南アフリカなどで見つかった新型コロナウィルスの「オミクロン型」への不安が高まる中、週明けの金融市場では円高と株安に対する警戒感が広がりました。
専門家は、コロナ禍から世界経済の正常化期待で株価は堅調でしたが、変異型の出現で冷や水を浴びせられた格好だといいます。
感染が拡大すれば、日本株はもう一段の下値を探ることになりそうです。
日本株はアジア市場の中でも売買高が多く、取引が成立しやすいといわれ、そのため、投資家が急いで株式の持ち高を減らす際に、まず日本株を売り出すことが多いといいます。
日本企業の為替感応度は低下したとはいえ、大幅な円高は輸出企業の為替差損つながる面もあります。
一方で円高は海外から調達する資源コストを低減させる効果もありますが。
我が国は、財政支出55.7兆円に及ぶ経済対策を閣議決定しました。
分配重視の経済対策の基本的な考え方は間違っていませんが、その内容に対する批判や一回限りの経済対策では効果が小さいという指摘もあります。
さらに今回の経済対策に大きな影を落とすのがワクチン接種の「6か月・8か月」問題です。
ワクチンの3回目接種(ブースター接種)は2回目から原則8か月経過した後に開始する方針となりました。
感染症専門家はブースター接種を2回目接種の8か月後ではなく、6か月後から開始すべきと主張していたそうですが、厚労省が8か月で準備していたので事務的に対応できないと押し通したそうです。
これまでも同様なケースがありましたが、国民生活に大きなリスクをもたらされるのであれば本末転倒で、看過できない話です。
いずれにしても、ワクチンの効果が切れた高齢者の間で重傷者や死亡者が急増すれば、経済に再び急ブレーキをかけざるを得なくなります。
「オミクロン型」ウィルスによる第6波が懸念される中で、ブースター接種のスピードアップこそ最大の経済対策かもしれません。
昨日発表された、全世界からの外国人の新規入国を原則停止するという水際対策は、スピード感があってよかったと思います。
2021年11月30日
2021年11月29日
パーパス
株式会社が誕生したのが400年前といいます。
資本主義の発展とともに、株式会社はそのありようを変えてきました。
近年では会社が富の蓄積と引き換えに、社会や地球環境に負荷をかけ過ぎたことへの反省から、ステークホルダーの枠組みを捉えなおそうという動きが広がり始めています。
パーパス、これはなぜ自分の会社が存在するのかを示す言葉で、日本語では「存在意義」と訳されることが多いようです。
米コンサルティンググループでは、パーパスを「WHY(なぜ社会に存在するのか)」と位置づけ、「WHERE」(どこを目指すのか)を示すビジョン、「WHAT」(何を行うべきか)を示すミッション、「HOW」(どのように実現するか)を示すバルー・カルチャーなどと分けて定義するようです。
欧米では10年ほど前から使われ始めたとされ、日本でもここ数年認知度が高まってきており、改めて定義し
て経営戦略の指針にする動きが広がっています。
先が見通せないVUCA(変動制・不確実性・曖昧性)と呼ばれる時代に、組織に一体感を生み、顧客や社会から共感を得やすくなると利点があります。
パーパスを策定し、組織内でしっかり共有されている企業の方が、そうでない企業よりも成長性や収益性が高いとする調査・研究も増えてきているといいます。
会社も社会も中国語の「社」に由来し、いずれも「同じ志で物事を行う集団」を意味しました。
シャカイのためにカイシャは何をなすか、ぶれない志こそが成長戦略になるということでしょうか。
今、関係する職場でパーパスを考えてみたいと思います。
資本主義の発展とともに、株式会社はそのありようを変えてきました。
近年では会社が富の蓄積と引き換えに、社会や地球環境に負荷をかけ過ぎたことへの反省から、ステークホルダーの枠組みを捉えなおそうという動きが広がり始めています。
パーパス、これはなぜ自分の会社が存在するのかを示す言葉で、日本語では「存在意義」と訳されることが多いようです。
米コンサルティンググループでは、パーパスを「WHY(なぜ社会に存在するのか)」と位置づけ、「WHERE」(どこを目指すのか)を示すビジョン、「WHAT」(何を行うべきか)を示すミッション、「HOW」(どのように実現するか)を示すバルー・カルチャーなどと分けて定義するようです。
欧米では10年ほど前から使われ始めたとされ、日本でもここ数年認知度が高まってきており、改めて定義し
て経営戦略の指針にする動きが広がっています。
先が見通せないVUCA(変動制・不確実性・曖昧性)と呼ばれる時代に、組織に一体感を生み、顧客や社会から共感を得やすくなると利点があります。
パーパスを策定し、組織内でしっかり共有されている企業の方が、そうでない企業よりも成長性や収益性が高いとする調査・研究も増えてきているといいます。
会社も社会も中国語の「社」に由来し、いずれも「同じ志で物事を行う集団」を意味しました。
シャカイのためにカイシャは何をなすか、ぶれない志こそが成長戦略になるということでしょうか。
今、関係する職場でパーパスを考えてみたいと思います。
2021年11月28日
旅ガチャ
新型コロナウイルス禍に伴う移動の減少で航空業界が苦境にあえぐ中、格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションの企画した「旅くじ」が、若者らの人気を集めています。
いわゆるガチャ′`式のカプセル型自動販売機で購入でき、1回5千円です。
行き先は国内各路線からランダムで指定されていて自分で選べませんが、東京の渋谷パルコに設置された「旅くじ」では、成田空港を出発点とし行き先は女満別、石垣まで全国11か所となっています。
旅くじは、カプセルに入った紙に指定の行き先と、来年3月末までその路線で利用できるポイントのコードを記載し、大阪での販売分は関西国際空港発の便で札幌や沖縄、仙台など13路線、東京での販売分は成田空港発で11路線を、それぞれ均等に用意しています。
「ワクワク感を提供し、旅行を楽しみにする人の背中を押したい」と旅くじの企画立案者は話をします。
目的の後に行き先を決めるのではなく、行き先を決めて旅の想像を膨らませるという、従来とは逆の旅の楽しみ方を提案しています。
コロナ収束後は趣向を変えた旅行に挑戦しようという若者も多く、滋賀県の大学生は「普段は行こうと思わない場所に行く機会になると思った」と話しています。
企画立案者は当初、「1日に1つ売れたらいい」との試算だったようですが、大阪で8月に販売が始まるとSNSで話題となり、2カ月で3千個が完売しました。
10月から東京・渋谷パルコでも販売を始めましたが、用意した1800個がわずか4日で売り切れました。
さらに今月、大阪と東京で再販売し、新たに名古屋でも中部国際空港発の販売を始めたようですが、3地域でこれまで累計約9200個が売れたといいます。
同社の搭乗率も回復傾向に向かっているようです。
旅くじは札幌や沖縄などの人気路線に比べ、利用の少ない路線の搭乗率を底上げするとともに、コロナ禍で疲弊した地方の観光活性化も大きな狙いです。
新型コロナウイルス禍で大きな打撃を受けた航空業界ですが、「空の旅」から遠のいた人々を取り戻そうと、そのほかにも航空各社はユニークな取り組みを始めてきました。
全日本空輸を含むANAグループによると、昨年度はコロナ禍の影響で、国内線の旅客数が前年度比72・5%減の約1060万人。今年度4〜9月は前年同期の約1・5倍の約590万人となりましたが、令和元年度
の同時期(約2070万人)を大きく下回ります。
日本航空などの航空各社とも厳しい状況に置かれていますが、その中で新たな取り組みを始めたのが、中堅航空会社スターフライヤーで、国内線の機内でペット(小型犬、小型猫)を同伴できるサービス導入を目指し、実証実験を進めています。
コロナ禍で家にいる時間が長くなったためペットの需要が増え、一緒に飛行機に乗りたいというニーズに応える形で、早ければ来年春頃にもサービスをスタートします。
実現すれば国内線定期便では初のサービスとなります。
また、ANAでも航空だけでなく日常の移動手段や距離に応じてポイントが貯まるアプリ「ANAポケット」を来月中旬にリリースします。
自動車、自転車、徒歩と環境負荷が低い移動手段になるにつれ高倍率でポイントが貯まる仕組みで、新型コロナの影響で行動の変容が迫られたからこそ、空の移動に限定しないサービスを企画したということです。
ANAグループの担当者は「旅行など非日常のシーンだけでなく、日常のシーンでも接点を増やし、生活に寄り添うサービスをスタートさせる」としています。
いわゆるガチャ′`式のカプセル型自動販売機で購入でき、1回5千円です。
行き先は国内各路線からランダムで指定されていて自分で選べませんが、東京の渋谷パルコに設置された「旅くじ」では、成田空港を出発点とし行き先は女満別、石垣まで全国11か所となっています。
旅くじは、カプセルに入った紙に指定の行き先と、来年3月末までその路線で利用できるポイントのコードを記載し、大阪での販売分は関西国際空港発の便で札幌や沖縄、仙台など13路線、東京での販売分は成田空港発で11路線を、それぞれ均等に用意しています。
「ワクワク感を提供し、旅行を楽しみにする人の背中を押したい」と旅くじの企画立案者は話をします。
目的の後に行き先を決めるのではなく、行き先を決めて旅の想像を膨らませるという、従来とは逆の旅の楽しみ方を提案しています。
コロナ収束後は趣向を変えた旅行に挑戦しようという若者も多く、滋賀県の大学生は「普段は行こうと思わない場所に行く機会になると思った」と話しています。
企画立案者は当初、「1日に1つ売れたらいい」との試算だったようですが、大阪で8月に販売が始まるとSNSで話題となり、2カ月で3千個が完売しました。
10月から東京・渋谷パルコでも販売を始めましたが、用意した1800個がわずか4日で売り切れました。
さらに今月、大阪と東京で再販売し、新たに名古屋でも中部国際空港発の販売を始めたようですが、3地域でこれまで累計約9200個が売れたといいます。
同社の搭乗率も回復傾向に向かっているようです。
旅くじは札幌や沖縄などの人気路線に比べ、利用の少ない路線の搭乗率を底上げするとともに、コロナ禍で疲弊した地方の観光活性化も大きな狙いです。
新型コロナウイルス禍で大きな打撃を受けた航空業界ですが、「空の旅」から遠のいた人々を取り戻そうと、そのほかにも航空各社はユニークな取り組みを始めてきました。
全日本空輸を含むANAグループによると、昨年度はコロナ禍の影響で、国内線の旅客数が前年度比72・5%減の約1060万人。今年度4〜9月は前年同期の約1・5倍の約590万人となりましたが、令和元年度
の同時期(約2070万人)を大きく下回ります。
