2023年04月29日

召集令状がデジタル化

ウクライナに軍事侵攻を続けるロシアで、兵役義務の招集令状がデジタル化されることになりました。


これまでロシアでは、招集令状は当局者が直接書面で手渡さなければなりませんでしたが、今月法律が改正されました。

その背景には、去年9月プーチン大統領がウクライナでの軍事作戦で動員令を出し、混乱が広がったことがあります。



大勢の対象者が国外に出たり、別荘や知人の家に隠れたりして招集令状を受け取らず、動員から逃れようとする動きがありました。

ロシア政府にとっては、兵員不足が続く中、デジタル化で招集を効率化し、兵役逃れを防ぐねらいがあると見られます。

今後は、政府のポータルサイトを通じて個人アカウントに通知すれば、対象者が招集令状を受け取ったことになります。


またこれ以外にも郵送による通知や対象者名簿に掲載して7日たてば通知したと見なされることになります。



対象者は出国が禁止され、招集に応じない場合、運転免許の停止やローンが組めなくなるなど、幅広い範囲で社会的な活動が制限されることになります。

給付金の申請、ワクチンの接種、住民登録など幅広い行政サービスに使われ、「思ったより簡単」というキャッチフレーズで利用の呼びかけが行われてきましたが、今月からこの「国のサービス」には、兵役、つまり「国家への奉仕」も含まれることになったわけです。


兵役の手続きを、「思ったより簡単」にしていいのか、疑問に思う国民は多いでしょうし、ウクライナ軍の反転攻勢が予想されるなかで、ロシアでは、政府が新たな動員を計画しているのではないかという不安が広がっています。
posted by 川上義幸 at 16:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年04月27日

戦争中にバカンス

  東南アジア・タイのリゾート地、プーケットで休暇を過ごすロシア人観光客が増えていて、プーケットの海岸を歩くと、あちこちからロシア語が聞こえてくるようです。

  ウクライナへの軍事侵攻で「戦時中」の国からなぜこんなに来ているのかと不思議に感じるといいます。



  軍事侵攻を受けて、欧米各国や日本はロシアとの直行便を停止していますが、ロシア最大の航空会社アエロフロートの直行便が続々と到着します。

  タイでは去年10月にロシアとを結ぶ直行便が再開され、今では週に90往復も運航されています。

  タイを含む多くの東南アジア諸国がロシアへの制裁に参加せず、政治的に「中立」の姿勢を保っていることが背景にあります。



  GDPのおよそ2割を観光業が占めるタイですが、新型コロナの感染拡大以降、街から外国人観光客の姿は消えました。

  大きな打撃を受けてきただけに、業界関係者からは、今回の動きに歓迎の声が聞かれます。



  軍事侵攻前と比べて、富裕層の家族連れなどが長期滞在するケースが増えているといいます。

  滞在期間は15〜17日ほどで、大半の人が経済力があり、高級ホテルに泊まっています。

  大家族で、子どもや祖父母、子守を連れて滞在する人が多く、顧客の質は以前より裕福になっています。



  彼らが言うには、「いま、ロシアでは政府に反対する人は刑務所に入れられるかもしれないという恐怖があります。私はウクライナをとても愛しているし、ウクライナに多くの友人や親戚がいて苦しいです」

  「正直、ロシアには帰りたくありません。ロシアに帰ると兵士に動員されるかもしれません。観光ビザの期限ギリギリまでタイにいて、その後はロシアではなく他の国に行くことも考えています。今、ここは自由な空気で楽しいです」



  一方、受け入れる側のタイでは、政府がロシア人観光客のさらなる誘致に向けて動き始めています。

  国内外に避難せざるを得ないウクライナ人が多くいるなかで、多くのロシア人観光客が南国のリゾートで休暇を楽しむ様子には違和感を覚えずにはいられません。
posted by 川上義幸 at 11:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年04月26日

