2021年12月31日

大晦日

今年も今日で終わりとなりました。

昨年に続き今年の一年間はコロナとの戦いに終始し、政府が未知の体験から対策が後手に回ることが多く、
そのことが致命傷となって菅さんは1年で交代することになりました。


コロナ禍の中でしたが、東京五輪・パラリンピックが無観客とはいえ関係者の努力によって開催され、開催前は賛否両論がありましたが結果は成功裏に終わりました。

東京五輪・パラリンピックは開催にあたって反対の論調が多かったマスコミも、終わってみれば、アスリートから感動と勇気をもらったことで国民の評価が高まり、その主張もトーンダウンしていったように感じます。

そして振り返れば、菅政権はその他の施策においても一定の成果を出しており、辞めた後の菅さんに対する評価が高まるという皮肉な結果にもなりました。

岸田政権は支持率が現在のところ高くなっていますが、経済運営、コロナ対策等、このまま適確な施策を実行して来年も安定した政権の維持に努めてただきたいものです。



新型コロナウィルス感染者がまた少しずつ増えてきました。

感染力の強いオミクロン株が日本でも増加し、海外の拡大状況や年末・年始の帰省等の人の動きが活発化していることを考えれば、確実に第6波がくるとことを想定しないといけません。

これまでの教訓を活かした万全な対応を取ることが求められます。



今日、我が家の大晦日の恒例行事となっている若八幡宮(俗名やくはちまん)にお参りに行ってきました。

今年もコロナの影響でしょうか、参拝者の列もそれほど長くはありませんでした。

コロナで屋台の出店もなく、またいつもお参りした後に買う開運饅頭も見ることができなかったことが残念です。
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posted by 川上義幸 at 17:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2021年12月30日

バイオ創薬で遅れ

日本の医薬品の存在感が低下しています。


日本発の画期的な新薬は減り、2000年代後半から膨らむ貿易赤字額は2021年に初めて3兆円を超える見通しです。

新型コロナウィルスでも国産ワクチン開発は遅れ、輸入に頼っています。


医薬品開発は、化合物の合成からバイオ創薬へと共創力の源泉が移っています。

バイオ創薬は細胞や遺伝子を改変し医薬品をつくる技術で、がんや病気の原因になる分子を狙い撃ちにする「抗体医薬」などの高機能な治療薬を造れます。

2000年代にヒトのゲノムが解読され、その後に1人ひとりの遺伝情報を高速で読み取る機器が普及すると、バイオ創薬が盛んになりました。


20世紀末まで主流であった低分子薬に比べて副作用が小さく高い効果が期待できますが、その一方で生産コストが高く、新薬の開発にも多様な技術が必要となります。

日本で登場した画期的ながん免疫薬「オプジーボ」は、当初、年間の費用が3500万円に達し、高額と批判を浴びたものです。


医薬品の貿易赤字の原因は2つで、1つは日本企業が海外に生産拠点を移したことです。

もう一つは日本企業の創薬力が落ちたというもので、こちらが問題です。


日本は植物や動物などが持つ化合物を化学的に改変し、合成した低分子薬を得意としてきました。

職人気質の研究者が地道に改良を重ねて開発につなげ、これまでノーベル化学賞の受賞者を8人も輩出してきました。


21世紀に入り主流は低分子薬からバイオ創薬に移りましたが、日本の企業はバイオ創薬に出遅れました。

巻き返しは容易ではないようで、バイオ創薬は幅が広く、高度な技術が必要で、資金も必要となりますが、日本企業の研究開発費は欧米企業に比べて少ないときています。


創薬の難易度が増し、産学連携も重要になりますが、欧米は大学の先端的な研究成果を基にスタートアップが起業しています。

そして、初期の臨床試験を経て大手製薬会社が買収し、実用化につなげるケースが多く、投資家が資金を支えて、好循環を作り上げています。


日本は投資家層が薄く、橋渡しを担うスタートアップが育っていないのが実情で問題です。
posted by 川上義幸 at 14:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2021年12月29日

天然ガス、危ういロシア依存

  EUは4割以上の天然ガスを政治的に対立するロシアからの輸入に依存しています。

  欧州の天然ガス価格が過去最高を記録し、世界の半分以上消費するアジアの価格よりも高くなりました。


  需給のひっ迫が背景にありそうで、需要面では欧州で本格的な冬を迎え、ガス需要が急増しています。

  フランスで複数の原子力発電所が不具合で稼働停止になったこともガスの需要増加につながりました。

  また、欧州のガス在庫は貯蔵能力の59%しかなく、例年よりも17ポイント低い水準になっています。


  供給面では、欧州へのガス供給をロシアが減らしているとの指摘もあって、北極圏のガスを欧州に輸出するパイプライン「ヤマル・ヨーロッパ」の流量が減少し、ロシア向きに逆流し始めたということもあるようです。

  需給に応じ、パイプラインを流れる天然ガスの輸送方向が変わることは珍しくないといいます。


  今回の逆流の理由は明確ではないが、ロシアのプーチン大統領が十分にガスを供給していると主張していますが真実はわかりません。

  一方欧州側では、エネルギー供給でロシアが揺さぶりをかけているとの見方がくすぶります。

  欧米とロシアはウクライナ問題をめぐり緊張が続いています。


  欧州諸国とロシアとの対立は簡単には解消せず、ロシアに資源を依存するリスクは高くなっています。

  一方で、他の地域からLNG線を大量に受け入れるには新規の施設整備も必要になり、脱炭素の流れが強まる中、LNG関連施設は座礁資産になるリスクも抱えています。

  欧州では脱炭素だけでなく、エネルギー安保をにらみ、原発を含めた将来の電源構成を巡る議論が活発化しそうです。
posted by 川上義幸 at 10:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2021年12月27日

