2020年08月31日

次の総理に期待するもの

安倍総理の辞任を受けて自民党の総裁選が行われることになりますが、それでは誰が次の総理にふさわしいか、世論調査では石破元幹事長がトップで他を引き離しています。

共同通信の調査では、石破元幹事長が34.3%でトップで、菅官房長官が14.3%、河野防衛相が13.6%と続いています。

日経新聞では、石破元幹事長が28%、河野防衛相が15%、菅官房長官が11%となっていて、岸田政調会長はどちらも低迷しています。


どうも、フィクサーとして二階幹事長が今回の選挙方式を党員投票なしの両院総会方式でリードするだけでなく、いち早く菅官房長官支持を打ち出し、他派閥の動向に影響を与えようとしています。

そもそも、次の総理がまず最初に取り組むべき課題は何かというと、もちろん外交・安全保障でも課題は山積みですが、緊急度という点ではやはりコロナ対応が最優先になるでしょう。  


コロナ対応は感染防止策と経済再生策の二つに分類できますが、感染防止策については特措法(新型インフルエンザ対策等特別措置法)の改正が最も重要です。

感染防止の主役は政府より自治体の首長なのですから、次の再流行の前に早く改正すべきです。

 特措法改正は、感染症対応を中央集権から地方分権に直す大きな改革となるので、ただでさえコロナ対応で忙しい中、官僚の立場からはそんな面倒臭い法律改正はやりたくなくて当然です。

 次の総理には、嫌がる厚労省にこの大改革をやらせる政治的意思と腕力が必要となります。  


次に経済再生策については、経済成長率の大幅な落ち込みを踏まえて、何よりも必要となるのは財政出動ですが、財務省は非常に嫌がります。 

従って次の総理には、財務省の言いなりにならず、むしろ財務省にそれらを無理矢理にでもやらせる政治的意思と腕力が、ここでも不可欠となります。


二階幹事長の思惑とは別に、霞が関に影響力がある菅官房長官がベストという評価につながるようです。
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2020年08月30日

メコン川流域の水問題でも中国批判

中国湖北省にある三峡ダムの水位上昇が国際的に注目を浴びる一方、東南アジアのメコン川流域では中国の巨大ダム建設による干ばつが深刻な問題になっているようです。

中国に源流があるメコン川は、そこからミャンマー、ラオス、タイ、ベトナム、カンボジアに流れ込み、その流域に暮らす約6000万人の生活を支えてきました。

ところが近年、メコン川周辺地域での干ばつが深刻化しており、地元メディアは中国が上流に複数のダムを建設したことが原因だと報じています。


米国のコンサル企業「アイズ・オン・アース」が行った調査報告書によれば、中国はメコン川流域のダムに470億キロリットルの水を放出せずにためていることが関係しているとしていますが、中国の精華大学などによる調査はメコン川流域の干ばつは高い気温や雨量の減少といった気候変動が原因だといいます。

中国側は、雨季に水をため、乾季にそれを放出するダムの基本的な機能を述べ、上流に限らずメコン川全体の干ばつを緩和していると主張します。

さらに、メコン川流域諸国のなかで最も干ばつの危険にさらされているのは中国だとも述べています。

しかし、各国の専門家や環境保護団体は中国側の研究結果を疑問視していて、不規則な雨量が干ばつの原因だとする中国側の指摘には同意するものの、人間による開発の影響も大きいと考えています。

また、米国のシンクタンク「スティムソン・センター」は、干ばつは雨季にも発生しており、上流にある中国のシャオワンダムとヌオツァートゥーダムが、2019年7〜11月の間に合わせて200億キロリットルの水をためこんでいたといい、問題を悪化させているのは中国のダムだと話します。


どちらの原因がより致命的かはわかりませんが、少なくとも中国側はダムも一因になっているという疑念は払拭できず、メコン川は学術界を越えて、米中対立の新たな主戦場になっていくかもしれません。
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2020年08月28日

データにみる日韓の経済活動悪化

日韓間の貿易額の落ち込みが激しく、7月分の貿易統計(速報)によると、韓国向け輸出が前年同月比で14.1%減、輸入が21.4%減と大幅に減少しました。 

5カ月連続のマイナスで、3カ月連続の2ケタの減少になりました。  

もちろん、新型コロナウイルスの蔓延による貿易の減少が打撃を与えているのは間違いありませんが、中国との間の貿易額は6月にプラスになったほか、7月も2.0%の減少に留まっているほか、台湾との貿易額は4月以降プラスが続いています。

そんな中で、韓国との貿易額が激減している背景には、急速に冷え込んでいる日韓関係があるとみられています。


人の動きも激減していて、日本を訪れた訪日客は、新型コロナウイルスの影響で、3月以降ほぼ「消滅」しています。

訪日客の総数は4月から7月まで4カ月連続で対前年同月比99.9%減となりました。  

もっとも、新型コロナ以前から韓国からの訪日客は激減していて、GSOMIA問題などが盛り上がった2019年8月に対前年同月比48.0%減となって以降、9月58.0%減→10月65.5%減→11月65.1%減→12月63.6%減と、新型コロナとは関係なしに訪日客が半減していました。  

2018年には年間753万人が日本をおとずれていましたが、2019年には558万人に減少し、新型コロナが収束に向かったとしても、このままの状況が続けば、2020年は100万人におおきく届かないまま終わりそうです。  


「ひと・もの・かね」の結びつきが減れば、外交でも両国関係が疎くなっていくことになりかねません。  

日本での韓流ドラマの根強い人気や、若い世代での韓国コスメのブームなど、国民同士がかならずしもいがみ合っているわけではありません。 

民間同士の経済的なつながりの希薄化をこれ以上進めないことが、日韓関係をこれ以上冷却化させないためにも、日本の安全保障上も極めて重要になってきそうです。


安倍晋三首相は本日、首相官邸で記者会見し、「8月上旬に持病の潰瘍性大腸炎の再発が確認された。病気の治療を抱え、体力が万全でない中、大切な政治判断を誤ること、結果を出せないことがあってはならない。総理大臣の職を辞することとした」と述べ、辞意を表明しました。

