中国企業がアジアやアフリカの土地を囲いこんでいます。
国外で過去10年間に取得・貸借した面積を集計すると米国をはじめ他の主要国を圧倒しています。
この10年間に中国勢が抑えた世界の農業・林業・鉱業用地は648万haで、北海道の3/4超の規模になっていて、英国勢の156万ha、米国勢の86万ha、日本勢の42万haを大きく上回ります。
中国勢が国外に触手を伸ばす背景には経済発展で膨らむ内需があります。
土地を囲えば、世界的に需給がひっ迫している資源の安定調達にもつながります。
林業はコンゴ民主共和国の土地が過半を占め、木材価格が高騰するウッドショックが各国に広がるのを尻目に、現地では中国企業の万鵬が大量の木材を自国に輸出しています。
鉱山の囲い込みもあり、2019年に中国五鉱集団がタンザニアの鉱山に2.8億ドル、2020年には中国有色鉱業集団がギニアの鉱山に7.3億ドルを投資しました。
電気自動車の蓄電池などに必要な鉱物の確保が狙いとみられています。
進出先の国は潜在的リスクを抱えますが、経済効果が大きいほど依存も深まります。
かねて中国は広域経済圏「一帯一路」構想を掲げ、開発に伴って現地国側が重い借金を負い、支配から抜け出せなくなる「債務のワナ」の問題が生じました。
食糧資源の供給源である新興国・途上国が経済的に支配されることへの懸念や、安全保障上の経過論が高まっています。
2021年08月31日
2021年08月30日
人口減の未来
爆発的に膨れ上がって来た世界人口がいずれ減少局面を迎えます。
人口増を前提とした成長や経済、国力の在り方まで修正を迫り、各国政府も抜本的な政策の見直しが求められそうです。
国連とは異なる人口推計を出した米ワシントン大の研究者は、報告書で世界人口が2064年に97億人でピークを迎えるとしています。
先進国を見ると、教育を受けキャリアのある女性の場合、1〜1.5人の子供を産むところまで下がっているようで、出生率が低いといずれ、逆ピラミッド型の事項構造になると指摘します。
そして、そうなると公的医療保険など社会保障や税制、消費の形などあらゆるものに影響が波及し、多くの国が人口減少の食い止めに苦戦しているところからもわかるように、この流れは続き、今世紀末までに23ヵ国で人口が少なくとも半減するとみています。
国連推計はもともと、出生率を左右する決定因子が考慮されておらず、1.8近くまで回復する中国をはじめ日本やシンガポール、韓国も立ち直ると見込んでいますが、アジアで回復の兆しを示す根拠は非常に少ないと考え
られます。
考慮すべき因子とは、女性の教育年数と、避妊など医療サービスへのアセスだといいます。
今後世界ではより教育を受ける人が増え、中・高所得国では医療サービスも拡充され、結果として合計特殊出生率は世界全体では1.5近くで収れんし、いくつかの国ではもっと低くなります。
この水準に留まれば、数百年後に人類は消滅するといいます。
サハラ以南のアフリカは今世紀に人口が最も増える地域といわれていて、今後も長い間人口が増え、人口ボーナス期を迎えます。
米国と中国の地政学上の衝突は今日の大きな課題ですが、次はアフリカの人々が今後どうするかに移っていくだろうということです。
この場所での人口がどこの経済に吸収されるのか、サハラ以南のアフリカの成長著しい大都市に吸収されていくのか、それとも先進国に大量移住する状況になるのかが考えられます。
人口増を前提とした成長や経済、国力の在り方まで修正を迫り、各国政府も抜本的な政策の見直しが求められそうです。
国連とは異なる人口推計を出した米ワシントン大の研究者は、報告書で世界人口が2064年に97億人でピークを迎えるとしています。
先進国を見ると、教育を受けキャリアのある女性の場合、1〜1.5人の子供を産むところまで下がっているようで、出生率が低いといずれ、逆ピラミッド型の事項構造になると指摘します。
そして、そうなると公的医療保険など社会保障や税制、消費の形などあらゆるものに影響が波及し、多くの国が人口減少の食い止めに苦戦しているところからもわかるように、この流れは続き、今世紀末までに23ヵ国で人口が少なくとも半減するとみています。
国連推計はもともと、出生率を左右する決定因子が考慮されておらず、1.8近くまで回復する中国をはじめ日本やシンガポール、韓国も立ち直ると見込んでいますが、アジアで回復の兆しを示す根拠は非常に少ないと考え
られます。
考慮すべき因子とは、女性の教育年数と、避妊など医療サービスへのアセスだといいます。
今後世界ではより教育を受ける人が増え、中・高所得国では医療サービスも拡充され、結果として合計特殊出生率は世界全体では1.5近くで収れんし、いくつかの国ではもっと低くなります。
この水準に留まれば、数百年後に人類は消滅するといいます。
サハラ以南のアフリカは今世紀に人口が最も増える地域といわれていて、今後も長い間人口が増え、人口ボーナス期を迎えます。
米国と中国の地政学上の衝突は今日の大きな課題ですが、次はアフリカの人々が今後どうするかに移っていくだろうということです。
この場所での人口がどこの経済に吸収されるのか、サハラ以南のアフリカの成長著しい大都市に吸収されていくのか、それとも先進国に大量移住する状況になるのかが考えられます。
2021年08月28日
総裁選の駆け引き
新型コロナウイルス対策への不満などから、菅内閣の支持率は一部の世論調査で30%以下の「危険水域」に突入し、その後に迫る衆院選で菅さんでは勝てないということで当選回数が少ない若手議員に動揺が出てきたようです。
自民党総裁選(9月17日告示、29日投開票)をめぐり、菅義偉首相を支えてきた主要派閥の統率が乱れてきました。
最大勢力の細田派(96人)と第2派閥の麻生派(53人)では意見集約が難航し、「首相支持」を明言した二階俊博幹事長率いる二階派(47人)でも異論が噴出しています。
菅首相の地元・横浜市の市長選は、「菅政権の信任投票」という側面もあっただけに、全面支援した候補が惨敗した真実は極めて深刻だという見立てです。
昨年9月の総裁選では、二階氏の号令で「菅支持」で結束した二階派も、同派会合では異論が飛び交ったといいます。
あるベテラン議員は「地元は『菅政権ではダメだ!』と言っている。派閥で縛るべきではない」と声を張り上げ、閣僚経験者は「派閥政治で首相の再選を決めれば衆院選は大惨敗する」と危機感を示しました。
衆院選が間近に迫るなか、細田派や麻生派の中堅・若手からも「選挙の顔」として首相への不安が表面化しているようです。
岸田さんの出馬表明が今までにない力強い語り口だったそうで、地方票で反菅票が思いのほか岸田さんに流れることになれば、国会議員票も無記名ですから派閥統制が効かなくなるということです。
某政治評論家は、現時点で五分五分という見立てをしています。
こうしたなか、今回は出馬しないと言っていた石破茂元幹事長も、現時点でまったくの白紙だと含みを残しています。
石破さんが出馬すると地方票での反菅票が岸田さんだけに行くのではなく分散することが期待できることから、菅陣営は石破さんが20名の推薦人が集まらないときは貸してあげてもいいという意見も出ているようです。
与党や自民党の過半数割れが世論調査で現実のものとなってきたことから、衆院選が総裁選後すぐにやってくることの意味するところをどのように考えるか、派閥の領袖と若手議員、そして地方議員も絡んで自民党内の動きが水面下で活発になりそうです。
自民党総裁選(9月17日告示、29日投開票)をめぐり、菅義偉首相を支えてきた主要派閥の統率が乱れてきました。
最大勢力の細田派(96人)と第2派閥の麻生派(53人)では意見集約が難航し、「首相支持」を明言した二階俊博幹事長率いる二階派(47人)でも異論が噴出しています。
菅首相の地元・横浜市の市長選は、「菅政権の信任投票」という側面もあっただけに、全面支援した候補が惨敗した真実は極めて深刻だという見立てです。
昨年9月の総裁選では、二階氏の号令で「菅支持」で結束した二階派も、同派会合では異論が飛び交ったといいます。
あるベテラン議員は「地元は『菅政権ではダメだ!』と言っている。派閥で縛るべきではない」と声を張り上げ、閣僚経験者は「派閥政治で首相の再選を決めれば衆院選は大惨敗する」と危機感を示しました。
衆院選が間近に迫るなか、細田派や麻生派の中堅・若手からも「選挙の顔」として首相への不安が表面化しているようです。
岸田さんの出馬表明が今までにない力強い語り口だったそうで、地方票で反菅票が思いのほか岸田さんに流れることになれば、国会議員票も無記名ですから派閥統制が効かなくなるということです。
某政治評論家は、現時点で五分五分という見立てをしています。
こうしたなか、今回は出馬しないと言っていた石破茂元幹事長も、現時点でまったくの白紙だと含みを残しています。
石破さんが出馬すると地方票での反菅票が岸田さんだけに行くのではなく分散することが期待できることから、菅陣営は石破さんが20名の推薦人が集まらないときは貸してあげてもいいという意見も出ているようです。
与党や自民党の過半数割れが世論調査で現実のものとなってきたことから、衆院選が総裁選後すぐにやってくることの意味するところをどのように考えるか、派閥の領袖と若手議員、そして地方議員も絡んで自民党内の動きが水面下で活発になりそうです。
2021年08月27日
中国で「偽りニュース」拡散
中国のSNSなどで、新型コロナウィルスの発生源を巡る「偽ニュース」が拡散しています。
バイデン米政権は8月下旬までにコロナの起源に関する報告書をまとめる計画で、中国の責任も問う構えです。
中国国内で動揺が広がらないように、当局は放置し続けているようです。
「号外。イタリアが新型コロナの発生源だ。イタリア首相が明らかに」と2019年夏にイタリアでコロナが広がっていたことをドラギ首相が記者に問われて認めたという内容でした。
そのほかにも、8月中旬には記者のもとに元中国政府関係者から1本の動画が送られてきて、武漢市の地下鉄内で監視カメラが捉えた映像(電車内で欧米系とみられる男性がマスクを外して唾液を手すりにこすりつけている)と主張しています。
また、「(2019年秋に武漢で開かれた)世界軍人運動会の期間中に米国人がウィルスを拡散した」とのテロップが流れましたが、米国の関与と結びつけるには根拠が欠けていました。
中国のネット上では当局に不都合な情報は直ちに消され、アドレスをクリックしても開いたり、転送したりすることもできなくなります。
一連の偽ニュースや映像は今もネット上に残っているようです。
中国共産党の習近平指導部にとってコロナの発生源は極めて敏感な問題で、米国の報告書をもとに損害賠償を求めたり、中国国内で指導部の批判が出てきたりする事態を警戒しています。
中国当局の関与が疑われる偽ニュースも見つかりました。
人民日報などに「スイスの生物学者が(コロナの)『起源調査結果を米国がひっくり返そうとしている』と警告した」などとフェイスブックの投稿をもとに伝えましたが、在中国スイス大使館はその生物学者はスイス国民ではないとして、偽ニュースを拡散しないように中国メディアに呼びかけました。
中国当局が特定の結論に誘導しようとする動きもみられ、疑惑の矛先を米国に向けようともしています。
バイデン米政権は8月下旬までにコロナの起源に関する報告書をまとめる計画で、中国の責任も問う構えです。
中国国内で動揺が広がらないように、当局は放置し続けているようです。
「号外。イタリアが新型コロナの発生源だ。イタリア首相が明らかに」と2019年夏にイタリアでコロナが広がっていたことをドラギ首相が記者に問われて認めたという内容でした。
そのほかにも、8月中旬には記者のもとに元中国政府関係者から1本の動画が送られてきて、武漢市の地下鉄内で監視カメラが捉えた映像(電車内で欧米系とみられる男性がマスクを外して唾液を手すりにこすりつけている)と主張しています。
また、「(2019年秋に武漢で開かれた)世界軍人運動会の期間中に米国人がウィルスを拡散した」とのテロップが流れましたが、米国の関与と結びつけるには根拠が欠けていました。
中国のネット上では当局に不都合な情報は直ちに消され、アドレスをクリックしても開いたり、転送したりすることもできなくなります。