中国、「ゼロコロナ」対策の苦労

中国政府が2022年の正月や春節休暇の既成や旅行を控えるよう呼びかけるなど、新型コロナウィルスの感染動向に神経をとがらせています。


まん延を防ぐ具体策は地方政府が策定しており、多くの地域では国内を移動する人に対して、海外からの入国者並みの本格的な隔離を実施しています。

市中感染が多い「中・高リスク地域」の住民は他の地域へ不要不急の移動をしないよう求め、やむを得ず移動する場合は、48時間以内に検査したPCRの陰性証明書の持参を義務付けています。

特に厳しい措置をとるのが首都・北京市で、直近14日以内に感染者が1人でも発生した地域から北京に入る人は、PCR検査や2週間の健康観察などを義務付けられています。

天津市や南昌市などは「中・高リスク地域」からの来訪者に対して、海外からの入国者と同様に2〜3週間の隔離を義務付けています。


地方政府が厳しい措置をとる背景には、国家の威信がかかる2月開幕の北京冬季五輪を目前にして感染が広がると責任を問われる恐れがあるからです。

今夏の感染拡大時には南京市などでは幹部が対応の遅れを理由に処罰を受けました。

中国は感染者を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策をとりますが、局地的な感染拡大は止まらないといいます。


春節は中国人にとって家族などと過ごす大切な休暇で、例年、大規模な人の移動がみられてきました。

コロナ禍前は春節前後40日間の旅客数が延べ30億人程度だったのが、政府の呼びかけで規制の自粛が広がった今年は8億7000万人と、7割減となったようです。

それでも、コロナを抑え込むには移動人数が半端な数字ではなく大変です。
posted by 川上義幸 at 20:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2021年12月26日

ゴルファー人口

ゴルファー人口が減少する中、各地のゴルフ場が姿を変え始めてます。


「ゴルフ場利用税」が自主財源に乏しい市町村財政を支えてきた側面があるだけに、各ゴルフ場とも若年層や地元住民、女性など、新規利用者の開拓策を展開しています。


全国の2020年度の税収は399億800万円となっていて、レジャーの多様化や利用者層の高年齢化で、ピーク時の1992年度に比べて6割減少しました。

ゴルフ場数が同様にピークから1割、利用者数も2割減少しているそうです。


一方で、明るいきざしも出てきています。

ゴルフ練習場の利用者数が前年同月比で16か月連続増になっており、売上高も13か月連続で上向いているようです。

松山英樹選手のマスターズ優勝や、全英女子オープンを制した渋野日向子選手の活躍などを背景に、18歳未満の新規層取り込みに追い風が吹いています。



1992年度比で利用税の落ち込みをもっとも抑えたのは沖縄県で、2002年に沖縄県の町や島14地域による「市郡対抗戦」が開始され、リゾート色が強かったゴルフ場に地元住民を取り込み、地域あげての一大イベントとなりました。

予選会に参加する人数も年々増えてきて、近隣のコースに通い詰めて練習する愛好家も多いといいます。


ゴルフ場が多い千葉県市原市では、市内33カ所のゴルフ場に地元の高校生らにクラブハウスの職場体験できる環境を整備しました。


宮城県では、足元で1割弱の女性客比率を2割に引き上げる目標を掲げ、県内ゴルフ場が連携してトイレや浴室、洗面台など水回り改良に取り組むほか、食事メニューも一新しました。


最近は新型コロナウィルス禍で「3密」を避けられるレジャーとして見直される兆しが出てきましたが、依然として若者をはじめ新規プレーヤーの取り込みが課題となっていて、それを改善することが「ゴルフ場利用税」を増やすことになります。

このような地域再生にもつながるゴルフ場の活性化が期待されます。



昨日は、85歳の方と一緒にラウンドしました。

筑紫丘GCのシニア大会で準優勝されたということで、またその日のプレーも力強いショットを連発されていましたし、その元気さには感服いたしました。

ちなみに、優勝された方が83歳といいますからこれまた驚きです、


団塊の世代よりも少し上で、高度経済成長を支えた年代ですか、心身ともにタフなのでしょう。

筑紫丘GCでみていると、確かにゴルフは若者というよりも中高年のスポーツになっているのかもしれません。


その日は、+5が2回、ダボが5回と大叩きをしてしまいましたから、スコアはやっと100を切る有様で、プレーのマネジメントを大先輩を見習わなければません。
posted by 川上義幸 at 16:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2021年12月24日

設備投資の停滞

日本の設備投資の低迷が続いています。

この20年間で、工場の機械設備や小売店の店舗、オフィスにあるパソコンやソフトウェアなど、企業の生産活動に必要な設備の総量を示す資本ストックは米国や英国が5〜6割ほど伸びたのに比べ1割足らずしか増えてい
ません。

