ロシアがウクライナへの軍事侵攻を強行した経緯については、両国の間で起きてきたことを様々な角度から検証する必要があって、ロシアとウクライナの間には過去に何があったのか、経営コンサルタントの大前研一氏の解説を紹介します。
ロシアは、日本と同様に年金制度の維持に四苦八苦していて、ロシアの平均寿命は73.2歳と先進国の中では短いですが、近年は高齢化が進み、2018年に年金支給開始年齢を引き上げる改革を行ないました。
これに国民が猛反発してロシア全土で反政府デモが巻き起こり、プーチン大統領の支持率は急落した経
緯があります。
年金改革を断行せざるを得なかった背景の1つが2014年のウクライナ南部・クリミア半島併合で、併合によってロシアが年金を肩代わりしなければならなくなり、ただでさえ重荷だった年金負担がさらに増えてしまいました。
プーチン大統領が独立国家として承認した親露派分離勢力の「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」がある東部ドンバス地域の2州だけでも併合したら、ロシアの年金制度は破綻しかねません。
そもそもプーチン大統領はウクライナを併合しようとしていたわけではなく、「ミンスク合意」の履行を求めていたのです。
「ミンスク合意」とは、2014年にロシア系住民が多いドネツク州とルガンスク州で勃発し、前述の両「共和国」が2州の一部を実効支配するに至った紛争をめぐる停戦合意です。
その内容は、【1】ウクライナと親露派分離勢力双方の武器使用停止、【2】ウクライナからの外国部隊撤退、【3】「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」への自治権付与──などです。
ところが、2019年に就任したゼレンスキー大統領は「ミンスク合意」を履行しませんでした。
しかも、支持率が当初の80%から30%に急落したため、挽回策としてEUや米欧の軍事同盟NATOへの加盟を画策し、その結果、プーチン大統領の堪忍袋の緒が切れたといいます。
どんな理由であれ、軍事侵攻を強行したプーチン大統領の暴挙は絶対に許されませんが、そのトリガーを引いたのはゼレンスキー大統領のようです。
一方、プーチン大統領を「人殺しの独裁者」などとこれまでの経緯を棚に上げて非難しているのが、アメリカのバイデン大統領です。
しかし、そもそもバイデン氏は「ウクライナ疑惑」で脛に傷持つ身であり、ウクライナ問題で冷静な判断ができない政治家の筆頭であることを忘れてはいけません。
「ウクライナ疑惑」とは、バイデン氏がオバマ政権の副大統領だった当時、次男のハンター氏がウクライナのエネルギー企業の取締役に就任して高額の報酬を受け取り、その見返りに父親(バイデン氏)の政治力を使って、同企業の不正疑惑を捜査していた検事総長を解任させたというものです。
2020年の米大統領選挙に先立ち、当時のトランプ大統領がこの疑惑を調査するようゼレンスキー大統領に要請したことが発覚して大問題となりましたが、結局、疑惑は解消されないまま今日に至っています。
バイデン大統領は2021年12月に「ウクライナで戦いが起きても、米軍は派遣しない」と表明し、このあまりにも拙速かつ弱腰な姿勢を見たプーチン大統領は、ウクライナに侵攻してもアメリカ(=NATO)は軍事介入しないと確信したに違いありません。
2022年03月30日
2022年03月28日
IT大国ウクライナ
約4,000万人を擁するウクライナは、旧ソビエト連邦構成国の中で、ロシアに次ぐ2番目に大きな人口を抱えます。
クリミア問題や東部紛争などネガティブなイメージを持たれがちな国でしたが、近年、IT産業が世界から注目されています。
人件費が安いことに加え、IT関連の教育機関や人材が、周辺諸国と比較して豊富なためです。
ウクライナのIT産業は、1990年代初頭から発展しはじめ、2010年代から、その成長は急速になって言います。
ウクライナのIT産業が成長している1つの要因は、優秀なIT人材が多く、旧ソ連時代のウクライナでは、核開発や原子力発電、航空宇宙分野の研究が積極的に進められていました。
もとより理系教育が進んでいたわけで、ソ連崩壊後も、その特徴は変わりません。
現在150以上の技術系の高等教育を行う大学などの教育機関が存在し、2018年時点でウクライナのIT専門家は、18万4,000人で、2025年には25万人まで増えるとされています。
また、IT関連学位を持つ学生も、毎年1万6,000人輩出され、さらに、13万人がエンジニアリングの学位を取得しています。
このウクライナですが、ロシアからの侵攻を受け、悲惨な戦禍を被る主要都市の状況が毎日報道され、世界中の人がいたたまれない思いをしています。
本来ですと、歴然とした戦力の違いがあって、プーチン大統領は自分たちに有利に早期妥結が図れると踏んでいたようですが、ウクライナの思いのほかの抵抗にあって長期戦の様相を示してきました。
ウクライナでは、スタートアップ企業がアプリ開発などの技術を使い抵抗運動を続けているといいます。
ウクライナは約30万人IT技術者を抱え、近年は海外企業の開発委託さきとして注目されていました。
テクノロジー人材が戦争下での情報共有や発信輪側面から支えているようです。
クリミア問題や東部紛争などネガティブなイメージを持たれがちな国でしたが、近年、IT産業が世界から注目されています。
人件費が安いことに加え、IT関連の教育機関や人材が、周辺諸国と比較して豊富なためです。
ウクライナのIT産業は、1990年代初頭から発展しはじめ、2010年代から、その成長は急速になって言います。
ウクライナのIT産業が成長している1つの要因は、優秀なIT人材が多く、旧ソ連時代のウクライナでは、核開発や原子力発電、航空宇宙分野の研究が積極的に進められていました。
もとより理系教育が進んでいたわけで、ソ連崩壊後も、その特徴は変わりません。
現在150以上の技術系の高等教育を行う大学などの教育機関が存在し、2018年時点でウクライナのIT専門家は、18万4,000人で、2025年には25万人まで増えるとされています。
また、IT関連学位を持つ学生も、毎年1万6,000人輩出され、さらに、13万人がエンジニアリングの学位を取得しています。
このウクライナですが、ロシアからの侵攻を受け、悲惨な戦禍を被る主要都市の状況が毎日報道され、世界中の人がいたたまれない思いをしています。
本来ですと、歴然とした戦力の違いがあって、プーチン大統領は自分たちに有利に早期妥結が図れると踏んでいたようですが、ウクライナの思いのほかの抵抗にあって長期戦の様相を示してきました。
ウクライナでは、スタートアップ企業がアプリ開発などの技術を使い抵抗運動を続けているといいます。
ウクライナは約30万人IT技術者を抱え、近年は海外企業の開発委託さきとして注目されていました。
テクノロジー人材が戦争下での情報共有や発信輪側面から支えているようです。
2022年03月27日
ホークスの開幕
今年はPayPayドームでの日本ハムとの開幕戦となりましたが、結果的にはホークスの3連勝で終わりました。
初戦であと一本が出ずに終盤まできて、いやな雰囲気が漂っていましたが、ガルビスの一発で逆転勝利をものにしたのが大きかったように感じます。
初戦を落としていれば拙攻が続き、ピッチャーが持ちこたえられずに、昨年の終盤のような展開になっていたはずです。
ガルビスの一発はチームの硬い雰囲気を一掃し、初戦だけにとどまらず、3連戦の流れによい影響を与えました。
今日の3戦目は孫たちを連れて観戦してきました。
まだコロナウィルスの感染が治まらない中ではありますが、入場制限をせずほぼ満員の観客の中で行われました。
試合前の飲食店に並ぶ人の列、ドーム内の通路での人の動きを見ていると、大丈夫かなと思うほどの賑わいでした。
今日もホークスが先行し、5回に逆転されたもののすぐに逆転をして、最後は万全な継投で勝利をものにしました。
日本ハムとの開幕戦は、新庄監督がどのようなパフォーマンスをしてどのような采配をするか注目が集まりました。
新庄監督は、この3連戦で登録した31選手全員を起用するという采配を見せたものの、1勝もできないまま、札幌ドームでの本拠地開幕戦を迎えることになりました。
ホークスはBIGBOSSを迎え、何かと注目を集めた開幕カードで多少意識過剰になったところがありましたが、終わってみれば3連勝をして最高のスタートダッシュを決めました。
2022年03月25日
年度末の私事
今日は春らしい天候となり、昼間は気温が上がって上着が不要となりました。
桜の開花が一段と進み、満開を迎えた桜の木も出てきたようです。
全体でいうと概ね7分咲といったところでしょうか、桜が咲く公園や街路はぱっと明るくなって、こちら
も気分が高揚します。
温暖化の影響で、桜といえば入学ではなく卒業と時期が重なるようになってきましたが、昨日行われた臨時株主総会で九州重粒子線施設管理株式会社を閉じることが決議されました。
この会社は平成21年4月に設置されましたが、13年が経過し一定の役割を終えたこともあって、私も代表取締役を卒業することになりました。
3月31日までですが、皆さん、大変お世話になりました。
一昨日、来年が筑後川本格改修100周年を迎えることから記念事業を実施するということで、その内容を公表する記者発表が国土交通省筑後川河川事務所で行われました。
その日の主たる内容の一つは、ロゴマークの発表でした。
九州大学の学生が記念のロゴマークをデザインし、その中から芸術工学部3年の藤本清楓さんの作品が選ばれ、彼女からデザインの意図するものの説明があり、「ロゴが筑後川の歴史(物語)を次の世代につなぐバ
トンになればうれしい」と語ってくれました。
北部九州河川利用協会ではこの記念事業に参画し、流域内外の人々と筑後川の未来を考える取り組みを行うことにしています。
その取り組みについて、私の方から説明させていただきましたが、その場でマスコミの方の反応が全くなかったものですから、その光景が夕方のNHKロクいちで流されていたのには驚きです。
見たよという反応が各方面から寄せられました。
2022年03月24日
北方領土交渉が凍結
日本とロシアによる北方領土問題を含む平和条約交渉が凍結となりました。
もともと交渉は近年進んでおらず、状況は大きく変わらないとの指摘がありますが、その通りです。
