ってきてほしいですし、何といっても若手の台頭が待たれます。
野手は、柳田と栗原の両選手が好調でチームを引っ張ってくれているのが何といっても頼もしく感じます。
あとは、バレンティン選手に爆発してもらいたいですし、お祭り男の松田選手からは熱男の雄たけびを聞きたいものです。
それと、上林選手と牧原選手の若手の二人には、もっと躍動してほしいものです、
困ったときには何といってもキューバ勢で、デスパイネとグラシルの両選手の早期日本入りが待たれます。
今日の試合も、先発のバーデンハーグが踏ん張れず大量失点を喫すと、打撃陣も攻撃が淡白となって、明日から観客が入っての試合となりますが、このような試合を見せてはブーイングものになります。
明日は、先発の東浜投手に期待しましょう。
ホークスは絶対的な戦力で、他チームより頭一つ抜きんでているということでV候補に挙がっていましたが、故障者も出ていますし、投手も野手も好不調の選手がかみ合わず、借金生活が続いています。
投手は先発陣が長いイニングを投げきれていないことで、リリーフ陣に負担がかかる、故障者も多いことから若手にチャンスが回ってきても緊張して普段の力が出せない、その結果、ドタバタしていて勝利の方程式が作れないでいます。
昨年活躍した加治屋投手がいない中で、岩嵜投手が逆転ホームランを2回喫していて、精神的に立ち直れていないのが気がかりです。
投手陣では、エースの千賀投手が帰ってきたのが朗報ですが、高報酬のサファテ投手に早く戻ってきてほしいですし、何といっても若手の台頭が待たれます。
野手は、柳田と栗原の両選手が好調でチームを引っ張ってくれているのが何といっても頼もしく感じます。
あとは、バレンティン選手に爆発してもらいたいですし、お祭り男の松田選手からは熱男の雄たけびを聞きたいものです。
それと、上林選手と牧原選手の若手の二人には、もっと躍動してほしいものです、
困ったときには何といってもキューバ勢で、デスパイネとグラシルの両選手の早期日本入りが待たれます。
今日の試合も、先発のバーデンハーグが踏ん張れず大量失点を喫すと、打撃陣も攻撃が淡白となって、明日から観客が入っての試合となりますが、このような試合を見せてはブーイングものになります。
明日は、先発の東浜投手に期待しましょう。
2020年07月08日
ソウル地裁が下した歴史的判決
金正恩体制を批判するビラをまいたとして、北朝鮮が韓国への非難を始めてから1カ月強が経過します。
当初は開城にある南北連絡事務所を破壊するなど遠慮のない怒りを見せていましたが、金正恩党委員長の「鶴の一声」で南北間の緊張はこのところ収まっていました。
しかしここに来て、韓国側から新たな緊張の種がまかれたようです。
ソウル中央地方裁判所は昨日、朝鮮戦争時代に捕虜となった元韓国軍兵士に強制労働をさせたとして、金正恩に対する賠償責任を認める判決を初めて下しました。
原告団は元韓国軍兵士の2人で、裁判所は北朝鮮に1人当たり2100万ウォン(約190万円)の支払いを命じました。
朝鮮半島に詳しい専門家は、この判決を「歴史的」だと言います。
金正恩政権に対する裁判の管轄権が韓国国内にあることが示されたことに加え、金正恩に対して初めて民事責任を問うたことになりますし、今回の判決を皮切りに、韓国で北朝鮮に損害賠償を求める訴訟が増えるのではないでしょうか。
その候補として、2010年に46人が犠牲になった韓国海軍哨戒艦「天安」の撃沈事件も、韓国の軍民合同調査団は撃沈の原因を「北朝鮮の魚雷によるもの」と結論付けましたから対象になりそうです。
そのほかにも、韓国軍元捕虜が約8万人、拉致被害者は約10万人いると韓国メディアは報じており、彼らが裁判に訴えることになれば膨大な数の訴訟が起こされる可能性があります。