企業が利益を国内投資に振り向けていないためです。

設備の更新が進まなければ労働生産性は高まらず、人口減の制約も補えず、低成長の構造要因として直視する必要があります。


中長期的な成長率を推計する潜在成長率は@資本A労働B生産性の3要素で計算しますが、日本の場合、労働力は人口減少などの影響で伸びを見込みにくく、生産性を引き上げるのも簡単ではありません。

資本を増やせば成長が高まる一方、増やし過ぎると企業にとって過剰設備が負担になります。

日本の潜在成長率を見ると、1980年代は資本が全体を1.5%程度押し上げていましたが、足元ではほぼゼロに縮んでいます。


1980〜90年代はだぶついた設備が経営課題でしたが、現在の日本は投資を手控えることで低成長に陥り、それがまた投資抑制につながる負の循環に陥っているようです。


日本企業は海外では積極的にお金を使っているようで、対外直接投資はコロナ前の2019年に28兆円と10年前の4倍に膨らんでいます。

日立製作所は米IT大手を1兆円で買収し、パナソニックも7000億円超でソフトウェア開発の会社の買収を決めました。

その一方で、2020年度の設備投資は日立が3598億円、パナソニックが2310億円にとどまっています。


各社が成長の種を外に求める結果、投資が細る国内市場は成長しにくくなり、海外で稼いだお金を海外で再投資する傾向もありそうです。
posted by 川上義幸 at 19:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2021年12月23日

中国共産党モデルの普及

中国共産党は11月、100年の歴史の中で3回目の「歴史認識」を採択し、習近平総書記を毛沢東、ケ小平と並ぶ指導者と位置づけました。


中国共産党は対外的には、権威主義的なモデルを発展途上国に広め、例えば、サハラ砂漠以南のアフリカ途上国の政党と関係を構築し、深化させようとしています。

習氏はこうした活動を、中国が途上国への影響力を強化する礎として考えているようで、実質、中国政府が独裁による権威主義的なモデルを途上国へ輸出していることになります。


中国共産党は非民主的な体質にもかかわらず、急速な近代化を進め、政治的安定を保証するための理想的な方法として、独裁による権威主義的モデルを途上国で積極的に推進しています。

今では、新型コロナウィルスのパンデミックを踏まえ、中国共産党は「思想輸出」をオンライン方式に移しているようです。


西側の民主主義政府は、中国式権威主義が近代化の魅力的なモデルなどという主張を一笑に付すかもしれませんが、途上国の与党は急速な経済発展を実現して政治的不安定を制御する最善の方法として、中国共産党の一
党独裁モデルに注目するようになっています。


米国政府が国内の政治的対立などによって停滞する一方、中国政府は途上国で反米ブロックを形成し、中国共産党に似た政党を各国の政権に据えようとしているようです。

時代の趨勢は徐々に、より専制的で抑圧的な方向へ傾くように見えてきました。
posted by 川上義幸 at 19:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2021年12月21日

年末年始、新型コロナウィルス感染への注意

昨日久しぶりに、博多駅の日曜日の様子を覗いてみました。

コンコースは、旅行者や買い物客でいっぱいで、ドンタクが開催されていたゴールデンウィークを思い出します。

阪急百貨店の地下の食料品売り場も多く、こちらは初売りに近い人出で、違うのは全員がマスクをしていることです。

このまま、新型コロナウィルス感染が収まってくれればよいのですが、ヨーロッパやお隣の韓国の感染拡大状況を見ると、明日の日本を見てしまいます。



WHO=世界保健機関は18日、「オミクロン株はデルタ株よりも感染力が強いことを示す確かな証拠がある」としたうえで、「市中感染が広がる地域では1日半から3日間で倍増している」と明らかにしました。  

また、免疫を持った人が多い地域で急速に広がっているとしていて、理由については、▽免疫をすり抜けているのか、もしくは▽高い感染力によるものなのか、▽また、その両方なのか分かっていないということです。  

イギリスと南アフリカで入院患者数が増えていて、「医療がすぐにひっ迫する可能性がある」と指摘しています。


日本でも少しずつ、オミクロン株の感染者が出てきているようですが、今回は何とか広がる前にくい止めたいものです。


2020年の年末は新型コロナの感染者の増加のため帰省がなかなか難しい状況でしたが、感染者も抑えられている今年の年末は帰省を予定している方も多いのではないでしょうか。

旅行は感染症の拡大につながりやすいと言われていますが、移動すること自体は、感染リスクは高くはないようです。


飛行機では一般的に客室の空気は2〜3分ごとに完全に入れ替わっており、空気の50%は機外に出し、50%は再循環させていますが、再循環させる際にはHEPAフィルターを通過させています。

また、新幹線も6〜8分ごとに1回は空気が入れ替わっており、換気の頻度としては十分と考えられます。
ですので、移動中の行動内容に過度に気をつかうよりも、帰省先での感染対策を徹底することの方が重要のようです。


移動中はマスクを装着し、混雑している便を避け、移動時間をできる限り短くすることです。

そして、食事をする場合もマスク会食・黙食を徹底することなどの対策が有効と考えられます。
posted by 川上義幸 at 06:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2021年12月19日

スリープテック

今、注目されているのが「スリープテック」という技術です。

センサーやAIなどを使って睡眠の“質”などを詳細に計測し、そのデータを基に快適な眠りを促そうという製品やサービスのことですが、ここ数年、市場規模が拡大しています。