本格的な交渉は2019年12月の外相会談以来、実現していませんし、ロシアは2020年の憲法改正で、「領土割譲の禁止」を盛り込むなど、今回の通告がなくても交渉前進の見通しはなかったといえます。
日ロ間の平和条約交渉は1956年の旧ソ連との日ソ共同宣言を出発点とします。
第2次世界大戦の戦争状態を終わらせて外交関係を回復させ、平和条約を締結した後に北方領土のうち歯舞群島と色丹島を日本に引き渡すとも明記した内容です。
日本は同宣言をもとにロシアとの北方領土をめぐる認識を擦り合わせてきており、領土交渉は冷戦終結後の1990年から2000年代に最も解決に近づいたとの見方があります。
1998年当時、橋本龍太郎首相はエリツィン大統領と会談し、択捉島の北に国境線を引いた上で施政権は当面はロシアにゆだねる「川奈提案」を持ち掛け、エリツィン氏も一時は前向きな方向だったといいます。
また、2001年には当時の森喜朗首相が就任したばかりのプーチン大統領に色丹島及び歯舞島の2島返還の手続きを先行させる新たな譲歩案を示したこともありました。
ロシア側の一方的な通告により、1956年宣言を起点とするこれまでの協議の積み重ねが白紙に戻る可能性はあります。
しかし、最近のロシアの対応を見ていると、今のままでは全くと言っていいほど展望は見出されそうにありません。
冷戦終結後の1990年から2000年代はロシア経済がどん底状態でしたし、このウクライナ侵攻で受ける西側の経済制裁によって経済への影響が大きいといわれる中で、専門家の中には北方領土問題はかえってチャンス到来といえるかもしれないと指摘します。
もともと交渉は近年進んでおらず、状況は大きく変わらないとの指摘がありますが、その通りです。
本格的な交渉は2019年12月の外相会談以来、実現していませんし、ロシアは2020年の憲法改正で、「領土割譲の禁止」を盛り込むなど、今回の通告がなくても交渉前進の見通しはなかったといえます。
日ロ間の平和条約交渉は1956年の旧ソ連との日ソ共同宣言を出発点とします。
第2次世界大戦の戦争状態を終わらせて外交関係を回復させ、平和条約を締結した後に北方領土のうち歯舞群島と色丹島を日本に引き渡すとも明記した内容です。
日本は同宣言をもとにロシアとの北方領土をめぐる認識を擦り合わせてきており、領土交渉は冷戦終結後の1990年から2000年代に最も解決に近づいたとの見方があります。
1998年当時、橋本龍太郎首相はエリツィン大統領と会談し、択捉島の北に国境線を引いた上で施政権は当面はロシアにゆだねる「川奈提案」を持ち掛け、エリツィン氏も一時は前向きな方向だったといいます。
また、2001年には当時の森喜朗首相が就任したばかりのプーチン大統領に色丹島及び歯舞島の2島返還の手続きを先行させる新たな譲歩案を示したこともありました。
ロシア側の一方的な通告により、1956年宣言を起点とするこれまでの協議の積み重ねが白紙に戻る可能性はあります。
しかし、最近のロシアの対応を見ていると、今のままでは全くと言っていいほど展望は見出されそうにありません。
冷戦終結後の1990年から2000年代はロシア経済がどん底状態でしたし、このウクライナ侵攻で受ける西側の経済制裁によって経済への影響が大きいといわれる中で、専門家の中には北方領土問題はかえってチャンス到来といえるかもしれないと指摘します。
2022年03月22日
桜開花の異変
温暖化で九州の桜の開花は早まり、今年もそうですが真っ先に福岡県で開花する例が近年相次いでいます。
福岡県ではここ40年で開花日は9日早まり、満開も6日前倒しになっています。
気象学の専門家は、開花には冬の寒さが大切だといい、鍵は「休眠打破」というメカニズムのようです。
10度以下の寒さに一定期間さらされた花芽は眠りから覚め、開花へと準備します。
冬が暖かくなり過ぎると、休眠打破が進まず、咲きにくいようです。
「桜前線は北上する」との定説が崩れた背景には、南部の冬の暖かさにあるといいます。
温暖化シナリオで今世紀末の桜の開花を試算すると、寒い地域で早まる一方、暖かい地域では逆に遅く
なり、九州北部から関東まで一斉に開花する結果になったそうです。
満開にならない現象も起きたといいます。
2020年は試算が現実味を帯び、記録的な暖冬で花ごとの成長速度が異なり、いわゆる「だらだら咲き」になりました。
鹿児島では開花から満開まで平年よりも8日も長い18日もかかりました。
温暖化がさらに進めば、咲かない、咲いても満開にならないみすぼらしい姿が増えて、「鹿児島や四国、紀伊半島南部は50年後にソメヨシノはなくなるんじゃないかな」という別の専門家は言います。
週末の天気の崩れが大きくなりませんでしたから気温も下がらず、自宅の前の桜の木で満開に近いものもでてきました。

福岡県ではここ40年で開花日は9日早まり、満開も6日前倒しになっています。
気象学の専門家は、開花には冬の寒さが大切だといい、鍵は「休眠打破」というメカニズムのようです。
10度以下の寒さに一定期間さらされた花芽は眠りから覚め、開花へと準備します。
冬が暖かくなり過ぎると、休眠打破が進まず、咲きにくいようです。
「桜前線は北上する」との定説が崩れた背景には、南部の冬の暖かさにあるといいます。
温暖化シナリオで今世紀末の桜の開花を試算すると、寒い地域で早まる一方、暖かい地域では逆に遅く
なり、九州北部から関東まで一斉に開花する結果になったそうです。
満開にならない現象も起きたといいます。
2020年は試算が現実味を帯び、記録的な暖冬で花ごとの成長速度が異なり、いわゆる「だらだら咲き」になりました。
鹿児島では開花から満開まで平年よりも8日も長い18日もかかりました。
温暖化がさらに進めば、咲かない、咲いても満開にならないみすぼらしい姿が増えて、「鹿児島や四国、紀伊半島南部は50年後にソメヨシノはなくなるんじゃないかな」という別の専門家は言います。
週末の天気の崩れが大きくなりませんでしたから気温も下がらず、自宅の前の桜の木で満開に近いものもでてきました。
2022年03月20日
世界で広がる格差
5年前に「世界の裕福な上位8人の資産保有額は、世界人口の下位半分、約36億人の保有額と同額である」と発表され、衝撃を与えました。
その後のリポートでは、超富裕層は新型コロナウィルス禍による経済的な動揺をうまく乗り越え、この格差はさらに拡大しているとされます。
2年前には「世界の人口1%の超富裕層が排出するCO2の量は、下位半分の貧困層30数億人の排出量の2倍以上になる」と公表され、環境問題として改めて注目されました。
そしてコロナ下で、「貧困層の感染率、死亡率は富裕層に比べて高い」との統計が、ある国で示され、貧富の差が命の軽重にまで影響しているとの認識が急速に広まりました。
これらの問題は、これからの時代に最優先で検討すべきことで、その格差がどこにあるのか認識しないと、議論がゆがみかねません。
では、どこに格差があるのかというと、第1は国内の格差で、ジニ係数といった数値などであらわされます。
第2は、他国との比較における格差で、先進国と発展途上国・新興国との格差が明確に存在します。
第3は、先の2つの相互作用ともいえますが、国際的な交流の進行が問題を拡げている点です。
先進国を本拠地とする企業が、発展途上国で事業を手掛ける際に現地スタッフを採用していますが、その賃金は本国の水準よりもかなり低いものの、現地では大幅に高いということになります。
これが適正な労働力の配分を損なっていて、例えば、有能な公務員が外国企業の支店長の運転手に転職することにつながっているようです。
最も深刻な問題になりかねない重要な視点が世代間の格差であって、先進国のほとんどで若い世代が親の世代の水準を上回るといった確信を失い、新興国でもその兆候が出始めていることです。
高齢人口の増大という将来負荷への対応を巡って、深刻な対立を引き起こしかねないといわれています。
その後のリポートでは、超富裕層は新型コロナウィルス禍による経済的な動揺をうまく乗り越え、この格差はさらに拡大しているとされます。
2年前には「世界の人口1%の超富裕層が排出するCO2の量は、下位半分の貧困層30数億人の排出量の2倍以上になる」と公表され、環境問題として改めて注目されました。
そしてコロナ下で、「貧困層の感染率、死亡率は富裕層に比べて高い」との統計が、ある国で示され、貧富の差が命の軽重にまで影響しているとの認識が急速に広まりました。
これらの問題は、これからの時代に最優先で検討すべきことで、その格差がどこにあるのか認識しないと、議論がゆがみかねません。
では、どこに格差があるのかというと、第1は国内の格差で、ジニ係数といった数値などであらわされます。
第2は、他国との比較における格差で、先進国と発展途上国・新興国との格差が明確に存在します。
第3は、先の2つの相互作用ともいえますが、国際的な交流の進行が問題を拡げている点です。
先進国を本拠地とする企業が、発展途上国で事業を手掛ける際に現地スタッフを採用していますが、その賃金は本国の水準よりもかなり低いものの、現地では大幅に高いということになります。
これが適正な労働力の配分を損なっていて、例えば、有能な公務員が外国企業の支店長の運転手に転職することにつながっているようです。
最も深刻な問題になりかねない重要な視点が世代間の格差であって、先進国のほとんどで若い世代が親の世代の水準を上回るといった確信を失い、新興国でもその兆候が出始めていることです。
高齢人口の増大という将来負荷への対応を巡って、深刻な対立を引き起こしかねないといわれています。
2022年03月19日
ウクライナ侵攻で暮らしへの影響
ロシアによるウクライナ侵攻から3週間が経ち、緊迫の情勢が続く中で、わたしたちの身の回りの暮らしにも、その影響が広がっています。
まずは驚きですが、ロシアのウクライナ侵攻の影響で、そば粉の値段が上がるそうです。
日本人になじみの「そば」ですが、実は、そばの実の生産量はロシアが世界一で、日本の去年の輸入量も、中国、アメリカに次いで3番目に多く、全体の10%余りがロシア産とされています。
「ゆでそば」の仕入れ値は、ことし1月におよそ5%上昇したばかりでしたが、その時は、コロナ禍で物流費が上昇していることなどが理由でした。
そこに追い打ちをかけるように今月、ロシアのウクライナ侵攻の影響でロシア産のそばの供給がストップし始めていて、今後思うようにそばが入ってこない可能性があるということです。