なぜ今になってこのような訴訟が起きたのかというと、どうも背景には2016年1月に北朝鮮に拘束されていたアメリカ人のオットー・ウォームビアが、帰国後に死亡した事件にあるようです。
この時、ウォームビアの遺族は北朝鮮を相手取ってアメリカ国内で裁判を起こし、損害賠償金を支払わせるために北朝鮮の資産を差し押さえたことがありました。
このことが今回の原告団を後押しし、訴訟を起こすことに影響を与えたと指摘されています。
もっとも、北朝鮮が今回の判決を認めて賠償金を支払う可能性はほぼないですから、韓国政府が北朝鮮に支払うことになっている、金正恩の動静や北朝鮮の情勢などを伝える映像の使用料や著作権料などを凍結・差し押さえることで、賠償金の支払いに充てる可能性が高いとみられています。
今回の件は、南北融和政策を進める文在寅政権にとってかなりの打撃になるとみられています。
ただ、まだ一審の判決であって、最高裁判長は文が任命し、文と思想が近い人物ですから、一審の判決がひっくり返される可能性も十分ありそうです。
当初は開城にある南北連絡事務所を破壊するなど遠慮のない怒りを見せていましたが、金正恩党委員長の「鶴の一声」で南北間の緊張はこのところ収まっていました。
しかしここに来て、韓国側から新たな緊張の種がまかれたようです。
ソウル中央地方裁判所は昨日、朝鮮戦争時代に捕虜となった元韓国軍兵士に強制労働をさせたとして、金正恩に対する賠償責任を認める判決を初めて下しました。
原告団は元韓国軍兵士の2人で、裁判所は北朝鮮に1人当たり2100万ウォン(約190万円)の支払いを命じました。
朝鮮半島に詳しい専門家は、この判決を「歴史的」だと言います。
金正恩政権に対する裁判の管轄権が韓国国内にあることが示されたことに加え、金正恩に対して初めて民事責任を問うたことになりますし、今回の判決を皮切りに、韓国で北朝鮮に損害賠償を求める訴訟が増えるのではないでしょうか。
その候補として、2010年に46人が犠牲になった韓国海軍哨戒艦「天安」の撃沈事件も、韓国の軍民合同調査団は撃沈の原因を「北朝鮮の魚雷によるもの」と結論付けましたから対象になりそうです。
そのほかにも、韓国軍元捕虜が約8万人、拉致被害者は約10万人いると韓国メディアは報じており、彼らが裁判に訴えることになれば膨大な数の訴訟が起こされる可能性があります。
なぜ今になってこのような訴訟が起きたのかというと、どうも背景には2016年1月に北朝鮮に拘束されていたアメリカ人のオットー・ウォームビアが、帰国後に死亡した事件にあるようです。
この時、ウォームビアの遺族は北朝鮮を相手取ってアメリカ国内で裁判を起こし、損害賠償金を支払わせるために北朝鮮の資産を差し押さえたことがありました。
このことが今回の原告団を後押しし、訴訟を起こすことに影響を与えたと指摘されています。
もっとも、北朝鮮が今回の判決を認めて賠償金を支払う可能性はほぼないですから、韓国政府が北朝鮮に支払うことになっている、金正恩の動静や北朝鮮の情勢などを伝える映像の使用料や著作権料などを凍結・差し押さえることで、賠償金の支払いに充てる可能性が高いとみられています。
今回の件は、南北融和政策を進める文在寅政権にとってかなりの打撃になるとみられています。
ただ、まだ一審の判決であって、最高裁判長は文が任命し、文と思想が近い人物ですから、一審の判決がひっくり返される可能性も十分ありそうです。
2020年07月07日
球磨川の洪水から三峡ダムを考える
今日も、梅雨前線が居座り、筑後川をはじめ、多くの河川からの氾濫の危険性が高まりました。
一昨日の球磨川の洪水の流れを見ますと、急流であるがゆえに、氾濫や破堤などの事象が起きそうな時に河川沿川の人たちの恐怖は並みならぬものがあったと想像できます。
さて、豪雨により被災者1400万人の洪水被害が出ている中国では、世界最大の水力発電ダム「三峡ダム」の危機がささやかれています。
