2023年01月31日

中国との距離感

  昨年10月、バイデン米政権は、半導体製造装置の対中輸出規制の適用対象を大幅に拡大する一連の包括的な措置を発表しました。

  これには米国の半導体製造装置を使って世界各地で製造された特定の半導体チップを中国が入手できないようにする措置が含まれています。



  商務省は半導体製造装置メーカーのアプライド・マテリアルズ(世界トップ)、ラム・リサーチ(同3位)、KLA(同5位)に文書で輸出制限も通知しました。

  12月に入り日本とオランダは、先端半導体製造装置を対象とした米国の対中輸出規制への参加に基本合意していて、米国の規制を効果的なものにするには東京エレクトロン(同4位)とオランダのASMLホールディング(同2位)の参加を必要としていたからです。  


  他方、半導体製造装置の金型などをつくる工作機械に輸出規制はありません。

  2022年の工作機械受注額は推定1兆7596億円(前年比14.2%増)です。

  1月から11月実績までの工作機械受注額は1兆581億円のうち中国は3473億円と全体の約3割を占めていて、ちなみに米国は2853億円、EUは1621億円となっています。  



  日本の最大の貿易相手は、米国ではなく中国です。

  衣料品、情報・家電製品から100均の雑貨商品まで、いまでは多くの商品が「メード・イン・チャイナ」で、日本が中国製品を「爆買い」しているのが現状です。  


  一方、訪日観光客が約3188万人と過去最多だった2019年でいうと、中国から959万人、香港から229万人と合わせて全体の3割を占めていました。米国からはというと172万人、欧州連合からは198万人です。



  工作機械受注額の約3割は中国、訪日観光客の約3割も中国人というように、中国とのつながりは密接です。

  日本政府は、対中国を念頭に防衛費を増額する方針を打ち出しましたが、輸出も観光も日本を支えるのは中国というわけで、中国との距離感をどのようにするか難しさを感じます。


  だからこそ、安倍元総理は20年4月に習近平国家主席の国賓としての来日を中国と協議していたと思われますが、このことに対しては賛同できません。


  中国はゼロコロナ政策の転換で、春節は4年ぶりに行動制限のない連休となりました。



  世界銀行は最新版の「世界経済見通し」で、今年の世界経済成長率の見通しを6カ月前の3%から1.7%に引き下げました。

  これは、ここ30年で3番目に低い成長率で、国・地域別では、欧州連合0.0%、米国0.5%、日本1.0%に対して、中国は4.3%です。


  世銀は、今年の中国経済が世界経済の成長に、より大きな貢献をすると予測している一方、地政学リスク状の中国の脅威も気になるところです。
posted by 川上義幸 at 18:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月30日

「手書き」手帳

  「手書き手帳」が世界で人気となっているようです。

  時間管理はスマートフォンという時代になぜ紙の手帳かと思われますが、デジタル一辺倒ではなく、アナログが共存する時代なのかもしれません。

  デジタル機器は情報を共有するのに便利ですが、人には共有できない、したくないものがたくさんあるということでしょうか。



  ネットサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の運営や生活関連商品の開発販売を手がけるほぼ日は、売上高が前年同期比2割増、営業利益が5割増となっているようです。

  その好調の業績の背景には海外市場の拡大があり、同社の売上高の7割を占めるのが「ほぼ日手帳」というわけです。



  ほぼ日手帳は1日に1ページを当て、利用者は行動記録だけでなく自分の感情や思いつきも書き込めます。

  字は汚くても自信が読めればよいわけで、文字の乱れや予定を消した線も心の記録となります。

  1年が終われば自分だけのコンテンツが完成することになります。

  利用者が自分の使い方を教え合いコミュニティをつくるようになり、海外も同じだといいます。



  スマホだけでは何かが足りず、世界に広がるそんな思いに新型コロナウィルス禍が重なりました。

  外出や会食が制限され、皆自分と向き合う時間が増えたことでそのように思いにつながったのかもしれません。


  コロナ後は自粛の反動で派手な消費が注目されがちですが、内省的で思慮深くなった一面も、この手帳には追い風になったようです。



  欧米にも手帳はありますが、海外はもともと文具自体の種類が少なく、日本はじつは文具大国といえます。

  子どもイラスト入り文具に始まり、もって楽しく、感情入りの対象にもなる文具は、繊細で小さいものをめでる日本ならではの存在といえます。
posted by 川上義幸 at 21:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月29日

サウナで地域おこし

「サウナブーム」を地域活性化に生かそうとする動きが加速してきたようです。

サウナを目的とした旅「サ旅」や前後に楽しむ食事「サ飯」など関連消費も広がり、山梨県や大分県など力を入れる自治体が相次いでいます。



人口10万人当たりのサウナ数が最も多い山梨県では、サウナを観光資源に育てる「やまなし自然サウナととのいプロジェクト」がスタートしました。

サウナや組み立て型プールなどの購入費として最大20万円を補助し、キャンプ場など23社が新規導入しました。

特設ホームページを設け、アウトドア名を紹介するほか、「サ飯」を動画でリポートするなど周辺消費も促しています。

行政も、「体験を通じて交流人口を創出し活性化につなげたい」と語ります。



「サウナのまち」を宣言したのは大分県の豊後大野市です。

同市には、溶結凝灰岩の岩壁に穴を掘った蒸し風呂を楽しむ文化が残っています。

  サウナブームに乗っかり、「温泉がなくてもサウナがある!」を前面に専用ロゴやプロモーション動画をつくり、全国からの「サ旅」を狙います。



  全国有数の源泉数を誇る「温泉王国」鹿児島県はサウナ施設数、人口10万人当りともに九州・沖縄で最多となっています。

  鹿児島市観光農業公園(グリーンファーム)に開設された「森のテントサウナ」もその一つで、同公園は広大な敷地に農園レストランやキャンプ場、体験用農地などがあります。

  そして、森の中で冬から春にかけて、1日1組限定でサウナを利用できます。

  利用者はまきやテントを借り、ウッドデッキにサウナを設置し、最大4人まで入れるテントの中では、薪ストーブの上に石を置き、水をかけて水蒸気を出します。

  農業公園という特性を生かし、石にかける水にはレモングラスやショウガ、キンカンといったオリジナルアロマを用意しています。

  また、汗を出した後に入る水風呂はデッキに置いたドラム缶と、野趣もあふれています。



  九州観光機構では、近年のサウナブームについて、「若者や女性を中心に人気が出ており、苦しくなく入れるよう温度は低めに設定し、その代わり湿度を高めて発汗を促すサウナ施設が増えている」と分析します。