ロシア産の原料は今、一体どうなっているのかというと、3月以降、ロシアでは、そば粉に使われる殻付きの「玄そば」と殻をむいた「むき実そば」の物流網が滞っているというのです。
ロシア産のものは極東のウラジオストクから船で輸入していますが、そばを積んだコンテナが港で滞留したまま、日本に運べていない状況だということです。
ロシアの軍事侵攻による欧米の経済制裁の一環で、欧米からのコンテナ船の入港が滞っていることが要因の1つだといいます。
今は、2月中に出港した貨物がかろうじて入ってきていますが、早晩、その入荷もストップするとみています。
ロシアによる軍事侵攻の影響は、なじみの寿司ネタ「サーモン」にも広がっています。
ウクライナ情勢の緊迫化の影響で物流網が乱れているためとしていて、国内産の銀ザケなどほかのサケを急きょ仕入れて対応しています。
ノルウェー水産物審議会によりますと、日本がノルウェーから輸入する生サーモンの空輸のうちおよそ8割が、ロシア領空を経由する最短距離のルートを利用しています。
ところが、2月末にロシア当局が発表した、ノルウェーなど36か国に対するロシア領空の飛行禁止措置のほか、航空各社によるルート変更や欠航により、最短ルートでの輸送ができなくなっているというのです。
ジェトロ=日本貿易振興機構によりますと、日本の去年のロシアからの輸入額は、およそ140億ドルとなっています。
「石油ガス類(24.1%)、石炭(18%)、原油・粗油(16.6%)」とエネルギー資源が半数以上を占め、自動車の排ガス抑制や銀歯に使われる「パラジウム」を含む「銀・白金族(10%)」、ズワイガニなど
の「魚介類(8.9%)」などが続きます。
また「そば」のように、国内の輸入品の中で一定のシェアを持つものはほかにもあり、例えば住宅用の木材は、ロシア産が輸入材全体の10%弱を占めるともいわれています。
さらに、こうした日ロ間の貿易にとどまらず、例えば小麦は輸出量でロシアが世界1位など、世界的なシェアの高さから、国際的な取り引きに影響を及ぼす商品も少なくありません。
ウクライナ情勢の緊迫化がもたらす、身近な暮らしへの影響が徐々に拡大していきます。
まずは驚きですが、ロシアのウクライナ侵攻の影響で、そば粉の値段が上がるそうです。
日本人になじみの「そば」ですが、実は、そばの実の生産量はロシアが世界一で、日本の去年の輸入量も、中国、アメリカに次いで3番目に多く、全体の10%余りがロシア産とされています。
「ゆでそば」の仕入れ値は、ことし1月におよそ5%上昇したばかりでしたが、その時は、コロナ禍で物流費が上昇していることなどが理由でした。
そこに追い打ちをかけるように今月、ロシアのウクライナ侵攻の影響でロシア産のそばの供給がストップし始めていて、今後思うようにそばが入ってこない可能性があるということです。
ロシア産の原料は今、一体どうなっているのかというと、3月以降、ロシアでは、そば粉に使われる殻付きの「玄そば」と殻をむいた「むき実そば」の物流網が滞っているというのです。
ロシア産のものは極東のウラジオストクから船で輸入していますが、そばを積んだコンテナが港で滞留したまま、日本に運べていない状況だということです。
ロシアの軍事侵攻による欧米の経済制裁の一環で、欧米からのコンテナ船の入港が滞っていることが要因の1つだといいます。
今は、2月中に出港した貨物がかろうじて入ってきていますが、早晩、その入荷もストップするとみています。
ロシアによる軍事侵攻の影響は、なじみの寿司ネタ「サーモン」にも広がっています。
ウクライナ情勢の緊迫化の影響で物流網が乱れているためとしていて、国内産の銀ザケなどほかのサケを急きょ仕入れて対応しています。
ノルウェー水産物審議会によりますと、日本がノルウェーから輸入する生サーモンの空輸のうちおよそ8割が、ロシア領空を経由する最短距離のルートを利用しています。
ところが、2月末にロシア当局が発表した、ノルウェーなど36か国に対するロシア領空の飛行禁止措置のほか、航空各社によるルート変更や欠航により、最短ルートでの輸送ができなくなっているというのです。
ジェトロ=日本貿易振興機構によりますと、日本の去年のロシアからの輸入額は、およそ140億ドルとなっています。
「石油ガス類(24.1%)、石炭(18%)、原油・粗油(16.6%)」とエネルギー資源が半数以上を占め、自動車の排ガス抑制や銀歯に使われる「パラジウム」を含む「銀・白金族(10%)」、ズワイガニなど
の「魚介類(8.9%)」などが続きます。
また「そば」のように、国内の輸入品の中で一定のシェアを持つものはほかにもあり、例えば住宅用の木材は、ロシア産が輸入材全体の10%弱を占めるともいわれています。
さらに、こうした日ロ間の貿易にとどまらず、例えば小麦は輸出量でロシアが世界1位など、世界的なシェアの高さから、国際的な取り引きに影響を及ぼす商品も少なくありません。
ウクライナ情勢の緊迫化がもたらす、身近な暮らしへの影響が徐々に拡大していきます。
2022年03月18日
サハリンの石油・天然ガスプロジェクト
ロシア極東の島、サハリンには総額3兆円を超える巨額資金が投じられ、石油・天然ガスの生産が行われています。
日本もこの島から多くのエネルギーを調達していますが、ロシアのウクライナへの軍事侵攻に抗議する形でイギリスの石油大手シェル、アメリカのエクソンモービルが次々と撤退する意向を表明しました。
欧米の経済制裁が強まるなか、日本はどのように対応するのか、難しい局面に立たされています。
サハリンの石油・天然ガス開発と日本は深いつながりがあります。
この大型のエネルギー開発プロジェクトの起源は1970年代にさかのぼります
第1次オイルショックで大きな打撃を受けた日本は、政府が関わる形でエネルギーの安全保障上の観点から、原油の中東依存を脱却する道を模索し始め、その候補地の1つにサハリンを選定しました。
中東と比べて地理的にはるかに近く、輸送コストを抑えられるという大きなメリットがありました。
その後、旧ソビエトは崩壊し、ロシアになっても開発は続けられ、サハリン1とサハリン2の2つのプロジェクトが本格稼働します。
サハリン1にはアメリカの石油メジャー「エクソンモービル」やロシアの国営石油会社「ロスネフチ」とその子会社、インドの国営石油会社が加わっています。
日本勢は政府が50%を出資する「SODECO・サハリン石油ガス開発」に大手商社の「伊藤忠商事」と「丸紅」、「石油資源開発」などが参加し、この会社を通じてプロジェクトの30%の権益を保有しています。
主に石油を生産し、日本や中国、韓国などアジアに輸出しています。
サハリン2は事業主体が合弁の「サハリンエナジー」社で、この会社にロシアの政府系ガス会社「ガスプロム」が50%、石油メジャーの「シェル」が27.5%、日本からは大手商社「三井物産」が12.5%、「三菱商事」が10%を出資しています。
天然ガスを南部にある施設まで運び、LNG=液化天然ガスにして日本などに輸出しています。
両方のプロジェクトともすぐに撤退を決めることにはならない方向で落ち着きつつあります。
萩生田経済産業大臣は参議院経産委員会で「撤退することがロシアに対する経済制裁になるのだったら1つの方法だが、われわれが今心配しているのは、その権益を手放したときに第三国(中国?)がただちにそれを取ってロシアが痛みを感じないことになったら意味がない」と述べました。
仮に日本が1970年代から時間と労力をかけて手にしたエネルギー権益を手放す事態になり、それを第三国が取得することになったらエネルギー安全保障上、大きな損失だとこの関係者は力説します。
日本もこの島から多くのエネルギーを調達していますが、ロシアのウクライナへの軍事侵攻に抗議する形でイギリスの石油大手シェル、アメリカのエクソンモービルが次々と撤退する意向を表明しました。
欧米の経済制裁が強まるなか、日本はどのように対応するのか、難しい局面に立たされています。
サハリンの石油・天然ガス開発と日本は深いつながりがあります。
この大型のエネルギー開発プロジェクトの起源は1970年代にさかのぼります
第1次オイルショックで大きな打撃を受けた日本は、政府が関わる形でエネルギーの安全保障上の観点から、原油の中東依存を脱却する道を模索し始め、その候補地の1つにサハリンを選定しました。
中東と比べて地理的にはるかに近く、輸送コストを抑えられるという大きなメリットがありました。
その後、旧ソビエトは崩壊し、ロシアになっても開発は続けられ、サハリン1とサハリン2の2つのプロジェクトが本格稼働します。
サハリン1にはアメリカの石油メジャー「エクソンモービル」やロシアの国営石油会社「ロスネフチ」とその子会社、インドの国営石油会社が加わっています。
日本勢は政府が50%を出資する「SODECO・サハリン石油ガス開発」に大手商社の「伊藤忠商事」と「丸紅」、「石油資源開発」などが参加し、この会社を通じてプロジェクトの30%の権益を保有しています。
主に石油を生産し、日本や中国、韓国などアジアに輸出しています。
サハリン2は事業主体が合弁の「サハリンエナジー」社で、この会社にロシアの政府系ガス会社「ガスプロム」が50%、石油メジャーの「シェル」が27.5%、日本からは大手商社「三井物産」が12.5%、「三菱商事」が10%を出資しています。
天然ガスを南部にある施設まで運び、LNG=液化天然ガスにして日本などに輸出しています。
両方のプロジェクトともすぐに撤退を決めることにはならない方向で落ち着きつつあります。
萩生田経済産業大臣は参議院経産委員会で「撤退することがロシアに対する経済制裁になるのだったら1つの方法だが、われわれが今心配しているのは、その権益を手放したときに第三国(中国?)がただちにそれを取ってロシアが痛みを感じないことになったら意味がない」と述べました。
仮に日本が1970年代から時間と労力をかけて手にしたエネルギー権益を手放す事態になり、それを第三国が取得することになったらエネルギー安全保障上、大きな損失だとこの関係者は力説します。
2022年03月17日
桜の開花
ここしばらく、暖かい日が続いています。
昼間は、上着なしでも寒さを感じませんし、外をウォーキングしたりすると少し汗ばむこともあります。
このような陽気の中、桜の開花へ向けて秒読みの段階となってきました。
毎日のウォーキングで桜のつぼみが少しずつ膨らんでいく姿を観察するのも楽しみです。