一連の偽ニュースや映像は今もネット上に残っているようです。
中国共産党の習近平指導部にとってコロナの発生源は極めて敏感な問題で、米国の報告書をもとに損害賠償を求めたり、中国国内で指導部の批判が出てきたりする事態を警戒しています。
中国当局の関与が疑われる偽ニュースも見つかりました。
人民日報などに「スイスの生物学者が(コロナの)『起源調査結果を米国がひっくり返そうとしている』と警告した」などとフェイスブックの投稿をもとに伝えましたが、在中国スイス大使館はその生物学者はスイス国民ではないとして、偽ニュースを拡散しないように中国メディアに呼びかけました。
中国当局が特定の結論に誘導しようとする動きもみられ、疑惑の矛先を米国に向けようともしています。
2021年08月25日
観光地ハワイに変化
日本を含む世界中の人たちを魅了してきた観光地ハワイですが、新型コロナウイルスの感染状況の改善でアメリカ本土からの観光客でごった返ししていて、地域経済は以前の活気を取り戻しています。
ところが、観光客が増えているのに住民の6割以上は「新たなホテルの建設は認めない」と主張し、新規建設を凍結する条例を議会で可決する島まで現れています。
ハワイの人たちはなぜ、観光にこれ以上頼ることに懐疑的になったのでしょうか。
アメリカの人たちもパンデミックで旅行できない日々が1年以上続きました。
それだけにリゾート地来た人は喜びはひとしおなのでしょう、ホノルルの中心部では、歩道は観光客であふれ、レストランは予約をしなければ昼食にも夕食にもありつけないほどで、日本食も人気で、うどん屋の前には長い列ができているようです。
ワイキキビーチも混雑していて、家族連れは場所を確保するのに一苦労で、1年前の静かなビーチの風景が嘘のようだといいます。
アメリカ本土から観光客が殺到していて、ハワイを訪れる人の数は感染拡大が深刻だった1年前のおよそ14倍に達しています。
ハワイの観光業は息を吹き返し、地域経済にプラスの効果をもたらし、去年一時20%を超えた失業率は、ことし6月の時点で8%を切る水準まで改善しました。
マウイの郡議会ではことし7月初め、宿泊施設の新規建設を凍結する条例が可決され、条例の目的を確認すると、炭素の排出量の増加を食い止め、気候変動の影響を緩和し、地球温暖化を抑制すると書かれています。
この背景の1つにあるのが、島の西側のコーブビーチやオロワルビーチなどで行われた水質の調査で、観光客が激減したパンデミックのあと水質が改善したという結果が出ており、マウイ島では、この1年余りの間にこう
したビーチをはじめとする島内のさまざまな場所で、環境の改善が見られています。
これをきっかけに、住民たちの間で、改めて豊かな自然を大切にすべきという意識が高まったのだといいます。
マウイ島ではすでに、経済の多様化に向けて、ひまわりを使ったバイオマス燃料の生産のほか、豊かな自然環境の中でリモートワークをしたいという人たちの受け皿づくりも始まっています。
ことしのハワイの夏は去年とは打って変わり、観光客でごった返していますが、そんな「ハワイブーム」に浮かれて、観光への投資を加速させるのではなく、むしろ、住民が納得できる地域作りという軸足を地面から離すことがないのが、今のハワイのようです。
住民の側に立った政策が、地域社会や自然環境を守る、そして、そのことが結果的に観光客にとってより魅力的なハワイを作るという流れがでてきました。
ところが、観光客が増えているのに住民の6割以上は「新たなホテルの建設は認めない」と主張し、新規建設を凍結する条例を議会で可決する島まで現れています。
ハワイの人たちはなぜ、観光にこれ以上頼ることに懐疑的になったのでしょうか。
アメリカの人たちもパンデミックで旅行できない日々が1年以上続きました。
それだけにリゾート地来た人は喜びはひとしおなのでしょう、ホノルルの中心部では、歩道は観光客であふれ、レストランは予約をしなければ昼食にも夕食にもありつけないほどで、日本食も人気で、うどん屋の前には長い列ができているようです。
ワイキキビーチも混雑していて、家族連れは場所を確保するのに一苦労で、1年前の静かなビーチの風景が嘘のようだといいます。
アメリカ本土から観光客が殺到していて、ハワイを訪れる人の数は感染拡大が深刻だった1年前のおよそ14倍に達しています。
ハワイの観光業は息を吹き返し、地域経済にプラスの効果をもたらし、去年一時20%を超えた失業率は、ことし6月の時点で8%を切る水準まで改善しました。
マウイの郡議会ではことし7月初め、宿泊施設の新規建設を凍結する条例が可決され、条例の目的を確認すると、炭素の排出量の増加を食い止め、気候変動の影響を緩和し、地球温暖化を抑制すると書かれています。
この背景の1つにあるのが、島の西側のコーブビーチやオロワルビーチなどで行われた水質の調査で、観光客が激減したパンデミックのあと水質が改善したという結果が出ており、マウイ島では、この1年余りの間にこう
したビーチをはじめとする島内のさまざまな場所で、環境の改善が見られています。
これをきっかけに、住民たちの間で、改めて豊かな自然を大切にすべきという意識が高まったのだといいます。
マウイ島ではすでに、経済の多様化に向けて、ひまわりを使ったバイオマス燃料の生産のほか、豊かな自然環境の中でリモートワークをしたいという人たちの受け皿づくりも始まっています。
ことしのハワイの夏は去年とは打って変わり、観光客でごった返していますが、そんな「ハワイブーム」に浮かれて、観光への投資を加速させるのではなく、むしろ、住民が納得できる地域作りという軸足を地面から離すことがないのが、今のハワイのようです。
住民の側に立った政策が、地域社会や自然環境を守る、そして、そのことが結果的に観光客にとってより魅力的なハワイを作るという流れがでてきました。
2021年08月24日
デルタ株の猛威には、まさに災害対応で
新型コロナウイルスの第5波の感染拡大がとまりません。
医療がますますひっ迫し、「まさに災害だ」という言葉を多くの医療関係者から聞きます。
こうした中、政府は緊急事態宣言の対象地域を拡大し、期間を来月9月12日まで延長することなどを決めました。
菅総理大臣は「この危機を乗り越えるという強い決意のもとで、医療体制の構築、感染防止、ワクチン接種という3つの柱からなる対策を確実に進めていくと述べました。
注目すべきは、3つの柱の最初に「医療体制の構築」をあげたことで、ちょっと遅い感じがしますが、いま、医療体制がひっ迫しているという危機感が読み取れます。
全国で病床が不足し、入院できる人が限られ、自宅療養者・入院調整中の人が急増していて、重症化しても、すぐに救急搬送できません。
そして、すでに新型コロナ以外の診療にも影響が出始めています。
緊急事態宣言の対象地域の大学病院では、集中治療40%、救急28%、手術 16%を制限していて、心筋梗塞・脳卒中になったり、交通事故などでけがをしても、治療がすぐに受けられないおそれがではじめています。
予想以上の感染拡大の原因は何なのかというと、国内では90%がデルタ株に置き換わり、その感染力は、アルファ株に比べ1.5倍程度と強いことがわかっています。
またワクチンの効果もデルタ株では下がります。
そして、各種調査結果を見ても、日常生活で新型コロナウイルスに感染すると思わないと考えている人がかなり多いということです。
気がつかないうちに感染リスクの高い行動をしているかもしれません。
感染しないためにも、改めて感染リスクを確認し、行動に注意することが大切です。
また感染拡大の原因としてデルタ株の怖さ・感染リスクが十分に認識されていないこともあります。
では医療がひっ迫し、自宅療養者が増える中、どのように対応すべきか、政府はこうしたひっ迫状況に対応する医療体制の構築の具体策として電話・オンライン診療強化、酸素ステーションの体制構築、新たな病床確保、抗体カクテル療法での重症化予防を打ち出しました。
これに対し、新型コロナの患者を多く診察している医師からは「今頃言うのは、遅きに失する」「今すぐ、実行してもらいたい」という声が上がります。
具体策の一つ、電話・オンライン診療については患者の「不安解消には役に立つ」が、できることには限界があるとの声もあります。
「酸素ステーション」の酸素投与は必要治療ではなく、入院・治療できるまでの時間かせぎ「つなぎ」で治療として重要です。
もう一つ、「抗体カクテル療法」は、入院・死亡のリスクが70%減ると言われています。
菅総理大臣は、「50歳以上、基礎疾患のある人」に集中的に使うと説明していますが、病床が不足する中、抗体カクテル療法を有効に使い、多くの命を救うには、早い段階で誰が重症化する可能性が高いかを見定めることが重要になります。
今は保健所の聞き取りや医師の診断などを元に重症化しそうな人を確認しているようですが、この見極めをもっと充実させる必要があって、例えば、すでに保険適用になっている重症化マーカーで確認することが検討されています。
まさに災害対応ですから、今以上に医療関係者の協力も得てスピード感をもって総動員で対応しないといけません。
医療がますますひっ迫し、「まさに災害だ」という言葉を多くの医療関係者から聞きます。
こうした中、政府は緊急事態宣言の対象地域を拡大し、期間を来月9月12日まで延長することなどを決めました。
菅総理大臣は「この危機を乗り越えるという強い決意のもとで、医療体制の構築、感染防止、ワクチン接種という3つの柱からなる対策を確実に進めていくと述べました。
注目すべきは、3つの柱の最初に「医療体制の構築」をあげたことで、ちょっと遅い感じがしますが、いま、医療体制がひっ迫しているという危機感が読み取れます。
全国で病床が不足し、入院できる人が限られ、自宅療養者・入院調整中の人が急増していて、重症化しても、すぐに救急搬送できません。
そして、すでに新型コロナ以外の診療にも影響が出始めています。
緊急事態宣言の対象地域の大学病院では、集中治療40%、救急28%、手術 16%を制限していて、心筋梗塞・脳卒中になったり、交通事故などでけがをしても、治療がすぐに受けられないおそれがではじめています。
予想以上の感染拡大の原因は何なのかというと、国内では90%がデルタ株に置き換わり、その感染力は、アルファ株に比べ1.5倍程度と強いことがわかっています。
またワクチンの効果もデルタ株では下がります。
そして、各種調査結果を見ても、日常生活で新型コロナウイルスに感染すると思わないと考えている人がかなり多いということです。
気がつかないうちに感染リスクの高い行動をしているかもしれません。
感染しないためにも、改めて感染リスクを確認し、行動に注意することが大切です。
また感染拡大の原因としてデルタ株の怖さ・感染リスクが十分に認識されていないこともあります。
では医療がひっ迫し、自宅療養者が増える中、どのように対応すべきか、政府はこうしたひっ迫状況に対応する医療体制の構築の具体策として電話・オンライン診療強化、酸素ステーションの体制構築、新たな病床確保、抗体カクテル療法での重症化予防を打ち出しました。
これに対し、新型コロナの患者を多く診察している医師からは「今頃言うのは、遅きに失する」「今すぐ、実行してもらいたい」という声が上がります。
具体策の一つ、電話・オンライン診療については患者の「不安解消には役に立つ」が、できることには限界があるとの声もあります。
「酸素ステーション」の酸素投与は必要治療ではなく、入院・治療できるまでの時間かせぎ「つなぎ」で治療として重要です。
もう一つ、「抗体カクテル療法」は、入院・死亡のリスクが70%減ると言われています。
菅総理大臣は、「50歳以上、基礎疾患のある人」に集中的に使うと説明していますが、病床が不足する中、抗体カクテル療法を有効に使い、多くの命を救うには、早い段階で誰が重症化する可能性が高いかを見定めることが重要になります。
今は保健所の聞き取りや医師の診断などを元に重症化しそうな人を確認しているようですが、この見極めをもっと充実させる必要があって、例えば、すでに保険適用になっている重症化マーカーで確認することが検討されています。
まさに災害対応ですから、今以上に医療関係者の協力も得てスピード感をもって総動員で対応しないといけません。
2021年08月23日
鉄道、コロナ禍で経営危機
