2022年04月30日

文在寅政権の末期症状

日本との関係を悪化させた文在寅大統領の任期があと9日となりました。


文在寅政権は就任直後から、保守派を徹底的に叩き、革新系の成果を自画自賛してきました。

統計データの歪曲で事実を曲げることは日常茶飯事で、こうして文在寅政権が目指したのは、革新系による長期政権の維持でした。

そのため文在寅政権は、ネロナンブル(自分たちがすればラブロマンス、相手がすれば不倫という二重基準)を当然のことのように行ってきました。



文在寅政権には、大統領夫妻を含め、青瓦台や内閣の幹部、民主党の国会議員に選挙法違反、虚偽の経済性評価、不当な土地取引、公金横領や流用、セクハラなど様々な不正や不法行為が取りざたされて来ました。

しかし、こうした不正や不法があっても、その捜査は政権の圧力で握りつぶすか、進行を遅延させてきました。  


過去の韓国大統領や政権幹部の多くは、退任後逮捕され収監されてきました。

特に文在寅政権は保守政権に対する政治報復が激しかったことから、そこで次はわが身と恐れているようです。  


政権を離れるともはや権力で不正をもみ消すことはできませんから、そこで政権の最後の仕事としてやろうとしているのが、検察捜査権完全剥奪法(以下”検捜完剝”法)の成立です。  

しかし、この法案は憲法に違反するとの見解が、大法院(日本の最高裁)から示され、大韓弁護士会などの法曹界、学界から反発が巻き上がっています。

ここまで露骨に自己防衛を図ろうとする文在寅氏と政権の幹部は、自らに不正があったため、捜査、訴追を恐れているということを証明しているようなものです。  


このような強引な手段で自己防衛を図る姿勢に対しては、尹錫悦氏の次期政権としても、黙認することはできないでしょう。
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2022年04月29日

広域停電を防ぐ出力制御

今月、四国電力など大手3電力で初めて、太陽光などの再生可能エネルギーの発電を止める「出力制御」が行われました。

ウクライナ危機などの影響で電気代が高騰する中、燃料費タダで発電できるのにもったいないという声もあります。


今回再エネの停止が初めて行われたのは四国、東北、中国の3つの大手電力管内で、3年前から行われていた九州電力管内からエリアが大きく広がりました。

この出力制御、政府や大手電力は、広域停電を防ぐためと説明しています。


電気は簡単には貯めることができないため、使う量と発電量を同じにしてバランスを保たなければならず、それが崩れると電気の質が悪くなり、発電機が故障を防ぐために自動的に停止、広域停電となってしまいます。

先月東京電力と東北電力管内で初めて需給ひっ迫警報が出され節電が呼びかけられ、この時は地震で発電所が停止していたのに加えて、寒波で電力需要が増え電気が足りなくなってバランスが崩れそうになった
からです。

今回はその逆で、電気が余ってバランスが崩れ停電のおそれがでてきたため、再エネを止めたといいます。



電気が余る要因は太陽光発電の急増です。

東日本大震災のあと、再エネの電気を買い取る制度が始まり、各エリアとも設置が比較的容易な太陽光が急拡大し、これに対して電力の需要は今の春や秋の季節は、冷暖房需要があまりありません。


特に工場の操業などが止まって電力需要が減る土日の昼間に晴れると、電気が余るようになってきましたし、こうした場合国のルールがあり、各社ともまず出力の調整が比較的容易な火力発電の出力を抑えました。


同時に揚水発電所で余った電気で水を汲み上げました。

揚水発電は上と下に池があって、必要なときに上の池から水を落として水車を回し発電できる巨大な蓄電池で、余った電気をここに貯めます。


さらに隣接するエリアに送電線で余った電気を送る「電力融通」を行うなどしても電力が余り、いよいよ太陽光などを止めることになったわけです。


原発については政府は、昼夜を通して発電するベースとなる電源で、出力を短時間で調整することは技術的にも、また地元の了解も必要で難しく、止めるのは最後だと説明しています。


ただこの出力制御は再エネを増やすために、太陽光は天候次第で制御の可能性があることを国が事前に示し、事業者もこれを了解した上で再エネ事業に参入した結果でもあります。

とはいえ再エネ事業者からは、「売電収入が得られないのは手痛い」と困惑の声も上がっています。


これまでは需要が減る夜間に電気が余ることから、多くの電力会社が夜間の料金を安くするプランを提示してきましたが、今は時期によって昼間に電気が余るわけで、そうした時間帯を事前にメールなどで利用者に伝え安く利用できる料金プランができれば、需要を促すこともできるのではないでしょうか。


将来的には余った電気で水を分解して水素でためることも考えられますが、現状有効なのが蓄電池です。

ただ安くなってきているとは言えまだ値段が高めで、広く普及していないので、政府は蓄電池のコストダウンに向けた研究開発を急ぐ必要があります。


さらに長期的な対策として、ほかの地域と電力をやりとりできる送電線・連携線の増強も必要になってきます。
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2022年04月28日

通信が命綱

  ウクライナの通信網を途切れさせない取り組みが、軍事力と共にロシアの侵攻に対抗する重要な役割を果たしています。


  現地の携帯大手3社が通信網を共有できる仕組みを整えるなど、国際世論を味方につける市民や政府の対外発信を支えています。

  侵攻から2か月超持ちこたえているウクライナにとって、通信は西側諸国の軍事支援と並び、抗戦の両輪となりつつあります。


  市民も民間人がロシア軍の攻撃によって犠牲になっている悲惨な戦場の様子をSMSなどを通じてリアルタイムで発信するほか、ロシア兵の位置情報をウクライナ軍に共有するなど、通信網を活用して側面支援を行っています。