山王公園や比恵公園の桜に開花が見られるようになりました。
気象庁の観測基準によりますと、開花日は標本木で5〜6輪以上の花が咲いた状態となった最初の日、満開日は標本木で80%以上のつぼみが開いた状態となった最初の日を言うそうです。
最新の福岡の開花予想は3月16日となっていましたが、本日、開花宣言が出ましたのでほぼ予想通りと言えます。
これから天候が崩れ、気温も下がりそうなので満開は3月下旬となるかもしれませんが、しばらくの間桜の花を観賞できそうです。
桜の開花600度の法則というものがあるそうで、2月1から毎日の最高気温を足していき、合計して600度になったときに桜が開花するというものです。
福岡市は昨年、2月が暖かい日が続き開花が早まり、開花日と600日目がぴったり3月12日となりました。
今年の2月は気温が低く寒い日が続く一方で、ここ1週間ぐらい最高気温が20度を超える日が続きましたので、600度の法則の適用とはいきませんでしたが、かなり早い開花となりました。
これから開花が進み、いつ頃満開となるかが気になるところですが、明日から雨となり気温下がる見込みです。
この時期に降る雨を「花起こしの雨」と呼ぶそうですが、この雨が桜の開花を促すという意味のようです。
気温が下がりますから、開花のペースが遅れそうに思うのですが。

昼間は、上着なしでも寒さを感じませんし、外をウォーキングしたりすると少し汗ばむこともあります。
このような陽気の中、桜の開花へ向けて秒読みの段階となってきました。
毎日のウォーキングで桜のつぼみが少しずつ膨らんでいく姿を観察するのも楽しみです。
山王公園や比恵公園の桜に開花が見られるようになりました。
気象庁の観測基準によりますと、開花日は標本木で5〜6輪以上の花が咲いた状態となった最初の日、満開日は標本木で80%以上のつぼみが開いた状態となった最初の日を言うそうです。
最新の福岡の開花予想は3月16日となっていましたが、本日、開花宣言が出ましたのでほぼ予想通りと言えます。
これから天候が崩れ、気温も下がりそうなので満開は3月下旬となるかもしれませんが、しばらくの間桜の花を観賞できそうです。
桜の開花600度の法則というものがあるそうで、2月1から毎日の最高気温を足していき、合計して600度になったときに桜が開花するというものです。
福岡市は昨年、2月が暖かい日が続き開花が早まり、開花日と600日目がぴったり3月12日となりました。
今年の2月は気温が低く寒い日が続く一方で、ここ1週間ぐらい最高気温が20度を超える日が続きましたので、600度の法則の適用とはいきませんでしたが、かなり早い開花となりました。
これから開花が進み、いつ頃満開となるかが気になるところですが、明日から雨となり気温下がる見込みです。
この時期に降る雨を「花起こしの雨」と呼ぶそうですが、この雨が桜の開花を促すという意味のようです。
気温が下がりますから、開花のペースが遅れそうに思うのですが。
2022年03月16日
ロシア富裕層、国外逃避
ロシアがウクライナ侵攻を始めた前後から、小型ジェット機によるロシア出国が相次いでいます。
プーチン大統領を支えてきたオリガルヒ(新興財閥)など富裕層が、国内外の資産保全のために逃避した可能性があります。
米欧はオリガルヒを対象にした制裁を通じ、プーチン政権の権力基盤の弱体化を狙っています。
世界の航空機を追跡しているフライトレーダー24のデータを基にした分析によると、小型ジェット機は2月上旬に1日平均約24機だったのが、侵攻開始翌日では1日で60機がロシアを離れました。
そして、出国機数を21〜27日の1週間で見ても、前の週と比べて4割近く増加したということがわかるそうです。
この多くがロシアの富裕層が出入国に制限がかかる前に逃避した事例とみられています。
国外の資産の凍結や没収を回避しようと対策を急いでいたのは間違がなさそうです。
米欧はプーチン政権とつながりが深いオリガルヒを狙い撃ちにしています。
オリガルヒはプーチン政権への忠実を誓う見返りに政府から多くの利権を付与され、経済に強大な影響力を振るってきました。
米欧は一連の制裁により、オリガルヒの離反を誘う戦略も描いています。
オリガルヒの中には政権批判はタブー視されてきましたが、制裁の強化を受けて今回の進行に批判的な声も出始めているようです。
ロシアの富豪オレグ・デリパスカ氏は、対ロシア制裁の悪影響は「1998年のロシア金融危機の3倍に及ぶ」と強調し、早期の戦闘終結を呼びかけているといいます。
プーチン大統領を支えてきたオリガルヒ(新興財閥)など富裕層が、国内外の資産保全のために逃避した可能性があります。
米欧はオリガルヒを対象にした制裁を通じ、プーチン政権の権力基盤の弱体化を狙っています。
世界の航空機を追跡しているフライトレーダー24のデータを基にした分析によると、小型ジェット機は2月上旬に1日平均約24機だったのが、侵攻開始翌日では1日で60機がロシアを離れました。
そして、出国機数を21〜27日の1週間で見ても、前の週と比べて4割近く増加したということがわかるそうです。
この多くがロシアの富裕層が出入国に制限がかかる前に逃避した事例とみられています。
国外の資産の凍結や没収を回避しようと対策を急いでいたのは間違がなさそうです。
米欧はプーチン政権とつながりが深いオリガルヒを狙い撃ちにしています。
オリガルヒはプーチン政権への忠実を誓う見返りに政府から多くの利権を付与され、経済に強大な影響力を振るってきました。
米欧は一連の制裁により、オリガルヒの離反を誘う戦略も描いています。
オリガルヒの中には政権批判はタブー視されてきましたが、制裁の強化を受けて今回の進行に批判的な声も出始めているようです。
ロシアの富豪オレグ・デリパスカ氏は、対ロシア制裁の悪影響は「1998年のロシア金融危機の3倍に及ぶ」と強調し、早期の戦闘終結を呼びかけているといいます。
2022年03月15日
水害保険料のリスクによる差
損害保険各社は水災被害を補償する保険料にリスクに応じた差をつけることを考えているようです。
企業向けは河川の近くなど浸水リスクの高さに応じて保険料が2倍程度、2024年度から導入する個人向けも1.5倍程度の差がつく見通しです。
風水害の頻発に伴う対応ですが、本来、保証が必要な高リスク地域の個人が加入をためらう要因になりかねないとも言われています。
そもそも、家屋への浸水時などに保険金を受け取れる水災補償は火災保険の特約としてつけられています。
現在の保険料は戸建て住宅の一般的なケースで、全国一律、年間約2万円で、損保各社はこれを水災被害の発生リスクに応じて、市区町村別に保険料を設定する方式に改める見通しです。
オーダーメードで保険料設定の自由度が高い企業向けでは新規の契約分から徐々にリスク別の保険料に移行しつつあり、2020年度以降、切り替えが本格化しています。
個人向けの保険料は損保各社でつくる損害保険料率算出機構が2023年度にも新区分ごとに保険料の目安となる参考純率を決め、各社は2024年度から地域別の料率を設定します。
地域別の保険料はリスクを細分化して応分の負担を求める措置ですが、負担増からリスクの高い地域の水災保険の加入率が下がれば、損害保険のインフラとしての機能が下がるジレンマをはらんでいます。
もっとも、建物所在地の水災リスクによって保険料に差がつけば、長期的に水災リスクの低い地域に人々の移住が進めば、国全体の防災力の向上につながるといえます。
流域治水の議論が進んでいきますと、水害保険の取り扱いが増えてくと思われますが、水災リスクによって保険料が変わるのは理にかなっているものの、個人の負担と国の役割をどのように考えるか悩ましくなってきなーます。
企業向けは河川の近くなど浸水リスクの高さに応じて保険料が2倍程度、2024年度から導入する個人向けも1.5倍程度の差がつく見通しです。
風水害の頻発に伴う対応ですが、本来、保証が必要な高リスク地域の個人が加入をためらう要因になりかねないとも言われています。
そもそも、家屋への浸水時などに保険金を受け取れる水災補償は火災保険の特約としてつけられています。
現在の保険料は戸建て住宅の一般的なケースで、全国一律、年間約2万円で、損保各社はこれを水災被害の発生リスクに応じて、市区町村別に保険料を設定する方式に改める見通しです。
オーダーメードで保険料設定の自由度が高い企業向けでは新規の契約分から徐々にリスク別の保険料に移行しつつあり、2020年度以降、切り替えが本格化しています。
個人向けの保険料は損保各社でつくる損害保険料率算出機構が2023年度にも新区分ごとに保険料の目安となる参考純率を決め、各社は2024年度から地域別の料率を設定します。
地域別の保険料はリスクを細分化して応分の負担を求める措置ですが、負担増からリスクの高い地域の水災保険の加入率が下がれば、損害保険のインフラとしての機能が下がるジレンマをはらんでいます。
もっとも、建物所在地の水災リスクによって保険料に差がつけば、長期的に水災リスクの低い地域に人々の移住が進めば、国全体の防災力の向上につながるといえます。
流域治水の議論が進んでいきますと、水害保険の取り扱いが増えてくと思われますが、水災リスクによって保険料が変わるのは理にかなっているものの、個人の負担と国の役割をどのように考えるか悩ましくなってきなーます。
2022年03月14日
日経のコラム“春秋”
毎日、日経のコラム“春秋”を楽しみにして読んでいます。
ロシアのウクライナ侵攻が始まって2週間以上が経ちますが、ここ一週間はこの話題のものが続くという異例の展開となりました。
北京で行われているパラリンピックがかすむ程、世界で今一番ホットな話題となっていますから当然といえば当然ですが、毎日同じ話題が続くと多少うんざりするところがありました。
昨日は、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という言葉がもてはやされた時代の話題でした。
このタイトルを冠したのは米ハーバード大学教授、エズラ・ボーゲル氏で、彼の著書は70万部を超すベストセラーになりました。
1979年に刊行のこの本は日本的経営の強みや背景を論じ、当時の人々誇らしい気分にさせたとあります。
それはバブル期に絶頂に達し、後年まで日本人のメンタリティーに自尊と楽観が根強く残っていったといいます。