例えば、いびき対策として首にかけるスリープテック。

センサーで呼吸をモニタリングし、いびきを検出すると装置が振動し、首元を刺激し、睡眠を邪魔しない微弱な刺激を与え、いびきをかかない体勢への寝返りを促すそうです。

そうすることで通常の呼吸に戻り、いびきをかきにくくすると言います。


また、睡眠中、無意識で体をかいていることがあり、その回数が多いほど浅い睡眠につながるということです。

かいた回数が分かることで、肌が乾燥している指標となり、改善するよう意識付けができると言います。
スリープテックの市場規模は年々拡大し、2021年は4600億円規模になっています。


筑波大学のベンチャー企業では、睡眠時の脳波を自宅でも手軽に測ることのできる装置を開発しています。
責任者の柳沢正史教授によると、脳波を測ると睡眠の量だけでなく質が分かるといいます。

また、その人の睡眠の規則性など、いろいろなことが分かり、睡眠を改善する方法も提案することができるようです。


脳波を測ることで、脳が休息していて眠りが深いことの多い「ノンレム睡眠」と、眠りが浅いときの「レム睡眠」が分かります。

この2つが規則正しく繰り返されると質のよい睡眠がとれていると考えられています。

一方、これまで脳波を測るには検査入院をして、大がかりな機械をつける必要があったため、脳波を測ることは容易なことではありませんでした。


柳沢教授はAIを導入するなど3年かけて新たな装置を開発し、自宅でも病院とほぼ同じ精度で脳波を計測できるようにしました。

これまでおよそ1000人が利用し、2021年4月からは一部の病院で健康診断の項目として導入され始めているようです。


客観的なデータに基づいて自分の睡眠状態を知ることは、健康維持に役立つきっかけになります。

睡眠不足に悩む人が多い日本で、注目されるスリープテックですが、今後のさらなる進化に期待が高まります。
posted by 川上義幸 at 17:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2021年12月18日

気象減災へ人為的に介入

異常気象などを人為的に操作して、自然災害を減らし、必要な雨を降らせる動きが世界的に活発になっているようです。


日本では地球温暖化による台風の巨大化を危惧し、勢力を弱めるプロジェクトが2022年から本格的に始まり、川崎重工や横浜国立大学などが参加する見通しです。

目標設定に向けた調査研究で、台風の目に氷を大量にまいて勢力を弱められるのか、コンピューターシミュレーションで求めることにしています。


台風の目は周囲より暖かく、海からの上昇気流が水蒸気を運び、台風の勢力を拡大させますので、目の中の大気を冷やせば、上昇気流が弱まり、勢力拡大を防げる可能性があるといいます。

台風は実は科学的に未解明の部分が多く、研究チームはまず台風の観測と予測精度向上に取り組み、風や雨、熱の流れなど台風の構造への理解を進めて、予測モデルの制度を向上して台風の弱点を特定していくとしています。



海外では都市部の豪雨被害を避けたり、干ばつを防ぐために人工雨を降らせる取り組みなどが加速しています。


インドネシアは塩化ナトリウムを使って降雨を促し、山火事や都市部の洪水を防止しようとしています。


中国ではより大規模な人工降雨のプロジェクトが動いていて、干ばつやひょうによる被害を抑えるため、2025年までに全国土の約6割にあたる550万平方キロメートルで人工降雨や降雪ができる仕組みを整えようとしています。



ただ、課題もあるようで、ある場所に雨を多く降らせたら本来降るはずだった別の場所の雨が減るかもしれないということで、規模が大きくなると一国だけの問題ではなくなります。

国際的な調整や問題が起きた場合の責任の所在など法的な枠組みの整備も必要のようです。
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2021年12月17日

韓国、感染拡大

韓国で新型コロナウィルスの感染拡大に歯止めがかからないようです。

昨日、新規感染者が7850人で過去最多を記録したことをはじめ、重篤患者も964人で医療力量の限界に至っています。


ワクチン接種済の高齢者が「ブレークスルー感染」するケースが多く、重傷者、死者とも過去最悪の水準が続くようです。

韓国での新たな変異型「オミクロン型」の感染者数は累計で128人にとどまっており、大半は従来のデルタ型などとみられています。



重症患者が発生しても病床の割当を受けることができず、待機中に死亡する。

病床に空きが出ても救急車が出払っていて待機中に亡くなる。

救急車に乗った患者は受け入れ先の病院がなく救急車で酸素ボンベを交換しながらなんとかその場をしのい で再び家へ帰る。

あちこちでコロナ患者が待機中に命を失っているといいます。



韓国政府が先月1日に段階的日常回復(ウィズコロナ)に入って、何の備えもしなかったことによって、結局また距離確保強化に戻ることになりました。

ワクチン接種の徹底のために、接種完了や陰性証明の役割を果たす「防疫パス」の本格運用も今週から始めました。



世論は、『崩壊したのは医療システムだけではない。防疫パスもあきれる。ワクチン予約システム大乱を経験しながら、また同じ混乱が繰り返された。システム障害に備えた対策さえ見えない。』と手厳しいものがあります。