  そしてサウナは、「観光コンテンツの一つとして、温泉やグルメに負けないポテンシャルを持つ」存在といえ、自然が多く、水がきれいな地域が多いので、「アウトドアサウナ」などの人気が高いようです。
posted by 川上義幸 at 17:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月27日

デジタルツイン

デジタルツイン(DigitalTwin)とは、現実の世界から収集した、さまざまなデータを、まるで双子であるかのように、コンピュータ上で再現する技術のことです。

コンピュータ上では、収集した膨大なデータを元に、限りなく現実に近い物理的なシミュレーションが可能となり、自社製品の製造工程やサービスの在り方をより改善するうえで有効な手段となります。



例えば製造ラインの一部を変更する場合など、事前にデジタルツイン上でテスト運営することで、開発期間やコストの削減が見込めます。

また、IoTを活用してリアルタイムの情報も取り込んでいくことで、商品の故障予知に役立てることもできます。


例えば同じ製造工程を経て出荷された2つの製品があった場合、出荷後の稼働状況をIoT技術により集約・分析すると、使われ方の違いを把握することができます。

これらのデータを蓄積すれば、故障する可能性を事前に察知し、故障する前に使用を停止させるようアラートを上げることも可能になるといいます。



デジタルツインの市場規模(2022年)は111億ドルで、年平均成長率の見通し(2023〜30年)は37.5%と予測されています。

最近でどのような取り組みに活用されているかというと、仏ルノーとグーグルが新型車のデジタルツインを共同開発することを発表しました。

現実世界で車両に起こり得る問題を仮想空間上で再現・検出し、解決することを目指すとしています。



また、戦争により破壊されたウクライナの都市再建にも需要な役割を果たしそうです。

ダッソー・システムズなどの仏3社が共同で進めるプロジェクトでは、ウクライナのチェルニヒウの被害状況を仮想空間上で再現し、復興計画に役立てるということです。


デジタルツインは、今後あらゆる産業の発展に欠かせない技術として2023年はマーケットの関心も高まりそうです。

posted by 川上義幸 at 10:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月25日

しらじらしい文在寅前大統領の愛犬家

  韓国ではペットは「伴侶動物」が広く認知されており、少子化高齢化が加速する韓国においてその存在感が増しているようです。

  そうした中、韓国の政治家たちもまた「伴侶動物」をアピールするような言動も見られるようになっています。



  現大統領の尹錫悦氏は、夫人の金建希氏と共に「部類の動物好き」として知られていて、夫妻には子どもがいないものの、5匹の犬と5匹の猫を育てています。  

  これらはすべて保護犬、保護猫ですが、さらに今回、盲導犬として務めを果たし引退したメスのゴールデンレトリバーの「セロム」を新たな家族として迎え入れています。  


  尹氏の政治手腕や、妻である金建希氏の一挙一動をめぐって度々物議が起こっているものの、動物に対する深い愛情に対する夫妻の逸話は好意的な目で見られているようです。



  そんな尹氏の動物たちに対する微笑ましいエピソードやペットブームとは対照的に先日、文在寅前大統領の犬の処遇がひっそり報じられていました。  

  文氏自身も前述の尹氏と同様に「動物好き」を公言していて、大統領在任中にも大統領府で自身の犬や猫を飼っていたことでも知られています。  


  そんな文在寅氏が在任中の2018年9月に北朝鮮の金正恩委員長から南北首脳会談を記念して2匹豊山犬が文氏に贈られていました。

  この豊山犬は北朝鮮では天然記念物にも指定されていて猟犬としても知られており、 その文氏が昨年秋に突如として、「これ以上、私的に豊山犬を飼うことは困難だ」と訴え、光州市の動物園に引き渡されたといいます。

  「困難」という理由が「現政権が豊山犬の飼育に対する十分な管理経費を支給していない」というものでした。


  これに対して、国民からは「こんなにも無責任に手放していいのか」、「飼育できないといいながら、もとから飼っている動物はそのままとは矛盾している」、「動物を政治の道具にすべきではない」といった批判の声が上がっています。

  何よりもあれほどまでに「親北」を掲げ、南北首脳会談の歴史的な成功を強調した上、その証としてされていた犬を「現政権が対応をしないため」と言いがかりのような主張をして手放すという姿勢には批判の声が上がっているというわけです。


  そんな批判の声もどこ吹く風であるかのように、文在寅氏の2023年の新年の投稿では初日の出を背景に愛犬と共に文氏夫妻の姿がアップされていて、何事もなかったのように平然と動物との写真を載せるところにも文氏の「パフォーマンス魂」を感じてしまいます。
posted by 川上義幸 at 20:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月24日