コロナ禍が長期化し、最も苦しい業種の一つに鉄道が挙げられます。
人流の減少で売り上げが急減する一方で、固定費比率の高さからコストダウンは簡単には進んでいません。
最大手のJR東日本は2021年3月期の連結最終損失が5779億円にのぼり、日本ワーストの赤字会社になりました。
さらに厳しいのが地方の会社で、限界企業とされるJR北海道は足元の資金繰りこそ公的な助成で持ちこたえたものの、会社の中身を子細に見ると、「これがはたして持続可能な事業体か」という疑問が出てきます。
JR北海道の給与水準は財政破綻した夕張市役所よりも低いとされていて、20〜30代の社員を中心に地元の市町村役場などに転職する人材が後を絶たないといいます。
鉄路の維持には土木や電気、車両、運行管理など各分野のエキスパートが欠かせず、育成には一定の年月がいることから、新人を採るそばから若手が辞めていく会社は存続そのものが危ういといえます。
土俵際に追い込まれている鉄道会社に必要なのは、タブーなき改革でしょう。
デフレ下ではありますが、運賃の値上げがあるでしょうし、朝夕のラッシュ時は料金を上げ、昼間は下げるダイナミックプライシングも有力な選択肢になるかもしれません。
需要の山を下げることで設備量と固定費を圧縮できます。
価格による需要調整は航空市場などでは当たり前の手法で、国交省の硬直化した鉄道の運賃規制を見直し、事業者の自主判断の余地を広げるべきかもしれません。
また、沿線自治体の負担でインフラを管理保有し、それを運行主体のJRに貸し出す「上下分離」方式も検討されていきそうです。
JRの今の状況からすると、九州新幹線西九州ルートの議論にもネガティブな意見が出て推進にあたって影響を与えそうです。
人流の減少で売り上げが急減する一方で、固定費比率の高さからコストダウンは簡単には進んでいません。
最大手のJR東日本は2021年3月期の連結最終損失が5779億円にのぼり、日本ワーストの赤字会社になりました。
さらに厳しいのが地方の会社で、限界企業とされるJR北海道は足元の資金繰りこそ公的な助成で持ちこたえたものの、会社の中身を子細に見ると、「これがはたして持続可能な事業体か」という疑問が出てきます。
JR北海道の給与水準は財政破綻した夕張市役所よりも低いとされていて、20〜30代の社員を中心に地元の市町村役場などに転職する人材が後を絶たないといいます。
鉄路の維持には土木や電気、車両、運行管理など各分野のエキスパートが欠かせず、育成には一定の年月がいることから、新人を採るそばから若手が辞めていく会社は存続そのものが危ういといえます。
土俵際に追い込まれている鉄道会社に必要なのは、タブーなき改革でしょう。
デフレ下ではありますが、運賃の値上げがあるでしょうし、朝夕のラッシュ時は料金を上げ、昼間は下げるダイナミックプライシングも有力な選択肢になるかもしれません。
需要の山を下げることで設備量と固定費を圧縮できます。
価格による需要調整は航空市場などでは当たり前の手法で、国交省の硬直化した鉄道の運賃規制を見直し、事業者の自主判断の余地を広げるべきかもしれません。
また、沿線自治体の負担でインフラを管理保有し、それを運行主体のJRに貸し出す「上下分離」方式も検討されていきそうです。
JRの今の状況からすると、九州新幹線西九州ルートの議論にもネガティブな意見が出て推進にあたって影響を与えそうです。
2021年08月22日
首脳陣に焦り、痛い連敗
ソフトバンクは昨日、本拠地PayPayドームでのロッテ戦に6-8で逆転負けを喫しました。
6回まで5点のリードを奪いながら、7回に一挙5失点。
同点の9回には前夜3点を失ったクローザーの岩嵜がまたも3点を失って勝ち越しを許しました。痛恨の連敗となり、首位オリックスとの差は5.5ゲームに開きました。
6回まではほぼ完璧なゲーム運びで、2回にデスパイネの2号ソロで先制し、6回にはそこまで好投を許してい
た美馬を攻略し、栗原の走者一掃の適時二塁打、中村晃の適時打で一気に4点を追加しました。
いい流れで、あとは逃げ切るだけ、のはずでしたが、流れが急変したのは7回で、先頭の山口のゴロが二塁内
野安打となり、さらに三森が悪送球し、先発の石川がエチェバリアに四球、岡にも中前安打を浴びて満塁とされました。
藤岡は二飛に仕留めましたが、ここで早々に工藤監督は動きます。
バトンを受け取った嘉弥真が代打・角中に押し出しの四球を与え、さらに3番手の甲斐野が藤原に右翼フェンス直撃の2点適時二塁打、中村奨に左前への2点適時打を浴びて同点に追いつかれました。
9回には前夜負け投手となっていた岩嵜を再びマウンドへ送りましたが、これが裏目に出ることになります。
工藤監督はこれまでも救援に失敗した投手にすぐにリベンジの機会を与えるところがあって、昨年も岩嵜に同様なケースに投げさせ失敗しました。
工藤監督の親心は岩嵜にとって重荷になっているのかもしれません。
昨晩は、想定されるシナリオを見るに忍び難くテレビを消しましたが、結果は想定通りになったようです。
とにかくチグハグさが際立つ試合でした。
投手の継投が裏目となったのも1つですが、同点に追いつかれた後の8回の攻撃もそうで、代走の周東が飛び出し帰塁できずにアウト。
これは、無死二塁で栗原にベンチが出した策の送りバントが引き出したボンヘッドで、周東を責めるより送りバントを選択した首脳陣の判断ミスです。
栗原のあとは、デスパイネ、中村晃とここ最近、調子の上がってきた打者たちが並び、3人の中でワンヒットを、と期待してよかったのではないでしょうか。
3点を追う9回の攻撃もそうで、1死一、三塁のチャンスで、三森が中前適時打で1点を返し、なおも1死一、二塁と長打で同点、本塁打なら逆転サヨナラというチャンスとなりました。
ここで打順は途中出場だった2番の真砂、続くはこちらも途中出場の周東でした。
首脳陣は一発のある真砂に代えて代打アルバレスを送りますが右飛に倒れ、そのまま打席に立った周東は見逃し三振に終わり、ゲームセット。
それぞれの打力や打撃の状態を考えれば、周東のところにアルバレスを代打で送るのがベストだったはずです。
7回に大量5点を失ったとき、ペイペイドームの外は大雨で、涙雨となりました。
昨日の試合は、首脳陣の采配ミスで負けた試合と言っても過言ではありません。
6回まで5点のリードを奪いながら、7回に一挙5失点。
同点の9回には前夜3点を失ったクローザーの岩嵜がまたも3点を失って勝ち越しを許しました。痛恨の連敗となり、首位オリックスとの差は5.5ゲームに開きました。
6回まではほぼ完璧なゲーム運びで、2回にデスパイネの2号ソロで先制し、6回にはそこまで好投を許してい
た美馬を攻略し、栗原の走者一掃の適時二塁打、中村晃の適時打で一気に4点を追加しました。
いい流れで、あとは逃げ切るだけ、のはずでしたが、流れが急変したのは7回で、先頭の山口のゴロが二塁内
野安打となり、さらに三森が悪送球し、先発の石川がエチェバリアに四球、岡にも中前安打を浴びて満塁とされました。
藤岡は二飛に仕留めましたが、ここで早々に工藤監督は動きます。
バトンを受け取った嘉弥真が代打・角中に押し出しの四球を与え、さらに3番手の甲斐野が藤原に右翼フェンス直撃の2点適時二塁打、中村奨に左前への2点適時打を浴びて同点に追いつかれました。
9回には前夜負け投手となっていた岩嵜を再びマウンドへ送りましたが、これが裏目に出ることになります。
工藤監督はこれまでも救援に失敗した投手にすぐにリベンジの機会を与えるところがあって、昨年も岩嵜に同様なケースに投げさせ失敗しました。
工藤監督の親心は岩嵜にとって重荷になっているのかもしれません。
昨晩は、想定されるシナリオを見るに忍び難くテレビを消しましたが、結果は想定通りになったようです。
とにかくチグハグさが際立つ試合でした。
投手の継投が裏目となったのも1つですが、同点に追いつかれた後の8回の攻撃もそうで、代走の周東が飛び出し帰塁できずにアウト。
これは、無死二塁で栗原にベンチが出した策の送りバントが引き出したボンヘッドで、周東を責めるより送りバントを選択した首脳陣の判断ミスです。
栗原のあとは、デスパイネ、中村晃とここ最近、調子の上がってきた打者たちが並び、3人の中でワンヒットを、と期待してよかったのではないでしょうか。
3点を追う9回の攻撃もそうで、1死一、三塁のチャンスで、三森が中前適時打で1点を返し、なおも1死一、二塁と長打で同点、本塁打なら逆転サヨナラというチャンスとなりました。
ここで打順は途中出場だった2番の真砂、続くはこちらも途中出場の周東でした。
首脳陣は一発のある真砂に代えて代打アルバレスを送りますが右飛に倒れ、そのまま打席に立った周東は見逃し三振に終わり、ゲームセット。
それぞれの打力や打撃の状態を考えれば、周東のところにアルバレスを代打で送るのがベストだったはずです。
7回に大量5点を失ったとき、ペイペイドームの外は大雨で、涙雨となりました。
昨日の試合は、首脳陣の采配ミスで負けた試合と言っても過言ではありません。
2021年08月20日
今回の異常降雨
いまだに日本の広い範囲が記録的な大雨に見舞われています。
インド洋東部などの熱帯海域の高い水温、上空の偏西風の大きな蛇行などの複合要因で、「梅雨末期の豪雨」に近い形が続いているためです。
長期的な温暖化の影響もあるとみられています。
夏の終わりから秋にかけて、秋雨前線がもたらす長雨のことを「すすき雨」というそうですが、今回の雨は気象用語ではありませんが「破雲雨」という言い方の方が的を得ているかもしれません。
今回の異変のきっかけは7月後半に遡り、日本の南海上には熱帯低気圧と台風が並び、太平洋高気圧の張り出しは、やや北に偏っていました。
台風9、10号が日本付近を北上して東へ抜けると、気圧配置は急変しました。
台風のもつ大きなエネルギーが日本の北東海上に運ばれ、ここに強い低気圧が停滞するきっかけを作った可能性があります。
低気圧の西側では寒気が北から引きずり降ろされ、オホーツク海高気圧が強まるのを促したようです。
一方、日本の上空では強い南西風が吹くようになり、中国大陸でモンスーンと呼ばれる季節風が弱かったのに加えて、インド洋西部で海面水温が低く、東部が高めとなる「負のダイポールモード」現象が起きたのも関係しているとみられています。
太平洋高気圧は南西風の北側に広がれず、北からの冷たい空気にも押されて例年よりも後退した状態です。
南西風に対応して地上付近には前線が発生し、南シナ海や東シナ海からの湿った空気の流れと太平洋高気圧の周りをまわる風が西日本付近でぶつかり、雲を発達させました。
中・高緯度の上空では偏西風が大きく蛇行し、高・低気圧を動かす大気の流れが滞りました。
温暖化によってもともとの気温が上昇し、大気中の水蒸気量も会える傾向にあり、そこに今回のような現象が重なると異常高温や豪雨が起きやすくなるといいます。
インド洋東部などの熱帯海域の高い水温、上空の偏西風の大きな蛇行などの複合要因で、「梅雨末期の豪雨」に近い形が続いているためです。
長期的な温暖化の影響もあるとみられています。
夏の終わりから秋にかけて、秋雨前線がもたらす長雨のことを「すすき雨」というそうですが、今回の雨は気象用語ではありませんが「破雲雨」という言い方の方が的を得ているかもしれません。
今回の異変のきっかけは7月後半に遡り、日本の南海上には熱帯低気圧と台風が並び、太平洋高気圧の張り出しは、やや北に偏っていました。
台風9、10号が日本付近を北上して東へ抜けると、気圧配置は急変しました。
台風のもつ大きなエネルギーが日本の北東海上に運ばれ、ここに強い低気圧が停滞するきっかけを作った可能性があります。
低気圧の西側では寒気が北から引きずり降ろされ、オホーツク海高気圧が強まるのを促したようです。
一方、日本の上空では強い南西風が吹くようになり、中国大陸でモンスーンと呼ばれる季節風が弱かったのに加えて、インド洋西部で海面水温が低く、東部が高めとなる「負のダイポールモード」現象が起きたのも関係しているとみられています。
太平洋高気圧は南西風の北側に広がれず、北からの冷たい空気にも押されて例年よりも後退した状態です。
南西風に対応して地上付近には前線が発生し、南シナ海や東シナ海からの湿った空気の流れと太平洋高気圧の周りをまわる風が西日本付近でぶつかり、雲を発達させました。