昭和の横丁復活

  入り組んだ小さな路地に飲食店が軒を連ねる「横丁」。

  そのディープな魅力をいかそうと、様々な取り組みが始まっています。


  横丁は、終戦当時の闇市がそのルーツとされていますが、それが時代の流れとともに人々の触れ合いの場となり、懐かしい場所となっていきました。



  活況を取り戻した場所、恵比寿横丁は、昔はシャッター通りでしたが、横丁に再生されました。

  横丁をイメージした飲食店街で、2008年にオープンし、コロナ明けを待っていたかのように大勢のお客でにぎわっています。

  男女の出会いの場となったり外国人に人気があったりして、今では恵比寿の名所になっています。



  ユニークな店舗開発がウリの「浜倉的商店製作所」。

  新たな挑戦の舞台は、新宿・歌舞伎町です。

  “かつてない横丁”で歌舞伎町に新たな客を呼ぼうということで、、新宿・歌舞伎町に、巨大エンタメ複合施設「東急歌舞伎町タワー」がオープンしました。

  その2階部分に開業するのが「歌舞伎横丁」で、手掛けるのは「横丁ブーム」の火付け役である「浜倉的商店製作所」の浜倉好宣さんです。


  今回の狙いは、歌舞伎町に新たな客を呼ぶこと、そして、インバウンド客を取り込むことです。

  浜倉さんの元で現場を仕切るのは二人の精鋭で、支配人には横丁ならではの“フレンドリーな接客”と“丁寧なサービス”、メニュー開発担当には横丁ならではの“気軽さ”と“本格的な味”を求めています。

  新たな客を歌舞伎町に呼ぶことはできるのでしょうか  ?



  一方70年の歴史がある「渋谷のんべい横丁」、昔ながらの横丁でコロナ前の活気を取り戻してはいますが、この先も今の姿を残しながら続けていくには、クリアすべき課題がありそうです。

  「渋谷のんべい横丁」は、戦後の闇市を発祥とする飲食街で、70年以上の歴史があり、現在は38の店が軒を連ねます。

  しかし、駅前の一等地ということもあり、いつ再開発が始まってもおかしくなく、経営者の高齢化も進んでいます。


  その常連客のひとりは、空間演出が本業ながら、横丁の店を店主から継ぎ、週に一度、店にも立っているといいます。

  そこには、店主と客、客と客の“触れ合いの文化”を残し、「横丁を起点に渋谷を盛り上げたい」という思いがあるようですが、…果たして?
posted by 川上義幸 at 13:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年04月25日