それがコロナ禍で、現実の日本の姿が明らかになったわけです。
日経の世論調査の結果を引用し、日本の経済と技術が「強い」と答えた人の割合は3年前に比べて17ポイント下がったことを指摘し、コロナ禍を契機にして世界とは周回遅れのデジタル化など、災厄の中で浮かんだ日本の弱さを実感する人が増えているといいます。
こうなると、筆者は世の中を自信喪失ムードが覆いそうだと危惧しますが、ボーゲル氏が晩年、この国が築き上げたシステムにはまだまだ長所がたくさん残っていると語っていたことを紹介し、尊大と卑屈の間を揺れ動いてきた日本人が大人になるチャンスであると結んでいます。
ロシアのウクライナ侵攻が始まって2週間以上が経ちますが、ここ一週間はこの話題のものが続くという異例の展開となりました。
北京で行われているパラリンピックがかすむ程、世界で今一番ホットな話題となっていますから当然といえば当然ですが、毎日同じ話題が続くと多少うんざりするところがありました。
昨日は、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という言葉がもてはやされた時代の話題でした。
このタイトルを冠したのは米ハーバード大学教授、エズラ・ボーゲル氏で、彼の著書は70万部を超すベストセラーになりました。
1979年に刊行のこの本は日本的経営の強みや背景を論じ、当時の人々誇らしい気分にさせたとあります。
それはバブル期に絶頂に達し、後年まで日本人のメンタリティーに自尊と楽観が根強く残っていったといいます。
それがコロナ禍で、現実の日本の姿が明らかになったわけです。
日経の世論調査の結果を引用し、日本の経済と技術が「強い」と答えた人の割合は3年前に比べて17ポイント下がったことを指摘し、コロナ禍を契機にして世界とは周回遅れのデジタル化など、災厄の中で浮かんだ日本の弱さを実感する人が増えているといいます。
こうなると、筆者は世の中を自信喪失ムードが覆いそうだと危惧しますが、ボーゲル氏が晩年、この国が築き上げたシステムにはまだまだ長所がたくさん残っていると語っていたことを紹介し、尊大と卑屈の間を揺れ動いてきた日本人が大人になるチャンスであると結んでいます。
2022年03月13日
春の訪れ
2月まで寒くてゴルフにはカイロが欠かせませんでしたが、今日は曇り空にも関わらず暖かい一日となりました。
相変わらず風は強く、力んでヘッドが返らずスライスになると大きく風に煽られてOBとなってしまいます。
最近はなかなか90が切れずにストレスがたまるゴルフが続いています。
今日も、ダボを7つも叩いてしまい、極めつけはミドルで9も叩いてしまいました。
アウト47、イン48の95で、どうしても18ホールを緊張感を持ってプレーできず、どこかでポカをしてしまいます。
ショットはだいぶ良くなってきていますから、後はスコアメークでね次会を楽しみにしましょう。
山王公園や家の前の比恵公園の桜の木が開花に向けてつぼみが少しずつ大きくなってきたようです。
このまま、今日のような陽気が続くと一週間もすれば開花となるのではないでしようか。
桜の開花を楽しみに、本格的な春の訪れが待たれます。
相変わらず風は強く、力んでヘッドが返らずスライスになると大きく風に煽られてOBとなってしまいます。
最近はなかなか90が切れずにストレスがたまるゴルフが続いています。
今日も、ダボを7つも叩いてしまい、極めつけはミドルで9も叩いてしまいました。
アウト47、イン48の95で、どうしても18ホールを緊張感を持ってプレーできず、どこかでポカをしてしまいます。
ショットはだいぶ良くなってきていますから、後はスコアメークでね次会を楽しみにしましょう。
山王公園や家の前の比恵公園の桜の木が開花に向けてつぼみが少しずつ大きくなってきたようです。
このまま、今日のような陽気が続くと一週間もすれば開花となるのではないでしようか。
桜の開花を楽しみに、本格的な春の訪れが待たれます。
2022年03月11日
大統領選の結果、日韓関係に改善の方向
韓国大統領選は昨日、保守系野党のユン・ソギョル(尹錫悦)氏が激戦を制しました。
新政権は米国重視へ回帰し、日米韓の安全保障協力が外交の軸となりそうです。
中国やロシアに対して曖昧な姿勢をとったムン・ジェイン(文在寅)政権の方針は修正されそうで、東アジアの安保環境にも変化をもたらすかもしれません。
韓国大統領は韓国の国家元首で、行政のトップを兼ね、国会へ予算の提出権や法案の拒否権、軍の統帥権を持ちます。
条約の締結や批准、宣戦布告の権限、憲法改正の提案、戒厳令の布告など行使できる権限幅広くなっています。
強大な権力を背景にリーダーシップを発揮しやすい反面、肉親や側近らが権勢を振るい不祥事に発展するケースが後を絶ちませんでした。
暗殺や自殺によって命を落としたり、自身や身内が有罪判決を受けたりと不幸な末路を迎えた歴代大統領が多いといえます。
今回の選挙で政権交代が実現したわけですが、韓国はどう変わるのでしょうか。
国民が「公正な社会」の実現を託したムン・ジェイン(文在寅)政権は期待とはほど遠かったといえます。
外交は北朝鮮との融和にのめりこみ、歴史問題を巡る場当たり的な対応で日韓関係は修復不能なほど悪化しました。
理念が先行し、現実の問題を解決する力が欠けていました。
ユン・ソギョル(尹錫悦)氏は記者会見で、日韓関係について「過去より未来をどうするかが両国の利益だ」と語り、関係改善に意欲を示したといいます。
対北朝鮮政策では「不法で不合理な行動には原則に従い断固として対処する」と述べ、ムン・ジェイン(文在寅)政権との融和路線を転換する考えを表明しました。
今後、日韓関係は未来志向でより良い方向へ向かうのではないでしょうか、そんな期待が持てるような気がします。
新政権は米国重視へ回帰し、日米韓の安全保障協力が外交の軸となりそうです。
中国やロシアに対して曖昧な姿勢をとったムン・ジェイン(文在寅)政権の方針は修正されそうで、東アジアの安保環境にも変化をもたらすかもしれません。
韓国大統領は韓国の国家元首で、行政のトップを兼ね、国会へ予算の提出権や法案の拒否権、軍の統帥権を持ちます。
条約の締結や批准、宣戦布告の権限、憲法改正の提案、戒厳令の布告など行使できる権限幅広くなっています。
強大な権力を背景にリーダーシップを発揮しやすい反面、肉親や側近らが権勢を振るい不祥事に発展するケースが後を絶ちませんでした。
暗殺や自殺によって命を落としたり、自身や身内が有罪判決を受けたりと不幸な末路を迎えた歴代大統領が多いといえます。
今回の選挙で政権交代が実現したわけですが、韓国はどう変わるのでしょうか。
国民が「公正な社会」の実現を託したムン・ジェイン(文在寅)政権は期待とはほど遠かったといえます。
外交は北朝鮮との融和にのめりこみ、歴史問題を巡る場当たり的な対応で日韓関係は修復不能なほど悪化しました。
理念が先行し、現実の問題を解決する力が欠けていました。
ユン・ソギョル(尹錫悦)氏は記者会見で、日韓関係について「過去より未来をどうするかが両国の利益だ」と語り、関係改善に意欲を示したといいます。
対北朝鮮政策では「不法で不合理な行動には原則に従い断固として対処する」と述べ、ムン・ジェイン(文在寅)政権との融和路線を転換する考えを表明しました。
今後、日韓関係は未来志向でより良い方向へ向かうのではないでしょうか、そんな期待が持てるような気がします。
2022年03月10日
中国、EV輸出首位
中国が電気自動車(EV)の輸出国として存在感を高めています。
2021年の輸出台数は前年比約3倍となり、ドイツや米国を上回り世界最大となりました。
中国のEVは産業集積が進み、コスト競争力を高めた新興企業が販売を伸ばしています。
世界生産でも6割を中国が占め、デジタル製品に続きEVでも「世界の工場」になりつつあります。
中国から輸出が伸びたのは欧州向けで、5倍の23万台となり輸出に占める比率は約5割に上ります。
EUは2035年にハイブリッド車やガソリン車などの新車販売を禁止する方針を示しました。
背景にあるのがEV産業の集積で、基幹部品である車載電池では、正極材などの原材料の調達から組み立てまで現地で一貫して生産します。
中国では調達の効率化などで他地域より生産コストが半分ほどで済むといいます。
生産台数も右肩上がりで、中国が229万台と全体の57.4%を占め、欧州が22%、米国が12%、日本はわずか0.9%でした。
攻勢は東南アジアにも及び、タイのEV市場では上海汽車集団が5割のシェアを握り、主力モデルは日産自動車のEVよりも約3割安いといいます。
2021年の輸出台数は前年比約3倍となり、ドイツや米国を上回り世界最大となりました。
中国のEVは産業集積が進み、コスト競争力を高めた新興企業が販売を伸ばしています。
世界生産でも6割を中国が占め、デジタル製品に続きEVでも「世界の工場」になりつつあります。
中国から輸出が伸びたのは欧州向けで、5倍の23万台となり輸出に占める比率は約5割に上ります。
EUは2035年にハイブリッド車やガソリン車などの新車販売を禁止する方針を示しました。
背景にあるのがEV産業の集積で、基幹部品である車載電池では、正極材などの原材料の調達から組み立てまで現地で一貫して生産します。
中国では調達の効率化などで他地域より生産コストが半分ほどで済むといいます。
生産台数も右肩上がりで、中国が229万台と全体の57.4%を占め、欧州が22%、米国が12%、日本はわずか0.9%でした。
攻勢は東南アジアにも及び、タイのEV市場では上海汽車集団が5割のシェアを握り、主力モデルは日産自動車のEVよりも約3割安いといいます。
2022年03月09日
ウクライナ侵攻にあたっての中ロの関係
ロシアのウクライナ侵攻が始まってから2週間以上が経過しました。
停戦協議はいまだ進まず、戦闘の長期化が懸念されていますが、世界が注目するのはプーチン大統領が何を考え、これからどのような動きをするかということです。
米ニューヨーク・タイムズ紙ほか複数のメディアが、バイデン政権の高官などの話として、「2月上旬、中国政府の高官がロシア側に対して、北京五輪が閉幕するまではウクライナに侵攻しないよう要請していた」と報じました。
北京五輪の閉幕は2月20日で、ロシアによるウクライナ侵攻は24日ですから、状況的にはロシアが中国の要請を受け入れたことになるのでしょうか。
プーチン大統領から直接、作戦の中身を伝えられた指導者は、世界でも習主席だけでしょう。