  ゼレンスキー大統領は国連や世界銀行、国際通貨基金などにオンラインで演説し、ロシアの国際法違反などを訴え、ウクライナ支援を呼びかけ続けています。



  国際世論の喚起を促す情報戦には、安定した通信環境が欠かせないというわけです。

  通信には基地局や光ファイバーケーブルが必要で、攻撃側は混乱を狙って通信網の寸断を狙うはずです。


  ウクライナで通信が今も安定するのは官民の備えが生きているからだと言われていて、侵攻前から国家の通信インフラやITの基盤強化を進めていたようです。

  立役者はミハイロ・フョードロフ副首相兼デジタル転換相で、年齢は31歳で、オンライン広告会社の起業を経て入閣したといいます。


  民間の事前の備えも功を奏しているようで、通信インフラ攻撃に備え、事故や問題の想定シナリオを立て、ネットワークの帯域幅を広げていたほか、通信量が急に増えた場合の耐性テストもしていました。

  さらに破損に備えて予備の経路を設けるなど、国内外でネットワークを強化していた模様です。

  ロシア侵攻後もウクライナではエンジニアらが通信維持のため前線にとどまり、修復作業で奮闘を続けているようです。


  また、米国を軸とした世界のIT企業も、ウクライナ製畏怖の求めに応じ、通信インフラの確保などで支援に動いています。


  こうした対策により、被害が大きい地域を除いて一定の通信を維持できているようです。



  戦禍の中で、ゼレンスキー大統領が毎日のように全世界に情報発信し、戦争の生々しい悲惨な状況が伝えられている状況を不思議に思っていましたが理解できました。
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2022年04月26日

ロシア人の戦争への意識

ロシア軍の目を覆いたくなるような戦争犯罪が明らかになる中、プーチン大統領は東部で大規模な攻撃を始めようとしています。


国際的な非難が強まる中、ロシアでは80%以上がプーチン大統領を支持しています。

ウクライナ東部ドンバスで戦争の帰趨を大きく左右する戦闘が始まっています。


ロシア軍はこの二つの州を5月9日の対ドイツ戦勝記念日までに制圧しようという思惑とみられます。

プーチン大統領は南部の要衝マリオポリを制圧したと一方的に発表、しかしすでに多くの人命が失われる人道的な悲劇が起きています。


今回の戦争を主導したのはプーチン大統領ですが、では「プーチンの戦争」に対してロシア国民はどのような立場を取っているのでしょうか。

ロシアは戦時統制下での世論調査という限界はあります。


軍の行動について「偽の情報」を流したり、ロシア軍を侮辱したりすれば禁錮最長で15年という法律が施行されています。

リベラルな新聞社が法によって処罰される可能性があるとして、活動を停止する中で、一般の市民が世論調査とはいえ自らの立場を明らかにすることは慎重になるでしょう。

その上で80%の支持についてプロパガンダの影響を指摘しなければなりません。



今回の戦争は紛れもなくロシアによる侵略戦争です。

しかし国営テレビを中心としたプロパガンダでは「ウクライナをネオナチから解放する」「ロシアの安全保障のための戦いだ」といったロシア側の主張のみが流され、ウクライナでのロシア軍の残虐行為についてはウクライナよる偽情報だと伝えられています。


戦争の真実が伝えられていないことが、世論に影響しているのでしょう。



次に欧米の厳しい制裁がむしろロシア世論を反欧米に向けている側面があります。

欧米の経済制裁でロシア国民も都市部の中間層を中心に生活レベルが低下しました。

しかしこのことが今のところは反プーチンには向かわずに逆にプーチン大統領しか頼る柱はいないとして、大統領の支持率も上昇させる結果となっています。


北風に対しては固まるというロシアの防衛本能が示されていますし、戦時の愛国心の高揚もやはり起きています。



今、欧米を中心に国際社会ではロシアへの反発が強まり、ロシア人やロシア文化への敵意さえ強まっています。

ロシアの世論を変えるためにもそれは全く逆効果で、「今回の戦争はプーチンの戦争だ。一般のロシア人とロシア文化は敵ではない。戦争の真実に目を向けてくれ」と粘り強く伝え続けていくことが必要のようです。


ロシアでは、国内にとどまりながら戦争に静かに異を唱える芸術家や歌手などアーティスト、そして知識人がいることも忘れてはなりません。


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2022年04月25日

中国ウナギ、うなぎのぼり

中国でウナギの国内需要が急速に高まっているようです。


習近平指導部の内需拡大策などを受け、世界最大の消費国である日本への輸出量が大幅に減少しています。

中国国内の外食産業で利用が広がり、庶民も高級イメージの強かったウナギを口にする機会が増えました。


中国での人気と消費量の「うなぎのぼり」は、今後の対日輸出に影響を及ぼす可能性があります。


これまで、スーパーなどの店頭に並ぶウナギのかば焼きは日本産のものより3、4割安でも中国産には手を出していませんでした。

しかし、これからは中国産のコストそのものも品薄で高くなるでしょうし、供給量全体が減って日本産も値上がりし、ウナギのかば焼きはなかなか食することができなくなるかもしれません。


ウナギの養殖場やかば焼き加工場が集中する福建省の業者はこの2年間で対日年間輸出量が3千トンから700トンまで減少し、主要販売先を日本から中国国内に切り替えたといいます。