長期政権が終了し、にわかに政局が動きます。
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2020年08月27日

新幹線問題の議論の行方

九州新幹線西九州ルートの議論の行方が見えなくなっています。

公共事業等の推進を巡っての地域対立は全国に見受けられますが、佐賀県がかかわるものとして、新幹線西九州ルート、有明海(諌干問題)があります。

国が広域的に進める事業では、広域的な公共性の有無(そもそも必要なのかといった事業の本質にかかわるもの)が問題として議論になることだけでなく、地域間による利害対立を生むケースが出てきます。

新幹線、有明海のどちらも地域間の対立が生じてきていて、この地域の政治、行政の懸案事項として大きな課題となっています。

地域間対立は、国の事業ですと政府要望で片方が東京に行きますとマスコミがそのことを取り上げ、片方が負けじとその反対の動きをして、またそれがマスコミに取り上げられて、事業そのものの問題というよりも、いつの間にか問題の本質ではない地域間の争いがクローズアップされていきます。


九州新幹線西九州ルート新鳥栖―武雄温泉間の整備方式見直しで、長崎県の中村知事や経済団体トップが昨日、首相官邸や自民党本部を訪れ、フル規格整備を前提に4項目を要望したようです。

2023年度にフル規格で着工できるように早急に環境影響評価(アセスメント)の調査を実施することなどを盛り込んでいます。

これに対して、佐賀県の山口知事は昨日の定例会見で、九州新幹線長崎ルート新鳥栖−武雄温泉間の整備方式見直しを巡り、長崎県の中村知事らが与党などにフル規格での2023年度着工を要望したことを「佐賀の思いを
一顧だにせず、突っ走る行動をしていることを不快に思う」と痛烈に批判したとした別の記事に載っていますした。

一方、JR九州の青柳社長は昨日の定例の記者会見で、「早期着工は中村知事と全く同じ考え」と歓迎した発言をしたと、これまた別の記事に載っていました。

今回のように要望活動を通じて賛否の関係者にコメントを求め、結果的に対立の構図を煽っている形になっていきます。


有明海の諌干問題での佐賀県と長崎県の対立の構図も同様な展開でした。

問題の本質的なところが解決されず、その結果が地域にとって望ましい方向に展開したかというと、疑問です。

この新幹線の問題でも、北海道大学の宮脇教授が有明海再生機構主催のシンポジウムで指摘されたように「地域が中心となった水平的な政策議論の場」が必要のようです。
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2020年08月24日

地方の「稼ぐ力」の実態

まず、新型コロナウイルス感染拡大によって、私たちの所得にもじわりじわりと影響を与えています。

雇用、給与及び労働時間について毎月の変動を明らかにする、厚生労働省「毎月勤労統計調査」では、2020年、1〜3月の現金給与総額は前年比プラスで推移していましたが、緊急事態宣言の出された4月には前年比マイナスに落ち込みました。

6月は速報値ですが、3ヵ月連続のマイナスを記録し、さらに深刻さを増すと考えられ、特に影響が大きかったのが、所定の労働時間を超える労働に対して支給される給与や休日労働、深夜労働に対して支給される「所定外給与」です。

緊急事態宣言下では休業となる企業も多く、また、緊急事態宣言が解除されてからも、企業の業績悪化に伴って従業員の労働時間は短縮傾向にあり、所定の給与プラスαは望めない状況が続いています。


過去をさかのぼって私たちの給与はどのように推移してきかですが、所得金額総計が最も多かったのは「東 京」、続いて「神奈川」「愛知」「大阪」「埼玉」「千葉」と続きます。

当然、総計なので、所得税納税者の人数、すなわち、人口比とほぼ比例します。


次に「所得税納税者1人当たりの所得金額」では、「東京」が圧倒的に多く、1,044万円で、次に「神奈川」729万円、「京都」718万円、「愛知」716万円、「兵庫」709万円と続き、東京を中心とした首都圏と、大阪を中心とした関西圏など、大都市を含む都道府県が上位を占めます。

一方、下位は規模の大きな都市の少ない、東北や山陰の自治体が並びます。

一都三県の所得税納税者1人当たりの所得金額は835万円で下位の自治体とは2倍以上の差が生じており、都市と地方、稼ぐ力の差が如実に現れた結果だといえるでしょう。


さらに「所得税納税者1人当たりの所得金額」を2018年と20年前の1998年と比較してみると、対1998年比で100%を上回ったのは、「東京」「京都」「愛知」「大阪」「神奈川」「兵庫」の6自治体だけです。

そのほかは100%を下回りました。

地方は、20年前と比べて1人当たりの所得金額が減った、つまり稼ぐ力が弱くなったといえます。


しかし、新型コロナの感染拡大でリモートワークが一気に浸透したことで、東京にいる必要がなくなった人が多くなっており、さまざまな問題を巻き起こしている新型コロナですが、数少ないプラスの作用として「東京一極集中の是正」が実現できるかもしれません。

今こそ、真の地方の時代を目指すことが求められます。
posted by 川上義幸 at 20:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年08月23日

鬼門、マリンで今年初勝利

ようやくZOZOマリンで勝ちました。

昨季も2勝10敗と苦戦し、今季も3敗1分けと勝てなかったロッテの本拠地で白星を手に入れました。
勝利の立役者は二番・中村晃、三番・柳田悠岐の二人の選手です。

3回、先頭の中村選手が左前打で出塁すると、柳田選手が先制2ランし、8回も中村選手が左前打を放つと、柳田選手のセンターへの適時二塁打で勝ち越しました。

この二人の選手に栗原選手以外は、現在チームの勝利に全く機能していません。
どうも、ロッテ戦を迎えるころはチーム状態がよくありません。

毎日、暑い日が続いている中で、野外での試合は選手にはとても厳しい環境での試合となっています。
ドーム球場が本拠地となっているホークスにとっては、この時期でのマリンは鬼門となっています。

最近は、工藤監督の采配に疑問を投げかける解説者が多くなっているように感じます。

昨日の試合でも、一番に松田選手を起用したことが話題になっていました。

今季、楽天戦でも松田を一番でスタメン起用したことがありましたが、このときは不振の松田に対して「気分転換の意味を込めて」と工藤監督は意図を説明していたそうですが、その時は私もそのように理解しました。