中・高緯度の上空では偏西風が大きく蛇行し、高・低気圧を動かす大気の流れが滞りました。
温暖化によってもともとの気温が上昇し、大気中の水蒸気量も会える傾向にあり、そこに今回のような現象が重なると異常高温や豪雨が起きやすくなるといいます。
2021年08月19日
抗体カクテル
新型コロナウィルスの感染拡大をなかなか抑え込めない中、軽症・中等症向けの治療薬「抗体カクテル療法」の活用が始まり、期待が高まっています。
広く活用できれば、入院が必要にまで至る人を減らし、病床ひっ迫を防ぐ効果も見込めます。
実際に投与を始めた医療現場からは、「重症化のリスクが大きく下がって、解熱や倦怠感からの回復具合も早い傾向にある」と、一定の効果を指摘する声が出ています。
このためには、発症初期でなければ効果を発揮しないため、迅速な投与できる仕組みが欠かせません。
また、軽症者が滞在する宿泊療養施設で活用しているのは東京都などに限られ、医療機関などと連携した体制作りが急がれています。
厚生労働省は、入院患者への投与に限るとしていた地方自治体向けの通知を改正し、宿泊療養施設などでの活用を可能としましたが、新規感染者の対応として自宅療養を基本とする政府方針を示す際になぜ一体的にその方針を示せなかったのか残念です。
厚生労働省の集計によると、11日時点での自宅療養者は全国で約7万4千人、宿泊療養者は約1/5の約1万5千人となっていて、デルタ株の猛威で感染者急増に伴い、希望しても宿泊療養に入れないケースも各地で起きている
ようです。
急に症状が悪化し、しかし受け入れ可能な病院が見つからないケースも増えているようで、抗体カクテルの活用は重症化を防ぎ病床ひっ迫の改善につながるわけで、対応の遅さに危機管理の視点が欠乏しているといわざ
るを得ません。
この件もこれまでと同様、後手後手のコロナ対応にしか映りません。
病院や宿泊療養施設など幅広い施設での投与に向け、医師の柔軟な配置など自治体や医療機関の連携が不可欠となり、医師会の役割が大きくなってきます。
広く活用できれば、入院が必要にまで至る人を減らし、病床ひっ迫を防ぐ効果も見込めます。
実際に投与を始めた医療現場からは、「重症化のリスクが大きく下がって、解熱や倦怠感からの回復具合も早い傾向にある」と、一定の効果を指摘する声が出ています。
このためには、発症初期でなければ効果を発揮しないため、迅速な投与できる仕組みが欠かせません。
また、軽症者が滞在する宿泊療養施設で活用しているのは東京都などに限られ、医療機関などと連携した体制作りが急がれています。
厚生労働省は、入院患者への投与に限るとしていた地方自治体向けの通知を改正し、宿泊療養施設などでの活用を可能としましたが、新規感染者の対応として自宅療養を基本とする政府方針を示す際になぜ一体的にその方針を示せなかったのか残念です。
厚生労働省の集計によると、11日時点での自宅療養者は全国で約7万4千人、宿泊療養者は約1/5の約1万5千人となっていて、デルタ株の猛威で感染者急増に伴い、希望しても宿泊療養に入れないケースも各地で起きている
ようです。
急に症状が悪化し、しかし受け入れ可能な病院が見つからないケースも増えているようで、抗体カクテルの活用は重症化を防ぎ病床ひっ迫の改善につながるわけで、対応の遅さに危機管理の視点が欠乏しているといわざ
るを得ません。
この件もこれまでと同様、後手後手のコロナ対応にしか映りません。
病院や宿泊療養施設など幅広い施設での投与に向け、医師の柔軟な配置など自治体や医療機関の連携が不可欠となり、医師会の役割が大きくなってきます。
2021年08月16日
タリバン大攻勢
イスラーム武装組織タリバンは各地の主要都市を次々と制圧し、今やアフガニスタンの3分の2はタリバンの支配下にあるといわれています。
戦闘が激化するなか、国外脱出を目指す人々がカブール国際空港に押し寄せている他、各国の大使館に難民申請をするために詰めかけています。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、アフガンでは昨年暮れまでに290万人が避難民になっていましたが、今年の初めからの戦闘でさらに40万人増えました。
欧米メディアではタリバン大攻勢でカタストロフ(崩壊)が近いという論調が目立つようになりました。
タリバン兵の総数はおよそ6万人、それに協力する民兵を含めても20万人程度と推計され、アフガニスタン軍の30万人より少ないと見積もられています。
それにもかかわらず、なぜタリバンはアフガン全土を掌中に収めつつあるのか、そこには大きく3つの理由があるようです。
第一に、アメリカ撤退による勢いです。
昨年3月、当時のトランプ政権はタリバンとの間で和平合意を締結しました。
ここでは戦闘停止、タリバンが国家再建についてアフガニスタン政府と交渉することなどの条件と引き換えに、米軍の撤退が約束されました。
2001年に発生したアメリカ同時多発テロ事件とそれを契機としたアフガニスタン侵攻の後、米軍はアフガニスタンの政府・軍を支援しながら、タリバン掃討作戦を続けてきましたが、地方に根を張ったタリバンのテロ攻撃に手を焼いた米軍は、結局撤退に追い込まれた形です。
バイデン大統領は同時多発テロ事件の記念日に当たる9月11日を目前に控えた8月一杯で撤退を完了させる方針を変えていません。
これに拍車をかけたのが、第2の理由である「アフガニスタン政府・軍の無気力・無力」です。
アメリカがこれまで数十億ドルの武器・装備を提供してきたアフガニスタン軍の兵士のほとんどは、汚職にまみれた体制の末端公務員に過ぎないため、モラルも士気も低く、タリバンとまともに戦おうともしません。
そして第三に、タリバンがもはや誰にも遠慮しなくなりつつあることです。
もともとタリバンは1979年からのアフガニスタン内戦で発生した多くの難民が、隣国パキスタン内で訓練を受けて誕生したといわれています。
つまり、アフガニスタンに勢力を伸ばしたいパキスタン政府が、その手駒としてタリバンを育成したとみられています。
そのため、今回の猛攻に関しても、反タリバン派の間では「パキスタンがタリバンを通じて攻撃してきた」という見方が支配的です。
タリバンが平和的に権力を握る方が、パキスタンにとってはメリットが大きいことから、パキスタン政府は昨年以来、タリバンに対して再三、アフガニスタン政府と交渉に臨むよう求めてきました。
戦闘の拡大で生まれる難民の多くはパキスタンが引き受けることになるからです。
しかし、それでもタリバンの猛攻が全く収まる気配のないことは、パキスタン政府の影響力がかつてほど強くないことをうかがわせ、その最大の要因は、タリバンが経済的に自立してきたことにあるとみられています。
全ての流れがタリバン大攻勢に向かうなか、アフガニスタンは大転換の時期を迎えようとしていますが、この事態を天国から見守っておられる中村哲さんはどのように見ておられるでしょうか。
戦闘が激化するなか、国外脱出を目指す人々がカブール国際空港に押し寄せている他、各国の大使館に難民申請をするために詰めかけています。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、アフガンでは昨年暮れまでに290万人が避難民になっていましたが、今年の初めからの戦闘でさらに40万人増えました。
欧米メディアではタリバン大攻勢でカタストロフ(崩壊)が近いという論調が目立つようになりました。
タリバン兵の総数はおよそ6万人、それに協力する民兵を含めても20万人程度と推計され、アフガニスタン軍の30万人より少ないと見積もられています。
それにもかかわらず、なぜタリバンはアフガン全土を掌中に収めつつあるのか、そこには大きく3つの理由があるようです。
第一に、アメリカ撤退による勢いです。
昨年3月、当時のトランプ政権はタリバンとの間で和平合意を締結しました。
ここでは戦闘停止、タリバンが国家再建についてアフガニスタン政府と交渉することなどの条件と引き換えに、米軍の撤退が約束されました。
2001年に発生したアメリカ同時多発テロ事件とそれを契機としたアフガニスタン侵攻の後、米軍はアフガニスタンの政府・軍を支援しながら、タリバン掃討作戦を続けてきましたが、地方に根を張ったタリバンのテロ攻撃に手を焼いた米軍は、結局撤退に追い込まれた形です。
バイデン大統領は同時多発テロ事件の記念日に当たる9月11日を目前に控えた8月一杯で撤退を完了させる方針を変えていません。
これに拍車をかけたのが、第2の理由である「アフガニスタン政府・軍の無気力・無力」です。
アメリカがこれまで数十億ドルの武器・装備を提供してきたアフガニスタン軍の兵士のほとんどは、汚職にまみれた体制の末端公務員に過ぎないため、モラルも士気も低く、タリバンとまともに戦おうともしません。
そして第三に、タリバンがもはや誰にも遠慮しなくなりつつあることです。
もともとタリバンは1979年からのアフガニスタン内戦で発生した多くの難民が、隣国パキスタン内で訓練を受けて誕生したといわれています。
つまり、アフガニスタンに勢力を伸ばしたいパキスタン政府が、その手駒としてタリバンを育成したとみられています。
そのため、今回の猛攻に関しても、反タリバン派の間では「パキスタンがタリバンを通じて攻撃してきた」という見方が支配的です。
タリバンが平和的に権力を握る方が、パキスタンにとってはメリットが大きいことから、パキスタン政府は昨年以来、タリバンに対して再三、アフガニスタン政府と交渉に臨むよう求めてきました。
戦闘の拡大で生まれる難民の多くはパキスタンが引き受けることになるからです。
しかし、それでもタリバンの猛攻が全く収まる気配のないことは、パキスタン政府の影響力がかつてほど強くないことをうかがわせ、その最大の要因は、タリバンが経済的に自立してきたことにあるとみられています。
全ての流れがタリバン大攻勢に向かうなか、アフガニスタンは大転換の時期を迎えようとしていますが、この事態を天国から見守っておられる中村哲さんはどのように見ておられるでしょうか。
2021年08月15日
医療体制、軌道修正
新規コロナウィルスの感染拡大が危機的状況になり、未活用だった医療資源をコロナ対応に投入する軌道修正がようやく始まり、東京都では医師会が自宅療養者を支援するようです。
関与が乏しかった開業医らにも協力を求めます。
国は重症化を防ぐ点滴薬を使える場所を増やします。
全国の新規感染者が初めて2万人を超え、国と地方が重い腰を上げた形ですが、さらに連携を強め、あらゆる手段を講じ続ける必要があります。
国内流行が始まって1年半が経過しても体制が整わない一因に、コロナ対応に十分に関わらない開業医や民間
病院の存在が指摘されていました。
東京都医師会は13日、自宅療養者の診療体制を強化すると発表し、保健所からの連絡が来るまでは診断した医療機関が健康観察を担い、往診専門医や訪問看護と連携した24時間の見守り体制を拡充します。
都や保健所の依頼に基づき、医師会は電話やオンラインで診療に応じたり、往診できる医師を派遣したりします。
このような医師会と行政の連携は各地で広がりつつあるようです。
茨城医師会は県内医療機関と連携し、かかりつけ医が自宅療養者の状態を確認する体制を整えました。
兵庫県姫路市医師会は約30人の開業医の協力を得て、自宅療養者を往診し、薬の処方にも対応します。
大阪府は自宅療養者が診察を受けられる「新型コロナ外来診療病院」を8月中にも整備するということです。
政府が急激に増加する新規感染者に対して、医療崩壊を防ぐということで在宅医療を基本とする方針を打ち出しましたが、一斉にマスコミ等でたたかれました。
しかし、こういった体制を事前に医師会と調整して整備したうえでの展開だったらもっと国民に理解された
のでしょうが、残念です。
医療資源には限りがありますから、感染症などの危機管理においては医療資源の最適な活用は不可欠です。
関与が乏しかった開業医らにも協力を求めます。
国は重症化を防ぐ点滴薬を使える場所を増やします。
全国の新規感染者が初めて2万人を超え、国と地方が重い腰を上げた形ですが、さらに連携を強め、あらゆる手段を講じ続ける必要があります。
国内流行が始まって1年半が経過しても体制が整わない一因に、コロナ対応に十分に関わらない開業医や民間