世界最大とされるウナギの国内総生産量の多くは従来、日本向けでしたが、今は6〜7割が中国で消費されるといいます。


日本料理店の高級食材とされてきたウナギを、中国人向けの料理に活用する飲食店も増えているようです。

ウナギギョウザやウナギ火鍋などウナギを使う料理は2021年現在で6万種類を超え、2019年から66%増加し、ウナギを取り扱う飲食店は2年連続で14%以上増えました。


中国人は、「ウナギは高級食材だけどおいしい栄養価が高い。手を出せない金額ではなくなった」といいます。
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2022年04月23日

予備費

政府が新型コロナウィルス対応へ用意したコロナ対応予備費は予算の使い方の不透明感がぬぐえないようです。


予備費は、自然災害や急激な景気悪化といった不測の事態に、政府が柔軟に対応できるよう使い道をあらかじめ定めずに毎年度の予算に計上する費用を指します。

私が現職のころは、災害など不測の事態に備えるもので災害復旧費等に充てられていたように記憶します。


  ところがコロナ対応予備費が加わり、2020年度春以降の補正予算で計9.65兆円をつみ、2021〜2022年度も当初予算で5兆円ずつを計上するなど異例の規模に膨らみました。


そもそも予備費は、使い道は予算成立時に決まっておらず、政府が閣議で決めます。

使い道の事前議決が義務付けられている一般の政策経費と異なり、国会の監視が及びにくく「財政民主主義に反する」との批判は根強くあります。



コロナ対策予算は当初予算と合わせて3年で総額20兆円弱に達し、そのうち12兆3077億円は実際に執行し、国会に使い道を報告されていますが、9割以上は具体的にどう使われたか追いきれないといいます。

予備費の最終的な使い道がつかみにくいのは、予備費に割り振られた省庁が当初予算や補正予算などすでにあるお金と予備費を混ぜて管理するケースが多いからです。


会計検査院でさえコロナ関連をうたう巨額の予算がどう使われたかの全体図はつかめていないといいます。


歳出膨張への危機感が広がっても抑制する道具が欠けているとして専門家は、「お金に色をつけて追跡するには、公会計の在り方自体を見なおす必要がある」指摘します。

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2022年04月20日

エコハウス

冷暖房のエネルギーをあまり使わなくても夏は涼しく、冬は暖かい…、そんな魔法のような家、エコハウスに注目が集まります。


その一例が水戸市にあります。

冬といえ度も家全体が暖かく快適になっていて、ダイニングの南向きの窓から入る太陽の熱が黒っぽい床のタイルに蓄えられ、家全体がしっかり断熱されています。

窓のガラスは三重で、サッシは熱を伝えにくい木製で、屋根や床下、壁には厚い断熱材が入っています。

家の気密性も高めていて、高気密の住宅は寒気が大切ですが、中の暖かい空気を排出する際、その熱で外から取り入れた空気を温める熱交換器システムが導入されています。


徹底した断熱は夏にも生きており、2階に設置した6畳用のエアコン1台の冷風で延べ床面積107m2の家全体が涼しくなるといいます。

専門家は、まずは断熱など器としての住宅性能を上げることが大切といいます。



環境先進国ドイツで作られた厳しい省エネ基準を達成する高性能エコハウス、「パッシブハウス」も各地で誕生しています。

家の基本構想は水戸の家とほぼ同じで、十分な断熱・気密性能を持ち、熱交換型換気システムがあります。

パッシングハウスは専用ソフトを用いて設計段階から日射量や通風量など様々な要素を考慮し、年間の省エネ度合いを計算して建てます。



また、水の力を生かす「エクセルギーハウス」もあります。

この仕組みを使った家の特徴は、床下に設置されたウォーターベッドのような雨水タンクと屋根の上の太陽熱温水器です。

夏はタンクにためた雨水を屋根裏に送り、そこに貼られたガラス繊維を湿らせ、屋根裏は風が通る設計にして、風によって水分が蒸発する際に気化熱を奪い、今度は家の温度を下げます。



エクセルギーハウスを考案した専門家はその特徴を「窓を開けて暮らせる時間が長い、日本の風土に合ったエコハウスだ」と話します。


このようなエコハウスは、光熱費の節約になるばかりか、家の中が快適になることで、住み手の健康や心にも+面があるといいます。

地球温暖化防止の観点からも大いに注目されており、こうした仕組みづくりをまちづくりや地域の活性化も役立てようとしているようです。

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2022年04月19日

佐々木朗希投手

28年ぶりにオリックス戦で完全試合を達成したロッテの佐々木朗希投手ですが、一昨日も日本ハムを相手に8回を無走者で退けました。

無走者行進は3日の西武戦から数えて打者52人に及び、内三振が34個となっていますから、プロのトップ選手容易に前に飛ばせない球の魔力に球場のファンも驚きです。

快投を通り越して底知れぬ投手としての力量に、まだ20歳ですからこれからの彼の野球人生が楽しみです。



昨年のパリーグ首位打者で、三振26個は両リーグ最少であった吉田選手は、「接点がなかった。まっすぐで待っていたらフォークがストンと消える」といい、3三振を喫しました。

かつて打率4割に最も近い打者と言われた日本ハムの近藤選手も3打席2三振に退けられています。



カギはボールの角度にあると言われ、佐々木選手は190センチの長身ですから2階から剛速球が投げ込まれる感じかもしれません。

同一平面から投げられた球がくると線でとらえることが可能ですが、上から来ると点でとらえるしかなく、佐々木投手の球の威力がありますから、吉田選手が言っていた接点がなかったことに通じます。