日本航空などの航空各社とも厳しい状況に置かれていますが、その中で新たな取り組みを始めたのが、中堅航空会社スターフライヤーで、国内線の機内でペット(小型犬、小型猫)を同伴できるサービス導入を目指し、実証実験を進めています。
コロナ禍で家にいる時間が長くなったためペットの需要が増え、一緒に飛行機に乗りたいというニーズに応える形で、早ければ来年春頃にもサービスをスタートします。
実現すれば国内線定期便では初のサービスとなります。
また、ANAでも航空だけでなく日常の移動手段や距離に応じてポイントが貯まるアプリ「ANAポケット」を来月中旬にリリースします。
自動車、自転車、徒歩と環境負荷が低い移動手段になるにつれ高倍率でポイントが貯まる仕組みで、新型コロナの影響で行動の変容が迫られたからこそ、空の移動に限定しないサービスを企画したということです。
ANAグループの担当者は「旅行など非日常のシーンだけでなく、日常のシーンでも接点を増やし、生活に寄り添うサービスをスタートさせる」としています。
2021年11月26日
稼ぐ道の駅
ドライバーの憩いの場「道の駅」が地域再生を担う拠点に進化してきているようです。
道の駅は24時間無料で利用できるトイレや駐車場を備え、情報発信や地域連携の機能を持つことを要件に国が登録します。
全国の施設数は約1200と20年間で2倍近くに増加し、年間10億円以上を稼ぐ道の駅は20か所を超えるようになりました。
新鮮な地元の1次産品の販売だけでなく、加工から一貫して手掛けた独自商品で集客を競う動きが広がっています。
高い集客力がある道の駅では周辺でホテル建設など民間投資も誘引し始めました。
うきは市と積水ハウスは「道の駅うきは」に2023年夏、米ホテル大手マリオット・インターナショナルの宿泊特化型ホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット・福岡うきは」が開業する予定となっています。
道の駅の施設数を都道府県別にみると、北海道が最多で129施設で、岐阜や長野など面積が広いところが多くなっています。
また、最近の増加率は福島、大阪、沖縄など観光政策に力を入れる自治体が上位に並んでいます。
成功例を紹介しますと、人口約3100人の群馬県にある道の駅「川場田園プラザ」では、週末は自然を感じながら食事できるテラス席が観光客であふれるといいます。
夏のブルーベリーの無料摘み取りも人気で、新型コロナウィルス禍前の2019年度の来場者は200万人を超える盛況ぶりです。
九州屈指の人気を誇る道の駅「むなかた」は人を集める仕掛けづくりで工夫を凝らしています。
広大な敷地を生かしてキャンピングカーの試乗会からスポーツ大会まで幅広いイベントを開催しています。
道の駅は施設間の競争も年々厳しさを増していますが、地域の知恵を結集した「稼ぐ道の駅」には人口減に悩む地域に賑わいを取り戻すヒントが詰まっているようです。
道の駅は24時間無料で利用できるトイレや駐車場を備え、情報発信や地域連携の機能を持つことを要件に国が登録します。
全国の施設数は約1200と20年間で2倍近くに増加し、年間10億円以上を稼ぐ道の駅は20か所を超えるようになりました。
新鮮な地元の1次産品の販売だけでなく、加工から一貫して手掛けた独自商品で集客を競う動きが広がっています。
高い集客力がある道の駅では周辺でホテル建設など民間投資も誘引し始めました。
うきは市と積水ハウスは「道の駅うきは」に2023年夏、米ホテル大手マリオット・インターナショナルの宿泊特化型ホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット・福岡うきは」が開業する予定となっています。
道の駅の施設数を都道府県別にみると、北海道が最多で129施設で、岐阜や長野など面積が広いところが多くなっています。
また、最近の増加率は福島、大阪、沖縄など観光政策に力を入れる自治体が上位に並んでいます。
成功例を紹介しますと、人口約3100人の群馬県にある道の駅「川場田園プラザ」では、週末は自然を感じながら食事できるテラス席が観光客であふれるといいます。
夏のブルーベリーの無料摘み取りも人気で、新型コロナウィルス禍前の2019年度の来場者は200万人を超える盛況ぶりです。
九州屈指の人気を誇る道の駅「むなかた」は人を集める仕掛けづくりで工夫を凝らしています。
広大な敷地を生かしてキャンピングカーの試乗会からスポーツ大会まで幅広いイベントを開催しています。
道の駅は施設間の競争も年々厳しさを増していますが、地域の知恵を結集した「稼ぐ道の駅」には人口減に悩む地域に賑わいを取り戻すヒントが詰まっているようです。
2021年11月24日
15分宅配
新型コロナウィルス禍で食料品宅配が急成長するなか、注文から15分以内に驚異的スピードで配達する「超速宅配」が米国で広がっているようです。
小売り大手の即日宅配は最短でも1〜2時間が限度ですが、スタートアップ企業が提案するのは必要な時に必要なものだけを買う新たな消費形態といえます。
利用者がアプリを通じて注文してから15分以内に食品を依頼の場所に届けるもので、配達料は無料で最低購入金額の設定もなく、ペットボトル1本から気軽注文できるといいます。
注文が入ると、梱包を担う「ピッカー」が店内を回って商品を集め、大型リュックに詰めるまでを2分半で完了します。
荷物は「クーリエ」と呼ばれる配達員が担ぎ、電動自転車で家庭やオフィスに届けます。
新型コロナ禍で生鮮食品の宅配サービスが浸透し、小売り大手ウォルマートやインターネット通販最大手のアマゾン・ドット・コムなど大手企業は即日宅配のサービスを相次いで打ち出していますが、ただ、配達時間は注文から1〜2時間までが限度でした。
人員や拠点数などの規模や展開地域の広さではなお大手が優位ですが、15分を切るサービスを掲げるスタートアップの参戦は業界のゲームチェンジャーになる可能性を秘めているようです。
1兆ドル超とされる生鮮品市場の争奪戦が激しさを増しています。
小売り大手の即日宅配は最短でも1〜2時間が限度ですが、スタートアップ企業が提案するのは必要な時に必要なものだけを買う新たな消費形態といえます。
利用者がアプリを通じて注文してから15分以内に食品を依頼の場所に届けるもので、配達料は無料で最低購入金額の設定もなく、ペットボトル1本から気軽注文できるといいます。
注文が入ると、梱包を担う「ピッカー」が店内を回って商品を集め、大型リュックに詰めるまでを2分半で完了します。
荷物は「クーリエ」と呼ばれる配達員が担ぎ、電動自転車で家庭やオフィスに届けます。
新型コロナ禍で生鮮食品の宅配サービスが浸透し、小売り大手ウォルマートやインターネット通販最大手のアマゾン・ドット・コムなど大手企業は即日宅配のサービスを相次いで打ち出していますが、ただ、配達時間は注文から1〜2時間までが限度でした。
人員や拠点数などの規模や展開地域の広さではなお大手が優位ですが、15分を切るサービスを掲げるスタートアップの参戦は業界のゲームチェンジャーになる可能性を秘めているようです。
1兆ドル超とされる生鮮品市場の争奪戦が激しさを増しています。
2021年11月23日
ゴルフ場でNO JAPAN運動
「韓国のゴルフ場で日本車での入場を禁止する」というショッキングなニュースが韓国内で報じられています。
韓国南西部になる全羅北道のアネスビルカントリークラブが1日、ホームページに「日本産車両 出入禁止実施のお知らせ」を掲載しています。
対象の車はトヨタ、レクサス(トヨタ)、ホンダ、インフィニティ(日産)、三菱、マツダ、スバル、いすゞとなっており、メーカーと車種まで具体的に挙げる力の入れようです。
その目的について、「日本帝国主義の迫害の中で国を守り、子孫たちに自由を与えてくれた祖先たちの功労を忘れないようにという趣旨で、また、歴史を歪曲し、われわれ国民に対してまともな謝罪をしない日本に対する個人企業の意志です」とかなり過激です。
措置としては「日本車でゴルフ場に来た場合、駐車場が利用できない」「日本車でゴルフバッグを積んで入場した場合、バッグを下ろしません」と書かれています。
つまり、プレーはさせないという意思表示です。
どうも愛国心の強いゴルフ場支配人のようで、「ゴルフ場で使用しているカートには、一部日本製がある。それも替える予定だ」と豪語しています。
もうここまでくれば徹底して日本製の物をゴルフ場から排除する心意気で、最近ではゴルフ場内にある日本製の自動販売機まで、韓国製に入れ替えたといいます。
ただ、こうした行動に対して、「どんな理由であれ、(日本車を)受け入れないのは企業の自由」だと賛成の声がある一方、「客の入場を受け入れないのは不適切だ」と、韓国内では賛否の声があります。
いずれにしてもこのような動きは、NO JAPAN運動をアピールすることでの炎上商法なのかもしれません。
というのもコロナ禍の影響もあり、屋外で少人数でゴルフを楽しむ人が増えているといい、ソウルなど首都圏のゴルフ場は割高ですが、郊外はそれでも安くプレーできるため、より多くのゴルファーを呼び込むためにこうした“炎上商法”を仕込んだではないかとも言われています。
韓国ではこうした施策を“愛国マーケティング”と呼ぶそうですが、「反日」を掲げることでより注目が集まり、それを喜ぶ人が一定数いるということでしょう。
韓国南西部になる全羅北道のアネスビルカントリークラブが1日、ホームページに「日本産車両 出入禁止実施のお知らせ」を掲載しています。
対象の車はトヨタ、レクサス(トヨタ)、ホンダ、インフィニティ(日産)、三菱、マツダ、スバル、いすゞとなっており、メーカーと車種まで具体的に挙げる力の入れようです。
その目的について、「日本帝国主義の迫害の中で国を守り、子孫たちに自由を与えてくれた祖先たちの功労を忘れないようにという趣旨で、また、歴史を歪曲し、われわれ国民に対してまともな謝罪をしない日本に対する個人企業の意志です」とかなり過激です。
措置としては「日本車でゴルフ場に来た場合、駐車場が利用できない」「日本車でゴルフバッグを積んで入場した場合、バッグを下ろしません」と書かれています。
つまり、プレーはさせないという意思表示です。
どうも愛国心の強いゴルフ場支配人のようで、「ゴルフ場で使用しているカートには、一部日本製がある。それも替える予定だ」と豪語しています。
もうここまでくれば徹底して日本製の物をゴルフ場から排除する心意気で、最近ではゴルフ場内にある日本製の自動販売機まで、韓国製に入れ替えたといいます。
ただ、こうした行動に対して、「どんな理由であれ、(日本車を)受け入れないのは企業の自由」だと賛成の声がある一方、「客の入場を受け入れないのは不適切だ」と、韓国内では賛否の声があります。
いずれにしてもこのような動きは、NO JAPAN運動をアピールすることでの炎上商法なのかもしれません。
というのもコロナ禍の影響もあり、屋外で少人数でゴルフを楽しむ人が増えているといい、ソウルなど首都圏のゴルフ場は割高ですが、郊外はそれでも安くプレーできるため、より多くのゴルファーを呼び込むためにこうした“炎上商法”を仕込んだではないかとも言われています。