病院の存在が指摘されていました。
東京都医師会は13日、自宅療養者の診療体制を強化すると発表し、保健所からの連絡が来るまでは診断した医療機関が健康観察を担い、往診専門医や訪問看護と連携した24時間の見守り体制を拡充します。
都や保健所の依頼に基づき、医師会は電話やオンラインで診療に応じたり、往診できる医師を派遣したりします。
このような医師会と行政の連携は各地で広がりつつあるようです。
茨城医師会は県内医療機関と連携し、かかりつけ医が自宅療養者の状態を確認する体制を整えました。
兵庫県姫路市医師会は約30人の開業医の協力を得て、自宅療養者を往診し、薬の処方にも対応します。
大阪府は自宅療養者が診察を受けられる「新型コロナ外来診療病院」を8月中にも整備するということです。
政府が急激に増加する新規感染者に対して、医療崩壊を防ぐということで在宅医療を基本とする方針を打ち出しましたが、一斉にマスコミ等でたたかれました。
しかし、こういった体制を事前に医師会と調整して整備したうえでの展開だったらもっと国民に理解された
のでしょうが、残念です。
医療資源には限りがありますから、感染症などの危機管理においては医療資源の最適な活用は不可欠です。
2021年08月14日
季節外れの大雨
これまで経験したことがない大雨が続いています。
西日本から東日本にかけて広範囲に雨を降らせてるのは、8月としては異例の「停滞する秋雨前線」のようです。
太平洋高気圧の張り出しが弱く、オホーツク海高気圧との境目に前線が停滞する配置となっていて、高気圧の淵ら沿って暖かく湿った空気が流れ込み、雨雲が発達しています。
例年なら、この時期は太平洋高気圧が日本列島に張り出し、夏らしい晴天が続くことが多く、これまでは全国で猛暑日が続いてこの気象に順応することが大変でした。
ですから、地球温暖化の進行を意識させられていましたが、「秋雨前線の異例の停滞」も地球温暖化の影響でしょうか。
なぜ、太平洋高気圧が退いているのか現時点では不明のようです。
気象予報士は、南側にある高気圧や停滞する前線など、大雨を降らせやすい要素がこれほど長期間にわたって重なるのは珍しいといいます。
今日は一日中、この季節外れの大雨に関する注意喚起の報道が流れていました。
これまで特に北部九州の大雨が尋常ではなく、佐賀県内の武雄市、佐賀市、そして福岡県の久留米市の浸水状況などを頻繁に伝えられていました。
いずれの地も、治水対策に関わりそして赴任地でもあったことから、強い関心をもって水害の状況を注視しています。
気候変動等により、このような今までに経験したことがない大雨に見舞われ、その対処方針として行政では「流域治水」への取り組みに舵が切られましたが、とにかくその対応が急がれます。
西日本から東日本にかけて広範囲に雨を降らせてるのは、8月としては異例の「停滞する秋雨前線」のようです。
太平洋高気圧の張り出しが弱く、オホーツク海高気圧との境目に前線が停滞する配置となっていて、高気圧の淵ら沿って暖かく湿った空気が流れ込み、雨雲が発達しています。
例年なら、この時期は太平洋高気圧が日本列島に張り出し、夏らしい晴天が続くことが多く、これまでは全国で猛暑日が続いてこの気象に順応することが大変でした。
ですから、地球温暖化の進行を意識させられていましたが、「秋雨前線の異例の停滞」も地球温暖化の影響でしょうか。
なぜ、太平洋高気圧が退いているのか現時点では不明のようです。
気象予報士は、南側にある高気圧や停滞する前線など、大雨を降らせやすい要素がこれほど長期間にわたって重なるのは珍しいといいます。
今日は一日中、この季節外れの大雨に関する注意喚起の報道が流れていました。
これまで特に北部九州の大雨が尋常ではなく、佐賀県内の武雄市、佐賀市、そして福岡県の久留米市の浸水状況などを頻繁に伝えられていました。
いずれの地も、治水対策に関わりそして赴任地でもあったことから、強い関心をもって水害の状況を注視しています。
気候変動等により、このような今までに経験したことがない大雨に見舞われ、その対処方針として行政では「流域治水」への取り組みに舵が切られましたが、とにかくその対応が急がれます。
2021年08月12日
鉄道を活かした物流拠点
二酸化炭素排出量の削減が企業に求められる中、トラックより排出量が少ない鉄道の利点が見直され、世界でモーダルシフトが進んでいます。
JR貨物によると、500キロを超える中長距離輸送であれば、荷主はトラックを使う場合に比べてコストも抑えられ、日本でも鉄道貨物の利用が増えるとみています。
また、インターネット通販の市場拡大や新型コロナウィルスによる巣ごもり需要で小口貨物は増えています。
ヤマト運輸など宅配大手が2020年度に取り扱う貨物数は過去最多を更新し、JR貨物でも様々な小口貨物を混在して運ぶ「積み合わせ貨物」の2020年度の輸送量は10年前から35%伸びました。
小口貨物の取り込みでは、将来的にJR旅客各社と組んで新幹線を使った貨物輸送サービスの参入も検討しています。
定時制とスピードが強みの新幹線を活用すれば、遠距離でも即日配送できます。
このため、JR貨物が宅配など貨物の鉄道シフトをにらみ物流施設投資に動こうとしています。
小口輸送の需要増をにらんだ物流拠点は鉄道利用の波にかかわらず安定的に賃料収入などを得られ、収益への貢献も見込めることから、成長戦略の柱の一つとして期待されています。
投資マネーも巻き込んで大型施設の新設も相次ぎそうです。
2030年までに貨物ターミナル駅で大型の物流施設を全国で10か所程度整備することにしています。
新幹線輸送の参入も検討し、環境意識の高まりや人出不足によるトラック輸送のひっ迫で高まる小口貨物の代替え需要を取り込もうとしているわけです。
JR貨物によると、500キロを超える中長距離輸送であれば、荷主はトラックを使う場合に比べてコストも抑えられ、日本でも鉄道貨物の利用が増えるとみています。
また、インターネット通販の市場拡大や新型コロナウィルスによる巣ごもり需要で小口貨物は増えています。
ヤマト運輸など宅配大手が2020年度に取り扱う貨物数は過去最多を更新し、JR貨物でも様々な小口貨物を混在して運ぶ「積み合わせ貨物」の2020年度の輸送量は10年前から35%伸びました。
小口貨物の取り込みでは、将来的にJR旅客各社と組んで新幹線を使った貨物輸送サービスの参入も検討しています。
定時制とスピードが強みの新幹線を活用すれば、遠距離でも即日配送できます。
このため、JR貨物が宅配など貨物の鉄道シフトをにらみ物流施設投資に動こうとしています。
小口輸送の需要増をにらんだ物流拠点は鉄道利用の波にかかわらず安定的に賃料収入などを得られ、収益への貢献も見込めることから、成長戦略の柱の一つとして期待されています。
投資マネーも巻き込んで大型施設の新設も相次ぎそうです。
2030年までに貨物ターミナル駅で大型の物流施設を全国で10か所程度整備することにしています。
新幹線輸送の参入も検討し、環境意識の高まりや人出不足によるトラック輸送のひっ迫で高まる小口貨物の代替え需要を取り込もうとしているわけです。
2021年08月11日
科学大国に向けて中国躍進、日本後退
中国が「科学大国世界一」の座を米国から奪おうとしています。
戦後の科学研究をリードしてきた米国の優位が失われつつあり、産業競争力にも影響する可能性もあります。
科学論文の数は国の研究開発の活発さを測る基本的な指標で、主要国の論文数などを平均で算出・分析すると、中国が学術研究の量だけでなく、質の面でも実力をつけている姿が鮮明になってきました。
世界で2017〜19年に発表された自然科学分野の学術論文のうち、他の論文に引用された回数が上位10%に入る影響力の大きな論文(注目の論文)の数で、中国は初めて米国を抜いて世界一となったようです。
分野別でも、8分野中、材料科学や化学、工学など5分野で首位に立ちました。
注目の論文は、ここ10年で米国でも3%伸びていますが、中国は約5.1倍に急増しています。
シェアは中国が24.8%、米国が22.9%で、3位の英国の5.4%を大きく引き離しています。
注目の論文のうち上位1%に当たる「トップ論文」でも、中国のシェアは25%と米国の27.2%に肉薄していて、このままの勢いですと米国を追い抜くのは間近です。
中国の2019年の研究開発費は54.5兆円と10年間で2倍以上増えていて、米国の68兆円には及ばないまでも増加ペースは上回っています。
研究者の数も210万人と米国を大きく引き離しています。
中国の躍進にはこの研究者数や研究費の伸びが非常に大きな影響を及ぼしているようです。
1989年にJICAの開発調査案件(ハンヨウ湖の水質問題)で中国を訪れた時、「今の中国はお金がなく日本に依存しているが、学者は多くいて知恵はある」と関係者が話していたことを思い出します。
30年前から中国は大きく変わりましたが、したたかな姿は当時からも垣間見られます。
一方、日本は論文の質・量ともに順位が低下し、科学技術力の足腰の弱さが浮き彫りになっています。
注目論文のシェアではインドに抜かれ、前年の9位から10位と初めて二ケタ台に後退し、トップ論文のシェアも9位と前年から横ばいです。
このことに対して、文科省はどのように対応するのでしょうか。
戦後の科学研究をリードしてきた米国の優位が失われつつあり、産業競争力にも影響する可能性もあります。
科学論文の数は国の研究開発の活発さを測る基本的な指標で、主要国の論文数などを平均で算出・分析すると、中国が学術研究の量だけでなく、質の面でも実力をつけている姿が鮮明になってきました。
世界で2017〜19年に発表された自然科学分野の学術論文のうち、他の論文に引用された回数が上位10%に入る影響力の大きな論文(注目の論文)の数で、中国は初めて米国を抜いて世界一となったようです。
分野別でも、8分野中、材料科学や化学、工学など5分野で首位に立ちました。
注目の論文は、ここ10年で米国でも3%伸びていますが、中国は約5.1倍に急増しています。
シェアは中国が24.8%、米国が22.9%で、3位の英国の5.4%を大きく引き離しています。
注目の論文のうち上位1%に当たる「トップ論文」でも、中国のシェアは25%と米国の27.2%に肉薄していて、このままの勢いですと米国を追い抜くのは間近です。
中国の2019年の研究開発費は54.5兆円と10年間で2倍以上増えていて、米国の68兆円には及ばないまでも増加ペースは上回っています。
研究者の数も210万人と米国を大きく引き離しています。
中国の躍進にはこの研究者数や研究費の伸びが非常に大きな影響を及ぼしているようです。
1989年にJICAの開発調査案件(ハンヨウ湖の水質問題)で中国を訪れた時、「今の中国はお金がなく日本に依存しているが、学者は多くいて知恵はある」と関係者が話していたことを思い出します。
30年前から中国は大きく変わりましたが、したたかな姿は当時からも垣間見られます。
一方、日本は論文の質・量ともに順位が低下し、科学技術力の足腰の弱さが浮き彫りになっています。
注目論文のシェアではインドに抜かれ、前年の9位から10位と初めて二ケタ台に後退し、トップ論文のシェアも9位と前年から横ばいです。
このことに対して、文科省はどのように対応するのでしょうか。
2021年08月10日
深刻となってきた地球温暖化対策
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、産業革命前と比べた世界の気温上昇が2021〜2040年に1.5度に達するとの予測を公表しました。
3年前の想定より10年ほど早くなります。
これは、予測モデルを改良し、新たに北極圏のデータも活用したところ10年ほど早まったようです。
IPCCが公表した報告書は、切迫する温暖化のリスクを世界につきつけた格好です。
気温上昇の加速で熱波や干ばつ、豪雨が頻発するようになり、事実、今年は記録的な熱波に見舞われた北米やロシアで、大規模な山火事が広がり、水害もヨーロッパで発生し甚大な被害となりました。
高い気温と少雨で草木が乾燥して燃えやすくなっているうえに、落雷が増えて自然発火する事例も目立つようになりました。