そうしておきながら防疫パスに反する施設運営者に150万〜300万ウォン(約14万円〜29万円)の過怠金などを支払わせると圧迫しています。


飲食店のオーナーは、アプリエラーに抗議する客と過怠金の脅しをかける当局の間で慌てふためくばかりだといいます。

「政府の間違いなのに国民のせいで一貫している」という野党「国民の力」の尹錫悦候補の言葉が、大統領選に向けての政治攻勢だけには聞こえないという声がもっぱらです。

政府はウィズコロナが粗末な準備で完全に失敗しているというのに、まごまごしながらずるずると時間稼ぎをする状況が続いています。



我が国も第6波がくることを想定して、これまでの経験を活かした事前の対応をしっかり行わないと岸田政権の短命につながりかねません。
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2021年12月15日

公的年金の限界

長くなる老後を誰が支えるか、世界のどの国も備えは十分でありません。


先進国は少子高齢化を背景に受給開始年齢の引き上げやシニアの就労期間延長へ踏み切っています。

米国やドイツは67歳、英国も68歳への引き上げを決めています。

一方イタリアは、この流れに真っ向から逆らい、結果、公務員ら11万人以上がかけこみで早期退職の道を選んだといいます。


日本を含め先進国の公的年金は、現役世代が引退世代を支える世代間扶養の方式が主流で、高い出生率に支えられ、若い世代の人数が多いうちは問題がありませんでした。

ところが少子化が加速し、高齢世代が多い逆ピラミッド型になると機能不全に陥りました。

年金額を維持しようとすると、現役1人当たりの保険料負担がどんどん重くなり、かといって現役世代の負担増をやめれば年金減額につながります。


国民皆年金ができていない新興国はもっと深刻で、タイでは約1400万人いる正規労働者でも2割しか年金制度に入っていません。

今後、世界人口が減って経済が長期停滞局面に入れば、物価や金利の上昇圧力はおのずと弱まります。

インフレを前提にしてきた世代間扶養のメリットも次第に薄れ、安定的に運用益を稼ぐことにさえ黄な信号がともります。



老後危機克服へのヒントはオランダにありました。

平均寿命が延びると、年金を受けとる年齢も自動的に上がる仕組みを取り入れ、少子高齢化の影響を和らげてきました。


2023年度は、いわば企業年金を「共助」から「自助」へと近づける内容となっており、将来の年金額を約束する確定給付型から、運用次第で年金額が変わる確定拠出型に移行し、若い世代が納めた掛け金が上の世代の年
金に回る状況を防ぐといいます。

年齢別に掛け金を管理し、若年層の掛け金は株式など高リスク投資で高い運用益を狙い、引退が近いシニアは安全資産で運用する、こんな対応も想定しているようです。


人口減の世界の未来図で、世代間で支え合う年金制度に大きく依存するのは危険で、自助への仕組みを強化しつつ、テクノロジーも活用して人々が長く生き生きと働ける環境をどう作るか、考えないといけないようで
す。
posted by 川上義幸 at 17:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2021年12月14日

おでんの最新事情

寒い時期となり、おでんで一杯飲みたくなるようになりました。


おでんの店頭販売に変化があるようで、「ファミリーマート」はおととしまでほぼ全店舗で取り扱っていましたが、ことし9月時点では全店舗の約2割にとどまり、「ローソン」もことし9月時点で全店舗の約4割に減少し
たということです。

一方「セブン-イレブン」は、この冬も大半の店舗でおでんを販売する見込みだとしています。


おでんの店頭販売が減少傾向にある要因として、「ローソン」の担当者は新型コロナウイルスの影響を挙げています。

それが新型コロナウイルスの感染防止のため鍋にふたをしたり間仕切りをしたうえで、注文を受けて店員がよそうスタイルへと変わったようです。

おでんのあの香りに、客はまるで吸い込まれるように店を訪れたり買い求めたりしていて、たかが”ふた”と言えども、おでんの展開が縮小した大きな理由と考えられています。

おでんのように客を引き寄せる商品は「マグネット商材」と呼ばれて現場では重宝されるそうです。

しかし、ふたをすることで「香り」という武器がなくなり、役目を失ったおでんをやめる店舗が増えている可能性があるといいます。


もう一つの背景は、実は「コロナの感染拡大前からコンビニおでんの販売縮小が始まっていた」といい、背景にあるのは、おでんにかかる「手間」と「人手」です。

おでんというのは非常に手がかかる商品で、深夜の時間帯に鍋を洗ったり、新たに仕込み直すのには多くの時間がかかります。

昨今、コンビニ業界は慢性的な人手不足が叫ばれていて、ことさら若者の確保が難しくなっています。

そういった意味では少子高齢化に伴う人手不足がおでんにつながっていると言えるのかもしれません。


おでん専門店も、食材などの値上がりで商品の値上げも考えざるをえない状況にあるといいます。

コンビニでは居場所が減り、専門店では値上げの危機にもさらされている今シーズンのおでんですが、前向きにとらえられる要素もあるといいます。


コロナをきっかけにしてコンビニはすべての店で同じ品ぞろえをするのではなくその地域にあった商品を取り扱うようになり、大きく転換しています。

アツアツのおでんをコンビニの店頭で見る機会は減っているかもしれませんが、それでも伝統を守ろうと販売を続ける店舗はそれだけこだわりが強く、今こそおいしいおでんにありつけるチャンスととらえることもできます。

おでん好きの皆さんは運よくおでんを販売する店舗に出会えた時に買い支えてあげることも“冬の風物詩”を守ることにつながるのかもしれません。


昨晩は、我が家でも自家製のおでんをいただきました。
posted by 川上義幸 at 20:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2021年12月12日