しかし、今回は解せません。  

この日も4打数ノーヒットでしたから言うのでありませんが、ロッテ戦で今のチーム状態で余裕すらないのに一番に適していない松田選手の起用には大いに疑問符です。

先日のサヨナラで負けた試合でも、10回の表に勝ち越し、その裏の投手起用でも多くの解説者が疑問を投げかけていました。

内川選手の1軍昇格を多くのファンが待ち望んでいるのですが、2軍の試合で結果を残しておきながら首脳陣の現在のチームに求める戦力に入っていないのでしょうか、この点でも大きな疑問です。

今一つチームが乗れないのは、監督の采配も大きくかかわっているのかもしれません。
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2020年08月21日

感染症の専門家意見

新型コロナウイルスに感染後、死亡する人の数が10人を超える日が続くなど、流行「第2波」による死者の増加が目立ち始めました。

愛知、大阪、沖縄など、東京以外での流行地で顕著なのが特徴です。

まだまだ感染の広がりは収まりませんが、新型コロナウィルスをこれまでのようにただ恐れるのではなく、ウィルスに関する知見も得られ落ち着いた論調が増えてきました。


新規の感染者に関しては政府新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長が昨日、日本感染症学会の講演で「全国的に見るとだいたいピークに達したというのが私たちの読み」との見解を示しましたが、重症化しやすい高齢の感染者は増えており、引き続き警戒は必要だということでした


また、北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター・田礼人教授の見解を紹介します。

まず、コロナウイルスそのものについての見解は、多くの人がなくなっていますから放っておいてよいというわけではないですが、ウィルスの病原性はそれほど高くないということです。

人に感染するコロナウイルスとしては、4種類の風邪ウイルスのほか、病原性の高いSARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)が知られています。

新型コロナウイルスは、SARS‐CoV‐2と名付けられていて、この6種類の中では、SARSコロナウイルスに遺伝子が最も近かったので、そう名付けられたようです。

感染者の一部で重症肺炎を引き起こすこともあり、そういう名前が付いたわけで、多くは無症状か軽症であることが分かってきましたし、このまま行けば、5番目の風邪ウイルスになるのではないかといった感じで見ているということです。


次に、動物から人間への感染というのはどうして起きるかについてですが、まずSARSはコウモリが由来だとされていますし、MERSではラクダを介して感染したとも言われています。

もともと、こういった現象は、恐らく大昔からあることで、推測になりますが最初は動物を人間が家畜化したあたりから始まっていると思われます。  

しかし、最近よく目につくのは、人口が増えて人間の活動領域が広がり、野生動物との接点が増えたことで、動物が持っているウイルスが人に感染する機会が増えたことです。


今後、ウイルスが弱毒化するかというと、病原性の高いウイルスが生まれる可能性はあるということです。

しかし、病原性が高いと他へ感染する機会が少なくなるため、ウイルスとしては生き延びづらいということになります。

今回のウイルスのように無症状でも感染するのは、人間の側からみれば、とてもやっかいです。  不顕性感染なのにウイルスの量は多いという話なので、そうなると、ウイルスの側にとっては有利な性質ということになります。

今後、途中で強毒化するものも現れるかもしれませんが、最終的に生き残るのは病原性が弱いタイプだということです。


今後の新型インフルエンザが出現する可能性はというと、新型インフルエンザが出現する脅威は、何も変わらず、現在は、研究の方もコロナ以外はストップしているところが多く、新しいパンデミックインフルエンザウイルスや未知のウイルスがいつ現れてもおかしくない状況に変わりはありません。

それに対して、私たちはどんな心構えでいればいいのかというと、いつもいろんなウイルスに取り囲まれているという認識を持つことと、感染したことが悪い事かのような、差別や偏見につながることは、絶対やめるべきと強く指摘されていました。
posted by 川上義幸 at 20:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年08月20日

長江流域にまたもや異常降雨

きょうも日本列島は各地で猛烈な暑さが続いているようで、内陸部では40度近くまで上がる所もあり、危険な暑さになりそうです。

まだまだコロナ感染の問題があってマスクは手放すことはできませんが、ここは熱中症の危険を必要に応じ
優先することも考えないといけません。

今でも昼休みに新幹線のガード下の日陰のところをウォーキングしていますが、その道中に厳しい日差しを受け、酷暑を実感しています。


さて、お隣の中国ですが、また長江流域の大雨で、多くのところで浸水被害が出ているようです。
長江の洪水で話題を集めるのが世界最大級の三峡ダムです。

今年は何度も三峡ダムの水位が上昇し、ダム最高水位の175mに達するのではないかと心配されました。

今回、四川省などで続いた大雨で重慶市中心部の一部道路などが水没し、長江を使った物流は一時停止に追い込まれています。

今回は重慶市からみて下流に位置する三峡ダムの水位は過去最高を更新する見通しで、当局は警戒を強めています。

「過去最大の洪水に迫りつつある」と、重慶市で河川やダムなどを管理する水利局は19日、長江や支流の流域に住む住民らに警告を出しました。

長江沿いなどの道路は冠水し、商業施設などは相次いで営業停止に追い込まれています。

自動車やパネルなどの主要工場は河川から離れた高台にあるため、多くの操業に直接的な影響は出ていないもようですが、長江を使った船舶の物流が18日から止まっていることから、水運を利用する一部の企業の製品出
荷などに悪影響が出る恐れも出ています。

日本企業をみると、トラックやエンジンの製造拠点を重慶市に持ついすゞ自動車も現時点で洪水による影響は出ていませんし、重慶市にエンジン、湖北省武漢市に四輪車製造拠点のあるホンダも「現時点で影響は確認されていない」といいます。


問題は三峡ダムで、三峡ダムへの入水量は過去最大の76000m3/sに近く達する見通しで、すでに10カ所の水門から過去最大となる48000m3/sを放水しますが流入量に追いつかず、水位は過去最高の166mに達する見通しで
す。