長江の中流に位置する三峡ダムは1993年、当時の李鵬首相が旗振り役になり、水利専門家たちの「砂礫が堆積し、洪水を助長する」といった反対意見を無視して建設され、2009年に竣工しました。
球磨川も一級河川で急流河川ですが、長江は河川の規模が比べようのないほどの大河川で、ダムサイトは長江の中流域の中でも特に水流が激しい「三峡」と呼ばれる峡谷地区に作られていますから、その心配もよくわかります。
三峡ダムは、70万キロワットの発電機32基を備え、総発電量は2250万キロワットの世界最大の落水式ダムです。
建設中から李鵬派官僚による「汚職の温床」と化して手抜き工事も起こったといわれ、 2008年に試験貯水が開始されると、がけ崩れ、地滑り、地盤の変形が生じ、ダムの堤体に約1万カ所の亀裂が見つかりました。
貯水池に貯めた膨大な水が蒸発して、濃霧、長雨、豪雨が頻発するとともに、水利専門家たちの指摘どおり、上流から押し寄せる大量の砂礫が貯水池にたまり、ダムの水門を詰まらせ、一方でアオコが発生し、ヘドロや雑草、ごみと交じって5万平方メートルに広がったといいます。
中国政府も技術者も根本的な解決策を見いだせず、お手上げ状態だったといいますが、そこへもってきて、今年の豪雨と洪水の試練を受けています。
気象当局によると、今夏は大雨や豪雨が予測され、洪水被害はさらに増大すると見込まれています。
中国水利省の葉建春次官は6月の記者会見で「水害防止対策により今は建国以来の最大の洪水を防御できているが、想定以上の洪水が発生すれば、防御能力を超えた『ブラックスワン』の可能性もあり得る」と口にしたそうです。
ブラックスワンとは、「あり得ないことが起こり、非常に強い衝撃を与える」という意味で、予測できない金融危機や自然災害を表すときによく使われます。
次官の発言はそのブラックスワンが三峡ダムにも潜んでいるという認識で、実際、三峡ダムの耐久性はほぼ臨界点に達しているという指摘ととらえることができます。
環境保護を無視し、フィージビリティースタディーも行われず、汚職による手抜き工事で構造上にも問題があったといわれ、 万が一決壊すれば、約30億立方メートルの濁流が下流域を襲い、4億人の被災者が出ると試算されています。
2000年に建設中の三峡ダムを見せてもらいましたが、ダムのスケールの大きさと非近代的な工事の現場の様子が思い出されます。
当時から、環境への影響の大きさが指摘されていて、その影響は地球環境規模に及ぶようなお話も聞いたことがあります。
ブラックスワンという事態だけは避けていただきたいものです。
一昨日の球磨川の洪水の流れを見ますと、急流であるがゆえに、氾濫や破堤などの事象が起きそうな時に河川沿川の人たちの恐怖は並みならぬものがあったと想像できます。
さて、豪雨により被災者1400万人の洪水被害が出ている中国では、世界最大の水力発電ダム「三峡ダム」の危機がささやかれています。
長江の中流に位置する三峡ダムは1993年、当時の李鵬首相が旗振り役になり、水利専門家たちの「砂礫が堆積し、洪水を助長する」といった反対意見を無視して建設され、2009年に竣工しました。
球磨川も一級河川で急流河川ですが、長江は河川の規模が比べようのないほどの大河川で、ダムサイトは長江の中流域の中でも特に水流が激しい「三峡」と呼ばれる峡谷地区に作られていますから、その心配もよくわかります。
三峡ダムは、70万キロワットの発電機32基を備え、総発電量は2250万キロワットの世界最大の落水式ダムです。
建設中から李鵬派官僚による「汚職の温床」と化して手抜き工事も起こったといわれ、 2008年に試験貯水が開始されると、がけ崩れ、地滑り、地盤の変形が生じ、ダムの堤体に約1万カ所の亀裂が見つかりました。