フォークも高速ですから、打者にボールを見る時間が与えられません。

だから、「消えた」ということになります。



完全試合を達成したオリックス戦に続き、一昨日も8回まで14奪三振のパーフェクト投球を披露しましたが、102球と球数もかさみ、疲労が見られたため8回限りで降板しました。

このことに対して、ワイドショーでは無責任な発言も見られましたが、野球をわかった人からは日本ハム戦で、完全試合を継続していた佐々木朗を8回で降板させたベンチの判断を称賛する声を多く聞くことができました。


それにしても、ロッテの選手の育成方針がいいのでしょう。


これまでは、佐々木投手は順調に育ってきているようですが、大谷選手に次ぐ大リーグでの活躍が期待できますから、これからも大きく育てていってほしいものです。
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2022年04月17日

「ラン活」過熱

来春入学の子ども向けのランドセル商戦が早くも本格化しているようです。


高級品の人気や原材料の値上がりで、2021年の平均購入額は前の年から3.2%増の約5万5千円ということで、物価高で家計が圧迫される中、教育費の高騰に不安が広がっています。

ランドセルの平均価格は上昇傾向が15年間続いており、アンケート結果からすると平均購入額は5万5339円で、最も高い価格帯の「6万5千円以上」とした人が最も多く、全体の3割を占めました。

どうも、少子化で減った孫に、祖父母が高額品を買い与える風潮があるようです。


それに加え、高級品向けの天然革の価格や職人の人件費などが上昇し、新型コロナウィルス禍からの世界経済の急回復に伴う資源価格などの高騰を受け、石油などを原料とする人工皮革の価格も上がったようです。

ロシアによるウクライナ侵攻や円安も重なり、材料価格がさらに高騰する可能性もあります。


義務教育の必需品の値上がりは、生活に余裕がない家庭を直撃し、高級志向も続き、ランドセル不要論にもつながりかねない問題で、自分たちの首を絞めかねない問題だと業界には危惧する声も聞こえます。



一方で、自治体が支援する動きが出てきており、埼玉県秩父市では2023年度入学の新入生に最大5万円の購入補助金の支給を検討しているようで、保護者の意見も踏まえ最終的には現物支給になる模様です。

大人の格差社会を義務教育に持ち込みたくないという思いからのようです。
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2022年04月15日

米国の思惑と異なるインドの振る舞い

バイデン米政権にとってインドの存在が重荷になり始めています。

「非同盟」「全方位外交」を掲げるインドは、対中同盟の構築に否定的ですし、ウクライナ危機でも国連のロシア非難決議に際して棄権し、経済制裁にも参加しておらず、日米豪印4カ国の枠組み「クアッド(Quad)」のなかでも米欧日との温度差が目立っています。



インドはロシアのウクライナ軍事侵攻後、経済制裁のため値下がりしたロシア産原油の購入を増やし、3月だけで昨年(2021年)1年間の半分に近い1300万バレルを輸入したと伝えられています。輸入価格は約20%もの大幅な割引で、決済はドルではなく、インドルピーとロシアルーブルを使うようです。

バイデン大統領がインドにいら立ちを募らせているのは、金融制裁や最恵国待遇の取り消しなど「史上例を見ない」対ロ経済制裁が思うような効果を発揮していないことに加え、アメリカが自陣営と位置づけるクアッドから“制裁破り”が出るのを放置すれば、同盟・友好国に示しがつかないからです。



国連総会が緊急特別会合を開いてロシア非難決議を採択した際、インドは中国とともに棄権に回り、侵攻後から段階的な強化が続くロシアへの経済制裁にも加わっていません。

理由としては、1947年にイギリスからの独立を果たしたインドは、旧ソビエト連邦の社会主義計画経済をモデルに経済体制を築いた経緯があることが挙げられます。

さらに、インドが現在、戦闘機やミサイルなど兵器・軍事物資の約半分をロシアからの輸入に頼っていることも大きいようです。

2021年12月にはロシアのプーチン大統領がインドを訪問し、10年間の軍事協力計画に調印しています。

また、ロシアへの経済制裁に加われば、中国と(ロシア)の接近をあと押しする結果を招きかねないとも考えているようです。



これまで、日米とG7では一致した対中政策がスムーズに展開されましたが、2021年3月に開かれたクアッド首脳会議は、非同盟のポジションを貫くインドに配慮し、共同声明でも中国への批判を一切封印しています。


日本政府はインドの「説得役」を担い、同首脳会議の前日には当時の菅首相がモディ首相とオンラインで会談したものの、結局は中国批判を封印する結果となりました。

岸田首相も2022年3月19、20日にインドを訪問し、対ロシア政策で共同歩調をとるよう呼びかけましたが、モディ首相は共同記者会見でロシアを直接的には非難せず、対中包囲網の強化についてもインドを動かすには至りませんでした。



バイデン大統領は、中国・ロシアとの争いを「民主対専制」と位置づけ、アメリカ主導の国際秩序の再構築を目指しています。

一方、中国やロシア、インドなどは冷戦終結を経てアメリカの一極支配構造が崩れ、世界は多極化に向かっているとみています。

アメリカとインドの間には、そうした国際秩序をめぐる根本的な認識の違いがあるようです。



今回の米欧主導の対ロシア経済制裁についても、現時点で同調するのはG7やEU加盟の欧州諸国など計33カ国にとどまり、とりわけアジアでは日本、韓国、シンガポールの3カ国で、圧倒的な少数派です。

経済制裁を「国際社会全体の意思」とみるのには無理があり、米中対立を冷静に見つめながら均衡点を模索するASEAN加盟国の大半は、非同盟を貫くインドの姿勢を共有します。