スタートアップ

  スタートアップとは、革新的な技術やサービスを生み出す新興企業のことです。

  将来「Google」や「Amazon」のような巨大企業に成長するかもしれない、いわば「金の卵」とも言える存在です。


  しかし日本は海外に比べて、その数が少なく規模も小さいと指摘されています。

  また、海外展開を目指すスタートアップは、日本に多くありません。

  そもそも日本は欧米に比べて開業率が低く、スタートアップの数そのものが少ないと言われていますし、規模についても同様です。


  企業価値が10億ドル(約1300億円)を超える非上場企業を「ユニコーン」と呼びます。

  去年2月時点でアメリカには512社あるのに対して、日本にはわずか6社で、世界との差は開く一方です。



  比較的市場規模が小さいシンガポールやイスラエルなどでは、最初からグローバル市場を目指す企業が出てきますが、日本ではまず国内からとなってしまいます。

  さらに日本市場に適用しようとするあまり、いわゆるガラパゴス化に陥る懸念もあると言います。

  かつて日本の携帯電話「ガラケー」は、独自の進化を遂げましたが、海外には普及しませんでした。

  同じ失敗を繰り返さないためにも、各国のニーズや現状に合わせて、サービスや製品の中身を作り替えていく必要があります。



  そのために欠かせないのが進出先の情報や、ともに事業を行うパートナーの存在です。

  それらを「M&A=買収・合併」で手に入れた企業があります。


  電子決済サービスを手がける「Opn」で、スマートフォンを使って飲食店で商品の注文や決済ができるサービスなどを東南アジアで展開しています。

  さらに去年11月、アメリカの同業他社を500億円規模で買収しました。

  国内のスタートアップによる海外企業の買収事例としては過去最大規模だということです。

  この会社のCEOは、スタートアップが真のグローバル企業に成長するには、買収という手段が欠かせないと話しています。



  こうした中、政府も本腰を入れて支援に乗り出そうとしています。

  政府は、2022年を「スタートアップ創出元年」と位置づけ、今年度の補正予算の中で、スタートアップ育成におよそ1兆円を盛り込みました。

  国内外のベンチャーキャピタルが設けるファンドに出資し、日本のスタートアップの海外展開を資金面でサポートするなど、支援を強化することにしています。



  日本のスタートアップにとって3つの課題があるようです。

  一つ目は起業家にとって魅力的な税制で、海外の優秀な人材が、起業したり働いたりする国を選ぶ際、その国の税制は重要な基準になります。

  日本では株式の売却益に20%の税率がかかるのに対して、シンガポールや香港では非課税で、アメリカでも1000万ドル(約13億円)までは非課税となっています。

  こうした中、日本でも2023年度の税制改正で、スタートアップに配慮した改正を行う方針です。


  2つ目は終身雇用に象徴される雇用慣行を改め、流動性の高い労働市場に変えていくことです。

  政府は今後、リスキリング=学び直しから転職までを一体的に支援することにしていて、スタートアップをはじめ成長分野に人材が移動するよう促していく方針です。


  3つ目は未来の起業家の育成です。

  スタートアップを増やすには、まず起業家を目指す若年層を拡大していく必要があります。

  これまでも政府は、大学生と起業家の交流を後押しする事業などを行ってきましたが、この対象を高校生にも広げるなどして、若者の間に起業家マインドを育もうとしています。


  「金の卵」を温めて、世界に飛躍するユニコーンに育てられるか。日本経済の未来にとって重要なテーマだといえそうです。
posted by 川上義幸 at 20:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月23日

インバウンド急回復

水際対策の緩和でインバウンド客が急回復する中、福岡市内では距離の近い韓国からの旅行客が増え、街に活気か戻ってきました。

韓国人旅行客の間では新型コロナウィルス禍で入国できなかった間にできた新スポットや飲食店などが注目を集めています。



ららぽーと福岡のオープンはコロナ禍さなかの2022年4月でしたが、現在は毎日多くの大型観光バスが訪れ、買い物を楽しんでいるといい、確かに客が増えてきた感じがします。

入口前にそびえ立つ巨大なガンダム立像が手を上げると、韓国人の団体から歓声が上がり、手にしたスマートフォンを一斉に向けているようです。



2022年11月の九州への外国人入国者数は2年9か月ぶりに10万人をこえ、特に韓国からのお客が多いようです。

韓国は福岡と非常に近いため、国内旅行に行くような気軽さがあるといいます。



2022年10月に開業したプリンススマートイン博多では年末年始に販売した部屋のうち、外国人比率は8割弱となり、うち7割強が韓国人観光客でした。

大型ショッピングモール「キャナルシティ博多」に近い立地に加え、顔認証で自動チェックインができるなど、AIを活用し従業員と非接触でサービスを受けられる点に人気だといいます。



旅の目的地を探す方法もコロナ禍で変化し、ユーチューブで福岡のグルメなど韓国語で紹介するサイトも現れ、福岡に住む日本人が紹介するようで、ガイドブックに載っていないような地元のお店を知ることができます。

日本人の旅行客は閑散期に入る一方、3月〜新学期が始まる韓国では2月は旅行シーズンのようでして、気軽な「近場」を生かしてさらなる旅行者増を期待したいものです。
posted by 川上義幸 at 08:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月21日

大寒

  二十四節気のうち、冬の最後、そして一年の最後を締めくくるのが「大寒」です。


  文字通り、一年で最も寒さが厳しくなる頃といわれています。

  2023年の大寒の始まりは1月20日で、そこから〜2月3日までの15日間が「大寒期」とされます。

  来週は、今年一番の寒気が流れこんできて、福岡でも25日(水)は最高気温が1度ということです。


  その一方で、「三寒四温」という言葉を耳にしはじめるのもこの時期で、寒い日が3日続くと、その後4日は暖かい日になり、凍てつく寒さのなかにも徐々に春の訪れが感じられる頃でもあります。



  寒さが際立つ大寒ですが、この時期だけの「縁起もの」も出回ります。

  そのひとつが「大寒卵」で、大寒卵とは大寒の初日(2023年は1月20日)に生まれた卵のことを言います。


  昔、鶏は冬前に餌をたくさん食べて栄養を蓄え、冬本番になると卵を生まずにじっとしていました。

  そのため大寒の頃に生まれた卵には栄養がぎゅっと凝縮されていて、ほかの時期の卵と比べて1個あたりの栄養価が高かったと言われています。

  そんな背景から、大寒に生まれる卵は「大寒卵」と呼ばれ、縁起物として扱われるようになりました。


  現代では、卵は1年を通して栄養価にばらつきが出ないよう工夫されています。

  しかし、かつて卵の栄養が貴重だった頃の名残で、今でも「大寒卵」は縁起物として人気のようです。


  大寒卵は栄養が豊富なため「健康運」や「無病息災」、また卵の黄身の黄色が特に濃くなることから「金運」の願いが込められています。
posted by 川上義幸 at 16:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月20日

フルコロナ

昨年末、ゼロコロナ政策による厳格な行動規制を突如撤廃した途端、一気に数億人が感染したといわれる中国ですが、ウィズコロナどころか「フルコロナ」状態ですが、それでも人々は久々の自由を謳歌しているといいます。


ちまたでは、「ゼロコロナ」から「ウィズコロナ」を吹っ飛ばして「フルコロナ」になり、ジェットコースターに乗ったようだといわれているようです。

最近、「陽康」という言葉をよく聞かれますが、陽性になれば健康になるということで、中国ではこれまで「感染するな」から「感染しろ」と感染を奨励しているような感じになっています。


「全人口14億人のうち、すでに6億人が感染した」 一部のメディアがそう報じるほど、中国全土でコロナ感染者が爆発的に増えています。

しかもその数字は、最初に感染が確認された2019年末以降の累計ではなく、厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策が解除された昨年12月上旬から、わずか1ヵ月間で億単位まで爆増したのです。