火災により大量の二酸化炭素が発生しており、さらに温暖化が加速し、熱波や山火事が悪化するという負の連鎖も危惧されるようになりました。
6月末の記録的な熱波(カナダ西部のリットンでは49.6度を記録)の後、米国やカナダでは大規模な山火事が相次いでいます。
米オレゴン州では名古屋市の面積の半分に相当する約160km2の森が、カナダでは関東地方の面積を超す約3万3500km2の森が焼失したといいます。
両国以上に深刻なのがロシアで、平年を大きく上回る高い気温が続くシベリアや極東で山火事が拡大しており、現在でも1万km2近い森林が燃えているといいます。
北半球の両側でこれだけの規模の山火事が同時に起きたことはこれまでなかったと専門家は言います。
また、ツンドラ地帯で山火事が増えていることが気になるという専門家もいます。
ツンドラの下には永久凍土があり、この永久凍土には大気中に含まれ二酸化炭素やメタンのほぼ2倍の炭素が閉じ込められていて、山火事が相次ぐとこれらが一気に放出され、温暖化を促す負の連鎖が広がる恐れがあるからです。
大規模な山火事の影響は地球規模に及び、負の連鎖を食い止める手段は、とにかく温暖化ガスの排出を抑えることしかありません。
3年前の想定より10年ほど早くなります。
これは、予測モデルを改良し、新たに北極圏のデータも活用したところ10年ほど早まったようです。
IPCCが公表した報告書は、切迫する温暖化のリスクを世界につきつけた格好です。
気温上昇の加速で熱波や干ばつ、豪雨が頻発するようになり、事実、今年は記録的な熱波に見舞われた北米やロシアで、大規模な山火事が広がり、水害もヨーロッパで発生し甚大な被害となりました。
高い気温と少雨で草木が乾燥して燃えやすくなっているうえに、落雷が増えて自然発火する事例も目立つようになりました。
火災により大量の二酸化炭素が発生しており、さらに温暖化が加速し、熱波や山火事が悪化するという負の連鎖も危惧されるようになりました。
6月末の記録的な熱波(カナダ西部のリットンでは49.6度を記録)の後、米国やカナダでは大規模な山火事が相次いでいます。
米オレゴン州では名古屋市の面積の半分に相当する約160km2の森が、カナダでは関東地方の面積を超す約3万3500km2の森が焼失したといいます。
両国以上に深刻なのがロシアで、平年を大きく上回る高い気温が続くシベリアや極東で山火事が拡大しており、現在でも1万km2近い森林が燃えているといいます。
北半球の両側でこれだけの規模の山火事が同時に起きたことはこれまでなかったと専門家は言います。
また、ツンドラ地帯で山火事が増えていることが気になるという専門家もいます。
ツンドラの下には永久凍土があり、この永久凍土には大気中に含まれ二酸化炭素やメタンのほぼ2倍の炭素が閉じ込められていて、山火事が相次ぐとこれらが一気に放出され、温暖化を促す負の連鎖が広がる恐れがあるからです。
大規模な山火事の影響は地球規模に及び、負の連鎖を食い止める手段は、とにかく温暖化ガスの排出を抑えることしかありません。
2021年08月08日
コロナ後の医療改革
新型コロナウィルスの感染拡大や医療崩壊を防ぐには高齢者だけでなく、各世代にまんべんなく接種が進むようにしないといけませんが、とりわけ重症者が急増している40〜50代への接種が急がれます。
接種が円滑に進む地域は準備がいち早く着手したことに加え、きめ細やかな診療体制が敷かれ、医療機関同士、行政との連携も密なようです。
都道府県別に見た全世代の1回目の接種率は、山口県がトップの45.6%、和歌山、山形、高知、熊本、群馬、佐賀の各県が続きます。
接種率が高い地域の多くは高度医療を提供する大病院(500病床以上)が少ない傾向があり、かかりつけ医(一般診療所、20病床未満)が患者に目張りしています。
地元医師会や大学、行政との関係も良好で連携・役割分担が進むほか、大規模災害を見据えた体制づくりなどを検討しており、医師の有事対応力が高い地域も多いようです。
トップの和歌山県を見ると、約1000カ所の一般診療所があり、人口10万人あたりでは110.8と都道府県で最多となっています。
一方、500病床以上の大病院は県内に2カ所だけで、患者は一般診療所の受信が中心となっています。
個別接種が進み、接種率を押し上げる一因となっているようです。
また、南海トラフ地震などに備えた即応体制への意識の高さも対応力を底上げしたともいわれています。
県は大規模災害が休日や夜間に起きた際、地域の開業医が「地域災害支援医師」として緊急医療にあたる仕組みを検討しているようで、危機管理意識が高い県と言えます。
行政と大学の連携協定が奏功しているのは山形県で、「オール山形」の成果と言えます。
また、福島県相馬市では、コロナの感染拡大前から市と地元医師会が密に連携しており、救急医療の主な担い手である公立相馬総合病院の夜間急患体制を維持するため、開業医が当番で勤務する制度導入しているのも地域が一体的に取り組む素地ができているように感じます。
接種をきっかけに地方で芽生えた取り組みは、コロナ後の医療改革のヒントとなりそうです。
以上は日経新聞の記事からの引用ですが、前向きな取り組みを今後もどんどん紹介していただくことで、地方が競って必要な医療改革に取り組む流れが進むといいですね。
接種が円滑に進む地域は準備がいち早く着手したことに加え、きめ細やかな診療体制が敷かれ、医療機関同士、行政との連携も密なようです。
都道府県別に見た全世代の1回目の接種率は、山口県がトップの45.6%、和歌山、山形、高知、熊本、群馬、佐賀の各県が続きます。
接種率が高い地域の多くは高度医療を提供する大病院(500病床以上)が少ない傾向があり、かかりつけ医(一般診療所、20病床未満)が患者に目張りしています。
地元医師会や大学、行政との関係も良好で連携・役割分担が進むほか、大規模災害を見据えた体制づくりなどを検討しており、医師の有事対応力が高い地域も多いようです。
トップの和歌山県を見ると、約1000カ所の一般診療所があり、人口10万人あたりでは110.8と都道府県で最多となっています。
一方、500病床以上の大病院は県内に2カ所だけで、患者は一般診療所の受信が中心となっています。
個別接種が進み、接種率を押し上げる一因となっているようです。
また、南海トラフ地震などに備えた即応体制への意識の高さも対応力を底上げしたともいわれています。
県は大規模災害が休日や夜間に起きた際、地域の開業医が「地域災害支援医師」として緊急医療にあたる仕組みを検討しているようで、危機管理意識が高い県と言えます。
行政と大学の連携協定が奏功しているのは山形県で、「オール山形」の成果と言えます。
また、福島県相馬市では、コロナの感染拡大前から市と地元医師会が密に連携しており、救急医療の主な担い手である公立相馬総合病院の夜間急患体制を維持するため、開業医が当番で勤務する制度導入しているのも地域が一体的に取り組む素地ができているように感じます。
接種をきっかけに地方で芽生えた取り組みは、コロナ後の医療改革のヒントとなりそうです。
以上は日経新聞の記事からの引用ですが、前向きな取り組みを今後もどんどん紹介していただくことで、地方が競って必要な医療改革に取り組む流れが進むといいですね。
2021年08月07日
暑い一日
新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めが掛からない中、お盆休みの帰省が7日、本格的に始まりました。
全国知事会は夏休み中は原則、都道府県境をまたぐ移動を中止・延期するよう国民に求めますが、帰省客からは「今更中止できない」など、戸惑いの声も上がっています。
博多駅でも、コロナ前ほどではありませんが、帰省客で多くなってきました。
JR各社によると、6〜17日の新幹線、在来線の指定席予約状況は7月19日現在で84万席で、昨年より10%増えましたが、コロナ禍前の2019年比では76%減ということです。
そして、日本列島はいたるところで猛暑が続いています。
今大会のマラソンと競歩は、暑さをさけるために東京から札幌市に舞台を移した経緯があります。
この猛暑で、前日の6日になってスタート時間を1時間早めた女子マラソンですが、88人がスタートラインに立ち、15人が棄権しました。
気温と湿度は午前6時のスタート時で25度、84%、8時半ごろのゴール時点で29度、67%でしたが、東京都内の気温は午前6時で28度、午前9時で30度ほどでしたが、スタート時は札幌市の方がやや涼しかったようですが、ゴール時にはほとんど差がありませんでした。
前評判と異なり、日本の暑さにはアスリートの皆さんもコンディションを整えるのに大変だったと思います。
福岡も猛暑が続き、日中に外に出ていると目が眩むほどですが、そんな中ゴルフに行ってきました。
アウト42、イン50、前半はまだ集中力がありましたが後半はバテタようです。
熱中症にならないように水分補給は頻繁に行いましたが、汗が噴き出してきます。
このような時期に外でスポーツをするのは避けた方がよいのでしょうが、コロナでゴルフ人気は高まっているようです。
全国知事会は夏休み中は原則、都道府県境をまたぐ移動を中止・延期するよう国民に求めますが、帰省客からは「今更中止できない」など、戸惑いの声も上がっています。
博多駅でも、コロナ前ほどではありませんが、帰省客で多くなってきました。
JR各社によると、6〜17日の新幹線、在来線の指定席予約状況は7月19日現在で84万席で、昨年より10%増えましたが、コロナ禍前の2019年比では76%減ということです。
そして、日本列島はいたるところで猛暑が続いています。
今大会のマラソンと競歩は、暑さをさけるために東京から札幌市に舞台を移した経緯があります。
この猛暑で、前日の6日になってスタート時間を1時間早めた女子マラソンですが、88人がスタートラインに立ち、15人が棄権しました。
気温と湿度は午前6時のスタート時で25度、84%、8時半ごろのゴール時点で29度、67%でしたが、東京都内の気温は午前6時で28度、午前9時で30度ほどでしたが、スタート時は札幌市の方がやや涼しかったようですが、ゴール時にはほとんど差がありませんでした。
前評判と異なり、日本の暑さにはアスリートの皆さんもコンディションを整えるのに大変だったと思います。
福岡も猛暑が続き、日中に外に出ていると目が眩むほどですが、そんな中ゴルフに行ってきました。
アウト42、イン50、前半はまだ集中力がありましたが後半はバテタようです。
熱中症にならないように水分補給は頻繁に行いましたが、汗が噴き出してきます。
このような時期に外でスポーツをするのは避けた方がよいのでしょうが、コロナでゴルフ人気は高まっているようです。
2021年08月06日
グリーバンス
韓国はかつて植民地支配された国家のなかで、戦後に先進国になったトップランナーです。
しかし韓国は、世界のなかで「先進国」としてふるまうか、「被害者国」としてふるまうか、いま大きく揺れているように感じます。
「グリーバンス(grievance)」という言葉があります。
「不満」「不平」「苦情」といった意味ですが、これがいま、きわめて重要な概念となっています。
なにに対する不平不満かというとそれは「近代」であって、 近代という時代にヨーロッパとアメリカと日本がほぼ世界を独占してしまっていました。
19世紀から20世紀前半にかけて、植民地支配、世界戦争、自然破壊、産業資本主義、科学技術などによって
地球上の人間の生活を根本的に変えてしまった主役が、欧米と日本でした。
この「呪われた近代」に対抗する思想とパワーが、「対抗近代」とでも呼ぶべき形をとって、非西洋・非日本の地域で勢力を拡大しています。
韓国はかつて植民地支配された主要国家・地域のなかで、戦後に先進国になった国家の先頭を走っていますが、 ここまで発展するのに払った犠牲と努力は、すさまじいものでありました。
本来はそのことに大きな自信を持って、先進国の陣営の一員として責任を持ってふるまうべきなのであり、国際法の秩序を守り、「合意は拘束する」「主権免除」の原則を尊重するのは、その基本中の基本であります。
しかし、韓国は、先進国としての責任を担って歩んでいけばいいのか(つまり近代側の勢力になるのか)、それとも「グリーバンス国家」として先進国に対する不平不満を訴えるべきなのか(つまり対抗近代側に与するのか)、大きく揺れているといいます。