したがって、「民主対専制」の二元論から中国やロシアを排除しようとするアメリカの試みがアジアで成功する可能性は低いようで、それはアジアの一員として日本が自覚すべき重要なポイントのようです。
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2022年04月14日

SNS映え

SNS映えする写真を撮ろうとして、地域でトラブルとなっているケースがでています。


東京湾アクアラインの最寄りのインターチェンジから10分ほど車で走ると、千葉県袖ケ浦市にあるヤシの木が約100本植えられた海岸沿いの道路が見えてくるようです。

この道路はアメリカ・カリフォルニアにいるような開放的な気分が味わえる場所として、「千葉フォルニア」と呼ばれています。

SNSで「#千葉フォルニア」と調べると、自慢の車やバイクと一緒に映る多くの画像が投稿されています。

晴れていれば、本来ならば青い海と空にすっと伸びたヤシの木の様子が映えるはずなのですが、木の幹には「路上駐車禁止」「危険行為禁止」とぎょうぎょうしい文字の大きなシートがまかれ、“SNS映え”スポットが“映えない”場所に一変しているといいます。

「千葉フォルニア」が映えない場所に変わってしまった原因こそが一部のルールを守らない撮影行為で、SNS映えする写真を撮ろうと多くの人が路上に出て撮影する危険な行為が目に余ると付近の工場などか
ら苦情が相次いだようです。

こうした事情から袖ケ浦市は、交通の安全を確保するために警告のシートを使いあえて“映えない”場所にしてしまいました。



撮影者の行動が問題になっているのはほかにもあるようです。

埼玉県幸手市の県営権現堂公園は、約1000本のソメイヨシノと2万4000平方メートルに植えられた菜の花のコントラストの美しさで知られています。

公園では生育環境と景観を守るために、菜の花畑への立ち入りを禁止していますが、SNSに投稿された写真では、園内放送で立ち入り禁止が呼びかけられる中、多くの人が菜の花畑に入っている様子が写っていました。



また、大阪・箕面市にある橋がきれいな夜景が見られるとSNSで話題となりましたが、今では“映えなくなった”せせらぎ橋となっており、深夜に訪れて騒いだりゴミを放置したりする人が出てきたため、SNS映えしないようにする柵などが置かれたもようです。



多くのCMのロケ地になっている北海道美瑛町では、過去の苦い経験を糧にした取り組みが進んでいます。

「畑看板プロジェクト」を立ち上げ、周りに立ち入り禁止の看板ではなく、ベストショットが撮れる場所を知らせる看板を設置しました。

看板には農家のSNSアカウントや農産物を販売するECサイトへリンクするQRコードも掲載し、美瑛町の美しい景観が、1人1人の農家の営みの積み重ねであることを感じてもらい、畑を守ることや収益につなげたいと考えたといいます。



注目を浴びるということは、言い方を変えればビジネスチャンスにもなるわけで、ネガティブな面だけに目を向けるのではなく、観光客が来るメリットを農家が享受する仕組みが作った例です。

きれいな景色や歴史的な建造物を撮影できなくなることは写真家が自分で自分の首を絞めることになります。

観光で経済的に潤うことや記録として後世に伝えていくことなど、写真が持つさまざまな可能性を潰してしまいます。

美しい被写体には、必ずその美しさを守っている人がいます。

その人の思いを忘れずに、1人1人がマナーを守って撮影を楽しんでほしいということです。
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2022年04月12日

量子メス

量子メスが実用段階に近づいてきました。

小型で高性能の重粒子線がん治療装置で、放医研(現在の量子科学技術研究垂髪機構QST)で我が国最初の重粒子線によるがん治療が開始された「第1世代」の装置が実現して以来、第2、第3世代も実用化され、第4
世代以降を量子メスと呼ぶようで、注目されています。


ちなみに、鳥栖にあるサガハイマットは「第3世代」と呼ばれ、当初よりも施設が改良されコンパクトになってきています。



量子は粒子と波の性質を併せ持つ原子レベル以下の物質やエネルギーの単位のことで、量子メスは炭素などのイオンを加速してつくるビーム「重粒子線」でがんを攻撃します。

メスで腫瘍を除去する手術になぞらえたほか、小型で扱いやすい装置にする狙いで名付けられたといいます。


QSTでは今夏にもQST病院で新棟の建設に着手し、3〜4年かけて整備する方針です。



重粒子線を使った治療は全国で7施設ですでに行われていまが、他の放射線治療に比べて多くの利点があ
ります。

がんの病巣をピンポイントで狙い撃ちし、正常な細胞へのダメージを最小限に抑えられるため副作用が少なく、エックス線などが難しい骨・軟部肉腫や頭頚部のがんに有効です。

攻撃力が高く、エックス線は20〜40回の照射が必要なのに対し、重粒子線は平均12回ほどで済みます。

2016年に公的医療保険の適用が始まって以降、対象となるがんの種類も増えており、早期発見が難しいすい臓がんなどの治療法としても期待が大きくなっています。



今夏に建設が始まる第4世代の装置は面積が25m×14mとなり、第3世代の60m×45mに比べて大幅にコンパクト化されますし、建設コストも半額程度に抑えられそうです。

また、量子メスでは従来より重粒子線治療の効果を高めることも目指しており、「マルチイオン照射」呼ぶ手法で、がんの悪性度に応じてヘリウム、酸素、ネオンのイオンを使い分けることができるようです。


重粒子線を含む「粒子線治療」の世界市場は年平均9.2%のペースで成長し、2027までに約20億ドルに拡大する見通しといい、がん患者の増加を背景に、この有望な治療法を求めるニーズは世界でも大きいようで
す。