習主席がプーチン大統領から侵攻作戦を聞いたのは、2月4日に北京で行われた首脳会談においてだったといいます。
プーチン大統領は、“ロシアとウクライナは、世界に冠たる国家となったキエフ大公国(9〜13世紀)を起源とする、兄弟のような国家で、宗教も含めて今日や昨日に始まった結びつきではないのに、NATO(北大西洋条約機構)が主導する地政学的な悪意あるゲームに翻弄されている”などと強い懸念を示したといいます。
愛するウクライナがNATOに吸い寄せられるようにロシアから離れるのは看過し難く、半ばストーカーのように思いが募っていたようにも見えます。
ひるがえってウクライナは帝政からソ連崩壊までロシアの支配を許しましたが、1991年の独立から30年が経過した現在、ロシアからの一方的な愛に居心地の悪さを感じていたのかもしれません。
ウクライナがNATOに加入すると、NATO勢力が地続きとなってロシアに到達してしまい、それはロシアにとって脅威に他ならないというわけです。
東西ドイツが統一される際に、東ドイツに駐留していた旧ソ連軍の撤退と引き換えに「NATOの不拡大が約束された」とプーチン大統領は主張したかったようですが、これを裏付けるものが具体的に示されていないのも事
実のようです。
習主席にとって北京五輪は、自身の権勢を内外にアピールし、国家主席3期目突入の前祝的なイベントとして、重要な機会だったはずです。
習主席の返事に対しプーチン大統領は、五輪期間中の軍事行動を控えることは最大限尊重すると答えたそうです。
軍事侵攻について聞かされていた唯一の指導者なら、プーチン大統領に何らかのアドバイスができるのも習主席ということになるはずですが……。
停戦協議はいまだ進まず、戦闘の長期化が懸念されていますが、世界が注目するのはプーチン大統領が何を考え、これからどのような動きをするかということです。
米ニューヨーク・タイムズ紙ほか複数のメディアが、バイデン政権の高官などの話として、「2月上旬、中国政府の高官がロシア側に対して、北京五輪が閉幕するまではウクライナに侵攻しないよう要請していた」と報じました。
北京五輪の閉幕は2月20日で、ロシアによるウクライナ侵攻は24日ですから、状況的にはロシアが中国の要請を受け入れたことになるのでしょうか。
プーチン大統領から直接、作戦の中身を伝えられた指導者は、世界でも習主席だけでしょう。
習主席がプーチン大統領から侵攻作戦を聞いたのは、2月4日に北京で行われた首脳会談においてだったといいます。
プーチン大統領は、“ロシアとウクライナは、世界に冠たる国家となったキエフ大公国(9〜13世紀)を起源とする、兄弟のような国家で、宗教も含めて今日や昨日に始まった結びつきではないのに、NATO(北大西洋条約機構)が主導する地政学的な悪意あるゲームに翻弄されている”などと強い懸念を示したといいます。
愛するウクライナがNATOに吸い寄せられるようにロシアから離れるのは看過し難く、半ばストーカーのように思いが募っていたようにも見えます。
ひるがえってウクライナは帝政からソ連崩壊までロシアの支配を許しましたが、1991年の独立から30年が経過した現在、ロシアからの一方的な愛に居心地の悪さを感じていたのかもしれません。
ウクライナがNATOに加入すると、NATO勢力が地続きとなってロシアに到達してしまい、それはロシアにとって脅威に他ならないというわけです。
東西ドイツが統一される際に、東ドイツに駐留していた旧ソ連軍の撤退と引き換えに「NATOの不拡大が約束された」とプーチン大統領は主張したかったようですが、これを裏付けるものが具体的に示されていないのも事
実のようです。
習主席にとって北京五輪は、自身の権勢を内外にアピールし、国家主席3期目突入の前祝的なイベントとして、重要な機会だったはずです。
習主席の返事に対しプーチン大統領は、五輪期間中の軍事行動を控えることは最大限尊重すると答えたそうです。
軍事侵攻について聞かされていた唯一の指導者なら、プーチン大統領に何らかのアドバイスができるのも習主席ということになるはずですが……。
2022年03月08日
観葉植物
家で過ごす時間を快適にしてくれる観葉植物の人気が広がっているようです。
癒しを求める需要に供給が追い付かず、東京市場の平均単価は4年連続で上昇しています。
人気に目を付けたアパレルブランドなど他業種からの参入が相次ぎ、販路も増えました。
新型コロナウィルス禍にあって、植物が生活の中で存在感を増しています。
観葉植物市場は近年縮小傾向にありましたが、新型コロナの感染拡大が本格化した2020年に東京市場の取扱数量が前年比増加に転じました。
園芸店や専門店の売れ行きは好調で、1980〜90年代のバブル景気依頼のブームが到来したようです。
観葉植物は育て始めてから出荷までに数年間かかりますが、生産者からは急な需要拡大に当惑した声が上がるほど需給はひっ迫しています。
このことは、新たに観葉植物を販売する業者が増えたことも一因のようで、ネット通販や雑貨店など従来の園芸店以外の業者が仕入れに訪れる例が増えているといいます。
目立つのは、コロナ禍が直撃したアパレル業界で、コロナ下による市場縮小と先行きの不透明感を見据え 「食」と「住」に進出した企業もあります。
ユニクロも観葉植物を取り扱い、衣料品と同じ店内で気軽に手に取れるため、売れ行きはいいといいます。
専門家は、「季節感を重視するアパレルやインテリアと同様、生活を彩るアイテムとして観葉植物の存在感が増し、無視できなくなった」指摘します。
バブル景気下の観葉植物ブームは、大体コチョウランを贈り合うなど、大きさと豪華さを競い合うものでした。
令和のブームは、お気に入りの雑貨屋衣類のように身近に置く形で、コロナ下で癒しを求める生活スタイルが新たな需要を生み出しているようです。
癒しを求める需要に供給が追い付かず、東京市場の平均単価は4年連続で上昇しています。
人気に目を付けたアパレルブランドなど他業種からの参入が相次ぎ、販路も増えました。
新型コロナウィルス禍にあって、植物が生活の中で存在感を増しています。
観葉植物市場は近年縮小傾向にありましたが、新型コロナの感染拡大が本格化した2020年に東京市場の取扱数量が前年比増加に転じました。
園芸店や専門店の売れ行きは好調で、1980〜90年代のバブル景気依頼のブームが到来したようです。
観葉植物は育て始めてから出荷までに数年間かかりますが、生産者からは急な需要拡大に当惑した声が上がるほど需給はひっ迫しています。
このことは、新たに観葉植物を販売する業者が増えたことも一因のようで、ネット通販や雑貨店など従来の園芸店以外の業者が仕入れに訪れる例が増えているといいます。
目立つのは、コロナ禍が直撃したアパレル業界で、コロナ下による市場縮小と先行きの不透明感を見据え 「食」と「住」に進出した企業もあります。
ユニクロも観葉植物を取り扱い、衣料品と同じ店内で気軽に手に取れるため、売れ行きはいいといいます。
専門家は、「季節感を重視するアパレルやインテリアと同様、生活を彩るアイテムとして観葉植物の存在感が増し、無視できなくなった」指摘します。
バブル景気下の観葉植物ブームは、大体コチョウランを贈り合うなど、大きさと豪華さを競い合うものでした。
令和のブームは、お気に入りの雑貨屋衣類のように身近に置く形で、コロナ下で癒しを求める生活スタイルが新たな需要を生み出しているようです。
2022年03月07日
新型コロナウィルスの感染への対応
新型コロナウイルスの感染による第6波で、全体の新規感染者数は、ピークを越えたように見えます。
しかし、感染者の治療にあたる医療現場のひっ迫が続いていて、第6波の死者数は、第5波を上回っています。
病床使用率もまだまだ高い自治体もありますが、今日からまん延防止等重点措置が福岡県をはじめ13県で解
除されました。
飲食店での営業制約が解除されることになりますが、これからは花見や異動、卒業、入学等の各種行事が続きますので、引き続き感染予防の基本的な対策には心がけたいものです。
まん延防止等重点措置が継続され、全国の中でも、病床の使用率が高く死者の数も多くなっていたのが大阪ですが、その大阪では、高齢者に感染が広がっていて、亡くなる人をどう減らすかが引き続きの喫緊の課題になっています。
20代など若い世代は、減少していますが、こちらの、60代、70代、80代以上は、横ばい、あるいは依然、増加傾向でした。
一方で、重症者は高止まり、亡くなった人の数は増加が続いていました。
この要因が、高齢の感染者がなかなか減らないことにあるとされています。
大阪府は、死者数が全国平均の2倍以上となっていたようで、なぜ、深刻なったかというと、高齢者に感染が広がってしまったことが第一の要因だと考えられています。
要因としては、高齢者と家族が近くに住むなど生活圏が近いのではないかという指摘があるのと、高齢者施設のクラスターが急増し、それも実態がよくわかっていません。
もう一つ、可能性として指摘されていたのが医療へのアクセスの課題です。
感染が急拡大した第6波で、大阪では検査がひっ迫し、発症から陽性確定までに3日以上かかった人も珍しくありませんでした。
保健所には届出のファックスが大量に届いていて、それを入力し、連絡を取って療養方針が決まるのは、さらに数日後になることもあったようです。
医療機関では発症から7日以内の投与となっている重症化を防ぐための点滴薬が、使えない事態もおきていました。
保健所がひっ迫しても医療につなげるよう、国は2021年の第5波以降、地域の医療機関などが保健所業務を支援することにしました。
しかし、大阪では、こうした対策はどうだったのか、課題の中から次の第7波への適確な対応が見えてくるように感じます。
しかし、感染者の治療にあたる医療現場のひっ迫が続いていて、第6波の死者数は、第5波を上回っています。
病床使用率もまだまだ高い自治体もありますが、今日からまん延防止等重点措置が福岡県をはじめ13県で解
除されました。
飲食店での営業制約が解除されることになりますが、これからは花見や異動、卒業、入学等の各種行事が続きますので、引き続き感染予防の基本的な対策には心がけたいものです。
まん延防止等重点措置が継続され、全国の中でも、病床の使用率が高く死者の数も多くなっていたのが大阪ですが、その大阪では、高齢者に感染が広がっていて、亡くなる人をどう減らすかが引き続きの喫緊の課題になっています。