かつての帝国主義勢力と同じ陣営にはいりこむことを「被害者国」として潔しとしないというわけです。
特に文在寅政権は「グリーバンス(不平・不満)国家」の側面ばかり意識してきたように思います。
自分たちはいまや資本主義の最先端の国家であり、自然破壊もしているし、他国に対する経済的搾取もしています。
日本や欧米に文句がいえない立場になっている現実は見ようとせず、植民地支配されたことによる傷を訴える対抗近代の国家として、グローバルな「グリーバンス国家群」の代表になろうという野心を持っているかのようです。
文在寅政権が「漢江(ハンガン)の奇跡」など自国の経済発展の歴史や、その過程で日本からの多大な協力
を得たことを完全に無視しようとしたのは、そのためでもあります。
慰安婦問題を世界の女性の人権問題としてイシュー化しようとしているのも、そのためであります。
対抗近代の「グリーバンス国家」としては「合意は拘束する」という国際法の大原則を守ること自体が、欧米および日本による帝国主義時代の支配や搾取を肯定することなのだから、過去の「悪法」や「悪条約」は積極的に否定することが、過去に被害を受けた国家群を代表する英雄的行為だと考えているのかもしれません。
しかし韓国は、世界のなかで「先進国」としてふるまうか、「被害者国」としてふるまうか、いま大きく揺れているように感じます。
「グリーバンス(grievance)」という言葉があります。
「不満」「不平」「苦情」といった意味ですが、これがいま、きわめて重要な概念となっています。
なにに対する不平不満かというとそれは「近代」であって、 近代という時代にヨーロッパとアメリカと日本がほぼ世界を独占してしまっていました。
19世紀から20世紀前半にかけて、植民地支配、世界戦争、自然破壊、産業資本主義、科学技術などによって
地球上の人間の生活を根本的に変えてしまった主役が、欧米と日本でした。
この「呪われた近代」に対抗する思想とパワーが、「対抗近代」とでも呼ぶべき形をとって、非西洋・非日本の地域で勢力を拡大しています。
韓国はかつて植民地支配された主要国家・地域のなかで、戦後に先進国になった国家の先頭を走っていますが、 ここまで発展するのに払った犠牲と努力は、すさまじいものでありました。
本来はそのことに大きな自信を持って、先進国の陣営の一員として責任を持ってふるまうべきなのであり、国際法の秩序を守り、「合意は拘束する」「主権免除」の原則を尊重するのは、その基本中の基本であります。
しかし、韓国は、先進国としての責任を担って歩んでいけばいいのか(つまり近代側の勢力になるのか)、それとも「グリーバンス国家」として先進国に対する不平不満を訴えるべきなのか(つまり対抗近代側に与するのか)、大きく揺れているといいます。
かつての帝国主義勢力と同じ陣営にはいりこむことを「被害者国」として潔しとしないというわけです。
特に文在寅政権は「グリーバンス(不平・不満)国家」の側面ばかり意識してきたように思います。
自分たちはいまや資本主義の最先端の国家であり、自然破壊もしているし、他国に対する経済的搾取もしています。
日本や欧米に文句がいえない立場になっている現実は見ようとせず、植民地支配されたことによる傷を訴える対抗近代の国家として、グローバルな「グリーバンス国家群」の代表になろうという野心を持っているかのようです。
文在寅政権が「漢江(ハンガン)の奇跡」など自国の経済発展の歴史や、その過程で日本からの多大な協力
を得たことを完全に無視しようとしたのは、そのためでもあります。
慰安婦問題を世界の女性の人権問題としてイシュー化しようとしているのも、そのためであります。
対抗近代の「グリーバンス国家」としては「合意は拘束する」という国際法の大原則を守ること自体が、欧米および日本による帝国主義時代の支配や搾取を肯定することなのだから、過去の「悪法」や「悪条約」は積極的に否定することが、過去に被害を受けた国家群を代表する英雄的行為だと考えているのかもしれません。
2021年08月04日
猛暑の中の東京五輪
東京五輪の開催中、新規コロナウィルスの感染拡大が大きな話題となっていますが、その一方で猛暑の中での競技に各国から悲鳴が聞こえます。
うだるような暑さの中で開催されている東京オリンピックに対し、海外メディアからは選手の体調を心配する声とともに、招致のために東京が「気候に関して嘘をついた」との批判が高まっています。
「温暖で晴れの日が多い東京の夏は、アスリートが最高のパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」 。
海外メディアが疑問視しているのは、日本のオリンピック組織委員会が大会招致に向けてアピールしていた気候に関するこの一文です。
トップの選手がフィニッシュラインで倒れ込み嘔吐、その他の選手も次々倒れ、さながら戦場のような光景となったトライアスロン男子のゴール地点。
「残忍な湿度」「死ぬかもしれない」「今まで経験した中で最悪な暑さ」と、相次ぐ選手たちからの苦情を受けて試合開始時間を変更したテニス。
女子アーチェリーの試合後には、選手が熱中症で気を失い担架で運ばれる事態となりました。
“アスリートファースト”とは真逆のオリンピックが敢行されている現状に苦言を呈しました。
この時期の東京が高温多湿になるのは周知の事実なのに、それでも開催地に東京を選んだIOCの決定にも責任があることを言及してます。
2013年の招致決定以来、東京の酷暑は懸念材料として常に浮上し、春や秋への開催スケジュール変更に関しても度々議論に挙がっていました。
米『Yahoo Sports』 は、1964年の前回大会が東京の酷暑を避けて10月に開催されたことに触れ、それでもIOCがこの時期の開催にこだわり続けるのは、巨額な放映権料を払うアメリカのテレビ局NBCの存在が大きいことを指摘しています。
北米ではアメリカンフットボールをはじめ人気スポーツの中継と視聴率争いをする必要がなく、新学期前でカレッジスポーツとも競合しない7月末から8月中旬は高視聴率が見込めるため、NBCにとってこの時期以外に夏のオリンピック開催の選択肢はないのだといいます。
IOCも、夏冬あわせ計10大会に対して1兆3,000億円ともいわれる放映権料を支払ってくれているNBCの意見を無視するわけにいかなかったのだろう、と各メディアが伝えています。
アスリートの健康よりビジネスファーストになってしまったオリンピックの衰退ぶりを嘆く声も聞こえてきます。
とはいえ、東京の夏が「理想的な気候ではない」ことを知っていた国は多く、各国の選手団はそれぞれ暑さ対策をした上で来日しているようです。
アメリカは選手団が開会式で着用するラルフローレンのジャケットに、着用者の体温を自動で調節してくれる温度冷却装置「RLクーリング」を搭載することで長時間の開会式で選手がバテないように対応し、オーストラリア選手団は「東京ヒートプロジェクト」と銘打って、数年前から東京の猛暑に備えたトレーニングを行ってきたといいます。
しかし、高い湿度とセットになった東京の暑さは、想像のはるか上を行くものだったようですが。
うだるような暑さの中で開催されている東京オリンピックに対し、海外メディアからは選手の体調を心配する声とともに、招致のために東京が「気候に関して嘘をついた」との批判が高まっています。
「温暖で晴れの日が多い東京の夏は、アスリートが最高のパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」 。
海外メディアが疑問視しているのは、日本のオリンピック組織委員会が大会招致に向けてアピールしていた気候に関するこの一文です。
トップの選手がフィニッシュラインで倒れ込み嘔吐、その他の選手も次々倒れ、さながら戦場のような光景となったトライアスロン男子のゴール地点。
「残忍な湿度」「死ぬかもしれない」「今まで経験した中で最悪な暑さ」と、相次ぐ選手たちからの苦情を受けて試合開始時間を変更したテニス。
女子アーチェリーの試合後には、選手が熱中症で気を失い担架で運ばれる事態となりました。
“アスリートファースト”とは真逆のオリンピックが敢行されている現状に苦言を呈しました。
この時期の東京が高温多湿になるのは周知の事実なのに、それでも開催地に東京を選んだIOCの決定にも責任があることを言及してます。
2013年の招致決定以来、東京の酷暑は懸念材料として常に浮上し、春や秋への開催スケジュール変更に関しても度々議論に挙がっていました。
米『Yahoo Sports』 は、1964年の前回大会が東京の酷暑を避けて10月に開催されたことに触れ、それでもIOCがこの時期の開催にこだわり続けるのは、巨額な放映権料を払うアメリカのテレビ局NBCの存在が大きいことを指摘しています。
北米ではアメリカンフットボールをはじめ人気スポーツの中継と視聴率争いをする必要がなく、新学期前でカレッジスポーツとも競合しない7月末から8月中旬は高視聴率が見込めるため、NBCにとってこの時期以外に夏のオリンピック開催の選択肢はないのだといいます。
IOCも、夏冬あわせ計10大会に対して1兆3,000億円ともいわれる放映権料を支払ってくれているNBCの意見を無視するわけにいかなかったのだろう、と各メディアが伝えています。
アスリートの健康よりビジネスファーストになってしまったオリンピックの衰退ぶりを嘆く声も聞こえてきます。
とはいえ、東京の夏が「理想的な気候ではない」ことを知っていた国は多く、各国の選手団はそれぞれ暑さ対策をした上で来日しているようです。
アメリカは選手団が開会式で着用するラルフローレンのジャケットに、着用者の体温を自動で調節してくれる温度冷却装置「RLクーリング」を搭載することで長時間の開会式で選手がバテないように対応し、オーストラリア選手団は「東京ヒートプロジェクト」と銘打って、数年前から東京の猛暑に備えたトレーニングを行ってきたといいます。
しかし、高い湿度とセットになった東京の暑さは、想像のはるか上を行くものだったようですが。
2021年08月03日
洪水が幕引くメルケル時代
水害が選挙戦を様変わりさせ、政治家のキャリアを左右し得ることは、ドイツではよく知られています。
1962年、洪水に襲われた北部ハンブルク特別市の内相として災害対応に手腕を振るい、それが全国的に評価されて12年後、旧西独トップにまで上り詰めたのがシュミット元首相でした。
2002年には、再選が危ぶまれたドイツ社会民主党(SPD)のシュレーダー首相がエルベ川流域の洪水被災地を長靴姿で回り、SPDは支持率を挽回し、総選挙で勝利しました。
こうした前例からすると、今回の独西部で170人以上が死亡し、壊滅的な被害をもたらした7月中旬の大洪水は、9月下旬の連邦議会選挙の行方に大きな影響を与えてもおかしくはありません。
しかし、獲得議席数の予測には目下、変化はないといます。
とはいえ、洪水が重要な意味を持つことには変わりがないようです。
与党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の首相候補のラシェット氏は地元西部の石炭産業は断固として守ると訴えており、水害が気候変動と関係があるという見方が政界やメディアで急速に広がる中、こうした姿勢を貫けるかどうか危うい状況です。
また、ドイツ人は特に危機時にはまじめな指導者を好むということですが、本人は被災地を訪れた際に後方で談笑していたといいますから、そのタイプではなさそうです。
今回の洪水では何よりもドイツの災害対応体制のまずさが露呈し、メルケル政権下でのインフラへの長期の投資不足を巡り、議論が巻き起こりました。
次期政権は気候変動問題に一層、危機感をもって取り組む必要があるだけでなく、経済を支えるインフラの整備や更新をもっと積極的に進めるよう迫られるであろう言われています。
日本はどうでしょう。
「流域治水」を積極的に進め、インフラの整備や更新に力を入れる政党が衆院選において国民の理解が得られるでしょうか。
1962年、洪水に襲われた北部ハンブルク特別市の内相として災害対応に手腕を振るい、それが全国的に評価されて12年後、旧西独トップにまで上り詰めたのがシュミット元首相でした。