貯水池に貯めた膨大な水が蒸発して、濃霧、長雨、豪雨が頻発するとともに、水利専門家たちの指摘どおり、上流から押し寄せる大量の砂礫が貯水池にたまり、ダムの水門を詰まらせ、一方でアオコが発生し、ヘドロや雑草、ごみと交じって5万平方メートルに広がったといいます。
中国政府も技術者も根本的な解決策を見いだせず、お手上げ状態だったといいますが、そこへもってきて、今年の豪雨と洪水の試練を受けています。
気象当局によると、今夏は大雨や豪雨が予測され、洪水被害はさらに増大すると見込まれています。
中国水利省の葉建春次官は6月の記者会見で「水害防止対策により今は建国以来の最大の洪水を防御できているが、想定以上の洪水が発生すれば、防御能力を超えた『ブラックスワン』の可能性もあり得る」と口にしたそうです。
ブラックスワンとは、「あり得ないことが起こり、非常に強い衝撃を与える」という意味で、予測できない金融危機や自然災害を表すときによく使われます。
次官の発言はそのブラックスワンが三峡ダムにも潜んでいるという認識で、実際、三峡ダムの耐久性はほぼ臨界点に達しているという指摘ととらえることができます。
環境保護を無視し、フィージビリティースタディーも行われず、汚職による手抜き工事で構造上にも問題があったといわれ、 万が一決壊すれば、約30億立方メートルの濁流が下流域を襲い、4億人の被災者が出ると試算されています。
2000年に建設中の三峡ダムを見せてもらいましたが、ダムのスケールの大きさと非近代的な工事の現場の様子が思い出されます。
当時から、環境への影響の大きさが指摘されていて、その影響は地球環境規模に及ぶようなお話も聞いたことがあります。
ブラックスワンという事態だけは避けていただきたいものです。
2020年07月06日
琵琶湖がピンチ
湖や沼で、冬から初春に表層の水が底の水と完全に混じりあう現象を全層循環といいます。
水は水温とそれに伴う比重のわずかな違いで動き出しますが、温暖化で冬の気温が上がると、表層の水が十分に冷えず、下層の冷たい水との水温差が縮まらず、全層循環が起きにくくなっています。
日本最大の湖である琵琶湖が、まさに全層循環が起きにくくなっていて、呼吸不全状態に陥っています。
琵琶湖のような深い湖は、春から秋に湖面近くにある表層の水が温まり、冷たい下層の水と2層が分離し、大気から溶け込んだ表層の酸素は湖底へは届きません。
湖底では魚などが酸素を消費し、次第に酸素の量が減っていきます。
1リットルの湖水が含む酸素量が2ミリグラムを切ると、酸欠で生物が死ぬ危険が高まります。
その前に湖底へ1年分の酸素を供給するのが冬に起きる全層循環というわけで、「琵琶湖の深呼吸」と呼ばれます。
琵琶湖では、合成洗剤の普及や沿岸の開発などで周辺の川からリンや窒素が流れ込み、1970年代に富栄養化がおこり水質悪化が大きな問題となりました。
今回のように湖底の酸素が減ると、改善した水質の均衡が崩れ、泥や生物の排泄物からリンやアンモニアなどが溶け出し、再び富栄養化の危機を招くことになります。
小さな湖であれば、曝気により湖底に酸素を吹き込めますが、琵琶湖の規模となると無理があります。
400万年前の誕生から独自の生態系をはぐくんできた琵琶湖が「呼吸不全」に陥りピンチとなっています。
地球温暖化の影響は、現在も続いている九州の記録的豪雨にも表れていますし、先日、話題にしました北極
海の氷が解けることで新型コロナウィルスと異なる新たな感染症の発生も懸念されています。
水は水温とそれに伴う比重のわずかな違いで動き出しますが、温暖化で冬の気温が上がると、表層の水が十分に冷えず、下層の冷たい水との水温差が縮まらず、全層循環が起きにくくなっています。
日本最大の湖である琵琶湖が、まさに全層循環が起きにくくなっていて、呼吸不全状態に陥っています。