台風7号が熱帯低気圧に変わりましたが、今後の降雨量によってはさらに水位が上昇することも考えておかないといけません。
posted by 川上義幸 at 22:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年08月19日

早生まれの不利

昔から「早生まれ(1月〜3月生まれ)」は学校生活で損をするといわれてきました。

特に幼少期では生まれた月の違いによる成長差は大きく、学年内で“最年長”の4月生まれの子供は相対的に体格がよく、勉強やスポーツに秀で、リーダー的な存在になりやすい一方で、“最年少”の3月生まれは何事にも遅れがちになるといわれていました。

こうした差があるのはせいぜい小学校までの間だけで、年齢を重ねると差はなくなると誰しも考えていましたが、労働経済学を専門とする東京大学の山口慎太郎教授は、論文で、生まれ月による差は想像以上に長く続くとする研究結果を発表しました。


それによると、早生まれの不利は、高校入試にもあらわれ、3月生まれと4月生まれで入学した高校の偏差値を比べると4.5も違い、大学の進学率も早生まれのほうが低く、これは日本に限らず、アメリカやカナダでも同じ傾向があるということです。

さらに早生まれの不利は大人になっても消えず、早生まれの人は30〜34歳の所得が4%低くなるという研究報告が出ているようです。

山口教授によると、理解の鍵になるのは「認知能力」と「非認知能力」という概念だといいます。

認知能力とは、IQや学力テストなど頭の良さを指し、一方の非認知能力とは、「最後までやり抜く力」や「感情をコントロールする自制心」「ルールや約束を守ろうとする心」「他人と良い関係を築く力」など、社会性・情緒・内面の能力を指します。


近年の研究で、社会的に成功する人は非認知能力が高いことがわかってきています。

非認知能力の低い人は犯罪で逮捕される率が高く、収入も少ないという統計もあります。

今まで認知能力に比べて軽視されてきましたが、実は非認知能力は非常に重要です。  

早生まれの不利を跳ね返すために、親御さんは家で勉強や読書をさせたり、塾に通わせたりしますが、その分、子供同士で遊んだり、スポーツをしたりする時間が減り、非認知能力が育ちにくくなっている可能性があると山口教授は指摘します。


他愛のない子供同士の遊びやスポーツは、子供の成長に決して無駄ではないということです。

この「早生まれは損をする問題」は今まで放置されてきましたが、ここまで差があることが判明した以上、教育制度で何らかの対策が必要なのでしょうか。
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2020年08月18日

withコロナが実践できていますか

新型コロナウイルスの日本の経済への影響についてですが、7月の景気ウォッチャー調査によると、景気に敏感な小売店主らに聞いた街角景気で、2,3か月先の景気の見方を示す「先行き判断指数」では、前の月に比べて8.0ポイント低い、36.0でした。

アメリカもそうですが、12日の日本の株価も上がっていて、アメリカの追加の経済対策への期待があるようです。

しかし、アメリカの株の上がり方と比べると弱く、背景としては、新型コロナウイルスで世界の経済は落ち込んだのですが、そこからの戻りを見ると、日米欧で日本がいちばん遅れているということです。


感染者数を見ると欧米の方が多く、特に死者の数は日本より2ケタくらい多いのです。

ただ、国民性の違いもあるのでしょうが、コロナに対する怖がり方が全然違うといいます。

一部メディアの影響もあるかもしれませんが、かなり日本国民的に移動などに慎重になっています。

最近になって感染者の伸びや死者の伸びを見ていると、ヨーロッパはけっこう「やばくないか」という数字が出ています。

日本の議論みたいに、ロックダウンに近いような緊急事態宣言で国ごと閉じるかというと、そういう判断をする国はないですよね。

以前のように国全体をロックダウンするのではなく、ピンポイントでロックダウンをしようという動きはありますが、もう一度ロックダウンしようという国はいまのところありません。

当時は新型コロナウイルスがどのような病気かわからなかったのでいったん止めましたが、わかってくると経済活動を長く止めることの影響を重要視してきました。

欧米に比べて死者が100分の1以下であった日本の方が、いちばん怖がっているという不思議な現象と世界的に見えるようです。


報道の問題も大きいようです。

東京都では新規感染者が4日連続で200人を超え、新宿の小劇場を訪れた客の陽性者が59人目に到達し、実に約850人が濃厚接触者に認定されるなど、各種の数字に人々は慄いていた時のことです。

感染症の専門家がある番組で、「医療現場も、あと2週間したら大混乱になる可能性もありますよ」と番組の意向に沿ったコメントを出しましたが、結果は大混乱には至っていません。


エコノミストは、正しく怖がればもう少し経済とのバランスをとってやれると指摘します。

いろいろな情報を政府が的確に提供してくれると、マスコミの報道に振り回されることなく、withコロナ社会の中での経済活動に専念できると思います。


もうひとつは、今回感染が拡大してしまったのも、2か月くらい夜の街関連でかなり増えて来たときに、ピンポイントで対策を打っておけば、このようにはならなかったのかなと思います。

半年間のコロナの経験をもっと活かす工夫が必要のようです。
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2020年08月15日

また新型ウィルス?

新型コロナウイルスの発生源となった中国で、今度は「新型ブニヤウイルス」が猛威をふるい、7人が死亡したと現地メディアが報じています。

以前にも「中国で新たなウィルスが発生」と報じられ、ネット上でも不安の声が相次いでいたようです。
日本の一部メディアでも取り上げられ、ネット上に情報が拡散し、ツイッターでは「新型コロナウイルスに続いて新型ブニヤウイルスか」「もうこれ以上嫌だ」などの声も出ました。

しかし、専門家は意外な「正体」を明かし、過度に騒ぐ必要はないとクギを刺します。

ウィルス学が専門の長崎大学熱帯医学研究所所長の森田公一教授は、「日本にも、もともといるウイルスで、極端に心配する必要がない」と語ります。  

「新型」と名は付くものの、正体は日本でも2013年以降、話題になったマダニ媒介感染症の一種である「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」のことだといいます。