2002年には、再選が危ぶまれたドイツ社会民主党(SPD)のシュレーダー首相がエルベ川流域の洪水被災地を長靴姿で回り、SPDは支持率を挽回し、総選挙で勝利しました。
こうした前例からすると、今回の独西部で170人以上が死亡し、壊滅的な被害をもたらした7月中旬の大洪水は、9月下旬の連邦議会選挙の行方に大きな影響を与えてもおかしくはありません。
しかし、獲得議席数の予測には目下、変化はないといます。
とはいえ、洪水が重要な意味を持つことには変わりがないようです。
与党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の首相候補のラシェット氏は地元西部の石炭産業は断固として守ると訴えており、水害が気候変動と関係があるという見方が政界やメディアで急速に広がる中、こうした姿勢を貫けるかどうか危うい状況です。
また、ドイツ人は特に危機時にはまじめな指導者を好むということですが、本人は被災地を訪れた際に後方で談笑していたといいますから、そのタイプではなさそうです。
今回の洪水では何よりもドイツの災害対応体制のまずさが露呈し、メルケル政権下でのインフラへの長期の投資不足を巡り、議論が巻き起こりました。
次期政権は気候変動問題に一層、危機感をもって取り組む必要があるだけでなく、経済を支えるインフラの整備や更新をもっと積極的に進めるよう迫られるであろう言われています。
日本はどうでしょう。
「流域治水」を積極的に進め、インフラの整備や更新に力を入れる政党が衆院選において国民の理解が得られるでしょうか。
2021年08月02日
イベント・アトリビューション
今月、熱海市では土石流による多くの命を奪う災害となりましたが、大雨がその引き金になりました。
去年も熊本県球磨川流域など各地で観測記録を更新する大雨による洪水が起き、3年前の同時期には西日本豪雨がありました。
そして、大雨による災害は今月、世界でも相次いでいます。
中国では「千年に一度」とも言われる雨で大洪水が発生し、ドイツやベルギーなどでも大雨で洪水が多発しています。
近年こうした記録的な大雨や熱波などが相次いでいる背景にあると指摘されるのが気候変動、地球温暖化です。
そもそもなぜ温暖化が様々な災害につながるかというと、まず、気温や水温が上がることで海や陸から蒸発する水分が増えます。
水分を奪われ乾燥した土地では、干ばつや森林火災が起きやすくなります。
また水が蒸発する時には熱を奪いますが、その熱はやがて台風などの勢力を強めるエネルギーに変わり、しかも、大量の水蒸気が大気に含まれることでより大雨が降りやすくなります。
これが洪水や土砂災害をもたらします。
このように、温暖化を問題視するのは、ある意味では水の循環を変化させることで様々な災害のリスクを大
きくするからです。
近年、「イベント・アトリビューション」と呼ばれる技術で、「その災害に温暖化の影響がどれぐらいあったか?」を見積もることができるようになってきました。
これは、コンピューター上で「温暖化の影響がなかったと仮定した場合」と「温暖化が起きている場合」をデータ化し、少しずつ条件を変えて多くの回数シミュレーションを繰り返し、比較するという技術です。
これによって、災害のリスクが温暖化でどれぐらい増したかを見積もることができます。
コンピューターの計算能力が飛躍的に向上したことで10年ほど前から世界的に研究が進み、3年前の西日本豪雨は温暖化の影響がなかったと仮定した場合に比べ大雨の発生確率が3.3倍になっていたという分析結果が出ています。
このように気候変動は、今既に異常気象や激甚な災害につながっていることが具体的に示されつつあり、今月、環境省がこうしたシミュレーションの手法を使い、「将来の台風がどうなるか」を分析した中間報告が公表されました。
具体例として、おととしの秋の台風19号を事例として評価しています。
この台風で、東日本を中心に各地で観測史上1位となる大雨をもたらし、長野県の千曲川や福島県阿武隈川など142箇所の堤防が決壊し、百名を超す犠牲が出た上、経済面でも水害では統計開始以来最大となる1兆8千億円以上の被害を出しました。
このまま温暖化が進むと、今世紀末には世界の平均気温が4℃上昇するとも見込まれていますが、その状況でこの台風19号と同様のルートで台風が日本を直撃したらどうなるのか、複数のコンピューターモデルを使い解析が行われました。
すると、最大発達時の風速は台風19号よりさらに3m以上強まり、累積の雨量は22%増えることが示されました。
1日に200ミリ以上という大雨が降る日が全国平均で2.3倍に増加し、洪水の発生頻度はこのままでは4倍にもなり、温暖化対策をかなり強化して気温上昇を2℃までに抑えたとしても、なお2倍に増えると見積もられています。
こうした中、従来の水害対策ではもはや限界があると考えられています。
気候変動に対する緩和策と適応策は待ったなしの状況です。
去年も熊本県球磨川流域など各地で観測記録を更新する大雨による洪水が起き、3年前の同時期には西日本豪雨がありました。
そして、大雨による災害は今月、世界でも相次いでいます。
中国では「千年に一度」とも言われる雨で大洪水が発生し、ドイツやベルギーなどでも大雨で洪水が多発しています。
近年こうした記録的な大雨や熱波などが相次いでいる背景にあると指摘されるのが気候変動、地球温暖化です。
そもそもなぜ温暖化が様々な災害につながるかというと、まず、気温や水温が上がることで海や陸から蒸発する水分が増えます。
水分を奪われ乾燥した土地では、干ばつや森林火災が起きやすくなります。
また水が蒸発する時には熱を奪いますが、その熱はやがて台風などの勢力を強めるエネルギーに変わり、しかも、大量の水蒸気が大気に含まれることでより大雨が降りやすくなります。
これが洪水や土砂災害をもたらします。
このように、温暖化を問題視するのは、ある意味では水の循環を変化させることで様々な災害のリスクを大
きくするからです。
近年、「イベント・アトリビューション」と呼ばれる技術で、「その災害に温暖化の影響がどれぐらいあったか?」を見積もることができるようになってきました。
これは、コンピューター上で「温暖化の影響がなかったと仮定した場合」と「温暖化が起きている場合」をデータ化し、少しずつ条件を変えて多くの回数シミュレーションを繰り返し、比較するという技術です。
これによって、災害のリスクが温暖化でどれぐらい増したかを見積もることができます。
コンピューターの計算能力が飛躍的に向上したことで10年ほど前から世界的に研究が進み、3年前の西日本豪雨は温暖化の影響がなかったと仮定した場合に比べ大雨の発生確率が3.3倍になっていたという分析結果が出ています。
このように気候変動は、今既に異常気象や激甚な災害につながっていることが具体的に示されつつあり、今月、環境省がこうしたシミュレーションの手法を使い、「将来の台風がどうなるか」を分析した中間報告が公表されました。
具体例として、おととしの秋の台風19号を事例として評価しています。
この台風で、東日本を中心に各地で観測史上1位となる大雨をもたらし、長野県の千曲川や福島県阿武隈川など142箇所の堤防が決壊し、百名を超す犠牲が出た上、経済面でも水害では統計開始以来最大となる1兆8千億円以上の被害を出しました。
このまま温暖化が進むと、今世紀末には世界の平均気温が4℃上昇するとも見込まれていますが、その状況でこの台風19号と同様のルートで台風が日本を直撃したらどうなるのか、複数のコンピューターモデルを使い解析が行われました。
すると、最大発達時の風速は台風19号よりさらに3m以上強まり、累積の雨量は22%増えることが示されました。
1日に200ミリ以上という大雨が降る日が全国平均で2.3倍に増加し、洪水の発生頻度はこのままでは4倍にもなり、温暖化対策をかなり強化して気温上昇を2℃までに抑えたとしても、なお2倍に増えると見積もられています。
こうした中、従来の水害対策ではもはや限界があると考えられています。
気候変動に対する緩和策と適応策は待ったなしの状況です。
2021年08月01日
コロナ向けの病床の確保が喫緊の課題
新型コロナウィルスの緊急事態宣言の東京都などの延長と対象拡大が決まりました。
患者の受け皿となる病床確保が進まず、欧米よりけた違いに少ない感染者数で宣言の延長に追い込まれています。
一方で、一般病床の空きベッドは約30万床もありますが、医療機関の役割分担が不十分で、コロナ病床への転用が進んでいません。
空き病床を有効活用できない理由として、200床未満の中小病院が多く、病床が分散している背景があります。
限られた病床を有効に使うには調整権限が必要で、スウェーデンでは行政府が対応病院の増減を柔軟に調整してるようで、有事の際は国や都道府県への協力を保健医療機関の条件とするなど、コロナ後の検討課題と言えます。
あるとき突然爆発的に患者が急増するオーバーシュート。
このオーバーシュートが起こると、医療提供体制に過剰な負荷がかかり、新型コロナウイルス感染症の患者だけでなく、他の医療提供体制にも大きな影響を与える「医療崩壊」を招きます。
そこで神奈川県は、こうした事態を避けるため、国の方針を踏まえて、「神奈川モデル」を構築し、着実に実行しています。
具体的には、中等症患者を集中的に受け入れる「重点医療機関」を設置し、無症状・軽症の方には自宅や宿泊施設で療養していただくことで、新型コロナウイルス感染症の患者に対応できる病床を確実に確保しています。
今朝の某番組で橋下元大阪府知事が、医師会の協力をいただき、自宅や宿泊施設で療養いただく無症状・軽症の感染者への対応を、空き病床を確保できない中小の病院から医師を派遣してもらい、患者の症状の激変に対応してもらえればという提案がありました。
オーバーシュートが起こらないように、まず神奈川モデルで患者の症状に応じた適確な療養先の分類を行い、できるだけコロナ受け入れ病院には中等症患者を集中的に受け入れるようにして病床の確保に努めることがよさそうです。
このためには、自宅療養で症状の急変して死亡に至った事例もあることから、橋下氏の提案の自宅や宿泊施設で療養する人へのケアを医師会の協力をいただいて強化するというのは実態に合った方法かもしれません。
患者の受け皿となる病床確保が進まず、欧米よりけた違いに少ない感染者数で宣言の延長に追い込まれています。
一方で、一般病床の空きベッドは約30万床もありますが、医療機関の役割分担が不十分で、コロナ病床への転用が進んでいません。
空き病床を有効活用できない理由として、200床未満の中小病院が多く、病床が分散している背景があります。
限られた病床を有効に使うには調整権限が必要で、スウェーデンでは行政府が対応病院の増減を柔軟に調整してるようで、有事の際は国や都道府県への協力を保健医療機関の条件とするなど、コロナ後の検討課題と言えます。
あるとき突然爆発的に患者が急増するオーバーシュート。
このオーバーシュートが起こると、医療提供体制に過剰な負荷がかかり、新型コロナウイルス感染症の患者だけでなく、他の医療提供体制にも大きな影響を与える「医療崩壊」を招きます。
そこで神奈川県は、こうした事態を避けるため、国の方針を踏まえて、「神奈川モデル」を構築し、着実に実行しています。
具体的には、中等症患者を集中的に受け入れる「重点医療機関」を設置し、無症状・軽症の方には自宅や宿泊施設で療養していただくことで、新型コロナウイルス感染症の患者に対応できる病床を確実に確保しています。
今朝の某番組で橋下元大阪府知事が、医師会の協力をいただき、自宅や宿泊施設で療養いただく無症状・軽症の感染者への対応を、空き病床を確保できない中小の病院から医師を派遣してもらい、患者の症状の激変に対応してもらえればという提案がありました。
オーバーシュートが起こらないように、まず神奈川モデルで患者の症状に応じた適確な療養先の分類を行い、できるだけコロナ受け入れ病院には中等症患者を集中的に受け入れるようにして病床の確保に努めることがよさそうです。
このためには、自宅療養で症状の急変して死亡に至った事例もあることから、橋下氏の提案の自宅や宿泊施設で療養する人へのケアを医師会の協力をいただいて強化するというのは実態に合った方法かもしれません。