精勤杯

今日は、筑紫丘ゴルフクラブの精勤杯に参加しました。

精勤杯は、年間40回以上のプレイ実績を持つ人だけが参加できるというものです。


同じ組に、クラブチャンピオン経験者がいたこともあって、いいペースで回ることができて、アウトは42で回ることができました。

ショットだけを比較すると遜色なく、負けてはいませんでした。

ただ、ゲームメークは私の方が全くできていなくて、ファーストパットを無理に狙いにいったり、漠然と打ったりして3パットを繰り返したりしますからスコアはまとまらないのは当然です。


それと、これまでの暖かい時期の感覚で打って、思い描いた距離が出ずショートするケースも多かったようでした。

当然その時はバンカーにつかまり、余計に1打以上多くたたくことになります。


昼は、クラブの方から弁当を提供してくれました。

筑紫丘ゴルフクラブ所属プロ時政選手にあやかって作られた時政弁当をいただきました。

焼肉(牛、豚、鳥)に加え、ハンバーグ、ウィンナーと肉、肉、肉…。

さすがに、胃がもたれてしまい、後半は散々な出来となりました。

パートナーと一緒に、スコアが悪くなったのを時政弁当の所為だと勝手に責任転嫁したりして…。

ゴルフは奥が深くて、回数を重ねれば上達するものではないようです。


  今日は、サルが群れを成してコースに現れました。

  前回、私の黄のボールが気に入ったらしく取られてしまいましたが、今回は被害がなくて通り過ぎてくれました。

  餌を求めて、下りてきたのでしょう。
 
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2021年12月11日

メルケル後の欧州

ドイツの首相を1年務めたメルケル氏が8日に退任しました。

欧州全体の重しだったメルケル氏の退任で、EUが気候変動対応を名目とした財政拡張路線にさらに傾く可能性が懸念されているようです。


財政拡張と金融緩和の組み合わせは株高・ユーロ安につながりやすいのですが、危機の火種にもなりかねないとも言われています。


メルケル氏の退任を目前に控えた先月、メルケル後の欧州で主導権を握るため財政拡張路線で一致するマクロン仏大統領とドラギ伊首相が「新たな同盟」を結びました。

共同記者会見で、「EUの将来の試練に対処するためにも財政ルールの修正が不可欠だ」と気勢を上げたといます。


EUには財政赤字をGDPの3%以内、債務残高を60%以内に抑えるというルールがありますが、これを大胆に変えてしまおうということのようです。


これまで財政規律のゆるみに対してドイツが防波堤になっていました。

欧州債務危機ではメルケル氏が各国のひんしゅくを買うことも恐れず、南欧に財政健全化を求めた経緯がありましたが、メルケル氏退任後の今後が心配されています。
posted by 川上義幸 at 19:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2021年12月09日

サグラダ・ファミリア教会

世界的な建築家、アントニオ・ガウディの代表作でスペイン有数の観光名所、サグラダ・ファミリア教会では8日、「マリアの塔」と呼ばれる新たな塔が完成し、お披露目を祝うミサが開かれました。

大司教の祝福に合わせて、高さおよそ140メートルの塔がライトアップされると、市民や観光客から大きな拍手と歓声が上がりました。


サグラダ・ファミリア教会は1882年に着工し、ガウディの没後100年となる2026年の完成を目指して建設が進められてきましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で工事は一時中断を余儀なくされました。

しかし、感染拡大が収まらない中で希望のシンボルにしたいと、教会は「マリアの塔」の建設に人手や予算を集中して工事を進めていたようです。



そもそも、着工から100年以上が経過しても今なお建設途中という、珍しい世界遺産「サグラダ・ファミリア」です。

2005年にユネスコの世界遺産に登録されましたが、当然その当時サグラダ・ファミリアはまだまだ未完成で、かろうじて完成している建物のみという、部分的な世界遺産登録は世界でも異例と話題になりました。

なぜそんなに建設に時間がかかるのか、誰もが不思議に思うところですが、そもそもサグラダ・ファミリアの全貌は設計者であるガウディの頭の中にしかなかったとも言われており、頼りにできるのはたった1枚のスケ
ッチのみです。


ガウディ亡き後弟子たちがこしらえた数々の資料もスペイン内戦で焼失してしまうというアクシデントに見舞われ、常に手探り状態で建設を進めていくしかなかったようです。

思うように建設が進まないことにより、着工からすでに長い年月が経過しているサグラダ・ファミリアは、新しい部分を作ると同時に完成部分の補修もしなければならない始末で、完成には実に300年以上を要するとも言われたものです。


それがなんと着工からおよそ150年、つまり当初の半分の工期で完成する予定であることが発表されたのですから、当然世間はどよめきます。

さらに、2026年完成予定と発表された完成予想図の動画は我々の想像をはるかに上回るもので、世界中から二度どよめきの声が上がりました。


サグラダ・ファミリアは、今やスペインで最も注目を集めている絶景スポットです。

訪れる人の数も、同じくスペイン内で人気のあるアルハンブラ宮殿やプラド美術館をとっくに追い抜かし、堂々の一位となっています。



2013年からはサグラダ・ファミリア主任彫刻家に任命され、ガウディの残した設計図からサグラダ・ファミリアに組み込まれる彫刻などの装飾を総監督しているのが高校(福岡高校)の同級生の外尾悦郎氏です。