最初は中国で特定されましたが、日本でも昔から土着していたと考えられ、2013年以降、西日本各県で患者発生が確認されています。

山や農作業、庭作業でマダニにかまれることで感染し、高熱、食欲不振や吐き気、下痢、筋肉痛や皮下出血などの所見が認められ、致死率は高いときで30%近くなるそうです。

SFTSは、国内では12年秋に山口県で女性1人が死亡したのが最初の報告例でしたが、昨年には感染者の報告者数が初めて100人に達したといいます。

コロナ一色の日本ですが、日常に潜むほかのウイルスにも注意は必要で、グローバル社会となった今、今後も起こるであろう新型ウイルスの発生に適確に対応していかなければならないことは確かなようです。

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2020年08月14日

コロナと酷暑

今年は梅雨が長引き8月から急に暑くなった感じで、体が順応できずに夏バテ気味です。

加えて、新型コロナウィルス感染防止でマスクもしていますから、一層暑さが堪えます。

全国的に見ても12日まで3日続けて猛暑日を記録したのが100地点を超えたようで、福岡市は今日も午前中から気温35度を超え猛暑日となりました。

上空のチベット高気圧が太平洋高気圧に重なり、「2階建て構造」になったためだと言われています。

偏西風が平年よりも北に蛇行し、2つの高気圧が張り出しやすくなっています。

高気圧にはゆっくり下降する空気の流れがあり、上空の乾いた空気が地表に下りる間に温度が上がりますが、高気圧が重なると地上で厳しい暑さになりやすいそうです。

全国的に熱中症で救急搬送される人が急増しているようで、関東甲信の1都8県では熱中症警戒アラートが全域で発令されているそうで、新型コロナウィルス感染拡大を懸念するアラートもあって、ここしばらく自粛してそれぞれが自分の体は自分でも守らないといけないようです。
posted by 川上義幸 at 17:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年08月12日

ドラゴンはどの道を?

ワシントンの大手研究機関「戦略予算評価センター」が、今後15年間に共産党政権下の中国がどんな軌道をたどるのかについて大胆な予測を試みた研究の結果を公表しました。

中国の将来について研究したのはアーロン・フリードバーグ氏(2代目ブッシュ政権の国家安全保障会議の中国担当)ら計6人の米欧の外交や戦略に詳しい専門家の集団です。

彼らは、習近平政権下の中国が内外に向けて宣言している目標を達成するという予測から、習近平主席の失脚や共産党の崩壊という予測まで4種類の可能性を打ち出しています。

同時に、同報告書は副題に「中国の戦略的軌道に対する同盟諸国の認識を鋭利にする」とあるように、米国およびその同盟諸国は、それらの各シナリオに沿って対応すべきだとする多角的な対中戦略を提唱しています。 


同報告書は、中国の2020年以降の動向を考察し、15年後の2035年にはどんな国家となっているかを予測し、予測にあたっては複数のシナリオを描くことが現実的だとして、以下のような4種類の将来図を打ち出しています。

【1】習近平の夢(ほぼすべてが習近平国家主席と中国共産党の現在の意図どおりに進む)  

【2】混乱しながらの前進(中国共産党政権は幾多の経済、国際、政治面での失敗を経て、内外で
の信頼を失うが、なんとか存続する)

【3】民族主義的な激動(経済、社会、国際、政治の各面での深刻な政治抗議が国内危機を生み
共産党指導部の不適切さが示され、習主席と現指導部のほとんどが退陣に追い込まれ、民族主義勢力が政権を握
る)

【4】巨大なシンガポール化(国内の経済、社会、政治の困難は増大するが、習近平主席は自国の
針路を変更し、経済や社会を根幹から改革し、軍事や対外攻勢を削減して、欧米陣営との協力的な関係を求める。いまのシンガポールの軌道に似る)  

同報告書は、中国の将来については少なくとも上記の4種類のシナリオを描き、中国の実際の動向を継続的に考察して、そのシナリオの選択や修正を続けていくべきだと提案しています。


また、中国の動向を考察し将来を予測する際の測定対象としては、以下の諸点を挙げています。

・中国共産党政権のパワー、実行力、安定性の測定  

・中国全体の経済、技術、企業の前進の測定  

・共産党政権の国外での軍事力の攻勢的な使用度合いの測定  

・中国に対する国際的な協力、あるいは抵抗の水準の測定  

・中国共産党政権が自国民に対して民族主義的な言辞であおるか、あるいは国際的なスタンスを伝えるかの測定  

・中国共産党政権がインド太平洋の主要領域で、政治、経済、軍事の足跡をどこまで拡大するかの測定  


そして同報告書は約130ページに及ぶ記述の最終部分で、中国の将来の予測は複数シナリオでなければならないという点を再び強調しながらも、中国が現在の習近平主席の共産党独裁支配のまま主要目標をすべて果たすという見通しは現実にはきわめて少ないと付記しています。

実際には4つのシナリオのうちの第1の「習近平の夢」の実現はないだろうというのが研究にあたった専門家たちの見解のようです。

posted by 川上義幸 at 19:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年08月11日

子育てには「濃厚接触」

新型コロナウィルスの感染拡大により、ソーシャルディスタンスを保つことが欠かせなくなっています。

密閉・密集・密接の「3密」を避けるのは現状では大切なことですが、社会的な副作用があることも見過ごしてはならない、これは日経新聞の経済教室の私見・卓見に投稿されていた記事です。


人間形成の途上にある子ども、特に未就学児や小学生低学年とのスキンシップが欠如しがちになる問題の指摘です。

筆者である小児科医としての経験を踏まえると、子供は親との密着、保育士や教師との接触などを通じ心と体が発達するということで、養育者による愛着形成は子どもの情緒的、社会的な発達に不可欠というのは科学的な定説となっています。

しかし、子育てにおいて、「濃厚接触」は避けられませんが、家庭内はともかく、保育園や幼稚園、小学校では通う機会が制限されたり、オンライン授業に切り替わったりしています。