琵琶湖のような深い湖は、春から秋に湖面近くにある表層の水が温まり、冷たい下層の水と2層が分離し、大気から溶け込んだ表層の酸素は湖底へは届きません。
湖底では魚などが酸素を消費し、次第に酸素の量が減っていきます。
1リットルの湖水が含む酸素量が2ミリグラムを切ると、酸欠で生物が死ぬ危険が高まります。
その前に湖底へ1年分の酸素を供給するのが冬に起きる全層循環というわけで、「琵琶湖の深呼吸」と呼ばれます。
琵琶湖では、合成洗剤の普及や沿岸の開発などで周辺の川からリンや窒素が流れ込み、1970年代に富栄養化がおこり水質悪化が大きな問題となりました。
今回のように湖底の酸素が減ると、改善した水質の均衡が崩れ、泥や生物の排泄物からリンやアンモニアなどが溶け出し、再び富栄養化の危機を招くことになります。
小さな湖であれば、曝気により湖底に酸素を吹き込めますが、琵琶湖の規模となると無理があります。
400万年前の誕生から独自の生態系をはぐくんできた琵琶湖が「呼吸不全」に陥りピンチとなっています。
地球温暖化の影響は、現在も続いている九州の記録的豪雨にも表れていますし、先日、話題にしました北極
海の氷が解けることで新型コロナウィルスと異なる新たな感染症の発生も懸念されています。
2020年07月05日
洪水がまた牙を
熊本県南部を襲った記録的豪雨で球磨川筋で堤防の決壊や氾濫を起こし、死亡者や心肺停止者を出すとともに家屋などにも甚大な被害が出ました。
球磨川は最上川や富士川と並ぶ「日本三大急流」の一つされ、過去にも繰り返し水害が起きてきました。
今回の豪雨でも3年前の朝倉と同様に、またしても積乱雲が次々に発生し帯状に連なる「線状降水帯」が発生し、流域に大量の雨をもたらしました。
気象庁は、昨日の午前4時50分に「数十年に一度の大雨」として、熊本県、鹿児島県に大雨特別警報を発表し、さらに同11時50分に大雨警報に切り替えたようですが、早朝の洪水対応は避難をはじめ十分でなかったところもあったようです。
降り始めから昨日までの雨量が球磨川流域の上流から下流までいたるところで400mmを超えた模様で、時間雨量も50mmを大幅に超え中流の球磨村では観測史上最大を記録しました。
昨日は、テレビや新聞で大きく取り上げられ、球磨川流域図を示しながら人吉市やその下流の球磨村の被害の甚大さを伝えました。
マスコミが示した流域図には、被害が大きく報道された人吉市やその下流の球磨村の上流は本川の球磨川のみが記載されていました。
実は、人吉市で本川に合流する流域面積が大きい川辺川の存在も示さないと、洪水の特徴が分かりません。
日経新聞を見ると、川辺川が明確に示してありました。
川辺川というと、長年建設の是非が議論されてきた五木村で計画されていた川辺川ダムを思い出します。
熊本県の蒲島知事が川辺川ダム建設計画の白紙撤回を表明してから10年が過ぎます。
川辺川ダムは全国的に有名となった八ッ場ダムと同様、国直轄のダム事業です。
利根川流域一都五県が関係する八ッ場ダムと異なり、球磨川支流の川辺川に計画された川辺川ダムは、水没予定地の五木村から球磨川河口の八代市まで、流域全体が熊本県です。
熊本県では、蒲島知事の前任者である潮谷知事が主導した公開討論会などにより、関心が高まる中で起きた反対世論を受けて、蒲島知事はダム計画の白紙撤回表明に至りました。
蒲島知事は2008年の9月県議会の冒頭に、 「『現在の民意』は川辺川ダムによらない治水を追求し、いまある球磨川を守っていくことを選択している」と述べ、世論を根拠に川辺川ダム計画の白紙撤回を表明したといいます。
ただし「『未来の民意』については、人知の及ぶところではありません」とも述べていたそうで、今回の洪水経験も加味して、『未来の民意』はどういうことになるでしょうか。
これから、新たな『未来の民意』とは何か建設的な議論が必要のようです。