上海市内で診療を行なう医師は、「中国では感染者数の公式発表がないので正確な数字は把握できませんが、体感では、この1ヵ月で上海市民の9割ほどが感染した印象です。ゼロコロナ解除前まで感染者は全市民の1%もいませんでしたが、解除後はすべての施設や家庭で一気に広がりました。街全体が巨大なクラスターに覆われたような感じです」 といいます。

中国政府は12月7日にゼロコロナ政策を大幅に緩和し、事実上解除しました。

その後、PCR検査は不要になり、隔離措置も撤廃されたばかりか、「重慶市など一部の都市では陽性でも『軽症なら出勤容認』との通達が出た」といいます。

段階的な解消ではなく一気に、ゼロコロナからフルコロナ≠ヨ180度転換しました。


感染爆発はその反動です。



中国都市部の新規感染者数はすでにピークを迎え、今は右肩下がりの状況にあるという。


ですが、医療現場の逼迫は深刻で、 コロナは感染のピークから1週間〜10日ほどで中等症や重症の患者が増えますが、まさに今がそのタイミングで、都市部の医療機関は即入院が必要な感染者であふれ、危機的な状況のようです。



上海市内のある病院ではロビーに50〜60台のベッドが並べられ、仕切りもカーテンもない環境で患者が横たわり、医療者が歩き回って治療に当たっています。

そこに次から次へと救急車が到着するのですが、病床もICUも満杯で、患者を救急車のベッドで寝かせたまま何時間も待機しなければならないという状況が続いています。

クリスマス前までは軽症者向けの解熱剤が不足していましたが、今は抗ウイルス薬のパクスロビドやステロイド薬、酸素濃縮器など、重症者向けの薬や医療器具が不足しているといいます。


中国政府は自国にとってネガティブな情報は公開しませんので、コロナを原因とする死者数や重症者数の正確なデータを把握することができず、今どんな株が流行しているのかさえわからないといいます。


中国国内のある病院では霊安室に遺体を収容しきれず、床に転がされているという話も聞きます。死者が急増して火葬場がパンクしていますから、コネや賄賂を使わないと火葬ができないともいわれています。



重症化リスクの高い基礎疾患のある人や高齢者、その家族は対策の再強化を望んでいますが、周囲にそういった高リスクの人がいない人、感染しても軽症で済んだ人などの多くは、『コロナはただの風邪だから、今のままでいい』と考えています。


米国ではコロナの後遺症である倦怠感などを抱えて仕事復帰できない人が増え、さまざまな分野で労働力不足が起きているといった問題もありますが、それが人口14億人の中国で起きたらどうなるか、経済への影響は深刻となるでしょう。


ゼロコロナからフルコロナへの大転換により、そのツケはこれから回ってくるのではないでしょうか。
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2023年01月19日

生涯子供なし、日本突出

  生涯にわたり子を持たない人が増えています。


  人口学では、女性で50歳時点で子供がいない場合を「生涯無子」(チャイルドレス)とみます。

  OECDによると、1970年生まれの女性の場合、日本は27%と、比較可能なデータがある17ヵ国のうち最も高く、また24ヵ国で比較できる1965年生まれでも日本が最も高く22.1%、英国、米国など主要国を上回ります。

  両立支援などの政策が進んだ西欧諸国では子を持たない人の増加の勢いが収まっており、日本は後れを取っています。



  国立社会保障・人口問題研究所は、2000年生まれの女性で生涯子を持たないのは、現在の出生傾向が続く場合に31.6%、出生率を低く見積もった場合には39.2%と推計します。

  男性は未婚率の高さを考慮すると、さらに高くなりそうです。



  出生動向基本調査を基に、無子女性を@結婚困難型A無子志向型B出産延期型C不妊・健康理由型に分類すると、近年大きく増えたのは@の結婚困難型のようです。

  十分な経済力がある適切な相手を見つけることができないことも一因とみられています。


  次に多かったのがAの無子志向で、若い世代で増えていて、女性全体の中で5%程度が無子志向と推察されるようです。

  未婚女性では低収入や交際相手がいないと子を望まない確率が高いようで、積極的選択というよりも、あきらめている女性が多いと示唆されます。



  岸田政権は、子育て世帯への経済的支援を充実する見通しのようです。

  日本では1986年に男女雇用機会均等法が施行され、無子率が高い1965〜1975年生まれは均等法第一世代ですが、働く女性が増えたものの両立支援は進みませんでした。

  ですから、退職して出産か子どもを持たずに働くかの選択を迫られる傾向が続き、少子化が進んだことを肝に銘ずる必要があります。
posted by 川上義幸 at 17:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年01月18日

ノリ生産ピンチ

今年度から、いつものように『秋芽ノリ』を生産者から分けてもらえなくなりました。

ですから、直販所から直接購入しようと年末に訪れたのですが、今シーズンは不作で絶対量が不足しているということで売り出し日の数時間で完売したということでした。


我が家の食卓に欠かせない『ノリ』ですので残念の一言ですが、1月からの冷凍網にかけてみようと思います。



日本一のノリの産地・佐賀県では、今シーズンの『秋芽ノリ』の生産量が半減し、記録的な不作の危機だということで、ノリが欠かせない飲食店からは、今後への影響を心配する声が上がっています。

ノリの歯切れが良くて、噛めば噛むほどノリのうまみが出てきて、お米がとてもふっくらしておいしいとおにぎりにはノリは欠かせません。


福岡市博多区のおにぎり専門店『米一粒ノチカラ』は、おにぎりの味を最大限引き出そうと、佐賀県の有明海産のノリにこだわっているようです。

新海苔は去年と比べて約2.1倍上がっていて、昨シーズンから比べると、約3倍上がっているそうです。

店長は、「ノリをおいしいと言って、喜んで来てくれているお客様が多いので、ノリの質を下げるということは正直できない。できる限りこのままやりたい」といいますが、いつかは価格を上げざるを得ないときが来るかもしれません。



日本一のノリの産地・佐賀県でも、去年秋に有明海で種付けされた『秋芽ノリ』の生産枚数と生産額が共に、昨シーズンのほぼ半分にとどまったことから、 どうすれば、不作の危機を回避することができるのか、佐賀県が対策を打ち出しました。