韓国ではこうした施策を“愛国マーケティング”と呼ぶそうですが、「反日」を掲げることでより注目が集まり、それを喜ぶ人が一定数いるということでしょう。
2021年11月20日
これで日本が変わるのか
政府は財政支出が過去最大の55.7兆円となる経済対策を決めましたが、どうも未来の成長を呼び込む「賢い支出」とはいいがたい項目が目立ち、目標とする「成長と分配の好循環」につなげれるのか疑問の声が多く寄せられます。
今日の日経新聞に次のような的を得た評価記事が載っていましたので、紹介します。
未来を切り開くのか、過去に戻るのか。
どちらを向いているのかわからない経済対策だ。
岸田文雄首相が「数十兆円規模」と言っていた対策は、ふたを開けてみれば財政支出だけで55兆円に膨らんだ。
「過去最大」という見かけにこだわり、使い道をよく考えないまま額を積み上げたとしか思えない。
かつて何度も見てきた光景のような気がする。バブル崩壊後、歴代政権は繰り返し巨額の経済対策を打ち出してきた。
どれもうまくいったとはいえない。
日本が歩んだのは「失われた20年」という停滞の時代だ。
デフレ下では、借金を重ねても財政を通じて需要を底上げする必要がある。
問題は使い道だ。
過去の経済対策は無駄な公共事業や一時的な消費喚起策に偏っていた。
将来の成長につながる「賢い支出」に知恵を絞ってきたとは言い難い。
今回も同じ轍を踏んでしまったのか。
対策の柱として目立つのは、家計や企業への給付金ばかりだ。
一部が消費に回ったとしても、一時的な需要を作り出すにすぎず、持続的な成長にはつながらない。
本来やるべきは、生産性を高めるデジタル化や世界が競う脱炭素の後押しだ。
人への投資や規制緩和を通じ、成長分野に人材が移動しやすくする改革も急がなければならない。
今回の対策で、そうした分野に十分なお金が回るとは思えない。
世界は既に新型コロナウィルス後を見据えた成長競争に入っている。
米中対立が治まる気配を見せないなか、日本はそのはざまで独自の強みを持たなければ生き残っていけない。
日本はやはり変わらないのか。
成長せずに借金だけが膨らむ。
先祖返りしたかのような規模ありきの対策は、次の世代にそんな日本を引き継ぎかねない。
今日の日経新聞に次のような的を得た評価記事が載っていましたので、紹介します。
未来を切り開くのか、過去に戻るのか。
どちらを向いているのかわからない経済対策だ。
岸田文雄首相が「数十兆円規模」と言っていた対策は、ふたを開けてみれば財政支出だけで55兆円に膨らんだ。
「過去最大」という見かけにこだわり、使い道をよく考えないまま額を積み上げたとしか思えない。
かつて何度も見てきた光景のような気がする。バブル崩壊後、歴代政権は繰り返し巨額の経済対策を打ち出してきた。
どれもうまくいったとはいえない。
日本が歩んだのは「失われた20年」という停滞の時代だ。
デフレ下では、借金を重ねても財政を通じて需要を底上げする必要がある。
問題は使い道だ。
過去の経済対策は無駄な公共事業や一時的な消費喚起策に偏っていた。
将来の成長につながる「賢い支出」に知恵を絞ってきたとは言い難い。
今回も同じ轍を踏んでしまったのか。
対策の柱として目立つのは、家計や企業への給付金ばかりだ。
一部が消費に回ったとしても、一時的な需要を作り出すにすぎず、持続的な成長にはつながらない。
本来やるべきは、生産性を高めるデジタル化や世界が競う脱炭素の後押しだ。
人への投資や規制緩和を通じ、成長分野に人材が移動しやすくする改革も急がなければならない。
今回の対策で、そうした分野に十分なお金が回るとは思えない。
世界は既に新型コロナウィルス後を見据えた成長競争に入っている。
米中対立が治まる気配を見せないなか、日本はそのはざまで独自の強みを持たなければ生き残っていけない。
日本はやはり変わらないのか。
成長せずに借金だけが膨らむ。
先祖返りしたかのような規模ありきの対策は、次の世代にそんな日本を引き継ぎかねない。
2021年11月19日
大谷選手の偉業
米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平選手が18日、アメリカン・リーグの最優秀選手(MVP)に選ばれました。
日本人では2001年のイチロー(マリナーズ)以来2人目の快挙で、異例の投打「二刀流」で大リーグを席巻したことが高く評価されました。
このMVPは、全米野球記者協会の代表者30人の投票で決まるもので、満票の選出でした。
大谷選手は、これ以外にもコミッショナー特別表彰、選手間投票と、米国の二つの野球専門誌による両リーグを通じた「年間最優秀選手」など、MVP級の賞を数多く受賞していました。
また、歴史的な活躍は、野球界以外からも、高く評価されています。
米タイム誌は9月、大谷を「世界で最も影響力がある100人」の1人に選出しました。
投手をしながらのシーズン40本塁打、20盗塁以上の活躍を「ベーブ・ルースでさえなしえなかった」とし、ファンやメディアに対する紳士的な対応も評価しています。
さらに、スポーツや音楽の分野で活躍する人を支援する「服部真二文化・スポーツ財団」は、世界に挑戦する若者を表彰する「服部真二賞」に大谷選手らを選出し、財団理事長を務めるセイコーホールディングスの服部真二会長は「誰からも愛される野球人としての素晴らしさを感じる」とたたえています。
そして、2つの偉業がギネス世界記録に認定されています。
大谷選手は、次のような子どもたちへのメッセージを残しています。
「僕はイチローさんのMVPを取った時を見てきました。そういうのを見てメジャーリーグに憧れるようになってきたので。思ってくれるように、また頑張りたいと。そういう選手が出てくるのを楽しみにしていますし、一緒に出来る日が将来くるのも楽しみにしています」。
日本人では2001年のイチロー(マリナーズ)以来2人目の快挙で、異例の投打「二刀流」で大リーグを席巻したことが高く評価されました。
このMVPは、全米野球記者協会の代表者30人の投票で決まるもので、満票の選出でした。
大谷選手は、これ以外にもコミッショナー特別表彰、選手間投票と、米国の二つの野球専門誌による両リーグを通じた「年間最優秀選手」など、MVP級の賞を数多く受賞していました。
また、歴史的な活躍は、野球界以外からも、高く評価されています。
米タイム誌は9月、大谷を「世界で最も影響力がある100人」の1人に選出しました。
投手をしながらのシーズン40本塁打、20盗塁以上の活躍を「ベーブ・ルースでさえなしえなかった」とし、ファンやメディアに対する紳士的な対応も評価しています。
さらに、スポーツや音楽の分野で活躍する人を支援する「服部真二文化・スポーツ財団」は、世界に挑戦する若者を表彰する「服部真二賞」に大谷選手らを選出し、財団理事長を務めるセイコーホールディングスの服部真二会長は「誰からも愛される野球人としての素晴らしさを感じる」とたたえています。
そして、2つの偉業がギネス世界記録に認定されています。
大谷選手は、次のような子どもたちへのメッセージを残しています。
「僕はイチローさんのMVPを取った時を見てきました。そういうのを見てメジャーリーグに憧れるようになってきたので。思ってくれるように、また頑張りたいと。そういう選手が出てくるのを楽しみにしていますし、一緒に出来る日が将来くるのも楽しみにしています」。
2021年11月18日
市民球団の存在
広島と言えば、世界遺産・原爆ドームが思い浮かびますが、カキやお好み焼きなどの名物も訪れた際に食べないわけにはいきません。
地元の人にとっては、地元で最も愛され続けているのは1950年に設立された広島カープという球団でしょう。
資金難で長らく低迷が続いていましたが市民球場を建設し、人々が戦後の困難から立ち上がる希望の光だったようです。
1975年に悲願のリーグ初優勝を遂げ、広島に凱旋したナインを市民は熱狂的に迎えたとて言います。
歓声、万歳、そして涙…。
その初優勝に導かれたのが古葉元監督でしたが、先週亡くなられました。
古葉監督は、温顔にして宿る激しい闘志と冷静な采配で知られています。
心からご冥福をお祈りいたします。
カープと同じように地元の声援を背にして、市民と一体となって1999年に久しぶりの優勝を手にしたホークスが思い出されます。
優勝したその日は、2位のチームがデーゲームで、ナイトゲームでホークスが戦うというシチュエーションでした。
岩田屋の前に設置されていた大型テレビで2位のチームの敗戦を確認し、喜び勇んで自宅に帰ってホークス戦を見たことが思い出されます。
リードを許す試合展開でしたが、その重ぐるしい雰囲気を一掃してくれたのが今のロッテ監督の井口選手でした。
彼得意の右中間へのホームランで試合は大きく動き、後は選手と球場の観客が一体となってリーグ優勝を勝ち取ってくれました。
興奮と感動で涙したことを思いだしますが、子供たちにとって父親のその時のパフォーマンスが衝撃的な驚きとして映ったようでした。
スポーツ、とりわけプロ野球は大きな感動を与えてくれます。
今年は、ホークスが後半もあっけなく失速してしまい、明後日から始まる日本シリーズにホークスが駒を進めていないのが残念です。
地元の人にとっては、地元で最も愛され続けているのは1950年に設立された広島カープという球団でしょう。
資金難で長らく低迷が続いていましたが市民球場を建設し、人々が戦後の困難から立ち上がる希望の光だったようです。
1975年に悲願のリーグ初優勝を遂げ、広島に凱旋したナインを市民は熱狂的に迎えたとて言います。
歓声、万歳、そして涙…。
その初優勝に導かれたのが古葉元監督でしたが、先週亡くなられました。
古葉監督は、温顔にして宿る激しい闘志と冷静な采配で知られています。
心からご冥福をお祈りいたします。
カープと同じように地元の声援を背にして、市民と一体となって1999年に久しぶりの優勝を手にしたホークスが思い出されます。
優勝したその日は、2位のチームがデーゲームで、ナイトゲームでホークスが戦うというシチュエーションでした。
岩田屋の前に設置されていた大型テレビで2位のチームの敗戦を確認し、喜び勇んで自宅に帰ってホークス戦を見たことが思い出されます。
リードを許す試合展開でしたが、その重ぐるしい雰囲気を一掃してくれたのが今のロッテ監督の井口選手でした。
彼得意の右中間へのホームランで試合は大きく動き、後は選手と球場の観客が一体となってリーグ優勝を勝ち取ってくれました。
興奮と感動で涙したことを思いだしますが、子供たちにとって父親のその時のパフォーマンスが衝撃的な驚きとして映ったようでした。
スポーツ、とりわけプロ野球は大きな感動を与えてくれます。
今年は、ホークスが後半もあっけなく失速してしまい、明後日から始まる日本シリーズにホークスが駒を進めていないのが残念です。