物理的な接触が希薄な状況が続くとどうなるのでしょうか。

いま事態に直面している子どもたちは、多くの人が踏んだ成長のプロセスとは異なる少数派であることを余儀なくされます。

コロナ危機が続き、ほかの感染症なども流行すれば、接触が希薄であるのが「新たな日常」となります。


筆者の主張は、人間の社会性そのものが変容してしまうのではないかと危惧されるというわけです。

今後、人と人の触れ合いの重要性は増していくものと思われ、触れ合いの機会が感染症のせいで奪われるのは受け入れにくいことです。

こうした観点を踏まえると、まずはPCR検査を保育士や教師らが受けられるようにすること、また日常的に子どもと接する大人たちも検査を受けることで、より安心して触れ合いが可能になります。

withコロナにはPCR検査を増やすことの必要性が指摘されてきたにもかかわらず、全く関係者間でかみ合わず、日本だけが遅々として進まなかったわけですが、このように具体的な指摘に基づいた議論だと検査の促進がより前進するように感じます。
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2020年08月10日

中国、科学分野でも台頭

自然科学分野の論文数で中国が米国を抜いて1位になり、研究開発費でも米国を猛追しているようです。

米中2強時代はこの分野でも鮮明になってきました。


論文の世界シェアは19.9%、米国が18.3%となっており、3位は4.4%に過ぎません。

今回の調査は、査読などで一定の質があると評価される学術誌に掲載された論文のデータベースを使い算出されたものです。

優れた論文は引用数の多さで評価され、被引用数が上位10%の注目論文数のシェアで見ていくと、2017年の1位は米国の24.7%、中国は2位の22.0%となっており、さらに注目度が高い上位1%の論文では米国は29.3%、中国は21.9%となっており、質でも米国と肩を並べるようになってきました。


また、世界知的所有権機関によると、国際特許出願でも2019年に中国が米国を抜いて初めて世界一になっています。


米中の得意分野は分かれており、米国は臨床医学、基礎生命科学が高く、中国は材料科学、化学、工学、計算機・数学で高いシェアを誇っています。

中国の躍進を支えているのは、積極的な研究開発投資や研究者の増加です。

そして、その研究者ですが、米国は中国の人材に依存していて、米国内で博士号を取る中国の若者は年間約5千人といわれ、彼らが実質的に米国の科学を支えているといっても過言ではなさそうです。


最近、中国の科学技術政策に大きな転換の兆しが見えるといいます。

これまで、若者を欧米で学ばせ、欧米の科学誌での評価を研究者の業績としてきましたが、これからは中国発の有力紙を育て世界の知を集めることにしていて、欧米中心の科学のくびきからの脱出を図ろうとしています。

科学の分野でもしたたかな中国の戦略を見ることができます。
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2020年08月08日

感染対策に指標と数値基準

政府の新型コロナウィルス分科会は、感染状況を判断する6つの指標と数値基準を示しました。

尾身会長は分科会後の記者会見で指標をまとめた理由として「どうなるか不安がある中で全体像をお示しすることが分科会の責務だ」と語ったそうですが、その通りでもう少し早く出していただきたかった感はあります。

この分野での特にデジタル化の遅れが指摘されることやPCR検査が進まないなどの各種制約条件がある中でやむを得ない面もありましたが、全体が見えない中で場当たり的な対応に終始し、マスコミは無責任な批判ばかりするし、国民の不安は解消できないままでした。

これからは、各県の状況を踏まえて、的確な対応を期待したいものです。


6指標は、@病床のひっ迫具合A療養者数BPCR陽性率C新規感染者数D直近1週間と前の1週間の比較E感染経路不明割合をあげています。

そして、それぞれの指標の数値基準を示し、現状での各県の状況を「散発的」「漸増」「急増」「爆発的」の4ステージで一覧化しました。


各県を個別にみていくと、沖縄県が6指標のうち2つが最も危険な水準に達しているようで、感染拡大のペースが急なのが気になります。

沖縄では現在、軽症者用の宿泊療養施設の確保が追いついていないようで、400人近くが療養先が決まらず自宅待機となっています。


陽性率の高さが問題となっているのは愛知県で、専門家は「検査が追いついていないのが示唆される」と話します。

検査が足りないと市中感染の拡大を抑えきれなくなる恐れがあり、検査体制の拡充が重要な課題となっています。


  福岡県も、東京都と同様に6指標のうち5指標が第3段階で急増して危険水域に近づいています。

  特に、福岡市の感染拡大が懸念されていて、高島市長のリーダーシップのもとに市民が一致団結してこの不名誉な実態を改善しないといけません。


この指標も活用して、地域ごとに優先課題を明確にして的確に対応していくことが求められています。

これからは地域の出番です。
posted by 川上義幸 at 18:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年08月07日

コロナ問題で露見した中国の野望

「香港国家安全維持法」を巡り「香港の情勢を批判するのは中国への内政干渉にあたる」との中国の主張に対して、6月末の国連人権理事会で53か国が支持したということです。

そして、中国批判の声明に加わったのは日本を含む27か国だったということですが、ほとんどが先進国です。

中国を支持したのはキューバやパキスタン、カンボジア、アフリカ諸国などで、国連では数の力がモノを言います。


支持した国には、中国が開発資金の融資などで支援する国が名を連ねています。

中国がこのほど世銀を通じて初めて開示した途上国68か国への融資の状況は、2018年末の残高は約10.7兆円
に達し、この4年間で1.9倍に急増し、世銀の融資に肩を並べます。

中国の融資は金利が高く、融資期間が比較的短いにもかかわらず平均で3.5%となり、IMFの0.6%や世銀の1%を大きく上回ります。

しかしなぜ、中国の融資に頼るかというと、途上国は専制国家も多く、IMFなどから融資の条件として財政規律などが迫られるのを嫌う傾向が強く、それに便乗して中国は融資を拡大していて、その恩をもとに国連での発
言権を拡大しています。


中国のしたたかな戦略には恐れ入ります。

最近では、米欧は中国が膨大な融資で途上国への影響力や支配力を強めるのを「債務のワナ」と呼んで警戒するようになってきましたが、遅きに失した感はぬぐえません。

中国は広域経済圏構想「一帯一路」を掲げて鉄道や港湾の建設資金を融資し、中国国有企業の受注などで自国の経済や外交、安全保障上の利益を得てきました。

返済に行き詰ったスリランカは2017年、主要港湾を中国国有企業に99年間もリースする事態に陥ったのは有名です。


このような融資の実態が明らかになったのは新型コロナウィルスがきっかけでした。

途上国が債務危機に陥ったり、医療予算の減少で感染爆発を招いたりする懸念が高まり、4月の主要20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で返済猶予に合意し、各国が抱える債務の実態把握が必要になり、中国も国別の情報を開示するようになりました。