  カキプランクトン捕食作戦ということで、赤潮プランクトンを捕食する効果が高いカキを、ノリ漁場全域に設置することにしたようです。

  これがどの程度、この色落ち被害に対して軽減対策になるかは未知数なところもありますが、県としてはできることは何でもやっていこうという姿勢です。

  いまはノリとプランクトンが海の栄養分を食べ合っている状況ですが、カキにプランクトンを捕食してもらうことで、少ない栄養分でもノリが確実に吸収できる効果が期待しようというものです。

  1月2日からは『冷凍網ノリ』の養殖が始まっていますが、海の栄養不足は続いているということで、カキプランクトン捕食作戦が期待通りになりますかどうか。



  日本近海でも異変が相次いでいて、ノリの収穫量が激減しています。

  全国ののりの需要が年間85億枚といわれるのに対し、2021年度の生産量は、およそ64億枚。不漁の原因は、栄養となる海中の窒素やリン、ケイ素の不足、海水温の上昇、魚による食害が考えられるといいます。
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2023年01月16日

春節大移動

  春節の大型連休は、帰省や旅行の需要が大きく膨らみます。


  今年は春節前後の21日から27日が連休となり、連休期間中は実家で家族で過ごそうとする人々の帰省で例年、移動する人口が急増します。

  ゼロコロナが事実上終了し初となる2023年の春節は、4年ぶりに移動制限のない休暇となり、国内だけでなく海外への旅行も増加することが予測されています。


  中国交通運輸省は22日の春節前後40日間の旅客数は延べ20億9500万人(通常ですと30億人)になると予測しており、前年実績の2倍となります。

  例年は各国の消費を盛り上げる役割を果たしてきましたが、今年は中国での感染拡大が懸念され、各地で水際対策を強化する事例が目立っています。



  中国で観光ビザの新規取得が難しいなどの理由から、旅客のほとんどが国内移動だとみられています。

  ただ、海外旅行もゼロコロナで落ち込んでいた昨年から持ち直す見込みです。

  旅行先の最多はオーストラリアで、タイと日本が続きます。



  ただ、急激な方針転換は大都市での感染拡大を招きました。

  地方政府や医療従事者の分析によると、年末年始時点で感染中や感染歴のある人の居住人口に占める比率は北京市で8割、上海市で7割、内陸部の四川省で約64%に達したといいます。

  大都市圏で12月に急拡大した感染は、足元で落ち着きつつあるとの見方もあり、北京市などでは12月の最終週あたりから人通りが戻り始めたといいます。


  しかし、春節の大移動が始まると、大都市で流行したコロナが医療資源の乏しい中小都市や農村に広がる恐れがあることが心配されています。
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2023年01月14日

病院、補助金漬けの一方でクラウドファンディング

  コロナ禍も4年目を迎え、この間、日本の医療は欧米アジアの主な国・地域との比較でデジタル化の遅れが浮き彫りになり、危機時に必ずしも患者本位の医療サービスが提供できない現実があらわになりました。


  この間、コロナ対策の補助金は3年間で計9兆3000億円の大盤振る舞いでした。


  コロナ対策として真に役立ったのか、徹底検証が欠かせないのが予算額4兆7000億円の病床確保料だといわれています。

  昨年11月に会計検査院が不適切な受給が計55億円あったと指摘しましたが、それも氷山の一角だともいわれています。



  保険診療をする医療機関の収入は健康保険料と税財源、患者の窓口負担を元手とする診療報酬がほとんどを占めます。

  2022年度はコロナ特例として診療報酬をかさ上げしたうえに、この補助金漬けです。



  このような問題が指摘される一方で、診療報酬や補助金には頼らず、地域住民らからの寄付を募って医療サービスを向上させようとする病院がありました。

  名古屋掖済会は、医師や看護師、救急救命士を災害現場などへ迅速に運ぶドクターカーを購入するためにクラウドファンディングをしました。

  「救命救急医療の砦」を自任する同病院によりますと、過去にこの病院の救命救急センターに世話になった人などが恩返しをしたかったという意思を添えて寄付をしたといいます。

  医療圏の核となる病院が地域住民とギブ・アンド・テークの関係を築いた例です。


  クラウドファンディングで集めた資金は国民医療費に分類されませんが、寄付者や投資家、患者と家族が医療サービスやイノベーションの向上を実感できる生きたお金です。



  片や病床確保は、感染者を救うのに十分に役立つ医療費と見なせるか、発案した厚労省、配った都道府県、もらった病院の関係者はそれぞれ自問してほしいものです。

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2023年01月13日

コロナ下での民泊に新たな展開

  住宅を活用した宿泊サービスである民泊は、新型コロナウィルス禍で利用者の7割を占めていたインバウンドを失い、大打撃を受けました。

  コロナ禍でインバウンドが消えた打撃は大きかったようで、利用者数はピーク時の1割以下まで激減しました。

  また、施設もピーク時から13%減少しました。



  その中で施設数が2倍になるなど逆に成長した地域があるようです。

  カギはリモートワークなどビジネス需要の取り込みで、別荘地を管理する日本駐車場開発などが新たな商機とみて、事業化を進めています。



  一足早く行動制限が解かれた米欧では民泊利用が急増していて、民泊の創業者、エアビーアンドビーの2022年7〜9月期の利用者は9970万人で過去最高です。

  日本でも10月に水際対策が緩和され、11月のインバウンドは93万人とコロナ前の4割弱に回復しました。


  外国人の人気が特に高いのは東京や大阪となっていますが、エアビーアンドビーの話では最近は古民家や寺など施設のカテゴリーを重視する傾向が強まっていて、日本でも今後、今まで外国人が来なかった地域に注目が集まるのではないかということです。

  観光でも、地方の潜在力に期待が集まります。



  日本ではこれまで、民泊に対して旅館・ホテル業界の反発が強く、2018年施行の住宅宿泊事業法で営業日数を年間180日以内とするなど制限が課せられました。

  ただ、2021年に家庭用の台所を使った食事の提供が許可されるなど緩和の動きもあり、そして政府はインバウンド回復を見据え、2023年度に管理業者の要件を緩和する方針です。



  現状では管理業者の7割が都市部に集中していますが、この恩恵を受けるのは地方だといわれています。

  地方には趣深い古民家も多く、モノはあるのに管理する人がいないために活用が進まない課題がありましたが、緩和は深刻化する空き家対策にもつながることが期待されます。
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2023年01月11日