ですから、技術開発の面で、量子メスの実現を通じて日本の技術は世界に重要な貢献を果たすことができるか、かつての輝きを失ったイノベーション総出力が改めて問われているように感じます。


その一方で、我が国の医療界の実態からすると、まだまだ重粒子線治療に対する評価が必ずしも十分に高まっていない中では患者数は限られており、採算面では施設が乱立すると成り立たなくなります。
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2022年04月10日

フード・マイレージ

フード・マイレージというのは、食べ物の輸送量に輸送距離を掛け合わせた数字を言います。

例えば、20トンの食べ物を50キロメートル運んできたとすると20×50で1000トン・キロメートルというふうな計算になります。


この数字が分かれば、輸送時に排出される二酸化炭素の量を予測しやすくなります。

そして、自分たちがどういう食べ物を選ぶかということが、実は地球環境問題とも関わっていて、フード・マイレージの大きさだけを比較することで、ある程度は分かってきます。



韓国、欧米などと比べて、日本のフード・マイレージの値が突出して大きくなっていて、理由は大きく分けて2つあるようで、量もそうなんですけれども、輸送距離が非常に長いというのがあります。

ヨーロッパは基本的に陸続きですので、そういった陸続きの近くの国からの輸入が多いですし、アメリカも実はメキシコとかカナダとか陸続きの近隣の国からの輸入が多いということになります。



もうひとつの理由は、穀物や食用油の原料の輸入が多いことです。

人が食べる小麦よりは家畜のエサで、アメリカ産のトウモロコシですとか、あと大豆や菜種というのも相当輸入量が多く、これも大豆や菜種をそのまま食べるわけではなくて、多くは食用油の原料になります。


日本人の食生活が戦後半世紀ぐらいかけて、まずお米の消費量が半分に減りました。

食生活が洋風化し、代わりに畜産物ですとか、食用油の消費量が何倍にも増えています。


地理的条件もさることながら、食生活の変化もすごく大きな背景といえます。



では、どうしたらフード・マイレージの値を減らせるのか。

その方法のひとつが地産地消です。

同じようなメニューであっても同じようなお料理であっても、なるべく国産とか地産地消にこだわったものを選ぶことで、見た目は変わらないし栄養素とかおいしさもそれほど変わらないものの、実は環境との関わりという面では非常に大きな差が出てくるということです。


食料の輸入を減らせば、輸送時の二酸化炭素の排出量を減らせるだけではなく、生産地の環境を守ることにもつながるということです。


世界全体で水不足といったことが言われていますし、地球温暖化、気候変動の中で生産条件に産地でもいろいろ問題が出てきています。

そういった中で、大量の食料を海外に依存しているということは、逆に言えばそういった海外の十分ではない、乏しい水資源や農地を使って生産されているものをどんどん輸入しているということになります。

水は比較的日本には豊かにありますので、もっと国内の資源を使うことによって国内生産を増やす、つまり自給率を上げることが、地球環境面でも望ましいわけです。



農林水産省によりますと、令和2年度の日本の食料自給率はカロリー基準で37%でしたが、フード・マイレージを意識することで食料自給率の向上につながるほか、食生活について見直すきっかけにもなると考えられます。


自分自身の健康のためでもあり、同時に自給率の向上にもつながるし、さらにはフード・マイレージの削減を通じて地球環境の健康にも直結している問題だと意識する必要があります。

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2022年04月09日

中古クラブ人気

ゴルフクラブの中古品が値上がりしていて、平均単価は新型コロナウィルス禍前に比べ2割近く高いといいます。

部材不足や海上輸送網の混乱で入手困難な新品もあって、コロナ禍によるプレーヤー層の変化や供給制約が価格を左右しています。

中古品は劣化度合いなどにもよりますが、新品に比べ2割以上安い例も珍しくありませんでしたが、最近は高級クラブでなくても新品とほぼ同じ価格帯のものも目立つようになってきました。



ゴルフは3密を避けられるとあって、気楽に始める若い層が増えているようです。

リモートワークの浸透などで現役世代も時間の融通が利きやすくなり、土日祝日より割安な平日を利用しやすくなっています。


若者にとって食事やカラオケ、旅行といった娯楽の代替になっているようです。

屋外だしストレス発散にもなっています。


都内在住の30代女性は休日のゴルフが新たな楽しみとなっているようですし、都内の練習場は平日昼間でもほぼ満員となることが多いといいます。


若者のゴルフ人気は会員権相場にも影響していて、ゴルフ場の予約を取りづらくなり、会員権を買いたいシニアが増えています。



コロナ禍で始めた趣味は、いつ飽きるかわからないこともあり、新品で買いそろえるのではなく、まずは中古からという人も増えていて、若者のプレー人気が続く間は、中古クラブの値上がり基調は続きそうです。

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2022年04月08日

ロシアの世論統制

軍事侵攻から1か月がたった先月下旬、「レバダセンター」が行った世論調査でロシアのプーチン大統領の支持率が83%と、およそ4年ぶりに80%を超えました。

これに対する見立てとして、ロシアにある独立系の世論調査機関「レバダセンター」で長く所長を務め、ロシア社会について独自の分析を続ける社会学者としても知られるレフ・グドゥコフ氏の意見を紹介します。



まずその背景について、「支持する人の多くは高齢者や地方に住む人たちなどで、彼らの唯一の情報源となっているのが政権のプロパガンダを伝える国営放送だ」と述べ、多くの人が国営メディアで伝えられることが事実だと政権の意図をすり込まれているためだと指摘します。