新型コロナウィルス感染問題で世界的な多くの課題を認識する機会になりましたが、中でも中国のしたたかな世界覇権の野望の一端が明らかになったことはコロナ後の世界の枠組みを考える上で良かったかもしれません。

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2020年08月06日

九州新幹線西九州ルート

九州新幹線西九州ルート新鳥栖―武雄温泉間の整備方式見直しに関し、与党検討委員会の山本幸三委員長に対する佐賀新聞社のインタビュー記事が載っていました。

山本委員長は、「財源議論は後回しになる」と述べ、北陸新幹線(敦賀―新大阪)とセットの財源議論から切り離されるとの見方を示したようです。


そもそも、国か長崎県か、はたまたJR九州が要望したからかわかりませんが、与党検討委員会の動きが突然フリーゲージトレインの開発の可能性を否定して、新幹線の次の展開として北陸新幹線と一体的整備を目指し、西九州ルートは武雄温泉から新鳥栖までの間はフル規格で整備することが適当という判断を示したころからおかしくなってきました。

これまで全く、武雄温泉から新鳥栖までの間をどうするかの議論がなされていない中での唐突感に、佐賀県が異論を唱えることになります。

佐賀県と国交省は当初は協議のスタンス、やり方等で折り合いがつかず平行線でしたが、今年6月5日、フル規格、ミニ新幹線、スーパー特急、フリーゲージトレイン、武雄温泉駅での対面乗り換え(リレー)の5方式について議論する「幅広い協議」を開始ししました。


しかし、国は何としても目指すフル規格でのアセス推進を急ぐあまりに、5つの整備方式に対応するアセス案を提案してきました。

さすがに、県は国の方針を飲むとなしくずし的にフル規格で話が進むことを懸念し、この5方式に対応するアセス案を拒否します。


インタビューでは山本委員長は、国交省が佐賀県に提案した五つの整備方式に対応するアセス案について「極めて現実的な案」と評価した上で、「拒否した佐賀県の考えが理解できない」と述べました。

今後の財源議論については「できる線区からやっていくしかない」とし、北陸新幹線が先行するとの見通しを示すとともに検討委での議論凍結も示唆しました。


一方、赤羽一嘉国土交通相は4日の閣議後会見で、佐賀県がアセスの提案を拒否したことについて「趣旨が理解されず残念」と述べるとともに、「全国の新幹線ネットワークをつなぐことが地方創生、防災減災の観点からも重要と考えている。九州、西日本地域の未来にとって、どのような整備のあり方が望ましいか、しっかり議論を進めたい」と新幹線整備の推進の必要性を改めて強調しました。

これからも整備方式に関する県と国の協議は継続することになりますが、攻防の第一弾は佐賀県が押し戻した感じです。
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2020年08月05日

徴用工問題

韓国の裁判所が4日以降、原告側が差し押さえた日本企業の資産売却を命じることができるようになりましたした。

元徴用工訴訟とは、朝鮮半島出身の元労働者らが日本統治下で日本企業に強制的に働かされたなどとして賠償を求めた韓国での訴訟です。

これに対して、日本政府は日韓の請求権問題は解決済みであり、資産売却も認めない立場をとっています。

「完全かつ最終的に解決された」ことを確かめた1965年の日韓請求権協定に反しており、「国際法違反」だと指摘しています。

政府は、売却命令に備え、@外交的措置A経済的措置B国際法的措置の3つの観点から対抗措置の検討に入っています。

政府関係者は、「実際に資産売却するのは許容できない一線だ」と強調しますが、韓国のことですから対抗措置が文在寅政権に利用されないよう注意する必要がありそうです。


2019年の輸出管理の厳格化を巡り、日本は安全保障上の懸念への対応だと位置づけましたが、韓国は報復だとみなして反発しました。

そして、韓国政府は日本側をWTOに提訴し、日韓軍事情報包括保護協定破棄を一時決め、韓国国内の反日感情も高まり、日本製品の不買運動も起きました。


今回も、国際的に日本が不当な制裁をしたと訴えたり、韓国国内の半日感情を高める材料にしたりする事態は十分に想定されます。

韓国は元徴用工問題を巡り、日本製鉄以外の日本企業への賠償を求める裁判が相次いだこともあって、仮に韓国側が日本製鉄の資産売却に踏み切れば他の日本企業の不安も高まります。

ですから政府は毅然たる態度で、最後まで韓国側が回避するよう働きかけるとしていますが、どうなりますか。
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2020年08月03日

思惑を一蹴されてきたプロジェクト

リニア問題ですが、南アルプストンネルの工事に関するJR東海と静岡県の議論を科学的・工学的に検証するために国は有識者会議を設置し、議論を重ねています。

静岡工区だけが工事着手できない状態で「2027年開業」のタイムリミットが迫る中、JR東海は「トンネル本体の工事は有識者会議の結論が出るまで行わないので、トンネル工事とは異なる坑口整備などの準備工事だけでも先に着手したい」と要望しました。

JR東海と国は、トンネル工事と準備工事は別物と考えているようですが、静岡県の川勝平太知事は、両者は一体だとして首を縦に振りません。

社会通念上、トンネル工事と準備工事は同じなのか、別物なのか、国は別物と考えており、県は一体だと考えているようです。

つまり、両者の社会通念上の考えが異なります。

有識者会議は4月27日に第1回会議が開催されてから3カ月を経て、ようやく4回目が終わったばかりですが、もともとは「1〜2週間に1度」のペースで行う予定だったので、本来なら現時点で10回以上開催されていてもおかしくはない状況です。  