陸上養殖

  水産大手などが陸上養殖ビジネスを本格展開するといいます。

  ニッスイは2025年をめどに水を循環させながら育てる方式によるサバの陸上養殖を事業化しますし、ARKは管理が手軽な養殖装置を開発します。



  世界の食用魚介類の1人当たり消費量はこの50年で約2倍に伸び、水産資源の奪い合いは激しく、日本勢が買い負ける場面も増えてきています。

  安定調達できる養殖の重要性が増しているものの、現在主流の沿岸養殖は餌などで海が汚れるほか飼育場所が限られることが難点でした。



  陸上養殖は環境負荷が小さいうえ設置場所の自由度が比較的高く、ノルウェーなどの漁業先進国で普及しつつありました。

  国内でも水産大手や新興企業が事業化に向けて動き始めていて、現在のところ陸上養殖生産量は養殖全体に比べてわずかですが、今後拡大が見込まれています。



  マサバは国内で消費量が多く、出荷までの期間が1年ほどと短いことなどから、早期に収益性を高めやすいと判断し、ニッスイはマサバの陸上養殖の事業化に乗り出します。

  水槽の水を循環させながら育てる循環式を採用し、沿岸養殖で問題となる寄生虫「アニサキス」が魚に付く恐れが少なく、生食にも対応できるということです。

  水質管理では日立造船と連携し、同社の水処理技術を活用し、マサバの食べ残した餌やフンから出るアンモニアをバクテリアで除去します。



  マルハニチロは三菱商事と組み、富山県入善町でサーモンの陸上養殖を手掛ける共同出資会社「アトランド」を設立し、回転ずしなどで人気の生サーモンの提供を目指しています。

  こちらもこちらも、赤潮や疫病の影響を受けにくく、安定生産と効率改善が見込めるというわけです。



  新興企業でも参入する動きも出ていて、ARKは手軽に管理できる装置「小型閉鎖循環式陸上養殖システム」を開発して、あらゆるものがネットにつながる「IOT」で稚魚の育成を管理でき、給餌や水槽内の掃除を自動化しました。


  どうも今後の課題は価格のようで、生産コストを引き下げつつ、消費者に付加価値を認めてもらうことが求められています。
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2023年01月10日

淀川で舟運が復活

  大阪といえば「水の都」です。

  豊臣秀吉の時代には多くの舟が淀川を行き交い、経済や文化が発展してきました。



  今ではほとんど見られなくなった淀川の舟運ですが、それを復活させようという大規模プロジェクトが始まっています。

  「閘門」、船を通過させるために運河や河川の水位を調節する施設のことですが、河口から約10キロの地点の「淀川大堰」に総事業費は100億円で設置されます。

  完成すると閘門に一度に4隻の観光船が入り、移動できるようになります。

  2025年春までの完成を目指していて、日本最大の閘門になる見込みです。



  淀川は、かつて京都の伏見と大阪を結ぶ舟が行き交う大動脈でした。

  しかし、時代が進むにつれて船は車や鉄道に役割を奪われ、1962年に伏見・大阪間の船による貨物輸送は終わりを告げました。



  一方で、流域人口は増え続け、今では1000万人を超え、淀川は、生活用水や工業用水の水源にもなっていて、そこで1983年に設けられたのが全長およそ700mの「淀川大堰」です。

  「淀川大堰」の完成で安定した取水が可能になる一方で、巨大な堰が水上の往来を阻む形となり、船の行き来ができなくなってしまいました。

  今回、閘門を造ることで、国は再び大阪から伏見までの船の行き来を可能にさせたいとしています。



  その構想は、1995年の阪神・淡路大震災にさかのぼります。

  大阪と神戸を結ぶ、阪神間の交通は寸断され、このときに重要性が再認識された交通が船だったのです。

  支援物資の一部は船によって運ばれ、補修工事の資材を現場まで船で運びました。


  これをきっかけに、災害時の支援に当たる人たちや帰宅困難者の輸送にも役立つとも考えられ、流域では「淀川舟運」復活を求める声が上がるようになりました。

  しかし、船の往来に必要な、淀川大堰に閘門を造る工事には巨額の費用が掛かり、震災から20年以上たっても、「淀川舟運」が実現することはありませんでした。



  事態が一気に動いたのが2025年の大阪・関西万博の開催決定でした。

  万博で世界が関西に注目するなか、「淀川舟運」復活は「水の都・大阪」の魅力を広く発信できる絶好の機会になると考えられたのです。


  これまでの防災だけでなく観光への期待も加わったことで、事業は一気に動きだしました。

  万博期間中、会場の大阪・夢洲まで淀川から来場者を運ぶ計画が持ち上がり、本格的な工事が始まりました。



  関西にとって過去と未来の2つの大きな出来事をつなぐ舟運が、関西観光の起爆剤になるだけでなく、災害から命や暮らしを守る存在になることが期待されます。

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2023年01月09日

中国のコロナ事情

中国で厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策が転換されてから1か月が経ち、国内メディアがすでに6億人が感染したという見方を伝えるほど、感染は急速に拡大しているようです。


去年12月、厳しい行動制限から突然、自己責任での感染対策を求められるようになり、大混乱が起きました。



中国ではそれまで地下鉄に乗るのにも商業施設などに入るのにもPCR検査の陰性証明の提示が義務づけられ、市民は毎日のようにPCR検査を受けなければなりませんでした。

感染者だけでなく、濃厚接触者に加えて、さらにその濃厚接触者(2次濃厚接触者)まで強制的に施設で隔離するような徹底ぶりでしたが、そうした対応がなくなると感染がみるみる拡大し、あまりの感染力の強さに薬局や病院には連日、長蛇の列ができるようになりました。

抗原検査キットや解熱剤といった市販の薬が不足し、商業施設や飲食店は軒並み臨時休業し、企業は在宅勤務になり、感染を恐れて街から人がいなくなったのです。


宅配業者の配達員にも陽性が相次ぎ、配送拠点の周辺には配達されていない荷物が山積みになっていました。



「ゼロコロナ対策」は、徹底した検査と厳しい行動制限などで新型コロナウイルスの感染拡大を封じ込める政策のことで、中国語では「動態清零」といいます。

習近平指導部はその成果を共産党による統治の優位性を示すものだとアピールし、習主席もこの「動態清零」について「堅持こそが勝利だ」と繰り返し、11月まではあくまでも「ゼロコロナ」政策を継続する姿勢を崩しませんでした。