20代など若い世代は、減少していますが、こちらの、60代、70代、80代以上は、横ばい、あるいは依然、増加傾向でした。
一方で、重症者は高止まり、亡くなった人の数は増加が続いていました。
この要因が、高齢の感染者がなかなか減らないことにあるとされています。
大阪府は、死者数が全国平均の2倍以上となっていたようで、なぜ、深刻なったかというと、高齢者に感染が広がってしまったことが第一の要因だと考えられています。
要因としては、高齢者と家族が近くに住むなど生活圏が近いのではないかという指摘があるのと、高齢者施設のクラスターが急増し、それも実態がよくわかっていません。
もう一つ、可能性として指摘されていたのが医療へのアクセスの課題です。
感染が急拡大した第6波で、大阪では検査がひっ迫し、発症から陽性確定までに3日以上かかった人も珍しくありませんでした。
保健所には届出のファックスが大量に届いていて、それを入力し、連絡を取って療養方針が決まるのは、さらに数日後になることもあったようです。
医療機関では発症から7日以内の投与となっている重症化を防ぐための点滴薬が、使えない事態もおきていました。
保健所がひっ迫しても医療につなげるよう、国は2021年の第5波以降、地域の医療機関などが保健所業務を支援することにしました。
しかし、大阪では、こうした対策はどうだったのか、課題の中から次の第7波への適確な対応が見えてくるように感じます。
2022年03月06日
IPCCの報告
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は先週、気候変動による影響や対応策を複数のシナリオで分析した報告書を公表しました。
産業革命前に比べて気温が2度上昇すれば今世紀末までに干ばつなどで慢性的な水不足に陥る人口が8億〜30億人にいたると予測し、食糧生産や健康、生物種への悪影響は気温上昇が進むほど大きくなると警鐘を鳴ら
しています。
現在、世界の人口は約78億人ですが、化石燃料に依存し排出量の多いシナリオに相当する4度の温暖化では、水不足は最大約40億人と見込んでいます。
また報告書では、現状で33億〜36億人が気候変動に対応できず、水害などの悪影響を受けやすい状況にあるとも盛り込んでいます。
この人的被害の影響や対応策に関する報告書は今回が第6次となり、これまでより表現を強めて「人為的な気候変動が自然や人々に広く悪影響と損失・損害を与えている」と断言しています。
21世紀に入り、新興国や途上国の経済成長に伴い温暖化ガスの排出は急増していて、IPCCは2021年の報告書で20年以内に気温上昇は1.5度に達すると予想していましたが、今回も近い将来に達するとしています。
気温上昇に伴って海面が上昇し、沿岸の海抜が低い地域では今世紀半ばには10億人以上が洪水などのリスクに直面するとも予想しています。
当然、海沿いに資産が集中していますから、被害額は大きくなります。
報告書では、「気候変動は特に最も脆弱な人々に影響を与える」とし、途上国の貧困層の生活が脅かされるとの見方を示してます。
農作物に高温障害などが発生し、海が温まって漁業にも影響を与えます。
熱波の被害も深刻です。
気温が2.7度上昇する場合、世界の65%の都市で、暑さ指数が40度以上という深刻な猛暑日が年1回は発生するといいます。
ロシアのウクライナ侵攻により西欧諸国を中心とした脱炭素戦略は見直しを迫られており、ロシアから4割程度を輸入する天然ガスを石炭からの移行的な熱源として当て込んでいたからです。
仮に単純に石炭を代替として使用し続ければ将来位の気候変動に重大な影響を与えそうです。
産業革命前に比べて気温が2度上昇すれば今世紀末までに干ばつなどで慢性的な水不足に陥る人口が8億〜30億人にいたると予測し、食糧生産や健康、生物種への悪影響は気温上昇が進むほど大きくなると警鐘を鳴ら
しています。
現在、世界の人口は約78億人ですが、化石燃料に依存し排出量の多いシナリオに相当する4度の温暖化では、水不足は最大約40億人と見込んでいます。
また報告書では、現状で33億〜36億人が気候変動に対応できず、水害などの悪影響を受けやすい状況にあるとも盛り込んでいます。
この人的被害の影響や対応策に関する報告書は今回が第6次となり、これまでより表現を強めて「人為的な気候変動が自然や人々に広く悪影響と損失・損害を与えている」と断言しています。
21世紀に入り、新興国や途上国の経済成長に伴い温暖化ガスの排出は急増していて、IPCCは2021年の報告書で20年以内に気温上昇は1.5度に達すると予想していましたが、今回も近い将来に達するとしています。
気温上昇に伴って海面が上昇し、沿岸の海抜が低い地域では今世紀半ばには10億人以上が洪水などのリスクに直面するとも予想しています。
当然、海沿いに資産が集中していますから、被害額は大きくなります。
報告書では、「気候変動は特に最も脆弱な人々に影響を与える」とし、途上国の貧困層の生活が脅かされるとの見方を示してます。
農作物に高温障害などが発生し、海が温まって漁業にも影響を与えます。
熱波の被害も深刻です。
気温が2.7度上昇する場合、世界の65%の都市で、暑さ指数が40度以上という深刻な猛暑日が年1回は発生するといいます。
ロシアのウクライナ侵攻により西欧諸国を中心とした脱炭素戦略は見直しを迫られており、ロシアから4割程度を輸入する天然ガスを石炭からの移行的な熱源として当て込んでいたからです。
仮に単純に石炭を代替として使用し続ければ将来位の気候変動に重大な影響を与えそうです。
2022年03月05日
ビジネスホテル業界
新型コロナの感染拡大でホテル業界の受難が続いています。
インバウンド需要が激減し、余暇を楽しもうという国内需要も剥落し、コロナ前には業界全体で60%を超えていた客室稼働率は30%台にまで落ち込みました。
五輪特需とインバウンド需要の受け皿になろうと、2019年以降、出店ラッシュが続いたのがビジネスホテルですが、五輪開催に伴う建設費高騰の最中に造られたホテルが多いため、その負担が重くのしかかっています。
実際、2019年1月から2021年10月にかけてビジネスホテルの客室は12万室以上も増加していて、その増加率は18%に達し、シティホテル(4%増)やリゾートホテル(9%)を大きく上回っています。
壊滅的なのが、東京五輪特需が期待された東京エリアで、地方では7〜8割の稼働率の地域もありますが、東京は5割程度で推移しています。
ビジネスホテルは宿泊に特化することでランニングコストを抑え、その分、宿泊料金を抑えて稼働率で勝負するモデルとなっています。
加えて今年から、ホテル事業者の返済負担が急増するといいます。
2年間無利息・無担保というコロナ特別融資の返済が始まりますから、もはや『GoToトラベル』の再開といった外的要因に期待するしかないようです。
一方で、コロナ禍でも踏みとどまっているビジネスホテルもあって、そのひとつの要因となっているのが、新型コロナ感染者向け宿泊療養施設としての自治体の借り上げ需要です。
この宿泊療養施設としての貸し出しを真っ先に開始したのが、10万超の客室を擁する業界大手APAグループです。
療養施設としての借り上げには、200室以上でエレベーター2基以上などのさまざまな条件があるようです。
おのずと、小規模なビジネスホテルは療養施設の条件を満たせないため、「業界格差」が生じているといいます。
実は、APAグループは業界内で唯一黒字を維持している事業者で、2020年11月期の純利益は前期比95%減の9.5億円だったのが、2021年11月期は約50億円の黒字となる見込みのようです。
そこには、やはり宿泊療養施設として貸し出した影響がありました。
嬉しい誤算は、療養施設としての貸し出しがリピーター獲得に繋がったことで、新型コロナに感染して初めてAPAを利用された方がその後も利用してくれるようになったのです。
そんなAPAとは対照的に、身売りの話が持ち上がっているビジネスホテル事業者も現れていて、建設費が高騰するなか出店攻勢をかけたため、高いリース料が負担となっています。
インバウンド需要が激減し、余暇を楽しもうという国内需要も剥落し、コロナ前には業界全体で60%を超えていた客室稼働率は30%台にまで落ち込みました。
五輪特需とインバウンド需要の受け皿になろうと、2019年以降、出店ラッシュが続いたのがビジネスホテルですが、五輪開催に伴う建設費高騰の最中に造られたホテルが多いため、その負担が重くのしかかっています。
実際、2019年1月から2021年10月にかけてビジネスホテルの客室は12万室以上も増加していて、その増加率は18%に達し、シティホテル(4%増)やリゾートホテル(9%)を大きく上回っています。
壊滅的なのが、東京五輪特需が期待された東京エリアで、地方では7〜8割の稼働率の地域もありますが、東京は5割程度で推移しています。
ビジネスホテルは宿泊に特化することでランニングコストを抑え、その分、宿泊料金を抑えて稼働率で勝負するモデルとなっています。
加えて今年から、ホテル事業者の返済負担が急増するといいます。
2年間無利息・無担保というコロナ特別融資の返済が始まりますから、もはや『GoToトラベル』の再開といった外的要因に期待するしかないようです。
一方で、コロナ禍でも踏みとどまっているビジネスホテルもあって、そのひとつの要因となっているのが、新型コロナ感染者向け宿泊療養施設としての自治体の借り上げ需要です。
この宿泊療養施設としての貸し出しを真っ先に開始したのが、10万超の客室を擁する業界大手APAグループです。
療養施設としての借り上げには、200室以上でエレベーター2基以上などのさまざまな条件があるようです。
おのずと、小規模なビジネスホテルは療養施設の条件を満たせないため、「業界格差」が生じているといいます。
実は、APAグループは業界内で唯一黒字を維持している事業者で、2020年11月期の純利益は前期比95%減の9.5億円だったのが、2021年11月期は約50億円の黒字となる見込みのようです。
そこには、やはり宿泊療養施設として貸し出した影響がありました。
嬉しい誤算は、療養施設としての貸し出しがリピーター獲得に繋がったことで、新型コロナに感染して初めてAPAを利用された方がその後も利用してくれるようになったのです。