しかし、着実に議論は進んでいるようです。

資料が充実したことで、「議論がかみ合うようになってきた」と評価する声や、「下流の水利用はダムをうまく利用してコントロールされ、上手に水位や流量が調節されているという方向性がデータにより見えてきた」と発言があったように、ある程度の方向性が議論の中で示されてきたようです。

中間とりまとめを整理していくことになりそうで、有識者会議の中間取りまとめや結論は、県の専門部会でも議論されるということです。

両者の考えが食い違うことはないのかというと、もし県の専門部会の委員を兼ねる委員の合意がない状態で取りまとめや結論が出されたら、それが県の専門部会で受け入れられるのか、疑問です。

しかし、わずかですが事態の打開に向け、国やJR東海側から見れば、光明が差したように見えているのかもしれません。

次回の国の有識者会議では、トンネル湧水の水の戻し方について議論されるようで、「静岡の水は1滴たりとも他県に渡さない」と主張する川勝知事が納得するような説明をJR東海ができるかどうかが焦点となります。


一方、九州新幹線西九州ルートの新鳥栖−武雄温泉の整備方式を巡り、佐賀県は31日、国土交通省からの環境影響評価(アセス)の提案を拒否する考えを改めて示しました。

こちらは全く見通しが立たず、お手上げの状態です。

国交省は8月中にアセスの手続きに入らなければ、フル規格化で見込んでいた2023年度の着工が困難になるとしており、計画全体が国の想定より遅れるのが避けられそうにないということです。そもそも、リニアとは国の立場、地域が置かれている状況がこれまでの経緯も含めて大きく異なります。

整備新幹線では、北陸新幹線の敦賀−新大阪で2023年度着工を目指してアセスが進んでいますので、国交省は西九州、北陸の2ルートの建設予算をまとめて確保するため、佐賀県内のアセスを同年度までに済ませたいとしていますが、このような論理では前には進みません。

このような思惑で動くとすれば、引き続き佐賀県から一蹴され続けることは間違いありません。
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2020年08月02日

世界で感染再拡大

新型コロナウィルスの感染が世界で再拡大しています。

世界の7割にあたる国々が増加傾向にあり、欧州では8割弱が増加に転じ、アジア太平洋も日本を含めて7割近くが再拡大に直面しています。

経済活動の再開を止めずに、いかに感染の再拡大を抑え込めるか、新戦略を探る各国の試行錯誤か続いてい
ます。


再拡大の背景には検査体制の拡充で把握できる感染者が増えた面もあります。

陽性率は、WHOの推奨は3%以下が望ましいとしていますが、感染再拡大で約半数の国・地域でその3%を超え、日本でも6月に1%未満から5%を超えてきました。


欧州では4〜5月のロックダウンで感染が一服し、外出制限などを緩和してきました。

最近の傾向として感染経路は家族内の祝い事やレジャー、仕事など多岐にわたり、日本も最近同様な傾向がみられます。

感染再拡大に伴って行動制限を再び強化する動きも広がってきました。

全国規模での行動制限や厳しいロックダウンで経済や雇用が大きく傷ついた教訓から、今回は経済活動との両立を探る試みが目立ちます。

欧州では局所的に封鎖する「スマート・ロックダウン」が相次いでいます。

全国一律や州全体の封鎖に至る前に感染を食い止めるためです。


海外渡航や国内移動も観光に配慮して、全面停止を避ける動きも相次いでいます。

日本も、適切な制限強化のタイミングや厳しさを見極めながら、経済活動の継続と感染再拡大の抑制を両立させる知恵が問われているわけで、このためには地方に権限をゆだね、国は地方が動きやすくする制度面のバックアップをしっかりやってほしいものです。

地方のリーダーの力量を発揮させるために、withコロナ社会の構築に向けて競争させることも必要です。
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2020年08月01日

日に日に増加する感染への対応如何

東京都は、今日も速報値ですが都内で新たに472人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

1日に感染が確認された人数としては31日の463人を上回って、これまでで最も多くなりました。

東京都の感染が増加し、地方の中核都市の大阪市、名古屋市、福岡市などに広がり、またその経済圏の地方に広がっている構図で、まさに第2波が来たといわれてもおかしくありません。


都によりますと、感染が確認されたのは10歳未満から90代の男女472人で、このうち20代と30代は合わせて324人で、およそ69%を占めるということです。

都内で400人以上の感染確認は2日連続になり、これで都内で感染が確認された人は1万3163人になります。

1日の時点で都内の重症の患者は31日より1人減って、15人になったということで、このことはとりあえず安心ですが、この状態の時に拡大を抑える的確な対応が求められます。


新型コロナウイルスへの感染は緊急事態宣言が解除されて以降、接待を伴う飲食店などで感染するケースが多い状態が続いていましたが、最近では仲間内での飲み会など、会食で感染するケースも相次いでいます。

接待を伴う飲食店などで感染した人が占める割合は先月1日からの1週間は53.6%、8日からの1週間は45.6%と高い状態が続いていましたが、22日からの1週間では23.4%と、全体に占める割合が減ってきています。

その一方で、会食で感染した人の占める割合は1週間ごとの平均で見ると、先月1日からの1週間は9.9%でしたが、22日からの1週間では13.6%と徐々に増えてきています。


都は、会食を通じた感染が相次いでいるとして、3日から酒を提供する都内の飲食店とカラオケ店に対して営業時間を午後10時までに短縮するよう要請することにしていますが、このことが拡大防止の的確な対応なのか疑問です。

また、都民には▽大人数で長時間の飲み会や宴会、▽少人数であっても近い距離での会話などは避け、飲酒を伴う会食目的での外出を控えるよう呼びかけていますが、拡大期にこのような一般的な呼びかけだけで十分なのかと感じます。

政府が行う総論的な対応やGoToトラベルキャンペーンをはじめとした全国的な取り組みに国民が多くが疑問を持っていますし、それに対するマスコミの批判的な報道にもうんざりしています。


ここは、各県の知事が前面に出て、それぞれの地方の特徴を踏まえて国民と一緒になってコロナに立ち向かう体制を築いてもらいたいものです。

そして、各都道府県で競っていただいてwithコロナの模範を作ってもらいたいものです。
posted by 川上義幸 at 17:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記