彼は、サグラダ・ファミリアの彫刻に携わった当初からスペイン国内での強烈な人種差別的批判やバッシングがされたようです。

しかし、残された平面的設計図から完璧に完成させるその圧倒的な技術力で差別的な攻撃は減っていき、主任彫刻家就任後も世界中から集められた技術者達をまとめ上げ、全体像から配置箇所を判断する能力には世界から集まった同業者達も感服しています。

現在では多くのスペイン国民が彼の偉大さを認めています。
posted by 川上義幸 at 20:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2021年12月08日

中国のコロナ鎖国

  中国は新型コロナウィルスのパンデミックに対し、世界で最も厳格な国境管理と検疫体制を敷いているようです。


  外国人も中国人も入国の際には最低2週間の隔離が求められ、中国の指導者たちが暮らす北京に入る際には、さらに厳しい検疫や隔離が適用されます。

  この制度は事実上、外国人にとって数か月滞在するのでなければ中国への入国は不可能なことを意味し、大半の中国人にとっては海外渡航禁止を意味します。

  習近平氏自身も、2年近く中国を離れていないようです。


  世界各地でロックダウンが実施されていた頃は、中国の極端な政策もさほど目立たなかったですが、多くの国が通常に戻るに従い、中国の他国との関係を断とうとする孤立ぶりが目立ってきました。

  海外とのビジネスへの影響はすでに明らかで、中国は貿易や海外投資は続けていますが、海外とのビジネス面でのつながりは弱まり始めています。

  世界的なビジネスセンターとしての香港の役割も打撃を受けています。


  中国メディアは西側諸国、特に米国は衰退の一途をたどっているとみていて、中国政府は、環境技術や人工知能など将来のカギとなる一部の重要な技術では世界に先んじていると考えているようです。

  そのため中国政府は、中国が世界を必要とする以上に、世界が中国を必要としていると考えている可能性があります。


  中国政府の新型コロナの感染を完全に抑え込もうとする「ゼロコロナ」政策は、習氏と中国共産党の政治的正当性維持とも密接に絡んでいそうです。

  来年の11月の中国共産党大会で習氏の党最高指導者としての任期延長を確実にしようという流れがあって、これまでの間いかなる政治的リスクも取りたくない内容です。


  中国の新型コロナの公式死者数は、米国が75万人にたいし5000人に満たないことをもって、習政権は米国は人権問題をあげへつらうが、中国共産党の方が実際には国民の命を守っていると主張しているようです。
posted by 川上義幸 at 19:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2021年12月07日

世界の人口減少への対応

少子高齢化で若者の人口は発展途上国でも近く先細りする時期が来ます。

移民頼りの時代は過ぎ、いずれ世界で移民の争奪戦が行われることになるといいます。


リモートワークビザが注目されていて、これは外国企業に遠隔勤務する人(リモートワーカー)に居住を認める制度のことです。

UAEはUAE内の企業で働かなくても海外企業に雇用され月給約40万円以上の人(稼ぐ人材)に1年間居住を許可します。

エストニアも1年間の滞在を認める制度を創設したほか、ギリシャ、コスタリカなどが同様の仕組みの導入に向けて準備をしています。


外国人にとって魅力的な就労・居住環境であることをアピールし、優秀な海外人材を集める狙いがあるようです。

高所得者が増えれば国内の商業施設や飲食店などで消費を活性化でき、投資拡大につながるという期待もあります。


同様の目的で、スタートアップ起業家を誘致する制度もここ数年、導入が相次いでいるようです。

個々には、移民=低賃金労働者という発想はないようです。


コロナ禍による国境封鎖は移民が減る未来を先取りしたといわれていますが、移民争奪はコロナ禍の一時的な現象ではなさそうです。

20世紀に世界人口を4倍にした人口爆発は近く終わり、今世紀半ば以降にも人口は減り始めるとみられていて、世界で働き手が枯渇するといわれています。

posted by 川上義幸 at 20:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2021年12月06日

中国のスパイ活動

世界有数の情報機関として知られる英秘密情報部(MI6)のムーア長官が演説し、中国の秘密情報機関について「非常に高い能力を持ち、英国をはじめ世界の同盟国や友好国に大規模なスパイ活動を続けている」と語ったといいます。

中国が必要に応じて武力などで強制的に台湾統一を果たそうとしているとの見解も示し、「世界の平和と安定への深刻な挑戦だ」と警戒感を示しました。


秘密主義で知られるMI6のトップが公開の場でスピーチするのは異例のことのようで、中国が切迫した脅威であることを強く訴える狙いがあったとみられています。


ムーア氏は演説で、中国、ロシア、イラン、国際テロ組織の脅威を機密情報部門の懸念事項である「ビック4」と名付けました。

中国の南シナ海での海洋進出などの行動を念頭に「共産党指導部は、安全保障を理由に大胆で断固とした行動を一段と好むようになっている」と指摘し、「『力を隠して時を待つ』というケ小平時代は終わった」とも語
りました。

ムーア氏はデジタル空間で無警戒に他国からのアクセスを許すと、中国に重要な情報を抜き取られたり、自国で制御できなくなったりするリスクがある点にも言及しました。


BBCラジオ番組ではこのことを「データのわな」と呼び、開発投資の過程で途上国に借金を強いる「債務のわな」と列挙して、警戒を呼びかけました。

中国が国民への監視体制を強め、それが新疆ウイグル自治区での100万人のイスラム教徒への人権侵害につながっていることを指摘し、こうした監視と制御の技術が、中国から他国の政府に輸出されていることを問題視し
ています。