2021年11月17日
起業
新型コロナウィルス禍で地方移住に関心が高まり、大都市でなくとも起業家を呼び込むチャンスは広がっているようです。
地域で事業を立ち上げる人に対して事業計画の策定や資金調達などを助ける自治体が出てきており、熱心な地域は新設の法人数は増えています。
都道府県別の増加率では、全県を挙げて起業家誘致に取り組む山口県が55.1%増の411社で最も高かったようで、以下、長崎県、山梨県の順になっています。
山口県は市町とともに補助金や支援制度を網羅したポータルサイトを開設し、首都圏などで実施するセミナーや相談会などを1か所で検索できるようにしたほか、創業経験者に体験談を聞いたインタビューや「やまぐち移住創業物語」と題したアニメーションなどを準備しています。
造船の競争力低下で産業構造の転換を図る長崎県は、江戸時代の出島にならってスタートアップ交流拠点「CO-DEJIMA」を長崎市に開設しました。
起業家に加え、創業経験者や地銀など金融関係者も含めた異業種交流を活発にすることで、新たなビジネスの芽を見出し、産業創出につなげることを目指しています。
起業熱の高まりは県庁所在地など地域の中心部に留まらず、長野県軽井沢や北海道ニセコ町などの増加ペースが高まっています。
日本一創業しやすい県づくりを掲げる長野県では、運用する新設法人の事業税を全額免除する制度が軽井沢への法人増加へ繋げました。
ニセコ町は商工会への加入を条件に最大100万円の助成したことが後押しをしたようです。
コロナを経験し、これからは東京一極集中の是正やデジタル化の推進などが図られ結果的に地方創生が進むこと期待されますが、そのためには起業化の促進、雇用創出は不可欠となり、地域間で知恵を出しあって欲しいものです。
地域で事業を立ち上げる人に対して事業計画の策定や資金調達などを助ける自治体が出てきており、熱心な地域は新設の法人数は増えています。
都道府県別の増加率では、全県を挙げて起業家誘致に取り組む山口県が55.1%増の411社で最も高かったようで、以下、長崎県、山梨県の順になっています。
山口県は市町とともに補助金や支援制度を網羅したポータルサイトを開設し、首都圏などで実施するセミナーや相談会などを1か所で検索できるようにしたほか、創業経験者に体験談を聞いたインタビューや「やまぐち移住創業物語」と題したアニメーションなどを準備しています。
造船の競争力低下で産業構造の転換を図る長崎県は、江戸時代の出島にならってスタートアップ交流拠点「CO-DEJIMA」を長崎市に開設しました。
起業家に加え、創業経験者や地銀など金融関係者も含めた異業種交流を活発にすることで、新たなビジネスの芽を見出し、産業創出につなげることを目指しています。
起業熱の高まりは県庁所在地など地域の中心部に留まらず、長野県軽井沢や北海道ニセコ町などの増加ペースが高まっています。
日本一創業しやすい県づくりを掲げる長野県では、運用する新設法人の事業税を全額免除する制度が軽井沢への法人増加へ繋げました。
ニセコ町は商工会への加入を条件に最大100万円の助成したことが後押しをしたようです。
コロナを経験し、これからは東京一極集中の是正やデジタル化の推進などが図られ結果的に地方創生が進むこと期待されますが、そのためには起業化の促進、雇用創出は不可欠となり、地域間で知恵を出しあって欲しいものです。
2021年11月16日
共同富裕
中国の習近平国家主席はことし8月、「共同富裕」というスローガンを大々的に打ち出し、注目を集めました。
「共同富裕」で目指すものはひと言で言うと、格差是正です。
実際、中国共産党はスローガンで「貧富の格差を是正し、すべての人が豊かになることを目指す」としています。
もともとは、今の中国で「建国の父」とされる毛沢東が唱えたものですが、習主席は従来よりも一歩踏み込
む形で「高すぎる所得を合理的に調節し、高所得層と企業が社会にさらに多くを還元することを奨励する」と述べ、所得の高い人や大手企業に寄付などを促しました。
背景には、中国の経済成長にともなう貧富の格差拡大があります。
中国は「豊かになれるものから先に豊かになる」という「先富論」を掲げながら市場経済化を進め、世界2位の経済大国になりました。
しかし、国が豊かになるとともに所得の格差も拡大し、スイスの金融大手「クレディ・スイス」は、去年の時点で中国の上位1%の富裕層が中国全体の資産の30.6%を保有しているとして、富裕層に富が集中していると指摘しています。
李克強首相も去年5月「毎月の収入が1000人民元程度(日本円で1万7000円程度)の人がまだ6億人いる」と述べるなど、中国政府も収入が低い人が依然として多い実態を認めています。
習指導部としては、格差の是正に取り組む姿勢をアピールすることで国民の不満を和らげ、政権の求心力向上につなげたい思惑があるとみられます。
また、中国の情勢に詳しい神田外語大学の興梠一郎教授は「習主席にとっては、来年の党大会で総書記(党トップ)として、異例の3期目入りが実現できるかどうかが1番の優先課題となっている。『習主席に引き続きやってもらわねば』という党内外の世論が重要になるので、来年の党大会を視野に入れた動きではないか」と指摘しています。
ネット通販最大手の「アリババグループ」は、「共同富裕」の理念を体現するモデル地区建設の支援などを
掲げ、2025年までに日本円で1兆7000億円を投入するとしています。
IT大手の「テンセント」は、低所得者の支援や農村部振興などのために日本円で8500億円の資金を拠出するとしています。
興梠教授は「中国共産党は国家が統制できない、統制外の民間の組織を嫌う。あまりにも強大になった民間企業は、共産党や国有企業にとって脅威であるという発想だ」と指摘します。
習指導部としては、急成長した大手IT企業からの資金の拠出などを通じて、富の再分配を進めたい考えとみられます。
しかし、一方で、相続税や固定資産税の導入など、共産党幹部の既得権益に踏み込むような抜本的な税制の改革案は現時点では示されておらず、「共同富裕」という形での富の再分配については、効果を疑問視する指摘も出ています。
大手IT企業などへの締めつけ強化は、企業活動を萎縮させて技術革新などが生まれにくくなるほか、株価の下落にもつながり、企業の資金調達が難しくなることから、結果的に中国の経済成長の妨げになるおそれも指摘
されています。
「共同富裕」で目指すものはひと言で言うと、格差是正です。
実際、中国共産党はスローガンで「貧富の格差を是正し、すべての人が豊かになることを目指す」としています。
もともとは、今の中国で「建国の父」とされる毛沢東が唱えたものですが、習主席は従来よりも一歩踏み込
む形で「高すぎる所得を合理的に調節し、高所得層と企業が社会にさらに多くを還元することを奨励する」と述べ、所得の高い人や大手企業に寄付などを促しました。
背景には、中国の経済成長にともなう貧富の格差拡大があります。
中国は「豊かになれるものから先に豊かになる」という「先富論」を掲げながら市場経済化を進め、世界2位の経済大国になりました。
しかし、国が豊かになるとともに所得の格差も拡大し、スイスの金融大手「クレディ・スイス」は、去年の時点で中国の上位1%の富裕層が中国全体の資産の30.6%を保有しているとして、富裕層に富が集中していると指摘しています。
李克強首相も去年5月「毎月の収入が1000人民元程度(日本円で1万7000円程度)の人がまだ6億人いる」と述べるなど、中国政府も収入が低い人が依然として多い実態を認めています。
習指導部としては、格差の是正に取り組む姿勢をアピールすることで国民の不満を和らげ、政権の求心力向上につなげたい思惑があるとみられます。
また、中国の情勢に詳しい神田外語大学の興梠一郎教授は「習主席にとっては、来年の党大会で総書記(党トップ)として、異例の3期目入りが実現できるかどうかが1番の優先課題となっている。『習主席に引き続きやってもらわねば』という党内外の世論が重要になるので、来年の党大会を視野に入れた動きではないか」と指摘しています。
ネット通販最大手の「アリババグループ」は、「共同富裕」の理念を体現するモデル地区建設の支援などを
掲げ、2025年までに日本円で1兆7000億円を投入するとしています。
IT大手の「テンセント」は、低所得者の支援や農村部振興などのために日本円で8500億円の資金を拠出するとしています。
興梠教授は「中国共産党は国家が統制できない、統制外の民間の組織を嫌う。あまりにも強大になった民間企業は、共産党や国有企業にとって脅威であるという発想だ」と指摘します。
習指導部としては、急成長した大手IT企業からの資金の拠出などを通じて、富の再分配を進めたい考えとみられます。
しかし、一方で、相続税や固定資産税の導入など、共産党幹部の既得権益に踏み込むような抜本的な税制の改革案は現時点では示されておらず、「共同富裕」という形での富の再分配については、効果を疑問視する指摘も出ています。
大手IT企業などへの締めつけ強化は、企業活動を萎縮させて技術革新などが生まれにくくなるほか、株価の下落にもつながり、企業の資金調達が難しくなることから、結果的に中国の経済成長の妨げになるおそれも指摘
されています。
2021年11月15日
文書通信交通滞在費
昨日の「日曜報道 THE PRIME」では会計検査院がコロナ対策のムダを指摘したということが話題になり、アベノマスクの在庫保管費用が6億96万円かかっていることが伝えられました。
その中で、元大阪市長の橋下徹氏が昨日、で国会議員の歳費と文書通信交通滞在費について疑問をしつこく投げかけました。
文書通信交通滞在費は書類の発送、通信のため国会議員に支給される費用で、月額100万円、領収書の届け出は不要となっています。
橋下氏は、「10月31日の投開票日で当選した新人議員、元職の議員が、登庁前で1日しかないのに10月分として丸々100万円出てるんです。新人議員と元職議員が121人、1億2100万円が、あの数時間の在職期間で拠出されている」と声を荒らげました。
橋下氏は怒りは止まらず、「維新の会はずっと日割りっていうのを提案していたのに、これ乗らないと。立憲民主党も野党もこれぐらい乗っからないと。もらう方になったら急に黙っちゃうんですよ」と野党にも矛先を
向けました。
もともと、岸田政権の目玉政策として注目を集めている「18歳以下の10万円給付相当」の感想についての発言を求められたのに対して、この日、橋下氏が給付金以上に怒りの矛先をこの問題に向けたというものでした。
文書通信交通滞在費については、吉村洋文大阪府知事も12日にSNSで「これが国会の常識。おかしいよ」と投稿し、疑問を投げかけていました。
実は同じく昨日のNHK「日曜討論」に出演した維新・池下卓議員も、領収書不要の文通費が満額100万円が支給されたと暴露し、党をあげての批判を展開しているようです。