球磨川は最上川や富士川と並ぶ「日本三大急流」の一つされ、過去にも繰り返し水害が起きてきました。
今回の豪雨でも3年前の朝倉と同様に、またしても積乱雲が次々に発生し帯状に連なる「線状降水帯」が発生し、流域に大量の雨をもたらしました。
気象庁は、昨日の午前4時50分に「数十年に一度の大雨」として、熊本県、鹿児島県に大雨特別警報を発表し、さらに同11時50分に大雨警報に切り替えたようですが、早朝の洪水対応は避難をはじめ十分でなかったところもあったようです。
降り始めから昨日までの雨量が球磨川流域の上流から下流までいたるところで400mmを超えた模様で、時間雨量も50mmを大幅に超え中流の球磨村では観測史上最大を記録しました。
昨日は、テレビや新聞で大きく取り上げられ、球磨川流域図を示しながら人吉市やその下流の球磨村の被害の甚大さを伝えました。
マスコミが示した流域図には、被害が大きく報道された人吉市やその下流の球磨村の上流は本川の球磨川のみが記載されていました。
実は、人吉市で本川に合流する流域面積が大きい川辺川の存在も示さないと、洪水の特徴が分かりません。
日経新聞を見ると、川辺川が明確に示してありました。
川辺川というと、長年建設の是非が議論されてきた五木村で計画されていた川辺川ダムを思い出します。
熊本県の蒲島知事が川辺川ダム建設計画の白紙撤回を表明してから10年が過ぎます。
川辺川ダムは全国的に有名となった八ッ場ダムと同様、国直轄のダム事業です。
利根川流域一都五県が関係する八ッ場ダムと異なり、球磨川支流の川辺川に計画された川辺川ダムは、水没予定地の五木村から球磨川河口の八代市まで、流域全体が熊本県です。
熊本県では、蒲島知事の前任者である潮谷知事が主導した公開討論会などにより、関心が高まる中で起きた反対世論を受けて、蒲島知事はダム計画の白紙撤回表明に至りました。
蒲島知事は2008年の9月県議会の冒頭に、 「『現在の民意』は川辺川ダムによらない治水を追求し、いまある球磨川を守っていくことを選択している」と述べ、世論を根拠に川辺川ダム計画の白紙撤回を表明したといいます。
ただし「『未来の民意』については、人知の及ぶところではありません」とも述べていたそうで、今回の洪水経験も加味して、『未来の民意』はどういうことになるでしょうか。
これから、新たな『未来の民意』とは何か建設的な議論が必要のようです。
2020年07月03日
コロナ下のアウトドアに注目
間近に迫った今年の夏休みは、新型コロナウィルスの感染リスクを減らすため、近場で短期間、密を避けるレジャーが主流となりそうです。
旅行業者の調査では、夏休みの旅行先について居住地と「同じ」または「近く」の都道府県を選ぶ人が多いようで、そして短い1泊旅行を検討する人が増えているということです。
そんな中、新型コロナウィルス下でのレジャーとして、キャンプや登山などのアウトドアが注目されています。
海外旅行などに依然制限があるのに対して、感染リスクが低い屋外で手軽に非日常を 楽しめるということでしょう。
そもそもここ数年、アウトドア市場は成長が著しいようで、初心者の流入が続いているのが大きいようです。
キャンプ場でSNSで映える食事などの写真が撮れることや、自然に触れたいという意識の高まりが背景にあるということです。
コロナ後はこの傾向に拍車がかかりそうで、新型コロナの影響を加味した2020年のアウトドア用品の市場規模は前年比4%増の2748億円と予測されているようで、一大市場であるゴルフ用品を初めて逆転しそうです。
アウトドア用品各社は「巣ごもり」の反動で外出意欲が高まる家族や初心者を取り込み、市場拡大を狙っています。
旅行業者の調査では、夏休みの旅行先について居住地と「同じ」または「近く」の都道府県を選ぶ人が多いようで、そして短い1泊旅行を検討する人が増えているということです。