深刻な経済の停滞に加え、11月下旬に起きた大規模な抗議活動が影響したという指摘も出ています。

北京や上海など各地で一斉に行われた抗議活動は、多くの人が厳しい行動制限によって職を失ったり収入が減ったりするなどして生活が苦しくなり、政府の「ゼロコロナ」政策に強い不満を抱いたのがきっかけでした。

厳しい言論統制が敷かれる中国でこうした抗議活動が起きたこと、そして批判の矛先が習主席や共産党にも及んだことは極めて異例で、これが政府の方針転換を早めたとする指摘もあります。


また、「ゼロコロナ」政策によって個人の消費や企業の生産といった経済活動の停滞が深刻化していたのは間違いなく、これについては中国政府も無視できなかったとみられます。



感染対策が緩和された12月上旬以降、感染は瞬く間に全国に拡大し、各地で患者が爆発的に急増したとみられます。

感染症の専門家で中国疾病予防センターの曽光氏は、人口2000万以上の首都・北京について12月末時点で「感染率は80%を超えた」との見方を示しているほか、「多くの大都市で感染者はすでに5割を超えている」と話す別の専門家もいます。

中国の全人口14億のうち、すでに6億人が感染したのではないかと伝えるメディアもあるほどです。


  専門家は専門家はざっくりとした数字を示すものの「ゼロコロナ」政策の転換で大規模なPCR検査なども行われなくなり、感染者数の正確な把握ができていません。



  これまでこれまで徹底的に感染を抑え込んできた中国で、新型コロナウイルスは「未知のもの」という印象が強く、専門家も感染力の強さなどを強調してきたため、当初は多くの人が感染を恐れていました。

  しかし、いざ感染すると「思ったほどではなかった」という人も多く、「感染したけれどかぜと変わらない。一度感染してしまえば気持ちはだいぶ楽になった」と話す人もいました。


  一方で「毎日のようにPCR検査の大行列に並び、感染を防ぐために隔離や封鎖を経験してきた。それなのに一気に緩和してみんなが感染し、これまでの政策はいったい何だったのか」と政府の突然の方針転換を批判する声も聞かれました。

  北京では以前の日常が戻ってきていると感じます。

  多くの人が感染したものの、すでに回復して経済活動が再開しつつあり、街なかでは渋滞も見られるようになりました。



  北京ではこれまで「PCR検査を受けた?」というのが毎日のあいさつがわりでしたが、いまでは人と会うたびに「もう感染した?」と聞かれるほどです。

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2023年01月07日

廃校を地域活性化の拠点に変える

廃校を地域活性化の拠点に変える取り組みが全国で進んでいます。


沖縄県国頭村の廃校は高齢者施設や保育所を備えた複合施設に生まれ変わり、15年以上にわたって住民の生活を支えています。

宿泊機能もあり、美しい海や緑豊かな森を望むロケーションに引かれて県内外から観光客が集まり、地元住民との交流の場にもなっています。



廃校が集客施設や工場に生まれ変わったところもあります。


活用率が47都道府県で首位の山梨県では廃校を首都圏からの集客に生かしており、2位の熊本県では企業の誘致が目立ちます。

鉄筋コンクリートの校舎は解体に数千万円かかることもあり、草刈りや警備に年数十万円から数百万円が必要になりますが、活用を欠かせず地域の個性を生かせば街の活力につながるというわけです。


山梨県では廃校の84%が生かされており、首都圏からの集客を見込んだ利用が多くなっています。

市内の農業法人ファーマンは、教室を農作物の倉庫として使い、2021年からは体育館でクライミング施設「ロクボク」を運営しています。


熊本県菊池市では、税収や雇用を増やすため、廃校への企業誘致に力を入れてきており、2013年に廃校となった山間部の旧水源小学校は今や市内の日本酒メーカー、美少年の酒蔵になっています。

職員室は醸造所となりタンクが並び、アルコールの度数や成分を調べる部屋は理科室の雰囲気を残しています。

市では複数の行政機関にまたがる手続きの窓口を一本化して、土地の用途変更や改築に必要な書類、保健所への資料もまとめて用意して後押しをしています。



このように行政のサポートは必要で、自治体では跡地利用が決まっていない解体は公共事業の予算を確保しにくいこともあって、国は自治体と利用者を仲介、活用へ補助金を出しているようです。
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2023年01月06日

感染症の実態をつかむ下水

“これからの感染症対策を変えるかもしれない”ということで、いま、大きな期待を集める新たな技術が、北海道で開発されています。

カギとなるのは、「下水」です。



新型コロナに感染した人の排せつ物は、ウイルスを含んでいます。

北海道大学では少量の下水からウイルスを検出する新たな技術を開発しました。

驚くべきはその感度で、これまでの方法よりも100倍高く、1日の新規感染者が10万人あたり1人という少なさでも、しっかり検出できるといいます。



下水を使った新型コロナの調査の最大の強みは、感染が疑われる人を検査しなくとも流行の「全体像」を把握できることです。

無症状の人や、検査を受けていない人の感染も確認できるからです。

さらに、医療機関の報告をもとにしてきた従来の調査の方法よりも、1週間程度早く、流行の状況がわかるといいます。



この技術、国や自治体も注目しています。

医療機関や感染者に新たな負担をかけずに対策を強化できるからです。


このうち札幌市では、市内の下水の調査結果を、週に1回ホームページで公表し、市民が流行の状況を把握できるようにしています。

ホームページには、流行の度合いを示すグラフと合わせて、注意を呼びかけるコメントも掲載されています。


さらに、全国レベルでの下水調査を可能にしようと、ロボットの導入も進んでいます。

下水を分析する汎用ヒト型ロボット「まほろ」で、ちなみにロボットであれば、ヒトよりも10倍程度、分析の効率が高まるといいます。

全国の自治体で採取された下水の検査業務をロボットに任せることができれば、全国レベルの調査も、素早く、そして効率的に行えるというのです。



新型コロナだけでなくインフルエンザなど、ほかの感染症にも活用でき、このうちインフルエンザについては、すでに複数の自治体で下水の分析調査が始まっています。

さらに技術的には、1つのサンプルから20種類以上の感染症を検出できるということで、感染症の調査と対策を大きく変える可能性を持っています。


この研究グループでは、コロナの次の感染症のパンデミックも見据え、感染症に強い社会をつくるための検査インフラとして、下水の調査を社会に実装したい、という思いのようです。