MI6長官の異例の演説には、同盟国と対中政策における連携をさらに進めるための世論対策の側面がありそうです。

posted by 川上義幸 at 17:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2021年12月05日

法人税率の適切な修正

国際的な法人税率引き下げ競争が転換点を迎えています。


法人税率の引き下げ競争が本格化したのは1980年代からです。

グローバル経済の進展で多国籍企業が台頭しました。


こうした企業が事業拠点を選定する際に、消費市場としての魅力に加えて税負担の水準も考慮するようになりました。

「小さな政府」や市場メカニズムを重視する新自由主義の考え方も競争を後押ししました。


米ソ冷戦が終結した後は新興国も競争に参加し、経済成長エンジンとなる海外直接投資を呼び込もうと、各種の税制優遇策を組み合わせる動きも広がりました。

約140ヵ国・地域が最低税率を15%にする合意を結んだことで、ゼロへと近づいていた税率分布の「山の頂」を押し戻せるとの期待が広がっています。


日米欧などが過去10年間で失った可能性がある税金の規模は170兆円といわれています。

際限のない税率引き下げ競争は、結果として法人税収の水準を切り下げ、自らの首を絞めるチキンレースと化します。


今回の国際課税ルールの見直しの背景には新型コロナウィルス禍に対処するための巨額の財政支出の財源確保と、富の格差の是正という政治課題への対応があります。

これまでは、法人税を引き下げれば経済が活性化して全体の税収が増え、社会にも広く富が行き渡るとの期待がありました。


ところが、企業の利益の増加分の多くを投資や賃上げよりも投資家への還元に回し、格差が広がってきた経緯があります。

企業が挙げた利益を次の成長のために振り向けるような枠組みをどう築いていくか、先進各国の次の課題になっています。
posted by 川上義幸 at 17:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2021年12月04日

水清ければ、魚住まず

日本最大の内海、瀬戸内海で異変が起きています。


1950年代以降の高度経済成長によって瀬戸内海沿岸地域は都市化や工業化が進み、生活排水や工業廃水が海に大量に流れ込み、大規模な赤潮が頻発しました。

このため、「水質汚濁防止法」「瀬戸内海環境保全特別措置法」などが制定され、規制強化できれいな海になりましたが、沿岸の都市から流れ出る生活用水や工場廃水の規制強化の結果、水質汚濁の原因となる窒素やリンが減る一方で魚や貝のエサとなるプランクトンが栄養不足で育ちにくくなっているようです。


瀬戸内海に面する兵庫県明石市の沖合は、明石鯛や明石だこをはじめ約100種類もの魚が水揚げされる全国有数の漁場となっています。

同県の漁獲量の約3割を占めているイカナゴは大幅に減少していますし、全国上位の生産量を誇るノリの養殖も、2000年ごろから黒く色づかない「色落ち」が続いています。


兵庫県水産技術センターはここ5年間の現地調査などで、イカナゴの稚魚「シンコ」の漁獲量と海水中の窒素
などの濃度に明瞭な関係があることを明確にしました。

原因と考えられるのが排水規制です。

海域の貧栄養化がイカナゴの減少やノリの色落ちの原因と考えられ、ほどほどの窒素やリンは海の肥やしとなっていたといえます。


兵庫県は2019年に条例を改正し、全国に先駆けて海域の窒素やリンの下限値を設けて、制限ではなく下水処理場や工場などからの栄養分の確保策などを定めた「栄養塩類管理計画」をまとめることになりました。

管理計画がアクセル、削減計画がブレーキの役割をし、そのバランスをどうとるのかが今後の課題です。


国は排水規制による「きれいな海」からきめ細かな管理による「豊かな海」へと方針転換しました。
posted by 川上義幸 at 08:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2021年12月01日

EU、中国重視から転換

EUが対アジア政策で中国重視の方針転換を鮮明にしています。


アジア欧州会議首脳会議で、EU首脳は自由や人権など基本的な価値を共有する民主主義の国と協力を深める方針を表明しました。

EUのミシェル大統領は、演説で普遍的な民主的権利や基本的自由に基づいて協力を深めようと呼びかけました。


インフラ支援での「透明性」やルールに基づく国際秩序の重視を訴え、名指しはしなかったものの、強権的な対応や従来のルールを軽視した動きが目立つ中国をけん制しました。

香港では自治や表現の自由などが強く制限され、中国・新疆ウイグル自治区での人権問題が浮かび上がっています。

3月には少数民族ウィグル族の不当な扱いが人権侵害に当たるとして約30年ぶりの対中制裁に踏み切りましたが、状況に改善は見られず、近く制裁の延長を決める方向で調整が進んでいます。


ミッシェル氏は、インド太平洋地域はEUにとってますます重要な地域になっていると強調し、EUはインドとの自由貿易協定交渉を年内にも再開したい一方、大筋合意した中国との投資協定案の批准手続きを事実上棚上げしています。


一部の国は台湾との関係強化に動いていて、中国が敏感になってきました。


米国との対立を深める中国は、欧州との対立は深めたくないというのが本音ですが、中国が自らまいた種ですから、世界で孤立しないように適切な対応をしてもらいたいものです。
posted by 川上義幸 at 20:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記