そのうえで、「国民は戦争を望まず恐れていた。だからウクライナの『非ナチ化』ということばを作る必要性が出てきた。実際、ナチズムやファシズムということばを使って相手を批判するやり方はロシア社会をまとめるうえで効果的だ。こうした表現や、うそを並べ立てた大衆の扇動がプーチン氏の政策を支持させるために不可欠だとみているのだろう」ということです。



プーチン大統領がウクライナのゼレンスキー政権を一方的にナチス・ドイツになぞらえ「非ナチ化」の必要性を繰り返し強調するのは、国民向けに軍事侵攻を正当化するためだと分析します。


ウクライナで2013年、ロシア寄りの政権への市民の抗議活動が起きる前はEU加盟を目指すウクライナに対して、「ロシアは干渉すべきでない」という意見が75%に上ったのに対して「武力も含めて断固阻止すべき」という回答は22%だったということです。

しかし「『アメリカが主導する形でウクライナの東部や南部でロシア系住民の安全が脅かされている』というプロパガンダが語られると状況は一変した」といいます。

そして、プーチン政権によるプロパガンダと情報統制の結果、政権が「特別な軍事作戦」と称するウクライナ侵攻を事実上受け入れる世論が形成されたと指摘します。



またプーチン大統領のこうした考えの原点についてグドゥコフ氏は「ロシアのファシズムだ」と表現し「強制力や権力の集中に依存し特殊機関の職員を社会の要職に配置することで経済や教育、宗教まで管理を強化しようとしている」と分析します。


そしてプーチン大統領が旧ソビエトの情報機関KGB=国家保安委員会の出身であることを強調します。

そのうえで、「軍の司令部などと手を組みおそれられる強力な国家を夢みている。怖いからこそ尊敬される国家だ。『恐怖による支配』こそが国家を形成すると信じていて『核兵器を保持している』ことが世界から尊敬される理由になると考えている」と指摘しました。
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2022年04月07日

高齢者の受診控え

新型コロナウィルスが感染とは別の健康問題を引き起こしているようです。

感染で重症化の恐れがある高齢者は、外出を避け病院通いを控えています。


身体機能の回復を図るリハビリテーションや認知症治療を受けた患者は、コロナ前に比べ2〜3割減ったといいます。

コロナ感染者数が落ちついていた昨年の12月には運動器リハビリの受診者数は1年前の同月比で4%減まで戻りましたが、認知症薬の処方患者数は同11%減、白内障の患者は同17%減と低水準のままです。


認知症薬は服用を辞めると徘徊や不眠など、行動・心理症状が悪化する場合があるといいますから、介護する家族の負担が増えます。

白内障も発見が遅れれば、治療が長引いて身体機能が衰えることもあるといいます。

このように、身体の衰えや認知症は放置すると、健康で暮らせる期間(健康寿命)を短くする懸念があります。



過去には平均寿命が広く使われてきましたが、寝たきりや要介護とならずに自立して生活できる期間を延ばすことが大切だと考えられるようになり、今では健康寿命が重視されるようになりました。


健康寿命を延ばすためとして「フレイル(虚弱)」が注目されています。

フレイルは健康な状態と要介護状態の間に位置しており、身体機能や認知機能の低下がみられる状態を指します。

早期に発見して適切な取り組みを行うことで進行を妨げるため、国もフレイル予防に向けた取り組みを進めています。


2020年度の国全体の医療費は前年度比3%減と過去最大の減少幅となりましたが、これは高齢者中心に受診控えが起きたためで、新型コロナが収束すれば反動が起きる可能性は大きくなります。

受診や利用控えは健康寿命を短くするリスクがあるだけでなく、その後の医療費や介護対策費の増加にもつながるようです。

posted by 川上義幸 at 06:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2022年04月05日

保育園“留学”を絡めた新たなワーケーション

地方の観光地などでテレワークをして働きながら休暇も楽しむのが「ワーケーション」ですが、普通のワーケーションとは一味違ったユニークな仕組みが出てきました。

それは「保育園留学」を絡めたワーケーションです。



これを行っているのが道南の厚沢部町で、保育園留学は1週間から3週間、移住体験をしながら、町内唯一の認定こども園「はぜる」に子どもを一時的に預けられるもので、町が民間と連携して実施している事業です。

利用の際には、例えば大人2人と子ども1人が2週間利用する場合、宿泊費も含めて17万円など、大人や子どもの人数、それに滞在期間に応じて料金が設定されています。

このように利用料はかかりますが、去年11月の開始以来、すでに首都圏を中心に100を超える家族が応募しています。


首都圏だと保育園がビルの中にあったりだとか、公園などの遊ぶ場所がなかったり園庭がないということで、子どもたちは伸び伸び遊ぶことを楽しんでいます。

また、このこども園にふだんから通っている町内の子どもたちにとっても、外部から新しいお友だちが来ることで、ふだんとは違う刺激があり、受け入れる側にとっても良い影響があるといいます。


これまでのワーケーションだと、例えば2泊とか3泊というのが多くて、それだと旅行の要素、バケーションの要素の方が大きくなってしまいがちですが、2、3週間の中長期で滞在ですと、厚沢部町の自然を含めたいろんな環境の中でふだん暮らしができるという意味では、期間の長さも好評のようです。