日本維新の会は、10月31日の衆院選で当選した議員に対する10月分の文書通信交通滞在費100万円を党所属議員から「特別党費」として党に対する寄付として集め、全額を寄付する方針を固めたようです。
もともとの話題であった「18歳以下の10万円給付相当」施策についての評判も良くありません。
バラマキ批判などを懸念した自民側との協議で、親の年収が960万円以上の子どもを対象から除くことで合意しましたが、この年収水準は何に基づくものなのか、だれの年収で判断するのかなどすっきりしない面が多々あ
りそうです。
そもそも、これが岸田首相が標榜する「分配と成長の好循環」につながるのですかね。
その中で、元大阪市長の橋下徹氏が昨日、で国会議員の歳費と文書通信交通滞在費について疑問をしつこく投げかけました。
文書通信交通滞在費は書類の発送、通信のため国会議員に支給される費用で、月額100万円、領収書の届け出は不要となっています。
橋下氏は、「10月31日の投開票日で当選した新人議員、元職の議員が、登庁前で1日しかないのに10月分として丸々100万円出てるんです。新人議員と元職議員が121人、1億2100万円が、あの数時間の在職期間で拠出されている」と声を荒らげました。
橋下氏は怒りは止まらず、「維新の会はずっと日割りっていうのを提案していたのに、これ乗らないと。立憲民主党も野党もこれぐらい乗っからないと。もらう方になったら急に黙っちゃうんですよ」と野党にも矛先を
向けました。
もともと、岸田政権の目玉政策として注目を集めている「18歳以下の10万円給付相当」の感想についての発言を求められたのに対して、この日、橋下氏が給付金以上に怒りの矛先をこの問題に向けたというものでした。
文書通信交通滞在費については、吉村洋文大阪府知事も12日にSNSで「これが国会の常識。おかしいよ」と投稿し、疑問を投げかけていました。
実は同じく昨日のNHK「日曜討論」に出演した維新・池下卓議員も、領収書不要の文通費が満額100万円が支給されたと暴露し、党をあげての批判を展開しているようです。
日本維新の会は、10月31日の衆院選で当選した議員に対する10月分の文書通信交通滞在費100万円を党所属議員から「特別党費」として党に対する寄付として集め、全額を寄付する方針を固めたようです。
もともとの話題であった「18歳以下の10万円給付相当」施策についての評判も良くありません。
バラマキ批判などを懸念した自民側との協議で、親の年収が960万円以上の子どもを対象から除くことで合意しましたが、この年収水準は何に基づくものなのか、だれの年収で判断するのかなどすっきりしない面が多々あ
りそうです。
そもそも、これが岸田首相が標榜する「分配と成長の好循環」につながるのですかね。
2021年11月12日
TCFD
気候変動問題が重要性を増すにつれ、各企業は短期の財務諸表には現れないリスクを抱えている可能性が高まり、それは金融システムの大きな不安定要素に成り得ると見られていました。
そこで、2015年G20における財務大臣及び中央銀行総裁会合より要請を受けた金融安定理事会(FSB)が、同年12月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures, TCFD )」を設置し、約1年半の議論を経て、2017年6月に最終報告書(TCFD 提言)を公表しました。
投資家が気候変動対応で上場企業を選別する時代が来ています。
2022年春から東京証券取引所に上場する一部企業で気候リスク情報の開示が実質的に義務付けられます。
開示内容は、主要国の金融当局でつくるTCFDの考え方が基本となります。
洪水など気候変動が理由とされる自然災害が増え、投資家は企業の備えを知りたがっています。
TCFDは@ガバナンスA戦略Bリスク管理C指標と目標の4つの項目に基づき気候リスク情報の開示を求めています。
想定されるのは、「企業が事業活動でどのくらい温暖化ガスを出しているか」「気温が上昇すると経営にどのような影響が出るか」といった開示のようです。
開示を求める動きは世界で広がり、欧米を中心に上場企業に義務付ける動きが進んでいます。
金融庁ではプライム市場の上場企業だけでなく、有価証券報告書を出す一般企業にも記載を事実上義務付けるかどうか議論しているということで、実現した場合は約4000社が対象となるようです。
温暖化ガスの排出量や気候変動に伴う損失といった情報開示を迫られますが、企業の制度への理解は進んでいません。
水面下では実務を担う専門人材の争奪戦も起きているようです。
そこで、2015年G20における財務大臣及び中央銀行総裁会合より要請を受けた金融安定理事会(FSB)が、同年12月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures, TCFD )」を設置し、約1年半の議論を経て、2017年6月に最終報告書(TCFD 提言)を公表しました。
投資家が気候変動対応で上場企業を選別する時代が来ています。
2022年春から東京証券取引所に上場する一部企業で気候リスク情報の開示が実質的に義務付けられます。
開示内容は、主要国の金融当局でつくるTCFDの考え方が基本となります。
洪水など気候変動が理由とされる自然災害が増え、投資家は企業の備えを知りたがっています。
TCFDは@ガバナンスA戦略Bリスク管理C指標と目標の4つの項目に基づき気候リスク情報の開示を求めています。
想定されるのは、「企業が事業活動でどのくらい温暖化ガスを出しているか」「気温が上昇すると経営にどのような影響が出るか」といった開示のようです。
開示を求める動きは世界で広がり、欧米を中心に上場企業に義務付ける動きが進んでいます。
金融庁ではプライム市場の上場企業だけでなく、有価証券報告書を出す一般企業にも記載を事実上義務付けるかどうか議論しているということで、実現した場合は約4000社が対象となるようです。
温暖化ガスの排出量や気候変動に伴う損失といった情報開示を迫られますが、企業の制度への理解は進んでいません。
水面下では実務を担う専門人材の争奪戦も起きているようです。
2021年11月11日
独身の日
毎年11月11日は「独身の日」とされ、中国ではさまざまなセールがおこなわれます。
11月11日は中国で「光棍節(こうこんせつ)」と呼ばれ、独りを表す数字の1が4つ並ぶことから、独身の日を祝う国民的イベントデーになりました。
初めは大規模な婚活パーティーなどが開催される日でしたが、中国ではアンチ・バレンタインデーとして、いつのまにか自分へのご褒美として買い物をする日に変化しました。
これに目を付けた中国の最大手EC企業のアリババが、2009年11月11日に自社ECサイト「天猫(Tmall)」で一大セールを始めたところ大ブームになりました。
別名「双11」「双十一」「W11(ダブルイレブン)」とも呼ばれ、今や中国、そして世界が注目する一大商戦日となっています。
2021年のテーマの1つに掲げられたのは、「エコなライフスタイル」。
再生エネルギーの活用、梱包資材のリサイクル、エコフレンドリー製品に特化したプラットフォーム作り、環境に優しい製品の購買促進のため1億元(約17億5000万円)相当の「エコショッピングクーポン」の発行など
を行います。
また、2021年もライブ配信による商品販売に注力し、Taobaoライブには700人ものインフルエンサーやブランド代表者が参加するとのことです。
アリババに次ぐ中国EC大手の京東集団は、「JD.com」にて4億以上の新商品、7億件以上の商品を販売予定です。
特にファッションブランドの参加数を大幅に増やし、高品質農産物のセール期間中販売総額が300億元を上回ると見込んでいます。
海外製品の独身の日セールでの販売も年々拡大し、今年はアリババの越境ECサイト「天猫国際(Tmall Global」にて、全世界87の国・エリアから約130万の輸入商品が新たに販売されています。
日本ブランドにとっても独身の日セールは中国内でのブランド認知度を高める絶好の機会であり、アリババは在庫品を保管する中国内保税倉庫を拡充させつつ、商品の海外直送も可能にするなど、マーケティングに加え物流サポートも強化しています。
日本ブランドが得意とするコスメは依然人気ながら、消費者ニーズの細分化により、基礎化粧品からサロン系コスメなどの特徴ある製品に変化しています。
また、高齢者をターゲットとしたシルバーマーケット向け商品は、既に高齢化が進んでいる日本市場の製品の人気が高く、今後の市場拡大が期待されています。
11月11日は中国で「光棍節(こうこんせつ)」と呼ばれ、独りを表す数字の1が4つ並ぶことから、独身の日を祝う国民的イベントデーになりました。
初めは大規模な婚活パーティーなどが開催される日でしたが、中国ではアンチ・バレンタインデーとして、いつのまにか自分へのご褒美として買い物をする日に変化しました。
これに目を付けた中国の最大手EC企業のアリババが、2009年11月11日に自社ECサイト「天猫(Tmall)」で一大セールを始めたところ大ブームになりました。
別名「双11」「双十一」「W11(ダブルイレブン)」とも呼ばれ、今や中国、そして世界が注目する一大商戦日となっています。
2021年のテーマの1つに掲げられたのは、「エコなライフスタイル」。
再生エネルギーの活用、梱包資材のリサイクル、エコフレンドリー製品に特化したプラットフォーム作り、環境に優しい製品の購買促進のため1億元(約17億5000万円)相当の「エコショッピングクーポン」の発行など
を行います。
また、2021年もライブ配信による商品販売に注力し、Taobaoライブには700人ものインフルエンサーやブランド代表者が参加するとのことです。
アリババに次ぐ中国EC大手の京東集団は、「JD.com」にて4億以上の新商品、7億件以上の商品を販売予定です。
特にファッションブランドの参加数を大幅に増やし、高品質農産物のセール期間中販売総額が300億元を上回ると見込んでいます。
海外製品の独身の日セールでの販売も年々拡大し、今年はアリババの越境ECサイト「天猫国際(Tmall Global」にて、全世界87の国・エリアから約130万の輸入商品が新たに販売されています。
日本ブランドにとっても独身の日セールは中国内でのブランド認知度を高める絶好の機会であり、アリババは在庫品を保管する中国内保税倉庫を拡充させつつ、商品の海外直送も可能にするなど、マーケティングに加え物流サポートも強化しています。
日本ブランドが得意とするコスメは依然人気ながら、消費者ニーズの細分化により、基礎化粧品からサロン系コスメなどの特徴ある製品に変化しています。
また、高齢者をターゲットとしたシルバーマーケット向け商品は、既に高齢化が進んでいる日本市場の製品の人気が高く、今後の市場拡大が期待されています。
2021年11月10日
新しい資本主義とは何?