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2023年01月05日

EV充電器、規制緩和

日本は世界的に見ても「EV途上国」の状況にあるようです。


11月の新車販売に占めるEVの比率は日本では2%にとどまる一方で、中国は25%、ドイツは20%、韓国は9%と日本よりもはるかに高くなっています。

日本でもEVは他のエコカーよりも税優遇が手厚く、購入補助もありますが、それでも消費者が購入をためらう大きな理由の一つにが、街角の充電設備が少ないことです。



公共のEV充電器は2021年で約2万9000基で、日本よりも狭い韓国には10万7000基あります。

22キロワット超の高速の充電器は日本は8000基で、韓国の1万5000基、中国の47万基にはおよびません。


このため、政府は小型のEVを数分で充電できる高出力充電器の普及に乗り出します。

日本は充電インフラの乏しさがEV導入の壁となっていて、自動車産業の競争力を高めるためにも、国内の環境整備を進めるというわけです。



日本では現在、20キロワット以下には特段の規制はありませんが、20キロワット超になると安全のための絶縁性の確保など一定の要件を満たす必要があります。

50キロワット超はさらに建築物からの距離などで制約がかかります。

200キロワット超の充電器は「変電設備」となり、高電圧の電流を変圧する設備との想定で厳しい規制がかかります。


出力の低い「普通充電器」は一般的に住宅やマンションに設置され、出力が高い「急速充電器」は高速道路のサービスエリアや道の駅、大型商業施設などに設置されることが多いですが、EVに対する不満の一つとして充電にかかる時間が長いことが挙げられます。



充電にかかる時間が短い急速充電器を増やすことがEV普及につながると期待されることから、政府は2023年にも規制を緩和し、出力が200キロワット超の充電器も一定の安全性は確保できると判断し、扱いを50キロワット超と同じにします。

規制緩和で設置や運営のコストが下がれば、普及しやすくなることが期待されます。


EVは再生可能エネルギーを使えば、温暖化ガスの排出を抑制することが高いことから、この点からも急速充電器の規制緩和が待たれます。

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2023年01月03日

那珂川河畔をウォーキング


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今日も晴天となり、昼間は初春を思わせるような暖かさで、久しぶりに那珂川までウォーキングに出かけました。

この時期のウォーキングでは気持ちの良いものになりました。



今日の那珂川は比較的水量も多く、この時期の河川の水は透き通っています。

百年橋通りから河川敷の歩道に降り、上流に向かって番拓井堰まで足を運びました。



番拓井堰付近の河川敷では、「ふくおかみなみのみんなの水辺 那珂川Well-being」が開催されたようで、これは南区の水辺のシンボルである那珂川において、河川敷の整備により生み出された新たな水辺空間で、川を学び、憩い、楽しむ活動を行うというものです。

昨年の11月の1週間において、ステージやワークショップエリアなどが設営され、那珂川の河川敷にて、「未来の風景づくり」を目的に、地域の方々と共に実施する実証実験だったということです。
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筑後川でも、筑後川本格改修100周年事業に合わせて同様な取り組みを行うこととしていて、大いに参考となりそうです。
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2023年01月02日

初売り

今年もコロナ感染に配慮してか、元旦ではなく九州地方と山口県の百貨店や商店街などで2日、2023年の初売りがありました。


九州有数の繁華街、福岡・天神にある各百貨店は穏やかな天候にも恵まれ、福袋やセール品を買い求める客らでにぎわったようです。  

岩田屋本店には午前9時の開店前から約1300人が列をつくり、福岡三越でも開店前に約650人が列をなしたほか、約3000人が並んだ大丸福岡天神店は開店時間を10分早めたといいます。

岩田屋本店では開店と同時に、新型コロナウイルスの感染対策で手指を消毒した後、目当ての売り場へと順次向かい、地下の食品売り場は人気で殺到したようです。



本館地下1階の精肉店では、新年の運試しとなる恒例の「おみくじビーフ」を開催しました。

1回1001円でくじを引くと、九州産黒毛和牛ステーキ(3万円相当)の「大吉」から、国産牛切り落としの「小吉」までのどれかをもらえたようですから、1番人気だったかもしれません。



昼頃、博多阪急を覗いてみました。

9時オープンでしたので、ピークが過ぎていたこともあって、通常よりは多少多いかなといった感じで、初売りの賑やかさはなくなっていました。

それよりも、アミュプラザ博多の方が人気が高く、人出が多かったように感じます。



博多駅は帰省が始まったのか、多くの人でごった返ししていて、昼食時の飲食店はどこもいっぱいで、特にラーメン屋さんは豚骨ラーメンを求めて長蛇の列ができていました。


今年はコロナの反動で、商業施設や交通機関の駅などでは人出が増えそうです。
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2023年01月01日

謹賀新年

新しい年、2023年を迎えました。

今日、元旦は天候にも恵まれ、13階の自宅から初日の出を拝むことができました。
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皆さん明けましておめでとうございます。



今年も、国の内外で激動の年を経験しそうですが、仕事の方ではできるところから目標を決めてひとつひとつ前に進めることができればと願っています。

今年は筑後川本格改修100周年の記念事業の実施の年であり、その取り組みを北部九州河川利用協会としてお手伝いをさせていただいていることから、これをまず実りあるものにしたいと考えています。


そして、昨年は力みすぎて、結果的には墓穴をほって終わってみれば大叩きを繰り返していたゴルフですが、今年は楽しくリラックスして自然体で臨みたいと思います。

今年一年が、皆さんにとって穏やかで素晴らしい年となりますように。



午前中に地元にある日吉神社に初詣に行ってきましたが、多くの人がお参りに来ていました。
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大みそかに我が家は、若八幡(俗称、厄八幡といいます)神社にお参りに行くのが恒例となっています。

福岡では有名な神社で、毎年長蛇の列ができ、寒い中の順番待ちは大変でした。

しかし、昨日は列ができずあまり待たたずにお参りできてよかったのですが、こんな光景は初めて見ますし、何が起きたのでしょう。
posted by 川上義幸 at 17:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記