そんなAPAとは対照的に、身売りの話が持ち上がっているビジネスホテル事業者も現れていて、建設費が高騰するなか出店攻勢をかけたため、高いリース料が負担となっています。
2022年03月02日
ロシアの暴走に中国の誤算
ウクライナに侵攻したロシア軍は首都キエフに迫り、戦争は重大な局面を迎えています。
この暴挙を止められなかった西側諸国が外交・安全保障上、被る影響は計り知れないものがあります。
しかし、ロシアと結束を深め、準同盟国の仲を誇ってきた中国も、決して無傷とはならないようです。
昨年以降、ロシア軍がウクライナ国境に集結し始めてから、中国指導部は一貫してプーチン氏の出方を読み誤っていたと思われます。
さすがに全面侵攻はしないだろうと、高をくくっていた形跡が濃いようです。
習氏は2月に、プーチン氏を北京に招き、共同声明に署名し両国の友情には限界がないことを確認しました。
共同声明では、NATOの拡大にも反対し、中国はロシアの安保上の立場に支持を明確にしました。
この3週間後に、ロシアがウクライナに全面侵攻し、世界の「悪者」になると知っていたら、習氏はロシアとの連帯をここまで格上げしなかったはずです。
米政権は過去約3か月にわたり、中国側と6回接触して、ロシアの侵攻準備を示す極秘情報を伝え、ロシアを止めるよう中国に求めるため、異例の措置に踏み切ったといいます。
しかし、中国は本気で、ロシアは全面侵攻しないと油断していたのでしょう。
その傍証として、中国政府は侵攻直後になってから、ウクライナ在住の自国民の退避策に慌てて動き出しました。
退避のチャーター機派遣を発表したのは、全面侵攻が始まった翌日のことでした。
なぜ、習政権はロシアの出方を読み間違ったのか、対立する米国への対抗上、ロシアとの連帯を重視するあまりプーチン氏の危ない野心に気づくのが遅れてしまったのかもしれません。
ロシア侵攻を巡る中国政府の発言も整合性を欠いていました。
王外相はミュンヘン安全保障会議で「各国の主権、独立、領土保全は守られるべきだ」と強調しますが、侵攻が始まると中国はロシアをかばう姿勢を鮮明にし、ロシアの行為を「侵略」と認めていません。
その上で「米国は絶えず緊張を高め、戦争の危険をあおった」と批判し、責任の一端が米国にあるとの見解まで示しました。
この発言などを境に、米政権内では中国への反発と失望が広がったといいます。
米国の中国専門家は「中国がロシアの攻撃を止める可能性は低かったとはいえ、米政権は他の選択肢がなかったため、中国に機密情報の提供まで試みたが、中国政府は米側が中ロ分断を狙っていると解釈し、ロシアに米情報を流してしまった。ロシアの攻撃を『侵略』と呼ぶのも拒否し、米国を非難した。ワシントンではこの危機を巡る米中協力に悲観論が強まっている」といいます。
この暴挙を止められなかった西側諸国が外交・安全保障上、被る影響は計り知れないものがあります。
しかし、ロシアと結束を深め、準同盟国の仲を誇ってきた中国も、決して無傷とはならないようです。
昨年以降、ロシア軍がウクライナ国境に集結し始めてから、中国指導部は一貫してプーチン氏の出方を読み誤っていたと思われます。
さすがに全面侵攻はしないだろうと、高をくくっていた形跡が濃いようです。
習氏は2月に、プーチン氏を北京に招き、共同声明に署名し両国の友情には限界がないことを確認しました。
共同声明では、NATOの拡大にも反対し、中国はロシアの安保上の立場に支持を明確にしました。
この3週間後に、ロシアがウクライナに全面侵攻し、世界の「悪者」になると知っていたら、習氏はロシアとの連帯をここまで格上げしなかったはずです。
米政権は過去約3か月にわたり、中国側と6回接触して、ロシアの侵攻準備を示す極秘情報を伝え、ロシアを止めるよう中国に求めるため、異例の措置に踏み切ったといいます。
しかし、中国は本気で、ロシアは全面侵攻しないと油断していたのでしょう。
その傍証として、中国政府は侵攻直後になってから、ウクライナ在住の自国民の退避策に慌てて動き出しました。
退避のチャーター機派遣を発表したのは、全面侵攻が始まった翌日のことでした。
なぜ、習政権はロシアの出方を読み間違ったのか、対立する米国への対抗上、ロシアとの連帯を重視するあまりプーチン氏の危ない野心に気づくのが遅れてしまったのかもしれません。
ロシア侵攻を巡る中国政府の発言も整合性を欠いていました。
王外相はミュンヘン安全保障会議で「各国の主権、独立、領土保全は守られるべきだ」と強調しますが、侵攻が始まると中国はロシアをかばう姿勢を鮮明にし、ロシアの行為を「侵略」と認めていません。
その上で「米国は絶えず緊張を高め、戦争の危険をあおった」と批判し、責任の一端が米国にあるとの見解まで示しました。
この発言などを境に、米政権内では中国への反発と失望が広がったといいます。
米国の中国専門家は「中国がロシアの攻撃を止める可能性は低かったとはいえ、米政権は他の選択肢がなかったため、中国に機密情報の提供まで試みたが、中国政府は米側が中ロ分断を狙っていると解釈し、ロシアに米情報を流してしまった。ロシアの攻撃を『侵略』と呼ぶのも拒否し、米国を非難した。ワシントンではこの危機を巡る米中協力に悲観論が強まっている」といいます。
2022年03月01日
“地方への潮流”のカギは女性
東京都に入ってきた人数と、出ていった人数の差は去年(2021)一段と縮みました。
男性は、東京から出て行った人のほうが多く、実は、男性は初めての「転出超過」になりました。
一方の女性は、その差は縮まっているものの「転入超過」が続きました。
つまり、東京全体の「転入超過」は、女性によって去年も維持されたと言えます。
次に、東京に入ってきた女性たちの年齢層を見ていくと、20代が52.8%で全体の半数余りに上ったほか、30代が18.8%と、20代・30代で実に70%以上を占める結果となりました。
なぜ、こうした世代の女性たちが東京に多く入ってくるのかというと、女性にとって大学への進学が当たり前となった今、自らのキャリアを大切にしながら生きていきたいと考えている若い女性が非常に増えていることが影響しています。
しかし、大学を卒業したばかりの女性が自己実現できるような魅力ある労働市場が地方には少なく、結果、自らのスキルを生かせる選択肢が多く、多様な働き方もできる東京に、20代前半の女性が集まる傾向が続いているといいます。
人の移動が減ったコロナ禍ですらその傾向は変わっていません。
東京への女性の移動は、1996年に「転出超過」から「転入超過」に変わり、その後も続いています。
一方、女性が多様な働き方をしながらキャリアを積めると評判になっている企業が長野県にあります。
それは「はたらクリエイト」で、ウェブサイトのコンテンツ制作や採用業務など幅広く仕事を請け負い、地方にいながら東京と変わらないITスキルを積める職場環境を整えています。
さらに、子育て中の女性でも隙間時間を生かして働けるようフレックスタイム制や在宅勤務制を導入し、必要なスキルを学べる研修制度も設けたことで、未経験でも働きたいという女性たちが集まるようになりました。
多様な働き方の選択肢を地方の多くの企業が作ることができれば、地方に居続けたい人も増えてくることが実証されました。
住む場所として理想的だと思うのは、都市部か地方か聞いた世論調査では、「都市部」が23%、「地方」が67%という結果になりました。
実際には都市部に人口が集まっている一方で、地方に住みたいと考えている人が多いことがわかりました。
全体では東京に入ってくる人が減り、出て行く人が増えているという、長年続く“東京一極集中”に変化の兆しが現れている状況は、地方にとってはチャンスとも言えます。
そんな今だからこそ、女性が働きやすい職場、自己実現できる環境を地方にもっと整備して、社会の前向きな循環につなげていく取り組みが、人口移動の“地方への潮流”を本格化させるカギになってくるようです。
男性は、東京から出て行った人のほうが多く、実は、男性は初めての「転出超過」になりました。
一方の女性は、その差は縮まっているものの「転入超過」が続きました。
つまり、東京全体の「転入超過」は、女性によって去年も維持されたと言えます。
次に、東京に入ってきた女性たちの年齢層を見ていくと、20代が52.8%で全体の半数余りに上ったほか、30代が18.8%と、20代・30代で実に70%以上を占める結果となりました。
なぜ、こうした世代の女性たちが東京に多く入ってくるのかというと、女性にとって大学への進学が当たり前となった今、自らのキャリアを大切にしながら生きていきたいと考えている若い女性が非常に増えていることが影響しています。
しかし、大学を卒業したばかりの女性が自己実現できるような魅力ある労働市場が地方には少なく、結果、自らのスキルを生かせる選択肢が多く、多様な働き方もできる東京に、20代前半の女性が集まる傾向が続いているといいます。
人の移動が減ったコロナ禍ですらその傾向は変わっていません。
東京への女性の移動は、1996年に「転出超過」から「転入超過」に変わり、その後も続いています。
一方、女性が多様な働き方をしながらキャリアを積めると評判になっている企業が長野県にあります。
それは「はたらクリエイト」で、ウェブサイトのコンテンツ制作や採用業務など幅広く仕事を請け負い、地方にいながら東京と変わらないITスキルを積める職場環境を整えています。
さらに、子育て中の女性でも隙間時間を生かして働けるようフレックスタイム制や在宅勤務制を導入し、必要なスキルを学べる研修制度も設けたことで、未経験でも働きたいという女性たちが集まるようになりました。
多様な働き方の選択肢を地方の多くの企業が作ることができれば、地方に居続けたい人も増えてくることが実証されました。
住む場所として理想的だと思うのは、都市部か地方か聞いた世論調査では、「都市部」が23%、「地方」が67%という結果になりました。
実際には都市部に人口が集まっている一方で、地方に住みたいと考えている人が多いことがわかりました。
全体では東京に入ってくる人が減り、出て行く人が増えているという、長年続く“東京一極集中”に変化の兆しが現れている状況は、地方にとってはチャンスとも言えます。
そんな今だからこそ、女性が働きやすい職場、自己実現できる環境を地方にもっと整備して、社会の前向きな循環につなげていく取り組みが、人口移動の“地方への潮流”を本格化させるカギになってくるようです。