今回の衆院選で自民党は議席を減らしたものの、予想を大きく上回る261議席を獲得して単独過半数を確保しました。
一方、野党は第1党の立憲民主党が議席を大幅に減らした一方で、日本維新の会が大躍進を遂げました。
選挙戦では、自民党が「成長と分配の好循環」を掲げ、野党各党も「分配」を主張、分配策が最大の争点となった感がありました。
しかし衆院解散直後に共同通信が実施した世論調査では、「成長と分配のどちらを重視するか」との問いに対し、「成長を重視」と「どちらかと言えば成長重視」との答えが57.2%、「分配を重視」「どちらかと言えば分配重視」が36.3%でした。
また、10月上旬の日本経済新聞の調査でも、「成長戦略を優先すべき」47%、「分配政策を優先すべき」38%と、同じ傾向が出ていました。
このことは、民意は「分配」より「成長」にあったことを示しています。
選挙の争点は実は民意とずれていて、さらに、成長のためには改革が不可欠ですが、選挙戦で「改革」を訴えたのは、大躍進をした日本維新の会だけでした。
選挙結果を受けて株価は上がっていますが、「新しい資本主義」「成長と分配の好循環」の中身がよくわかりませんから、市場の空気は手放しで歓迎というものではなかったようです。
市場が気にしているのは、岸田首相が掲げる「新しい資本主義」と「成長と分配」の中身なのです。岸田首相は選挙直前に有識者で構成する「新しい資本主義実現会議」を発足させましたが、今のところ方向性や内容がはっきりしていないのが実情です。
そして何よりも気がかりなのが、分配のためには経済の成長が必要であり、成長のためには「改革」が不可欠なのですが、岸田首相が「改革」を口にしないことが気になります。
改革が成長のカギを握っていることは、過去を振り返ってもはっきりしています。
2001年に発足した小泉内閣は構造改革を推し進めましたが、それによって2003年以降に株価が上昇し景気も回復を見せました。
特に郵政民営化の是非を問うて衆院解散・総選挙に踏み切った2005年以降は、その改革を好感して株価上昇に弾みがついたという歴史があります。
2012年12月の総選挙で自民党が勝利し安倍内閣が発足した際も、景気回復への期待から株価が長年の低迷から脱して上昇し始め、アベノミクスによる改革によって景気と株価の回復が持続したことは記憶に新しいところ
です。
しかし岸田首相は「小泉政権以来の新自由主義的政策が格差拡大と分断を生んだ」としています。つまり改革によって格差が拡大したと言っているわけです。
首相が改革を口にしない理由はここにあるのかもしれません。
それでいて首相はアベノミクスの金融緩和、財政政策、成長戦略は継承するとしています。
こうしたあいまいさ、政策の具体像がはっきりしないこと、そして特に改革に後ろ向きと見える姿勢、これらが市場に漠然とした不安を与えていると言えそうです。
今日、岸田氏は第101代の内閣総理大臣に就任することが決まり、今夜、第2次岸田内閣を発足させます。
「聞く力」が特技と言う岸田首相は、「分配より成長、そのためには改革」という市場の声や選挙で示された民意に耳を傾けて、アフターコロナに向けた経済政策を具体化していってほしいと思います。
一方、野党は第1党の立憲民主党が議席を大幅に減らした一方で、日本維新の会が大躍進を遂げました。
選挙戦では、自民党が「成長と分配の好循環」を掲げ、野党各党も「分配」を主張、分配策が最大の争点となった感がありました。
しかし衆院解散直後に共同通信が実施した世論調査では、「成長と分配のどちらを重視するか」との問いに対し、「成長を重視」と「どちらかと言えば成長重視」との答えが57.2%、「分配を重視」「どちらかと言えば分配重視」が36.3%でした。
また、10月上旬の日本経済新聞の調査でも、「成長戦略を優先すべき」47%、「分配政策を優先すべき」38%と、同じ傾向が出ていました。
このことは、民意は「分配」より「成長」にあったことを示しています。
選挙の争点は実は民意とずれていて、さらに、成長のためには改革が不可欠ですが、選挙戦で「改革」を訴えたのは、大躍進をした日本維新の会だけでした。
選挙結果を受けて株価は上がっていますが、「新しい資本主義」「成長と分配の好循環」の中身がよくわかりませんから、市場の空気は手放しで歓迎というものではなかったようです。
市場が気にしているのは、岸田首相が掲げる「新しい資本主義」と「成長と分配」の中身なのです。岸田首相は選挙直前に有識者で構成する「新しい資本主義実現会議」を発足させましたが、今のところ方向性や内容がはっきりしていないのが実情です。
そして何よりも気がかりなのが、分配のためには経済の成長が必要であり、成長のためには「改革」が不可欠なのですが、岸田首相が「改革」を口にしないことが気になります。
改革が成長のカギを握っていることは、過去を振り返ってもはっきりしています。
2001年に発足した小泉内閣は構造改革を推し進めましたが、それによって2003年以降に株価が上昇し景気も回復を見せました。
特に郵政民営化の是非を問うて衆院解散・総選挙に踏み切った2005年以降は、その改革を好感して株価上昇に弾みがついたという歴史があります。
2012年12月の総選挙で自民党が勝利し安倍内閣が発足した際も、景気回復への期待から株価が長年の低迷から脱して上昇し始め、アベノミクスによる改革によって景気と株価の回復が持続したことは記憶に新しいところ
です。
しかし岸田首相は「小泉政権以来の新自由主義的政策が格差拡大と分断を生んだ」としています。つまり改革によって格差が拡大したと言っているわけです。
首相が改革を口にしない理由はここにあるのかもしれません。
それでいて首相はアベノミクスの金融緩和、財政政策、成長戦略は継承するとしています。
こうしたあいまいさ、政策の具体像がはっきりしないこと、そして特に改革に後ろ向きと見える姿勢、これらが市場に漠然とした不安を与えていると言えそうです。
今日、岸田氏は第101代の内閣総理大臣に就任することが決まり、今夜、第2次岸田内閣を発足させます。
「聞く力」が特技と言う岸田首相は、「分配より成長、そのためには改革」という市場の声や選挙で示された民意に耳を傾けて、アフターコロナに向けた経済政策を具体化していってほしいと思います。
2021年11月09日
再生エネ不足の間の電力供給は
再生可能エネルギーへの投資拡大が急務となっており、二酸化炭素の実質ゼロの達成には2030年までの10年間に、再エネへの投資額を合計で約1900兆円と、過去10年の4倍に増やす必要があります。
そして、普及期には投資効率も低いため、先行して金額が膨らむ見込みです。
そのような中、化石燃料の減少が早すぎても供給不足を招き、欧州や中国でエネルギー危機が相次ぐ中、移行期の需給コントロールが課題として急浮上してきました。
欧州のエネルギー不足は、風が吹かず風力の発電量が低下したことが響いているようで、貯蔵や受給調整の課題に対応した技術革新が必要となりますが、当分の間をどうするかが課題になります。
米地質調査所の推定では、北極圏には世界で未発見の石油の13%、天然ガスの30%が埋蔵されているといいます。
しかし、EUは北極圏の新戦略を発表し、化石燃料の開発を停止するよう世界に提唱することを掲げ、同地域ではかたくなに風力など再エネの開発を目指すとしています。
現在の欧州のガス不足を考えると欠かせない資源に見えますが、それでも脱炭素シフトは揺るがないようです。
新規の油田開発を辞めると石油生産量は年率で4%強のペースで減少し、現在の日量1億バーレル弱から2050年には2500万バーレル程度まで低下し、ネットゼロのシナリオで目指す水準と合致します。
しかし、問題は当面の減少ペースが再エネに置き換わる速度を上回ることで、2050年には帳尻が合うとしても移行期間である2030〜2040年代には最大1800万バーレルが不足し、需要の1/4を満たせない計算になるそうです。
相対的に温暖化ガスの排出量が少なく、当面は需要が伸びる天然ガスでは不足がさらに顕著になりそうだということです。
そして、普及期には投資効率も低いため、先行して金額が膨らむ見込みです。
そのような中、化石燃料の減少が早すぎても供給不足を招き、欧州や中国でエネルギー危機が相次ぐ中、移行期の需給コントロールが課題として急浮上してきました。
欧州のエネルギー不足は、風が吹かず風力の発電量が低下したことが響いているようで、貯蔵や受給調整の課題に対応した技術革新が必要となりますが、当分の間をどうするかが課題になります。
米地質調査所の推定では、北極圏には世界で未発見の石油の13%、天然ガスの30%が埋蔵されているといいます。
しかし、EUは北極圏の新戦略を発表し、化石燃料の開発を停止するよう世界に提唱することを掲げ、同地域ではかたくなに風力など再エネの開発を目指すとしています。
現在の欧州のガス不足を考えると欠かせない資源に見えますが、それでも脱炭素シフトは揺るがないようです。
新規の油田開発を辞めると石油生産量は年率で4%強のペースで減少し、現在の日量1億バーレル弱から2050年には2500万バーレル程度まで低下し、ネットゼロのシナリオで目指す水準と合致します。
しかし、問題は当面の減少ペースが再エネに置き換わる速度を上回ることで、2050年には帳尻が合うとしても移行期間である2030〜2040年代には最大1800万バーレルが不足し、需要の1/4を満たせない計算になるそうです。
相対的に温暖化ガスの排出量が少なく、当面は需要が伸びる天然ガスでは不足がさらに顕著になりそうだということです。
2021年11月08日
米国、インフラ投資に舵
バイデン政権の看板政策の一つ、1兆ドル規模の超党派インフラ法案が実現することになりました。
老朽化したインフラの改修や将来の成長を見据えた次世代型のインフラ投資は、主要国に共通した課題といえます。
日本でも同様な問題認識は関係者の間で共有化していますが、当面はデジタル時代の成長力の底上げに向けた投資が急務となっています。
しかし実際は、先の衆院選で現金給付など「分配重視」に議論が傾き、未来への投資競争に出遅れていることが気がかりです。
投資計画は総額1兆ドル規模を想定し、5年間で5500億ドルの新規支出が含まれます。
米国はインフラの老朽化が激しく、橋の4割は建造から50年以上たち、約7.5%は構造的欠陥がある可能性を指摘されています。
それに比べて日本はというと、11月中旬にも新たな経済対策を取りまとめ、「数十兆円規模」を掲げ、成長と分配の好循環を描くと強調します。
18歳以下への10万円給付やマイナポイントの支給、「GoToトラベル」の再開などで、中長期的な成長力強化につなげるような視点が乏しいのが気になります。
バイデン氏は「インフラを近代化し、気候変動の危機をチャンスに変える」と述べています。
まず生産性や競争力を損なう古びた輸送網の再構築を目指し、道路や橋梁、鉄道網の補修や強化に加え、今後の普及が見込まれる電気自動車の充電所の整備も盛り込みました。
また、港湾や空港の改修も進めます。
輸送網以外では国民生活の豊かさを高め、雇用創出につなげることを目指します。
米国ではこれまでも、1990年代のクリントン政権の情報スーパーハイウェイ構想が民間のインターネット普及につながるなど、官民の次世代投資が経済活力を生んだことが成功体験として残っているのかもしれません。
老朽化したインフラの改修や将来の成長を見据えた次世代型のインフラ投資は、主要国に共通した課題といえます。
日本でも同様な問題認識は関係者の間で共有化していますが、当面はデジタル時代の成長力の底上げに向けた投資が急務となっています。
しかし実際は、先の衆院選で現金給付など「分配重視」に議論が傾き、未来への投資競争に出遅れていることが気がかりです。
投資計画は総額1兆ドル規模を想定し、5年間で5500億ドルの新規支出が含まれます。
米国はインフラの老朽化が激しく、橋の4割は建造から50年以上たち、約7.5%は構造的欠陥がある可能性を指摘されています。
それに比べて日本はというと、11月中旬にも新たな経済対策を取りまとめ、「数十兆円規模」を掲げ、成長と分配の好循環を描くと強調します。
18歳以下への10万円給付やマイナポイントの支給、「GoToトラベル」の再開などで、中長期的な成長力強化につなげるような視点が乏しいのが気になります。
バイデン氏は「インフラを近代化し、気候変動の危機をチャンスに変える」と述べています。