そんな中、新型コロナウィルス下でのレジャーとして、キャンプや登山などのアウトドアが注目されています。
海外旅行などに依然制限があるのに対して、感染リスクが低い屋外で手軽に非日常を 楽しめるということでしょう。
そもそもここ数年、アウトドア市場は成長が著しいようで、初心者の流入が続いているのが大きいようです。
キャンプ場でSNSで映える食事などの写真が撮れることや、自然に触れたいという意識の高まりが背景にあるということです。
コロナ後はこの傾向に拍車がかかりそうで、新型コロナの影響を加味した2020年のアウトドア用品の市場規模は前年比4%増の2748億円と予測されているようで、一大市場であるゴルフ用品を初めて逆転しそうです。
アウトドア用品各社は「巣ごもり」の反動で外出意欲が高まる家族や初心者を取り込み、市場拡大を狙っています。
2020年07月01日
民主主義への挑戦
香港国家安全法が施行され、香港の高度な自治を認められた「一国二制度」が崩壊しかねない歴史的な節目を迎えるのを受け、今日の新聞各紙に憂慮される論調の記事が示されました。
香港から政治的自由を根こそぎ奪いかねないこの国家安全法は、欧米が培ってきた民主主義に中国が突き付けてきた挑戦状のように映ります。
1978年に中国を改革開放に導いたケ小平氏は、経済発展のためには資本主義から学ぶ必要があり、その窓口にしようとしたのが香港でした。
一国二制度を50年変えないと約束し、英国から返還を実現しました。
中国はケ小平氏の想定をはるかに上回る速さで豊かになり、世界のGDPに占める割合も2001年の4%から2018年には16%まで上昇し、多くの国にとって最大の貿易相手国となりました。
新型コロナの感染拡大が止まらない米国を横目に、徹底した監視体制でひとまず沈静化させた習近平指導部は自らの統治モデルに自信を深め、台湾への武力行使や東・南シナ海、さらにインド国境でも拡張主義的な行動を繰り広げています。
強権体制を深める中国とどう向き合うか、この香港問題は世界に難題を突き付け、日本も中国との距離感をどう保つのか、尖閣の問題もありますし、延期されている習近平氏の国賓としての訪日をどうするかもあります。
また、新型コロナで経済面でのこれまでの過度な中国への依存関係に多くの課題が浮き彫りになりました。
この機会に欧米との連携をもとに、日本独自の国益も追求しつつこの中国との付き合い方を上手にやらないといけません。
香港から政治的自由を根こそぎ奪いかねないこの国家安全法は、欧米が培ってきた民主主義に中国が突き付けてきた挑戦状のように映ります。
1978年に中国を改革開放に導いたケ小平氏は、経済発展のためには資本主義から学ぶ必要があり、その窓口にしようとしたのが香港でした。
一国二制度を50年変えないと約束し、英国から返還を実現しました。
中国はケ小平氏の想定をはるかに上回る速さで豊かになり、世界のGDPに占める割合も2001年の4%から2018年には16%まで上昇し、多くの国にとって最大の貿易相手国となりました。
新型コロナの感染拡大が止まらない米国を横目に、徹底した監視体制でひとまず沈静化させた習近平指導部は自らの統治モデルに自信を深め、台湾への武力行使や東・南シナ海、さらにインド国境でも拡張主義的な行動を繰り広げています。
強権体制を深める中国とどう向き合うか、この香港問題は世界に難題を突き付け、日本も中国との距離感をどう保つのか、尖閣の問題もありますし、延期されている習近平氏の国賓としての訪日をどうするかもあります。
また、新型コロナで経済面でのこれまでの過度な中国への依存関係に多くの課題が浮き彫りになりました。
この機会に欧米との連携をもとに、日本独自の国益も追求しつつこの中国との付き合い方を上手にやらないといけません。