厚沢部町が保育園留学を始めた背景にあるのが過疎化の問題で、人口減少に歯止めをかけようと、町は対策の1つとして平成22年(2010年)に移住体験を始めました。

これまでにおよそ700人が利用したということですが、利用者のほとんどが高齢者で、移住につながった人は1人もいないということです。


こうした中、転機となったのが、コロナ禍での働き方の変化です。

テレワークが定着し、ワーケーションが広がる中、子どもの一時預かり制度と移住体験を結びつけることにしたようです。


ワーケーショは、いろんなところでやっていますが、子供の面倒を見ることが課題となっていたところに保育園留学がはまった感じです。

地方ならではの体験ができるのも保育園留学の特徴の1つで、地元の農家での収穫体験など貴重な経験をさせることができることもあります。


コロナ禍で新たな形のワーケーションを提示し、逆にチャンスを生み出した厚沢部町ですが、今後は、
いかに移住や定住につなげていくのかが問われることになりそうです。
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2022年04月04日

政情不安定が経済活動へ及ぼす影響

東南アジアの新興市場として期待され、企業がこぞって進出した国「ミャンマー」ですが、成長を続けてきた経済は、去年のクーデター後、大幅なマイナス成長に陥りました。


軍が実権を握り、ビジネスの公正さを失った今、ミャンマーに投資をした企業は、一転して経営上のリスクに直面しています。



ミャンマーはクーデター前、「アジア最後のフロンティア」とも呼ばれていました。

2011年以降、民主化の進展に伴い経済改革やインフラの整備を進めてきたことで外国からの投資が増加し、人口の増加も見込まれるとして、日本からは400社以上が進出しました。

最大都市ヤンゴン近郊にある「ティラワ経済特区」は、日本の大手商社が参画して開発した大型の工業団地で、自動車メーカーのトヨタ自動車やスズキなど多くの日系企業が工場を構えています。

2010年代半ばには小売業や金融業なども次々と進出を発表し、ミャンマーブームとも言える状況になっていました。

日本をはじめ外国企業にとってミャンマーは、順調な経済成長が続く有望な新興市場になるはずだと広く信じられていました。



ところが、順調だった事業は突如、暗転したきっかけは、2021年2月1日のミャンマー軍によるクーデターです。

軍は、国家顧問として民主的な政権を率いていたアウン・サン・スー・チー氏を拘束し、クーデターに反対する市民の抗議活動を弾圧しました。


企業価値の低下というリスクに直面した会社にとって、事態を打開できる唯一の選択肢が「ミャンマー市場からの撤退」だったのです。

政情不安を背景に通貨「チャット」が主要通貨に対して売られ、ガソリンなど輸入品の価格が高騰し、市民の暮らしは苦しさを増しています。

さらに、成長のエンジン役だった外国からの投資も冷え込んでいます。


世界銀行はミャンマーの経済成長率が、去年9月末までの1年間はマイナス18%まで落ち込んだ上、ことし9月末までの1年間もプラス1%にとどまると予想しています。

ミャンマー経済は、長期停滞のおそれが出ています。

「撤退」を決断した例はまだ少数で、大手企業のうちトヨタは新工場の稼働開始を「延期」しているほか、建設会社のフジタ、東京建物などがヤンゴンに建設中の複合施設について工事を「中断」している状況です。



国際社会の批判をよそに実権を握り続けるミャンマー軍と、それに翻弄される企業…新興市場のビジネス環境が、想定外の事態で一変してしまったという点では、ウクライナに軍事侵攻し、欧米や日本から経済制裁を受けるロシアへの進出企業もまた、同じ悩みを抱えているといえます。


コロナ禍での世界的な物流網の混乱などに加え、各国の政治情勢の急速な変化も、企業の海外戦略にとって無視できないリスクとなっているようです。
posted by 川上義幸 at 17:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2022年04月02日

アジアの優等生で新規感染拡大

これまで新型コロナウィルスの感染拡大を抑え、「優等生」とも称されたアジア諸国で感染が急速に拡大しています。



厳しい「ゼロコロナ」政策を採用している中国では3月28日、1日あたりの新規感染者数が6886人となり、武漢で感染爆発が起きた2020年2月以来の高水準となっています。

事実上の都市封鎖が相次いでおり、吉林省長春市の豊田自動車や遼寧省藩陽市の独BMW、上海市では米テスラの工場が停止しています。

上海ディズニーランドも休止が続き、経済への打撃は鮮明になっています。


感染者が多い地域の間を移動するとホテルで14日間の程度の隔離をされる場合が多く、出張や旅行は難しくなっています。

中国では人口の約9割がワクチンを接種していますが、国産品しか認可されておらず、中国製ワクチンは米ファイザーや米モデルなよりも効果が低いといわれています。



韓国では16日に62万人の新規感染が確認され、1日で人口の1%超が感染する事態となりました。

累計感染者数も1200万人を超え、人口の23%に相当します。

60歳以上の89%がブースター接種を完了し、ワクチン接種率の上昇にともなって政府は飲食店の営業制限など各種規制を段階的に緩和してきました。


9日の大統領選前後の各地で大規模な集会が開かれたことが感染急拡大の一因とされています。

日本と同様に、足元ではワクチン接種が遅れた未成年の感染が増加傾向にあります。



一方ベトナムは、旧正月(テト)明けの2月初旬から新規感染者が急拡大し、ピークの3月中旬には新規感染者が7日間平均で1日30万人近くに達しました。

2回のワクチン接種を終えた人の割合は約8割で日本並みですし、追加接種を終えた人の割合も約5割に達しています。


比較的効果が高いとされる欧米製のワクチンが中心で中国製のワクチンは2割強にとどまりますが、それでも足元で東南アジアで最大規模の感染国になっています。



日本でも、リバウンド傾向がみられ、今しばらく自粛が必要のようです。
posted by 川上義幸 at 08:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記