まず生産性や競争力を損なう古びた輸送網の再構築を目指し、道路や橋梁、鉄道網の補修や強化に加え、今後の普及が見込まれる電気自動車の充電所の整備も盛り込みました。
また、港湾や空港の改修も進めます。
輸送網以外では国民生活の豊かさを高め、雇用創出につなげることを目指します。
米国ではこれまでも、1990年代のクリントン政権の情報スーパーハイウェイ構想が民間のインターネット普及につながるなど、官民の次世代投資が経済活力を生んだことが成功体験として残っているのかもしれません。
2021年11月07日
週末
今日は、天気予報では雨、それも久しぶりにまとまった降雨になるとの予報でしたが、晴天、秋晴れとなりました。
山王公園では野球を興じる人、散歩をする人、子供とのスキンシップを楽しむ人、それぞれおもいおもいで秋空の下で休日を楽しんでいました。
今年は、例年よりも気温が下がらず秋の訪れが遅くなっていて、山王公園の紅葉も例年よりも遅れています。

今日は雨模様となりそうなので、1日早い昨日、プレー日を変更してゴルフに行ってきました。
だいぶショットが安定してきましたが、パットが全くダメで4パット、3パッとが出て、また90 切れない、終わってみれば満足いかない結果となりました。
ゴルフ場にサルが群れではなく1ぴっき現れ、私のボールが奪われてしまいました。
どうも、黄色のボールが好きなようでした。

新型コロナウィルスの感染が治まり、経済活動が徐々にもとに戻りつつあります。
痛手負った飲食店や観光などの関係者は多分来るであろう第6波の到来を恐れながら、何とか年末のかきいれ時まではこの状態が続くことを祈りながらの活動再開となっています。
福岡の街もだいぶ人出が増えてきました。
博多駅前のイルミネーションがきれいに点灯していて、恒例となったクリスマスマーケットが明後日から開催されることになっています。

山王公園では野球を興じる人、散歩をする人、子供とのスキンシップを楽しむ人、それぞれおもいおもいで秋空の下で休日を楽しんでいました。
今年は、例年よりも気温が下がらず秋の訪れが遅くなっていて、山王公園の紅葉も例年よりも遅れています。
今日は雨模様となりそうなので、1日早い昨日、プレー日を変更してゴルフに行ってきました。
だいぶショットが安定してきましたが、パットが全くダメで4パット、3パッとが出て、また90 切れない、終わってみれば満足いかない結果となりました。
ゴルフ場にサルが群れではなく1ぴっき現れ、私のボールが奪われてしまいました。
どうも、黄色のボールが好きなようでした。
新型コロナウィルスの感染が治まり、経済活動が徐々にもとに戻りつつあります。
痛手負った飲食店や観光などの関係者は多分来るであろう第6波の到来を恐れながら、何とか年末のかきいれ時まではこの状態が続くことを祈りながらの活動再開となっています。
福岡の街もだいぶ人出が増えてきました。
博多駅前のイルミネーションがきれいに点灯していて、恒例となったクリスマスマーケットが明後日から開催されることになっています。
2021年11月06日
スマートワーク
スマートワークとは、もともと韓国で発祥した概念で「労働者が勤労時間の全部または一部を、自宅もしくは使用者が提供する別の事務室、または特定されない場所で、情報通信機器を利用するなどの方法で勤務する働き方」のことを指します。
日本では「テレワーク」と同義で使われることもありますが、広くICTを活用して業務を効率化したり、従来できなかった場所で働くなど、新しい働き方を意味する言葉としても使われています。
スマートワークに明確な定義はなく、広く従業員の生産性を高める働き方を指すとされていますが、具体的には、テレワーク、ワーケーション、フレックスタイム制、クラウドソーシング、ウェブ会議などが含まれるようです。
「スマートワーク経営調査」によりますと、在宅勤務やウェブ会議など新型コロナウィルス下で本格導入した働き方を常時運用したいとする企業が8割に達したということです。
ウェブ会議ツールを全社で導入した企業も61.0%に上ったほか、29.4%の起業が電子契約システムを採用した様です。
副業を解禁した企業も4割を超え、柔軟な働き方が広がっているようです。
こうした制度を常時採用したいとした企業は、制度の一部も含めると80.6%に達します。
通勤の負担が減ったことなどで、従業員の労働環境も一定の改善がみられ、働きやすさが「向上した」が28.9%で、「悪化した」の10.5%を上回りました。
一連の取組みで、業務効率が向上した企業は21.4%であった一方で、11.8%の企業が効率が悪化したと答えています。
これは、在宅勤務に伴う、業務の進捗管理や人事評価のしにくさなどに改善の余地が残るということでしょうか。
働く場所や時間を社員が選べる取り組みが広がると、会社から業務の指示や期待する役割が十分には行き届かなくなる可能性も出てきます。
職務内容を明示して成果で評価する「ジョブ型」制度など、目標を明確にし自律的な働き方を促す組織作りが今後の課題となりそうです。
今後も企業は、働きやすさを生産性の向上や事業革新に結びつける実行力が問われそうです。
日本では「テレワーク」と同義で使われることもありますが、広くICTを活用して業務を効率化したり、従来できなかった場所で働くなど、新しい働き方を意味する言葉としても使われています。
スマートワークに明確な定義はなく、広く従業員の生産性を高める働き方を指すとされていますが、具体的には、テレワーク、ワーケーション、フレックスタイム制、クラウドソーシング、ウェブ会議などが含まれるようです。
「スマートワーク経営調査」によりますと、在宅勤務やウェブ会議など新型コロナウィルス下で本格導入した働き方を常時運用したいとする企業が8割に達したということです。
ウェブ会議ツールを全社で導入した企業も61.0%に上ったほか、29.4%の起業が電子契約システムを採用した様です。
副業を解禁した企業も4割を超え、柔軟な働き方が広がっているようです。
こうした制度を常時採用したいとした企業は、制度の一部も含めると80.6%に達します。
通勤の負担が減ったことなどで、従業員の労働環境も一定の改善がみられ、働きやすさが「向上した」が28.9%で、「悪化した」の10.5%を上回りました。
一連の取組みで、業務効率が向上した企業は21.4%であった一方で、11.8%の企業が効率が悪化したと答えています。
これは、在宅勤務に伴う、業務の進捗管理や人事評価のしにくさなどに改善の余地が残るということでしょうか。
働く場所や時間を社員が選べる取り組みが広がると、会社から業務の指示や期待する役割が十分には行き届かなくなる可能性も出てきます。
職務内容を明示して成果で評価する「ジョブ型」制度など、目標を明確にし自律的な働き方を促す組織作りが今後の課題となりそうです。
今後も企業は、働きやすさを生産性の向上や事業革新に結びつける実行力が問われそうです。
2021年11月05日
シニアの働き方
定年延長などで働き手の現役期間が長くなってきており、シニア人材の意欲の低下を防ぎ、働きがいを引き出すための模索が始まっています。
カギとなるのはシニアが周囲に必要とされ続ける居場所づくりとリスキング(学びなおし)のようです。
東京海上日動火災保険は2016年、異動を希望する60歳以上の社員を対象に、地方拠点に配置する制度「シニアお役に立ちたい」を始めました。
人手不足の地方拠点などにシニアを配置するもので、普通であれば再雇用は職場も業務内容も変わらないケースが多く、残業も減り働きがいも減少するようですが、自分を必要とする職場ということで働きがいがあるようです。
役に立たなければという責任感がやりがいにつながり、求められる限り働きたいとなります。
現在、日本企業の7〜8割は60歳定年ですが、高年齢者雇用安定法で働き手が望む限り、65歳まで嘱託などでの継続雇用を義務付けられています。
2021年4月の法改正で70歳までの就業機会確保も努力義務となりました。
2021年4月に再雇用の年齢上限を65歳から70歳まで引き上げた味の素は、これに先立ち中高年社員向けの「リカレント教育研修」を始めました。
目玉は他社の経営改善を支援するプログラムで、約1か月間に数回、会社に紹介された中小企業を訪問し、培ったスキルや経験を総動員して、各社の抱える経営課題の解決策を提言します。
シニアが新しいキャリアに挑戦する予行演習というわけです。
また、シニアの独立を支援するのが電通です。
2020年に早期退職を募集し、約230人の元職員はフリーランスとなり、電通子会社と業務委託契約を結び、定年前の余力のあるうちに外部に活躍の場を見つけてもらいます。
退社後、最長10年は固定報酬を払い、都内の活動拠点を設けるなど完全独立までの助走をサポートするということです。
カギとなるのはシニアが周囲に必要とされ続ける居場所づくりとリスキング(学びなおし)のようです。
東京海上日動火災保険は2016年、異動を希望する60歳以上の社員を対象に、地方拠点に配置する制度「シニアお役に立ちたい」を始めました。
人手不足の地方拠点などにシニアを配置するもので、普通であれば再雇用は職場も業務内容も変わらないケースが多く、残業も減り働きがいも減少するようですが、自分を必要とする職場ということで働きがいがあるようです。
役に立たなければという責任感がやりがいにつながり、求められる限り働きたいとなります。
現在、日本企業の7〜8割は60歳定年ですが、高年齢者雇用安定法で働き手が望む限り、65歳まで嘱託などでの継続雇用を義務付けられています。
2021年4月の法改正で70歳までの就業機会確保も努力義務となりました。
2021年4月に再雇用の年齢上限を65歳から70歳まで引き上げた味の素は、これに先立ち中高年社員向けの「リカレント教育研修」を始めました。
目玉は他社の経営改善を支援するプログラムで、約1か月間に数回、会社に紹介された中小企業を訪問し、培ったスキルや経験を総動員して、各社の抱える経営課題の解決策を提言します。
シニアが新しいキャリアに挑戦する予行演習というわけです。
また、シニアの独立を支援するのが電通です。
2020年に早期退職を募集し、約230人の元職員はフリーランスとなり、電通子会社と業務委託契約を結び、定年前の余力のあるうちに外部に活躍の場を見つけてもらいます。
退社後、最長10年は固定報酬を払い、都内の活動拠点を設けるなど完全独立までの助走をサポートするということです。
2021年11月03日
脱炭素、商品生産国にしわ寄せ
COP26が開幕し、議長国、英国が中国などに石炭火力の廃止を迫る構図になっています。
実は温暖化ガス排出量の採点法に先進国に有利な面があって、物差しを変えれば別の姿が浮かんできます。
これは、新興国との対立の背景に潜む問題として注目され、先進国が自国の排出削減を進める陰で、新興国や途上国に排出を押し付けている側面があるということです。
2015年に中国が輩出した温暖化ガスのうち5.8億トンは米国向けに輸出した商品に由来します。
同様に欧州向けが5.3億トン、日本向けが2.4億トンあります。
日本はもともとの排出量が約13億トンなので、仮に中国からの輸入品に伴う分を含めると2割弱も膨らみ、決して無視できない規模となります。
現実には、パリ協定にのっとって、先進各国はこの排出量を自国分としてカウントしていませんので、今の基準は産業構造の変化が進んだ先進国に有利に働きます。
一方、新興国扱いをされてきた中国も1990年代以降、安い労働力と石炭火力の安価な電力を武器に「世界の工場」として急成長しましたので、今では世界有数の排出国となっています。
経済大国、軍事大国となった中国は、これからは脱炭素に向けてリーダー的役割が期待されますが、今回のCOP26への不参加はいただけません。
世界全体でみれば、製品を作る場所が違う国・地域に移っただけでは脱炭素につながりません。
専門家の間では、国ごとの排出量を消費者の視点で測定する考え方が出てきました。
実際にモノを消費して恩恵を受けている側の責任をより明確にし、新興国などとの協調を促す発想です。
製品を生産する側ではなく消費する側の国・地域に排出量を紐づけると、2018年の推計で、中国の排出量は全体として1割減り、逆に日本は1〜2割増えます。
気候変動対策でとりわけ「野心的」とされる英国に至っては4割増えます。
このように考えると、脱炭素社会をけん引するリーダーとしての立ち位置が揺らいできます。
国・地域別の消費ベースの計算は今のところ、専門家の間の議論や研究の材料にとどまっていて、国際ルールとしてすぐ適用できる段階ではありませんが、先進国と新興国の対立の構図を打開する上で一つの考え方としての糸口になることが期待されます。
実は温暖化ガス排出量の採点法に先進国に有利な面があって、物差しを変えれば別の姿が浮かんできます。
これは、新興国との対立の背景に潜む問題として注目され、先進国が自国の排出削減を進める陰で、新興国や途上国に排出を押し付けている側面があるということです。
2015年に中国が輩出した温暖化ガスのうち5.8億トンは米国向けに輸出した商品に由来します。
同様に欧州向けが5.3億トン、日本向けが2.4億トンあります。
日本はもともとの排出量が約13億トンなので、仮に中国からの輸入品に伴う分を含めると2割弱も膨らみ、決して無視できない規模となります。
現実には、パリ協定にのっとって、先進各国はこの排出量を自国分としてカウントしていませんので、今の基準は産業構造の変化が進んだ先進国に有利に働きます。
一方、新興国扱いをされてきた中国も1990年代以降、安い労働力と石炭火力の安価な電力を武器に「世界の工場」として急成長しましたので、今では世界有数の排出国となっています。
経済大国、軍事大国となった中国は、これからは脱炭素に向けてリーダー的役割が期待されますが、今回のCOP26への不参加はいただけません。
世界全体でみれば、製品を作る場所が違う国・地域に移っただけでは脱炭素につながりません。
専門家の間では、国ごとの排出量を消費者の視点で測定する考え方が出てきました。
実際にモノを消費して恩恵を受けている側の責任をより明確にし、新興国などとの協調を促す発想です。
製品を生産する側ではなく消費する側の国・地域に排出量を紐づけると、2018年の推計で、中国の排出量は全体として1割減り、逆に日本は1〜2割増えます。
気候変動対策でとりわけ「野心的」とされる英国に至っては4割増えます。
このように考えると、脱炭素社会をけん引するリーダーとしての立ち位置が揺らいできます。
国・地域別の消費ベースの計算は今のところ、専門家の間の議論や研究の材料にとどまっていて、国際ルールとしてすぐ適用できる段階ではありませんが、先進国と新興国の対立の構図を打開する上で一つの考え方としての糸口になることが期待されます。
2021年11月02日
脱炭素資源
地価に埋蔵されている有益な鉱物資源の中で、とりわけ脱炭素で電気自動車(EV)向けなどの鉱物資源の需要が増加し、輸入国、日本にとってその安定的な獲得をどうするか課題となっています。
産出量が少ないものや抽出が難しいものはレアメタルと呼ばれ、高性能磁石に使うネオジウムやバッテリーに使うコバルトなどが該当します。
少量を金属に転嫁すると耐熱性や磁性などの性能が加えられます。
レアメタルの生産は一部の国や地域に偏る傾向が強く、特に中国の生産シェアが高くなっています。
日本企業も家電や自動車など幅広い製品で必要としますが、調達はほぼ全量を輸入に頼っていて、2010年には日中関係の悪化で中国が対日輸出を止めることで相場が急騰したことは記憶に新しいところです。
電気自動車(EV)などで使う資源は産地の集中度が石油などの従来資源以上に高く、リチウムやコバルトは上位3カ国で8割前後に達しています。
資源国が資源の囲い込む動きもではじめました。
一昨日から、地球温暖化対策を話し合うCOP26が英グラスゴーで開催されています。
根深い先進国と途上国の対立を乗り越え、石炭の削減や途上国への資金支援で合意できるかが注目されていますが、何と言っても各国が目標としている排出減を達成できるかが問われます。
欧米や日本などが脱炭素資源の十分な量を確保できなければ、脱炭素の達成が壁にぶつかる恐れもあります。
従来型の資源は長年の開発で分散が進み、石油や天然ガスの上位3カ国のシェアは5割以下となっていますが、脱炭素資源は産地の集中度が高くなっていて、それも自国資源を囲い込む「資源ナショナリズム」も目立ち始めました。
それに加えて、中国の権益獲得に向けてのしたたかな動きにも注視する必要があります。
コバルト生産で約7割のシェアを握るコンゴに対して道路や病院などの整備と一体的になって食指を伸ばしており、カナダのリチウム大手を国と企業が一体となって買収に乗り出すなど権益獲得に余念がありません。
このため、資源国の囲い込みや中国の買収攻勢に対抗して安定確保に向けてどのように対処するかですが、調達先の多様化のほか、レアメタルの使用量を減らす技術開発も活発になってきた模様です。
産出量が少ないものや抽出が難しいものはレアメタルと呼ばれ、高性能磁石に使うネオジウムやバッテリーに使うコバルトなどが該当します。
少量を金属に転嫁すると耐熱性や磁性などの性能が加えられます。
レアメタルの生産は一部の国や地域に偏る傾向が強く、特に中国の生産シェアが高くなっています。
日本企業も家電や自動車など幅広い製品で必要としますが、調達はほぼ全量を輸入に頼っていて、2010年には日中関係の悪化で中国が対日輸出を止めることで相場が急騰したことは記憶に新しいところです。
電気自動車(EV)などで使う資源は産地の集中度が石油などの従来資源以上に高く、リチウムやコバルトは上位3カ国で8割前後に達しています。
資源国が資源の囲い込む動きもではじめました。
一昨日から、地球温暖化対策を話し合うCOP26が英グラスゴーで開催されています。
根深い先進国と途上国の対立を乗り越え、石炭の削減や途上国への資金支援で合意できるかが注目されていますが、何と言っても各国が目標としている排出減を達成できるかが問われます。
欧米や日本などが脱炭素資源の十分な量を確保できなければ、脱炭素の達成が壁にぶつかる恐れもあります。
従来型の資源は長年の開発で分散が進み、石油や天然ガスの上位3カ国のシェアは5割以下となっていますが、脱炭素資源は産地の集中度が高くなっていて、それも自国資源を囲い込む「資源ナショナリズム」も目立ち始めました。
それに加えて、中国の権益獲得に向けてのしたたかな動きにも注視する必要があります。
コバルト生産で約7割のシェアを握るコンゴに対して道路や病院などの整備と一体的になって食指を伸ばしており、カナダのリチウム大手を国と企業が一体となって買収に乗り出すなど権益獲得に余念がありません。
このため、資源国の囲い込みや中国の買収攻勢に対抗して安定確保に向けてどのように対処するかですが、調達先の多様化のほか、レアメタルの使用量を減らす技術開発も活発になってきた模様です。
2021年11月01日
衆院選の応援と結果
衆院選の全465議席の当選者が確定し、自民、公明の与党は計291で国会運営を主導できる絶対安定多数(261)を上回りました。
自民党は公示前から17減らしたものの、261で単独過半数(233)となり、安定多数(244)も得た一方、立憲民主党は公示前110から14減の96、日本維新の会は公示前の11から41まで大きく伸ばし、衆院第3党に躍進しました。
公明党は3増の32、共産党は2減で10。国民民主党は3増の11でした。
岸田文雄首相(自民党総裁)が衆院選公示日から選挙戦最終日までに応援に入った68小選挙区の勝敗を見ると、36人が競り勝ち、勝率は5割を超えた一方、立憲民主党の枝野幸男代表の場合は、51選挙区で勝ったのは15人にとどまり、勝率は3割を下回る厳しい結果となりました。
両党首が応援に入ったのは26選挙区で、選挙区で勝ったのは自民候補者15人に対し、立民は9人で、首相に軍配が上がった形です。
26選挙区で比例復活したのは自民9人、立民8人で、このことはいずれも接戦だったことを物語っています。
橋下氏はテレビ番組で、この結果に「自民党・公明党の勝利で、立憲民主党・共産党の敗北と、それは厳然たる事実だと思います」と見解を示したうえで、枝野氏に対して自ら国民の信を問う戦いをしただけに、「国民に選ばれなかったんだから立民の代表は変わるべき。代表選やるんですよね?」と厳しく追及しました。
枝野氏は「最大野党として政権の選択肢を示さなければならない。100%ではないが、そういう構造は示すことができたと思っている」と、質問とは全く関係ない答えをしました。
橋下氏が橋下氏がさらに「立民は多様性と言いながら、全然顔ぶれが変わらない。一旦、外に引いて若手の新しい顔ぶれで選挙戦う考えはないんですか?」と聞くと、枝野氏は「民主党政権の失敗は経験のなさ。逆に私どもはあのときの経験がある。それを生かして(政権奪取したら)政権を回していく。これが私の責任だと思います」と、立民首脳陣を若手に切り替える考えがないようでした。
また、「3A」が応援に入った自民党候補者が次々に選挙区で落選した模様で、安倍元首相、麻生元財務相、甘利幹事長の3人が選挙期間中に応援入りした候補者は計69人のうち40人が小選挙区で議席を獲得できませんでした。
象徴的なのが、自民の平井卓也元デジタル相と立憲民主党の小川淳也氏の一騎打ちとなった香川1区で、甘利幹事長や麻生副総裁が応援入りしましたが結果は小川氏に2万票近く差をつけられる大敗を喫しました。
麻生副総裁の「温暖化のおかげで北海道のコメがうまくなった」という問題発言により岸田首相が「適切ではなかった。申し訳ない」と火消しに回ったものの、道内外で大炎上したようです。
3A全員が応援に入った東京18区は、国替えした長島昭久元防衛副大臣が、かつての師である立憲の菅元首相に及ばず惨敗しました。
3Aの威光は、ほとんど効果がなかったようだという評価になりました。
自民党は公示前から17減らしたものの、261で単独過半数(233)となり、安定多数(244)も得た一方、立憲民主党は公示前110から14減の96、日本維新の会は公示前の11から41まで大きく伸ばし、衆院第3党に躍進しました。
公明党は3増の32、共産党は2減で10。国民民主党は3増の11でした。
岸田文雄首相(自民党総裁)が衆院選公示日から選挙戦最終日までに応援に入った68小選挙区の勝敗を見ると、36人が競り勝ち、勝率は5割を超えた一方、立憲民主党の枝野幸男代表の場合は、51選挙区で勝ったのは15人にとどまり、勝率は3割を下回る厳しい結果となりました。
両党首が応援に入ったのは26選挙区で、選挙区で勝ったのは自民候補者15人に対し、立民は9人で、首相に軍配が上がった形です。
26選挙区で比例復活したのは自民9人、立民8人で、このことはいずれも接戦だったことを物語っています。
橋下氏はテレビ番組で、この結果に「自民党・公明党の勝利で、立憲民主党・共産党の敗北と、それは厳然たる事実だと思います」と見解を示したうえで、枝野氏に対して自ら国民の信を問う戦いをしただけに、「国民に選ばれなかったんだから立民の代表は変わるべき。代表選やるんですよね?」と厳しく追及しました。
枝野氏は「最大野党として政権の選択肢を示さなければならない。100%ではないが、そういう構造は示すことができたと思っている」と、質問とは全く関係ない答えをしました。
橋下氏が橋下氏がさらに「立民は多様性と言いながら、全然顔ぶれが変わらない。一旦、外に引いて若手の新しい顔ぶれで選挙戦う考えはないんですか?」と聞くと、枝野氏は「民主党政権の失敗は経験のなさ。逆に私どもはあのときの経験がある。それを生かして(政権奪取したら)政権を回していく。これが私の責任だと思います」と、立民首脳陣を若手に切り替える考えがないようでした。
また、「3A」が応援に入った自民党候補者が次々に選挙区で落選した模様で、安倍元首相、麻生元財務相、甘利幹事長の3人が選挙期間中に応援入りした候補者は計69人のうち40人が小選挙区で議席を獲得できませんでした。
象徴的なのが、自民の平井卓也元デジタル相と立憲民主党の小川淳也氏の一騎打ちとなった香川1区で、甘利幹事長や麻生副総裁が応援入りしましたが結果は小川氏に2万票近く差をつけられる大敗を喫しました。
麻生副総裁の「温暖化のおかげで北海道のコメがうまくなった」という問題発言により岸田首相が「適切ではなかった。申し訳ない」と火消しに回ったものの、道内外で大炎上したようです。
3A全員が応援に入った東京18区は、国替えした長島昭久元防衛副大臣が、かつての師である立憲の菅元首相に及ばず惨敗しました。
3Aの威光は、ほとんど効果がなかったようだという評価になりました。