これからのインバウンド需要をどう取り込むか

コロナ前の1回の旅行で100万円以上消費した人はおよそ全体の1%でしたが、この1%の人の消費額が、全体の11.5%を占めていました。

ですから、外国人富裕層の消費をとりこんでいくことは、日本経済に大きなメリットとなります。


国は3月、6年ぶりに新たな観光戦略を策定し、2025年の1人当たりの消費額の目標を、今までの1.25倍に当たる20万円に引き上げるとしました。

外国人旅行者の「人数」ではなく、「消費額」を重視する方向にかじを切りました。

新型コロナの感染状況次第で訪日外国人の人数が左右されかねない中、1人当たりの消費額を高め、経済効果を着実に上げていくのがねらいです。



戦略のもう1つの柱が「地方滞在」です。

掲げた新目標は、東京・大阪・愛知の3大都市圏以外での宿泊数を今までの1.4泊から、2泊に伸ばすこと。

大都市に偏りがちな外国人旅行者の訪問先を多様化し、インバウンド需要の恩恵を、地方にも広げていこうとしています。

旺盛なインバウンド消費を、どう地方に誘い込むのか、その鍵を握るのが「その土地ならではの“特別な体験”」といわれています。



世界遺産にも選ばれている和歌山県の高野山では、参拝に訪れる人が泊まるお寺の宿泊施設・宿坊に、外国人の予約が多く入っています。

およそ1200年の歴史がある寺では今、予約が殺到しているというのが「スイートルーム」といいます。

壁一面に伝統工芸品があしらわれ、家具も国産のものが用意されています。

1泊の値段は15万円ですが2か月先まで予約でいっぱいといい、その大半を外国人旅行者が占めます。


また、めい想を体験したり、精進料理を味わったりするなど、寺ならではの体験をすることもできます。

コロナ禍で訪れる人が減少したのをきっかけに、寺では経済的にも地域が持続できる仕組みを作りたいと考え、付加価値を高めた部屋を用意したといいます。

外国人に根強い人気を誇る日本酒も地域の“売り”になります。



長野県佐久市の300年以上の歴史がある酒蔵に泊まって本格的な酒造りを体験できるツアーがあります。

杜氏がつきっきりで酒造りを教え、完成した酒は後日、客に配送されます。

ツアー客は酒蔵の一部を改装した施設に宿泊し、滞在中はさまざまな地酒の飲み比べもできます。

ただし、この宿で提供される食事は朝だけで、ツアー客には英語によるガイドマップを渡し、昼食と夕食は地元のお好きな店でとってもらいます。


シャッターを閉じる店が目立つ中、地元の人との交流を深めるとともに、地域全体の活性化につなげたいということです。



観光マーケティングに詳しい専門家は、地域で当たり前だと思っている文化や風習が観光資源になり得ると指摘します。

地域の文化と風習を守りつつ、経済・社会を活性化させたいという地方の思いと、外国人旅行者のニーズをうまく結び付けられるか、インバウンド需要が本格的に回復する中、地域の魅力をどう引き出していくのか、これからが勝負です。
posted by 川上義幸 at 05:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年04月23日

ゴルフシーズン

  フジサンケイレディースクラシックでは、神谷そら選手が出入りの激しいゴルフになりましたが、最後は再逆転で初優勝を勝ち取りました。

  神谷選手は20歳で、昨年のプロテストトップ通過の大物新人です。


  魅力は何といっても男子プロ並みの飛距離で、荒削りのところがあってリスクにもなっているようです。

  今日の最終日は、フェアウェイをキープしたのが2ホールだけで、スコアを落として逆転され、一時はトップと2打差ができてしまいました。

  終盤でバーディーを続けてとり、周りがスコアを乱す中で、首位に返り咲きました。

  久しぶりに、楽しいゴルフ観戦ができ、ギャラリーも満足する一日となったようです。


  先週も同い年の岩井明愛選手が初優勝し、次から次へと新星が現れ、女子ゴルフの人気はうなぎのぼりです。



  筑紫丘ゴルフ倶楽部では、先週『2023 ABEMAツアー i Golf Shaper Challenge in 筑紫ヶ丘』
が開催されていたようで、昨日のゴルフではグリーンが固くて速くパーオンしてもなかなか止まりませんでした。

  プロは飛ぶだけでなく高い技術がありますから、難易度を高めようとグリーの仕上がりもいつもより厳しいものになったということですが、アマチュアにとってはスコアを悪くすることになります。

  だいぶ暖かくなってきて体の回りもよくなり、ショットが安定してきましたがなかなか90を切ることができません。


  筑紫丘ゴルフクラブは、今がつつじが満開となっています。
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2023年04月21日

ウクライナ情勢

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。



長野県軽井沢町で開かれているG7=主要7か国の外相会合は、今日が最終日で、日本としてはウクライナ情勢や中国への対応をめぐり共同声明で強いメッセージを打ち出し、G7の結束をアピールしたい考えです。

G7外相会合は、結束してロシアへの制裁とウクライナ支援を継続していくことを確認しました。

その上で、中国や中東の国々を念頭に、ロシアが「第三国」を介して制裁を回避し、武器提供を受けることを防ぐため連携して対処することで一致しました。


また「グローバル・サウス」と呼ばれる新興国や途上国への支援については、エネルギーの安定供給や食料安全保障をめぐる対応で緊密に連携することで一致しました。

さらに「グローバル・サウス」の代表格とされ、ことしG20=主要20か国の議長国を務めるインドとの協力をさらに強化することも確認しました。


林外務大臣は記者団に対し「G7の外相間で胸襟を開いて議論を行うことができて、手応えを感じている」と述べました。

日本としては、ロシア軍のウクライナからの即時撤退を求めることや、中国の力や威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対することなどを盛り込んだ強いメッセージを打ち出し、G7の結束をアピールしたい考えで
す。



ウクライナと国境を接する国々では、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で、アフリカなどへ海上で輸送できなくなったウクライナ産の農産物が、ヨーロッパの別の港を使うための経由地として陸路で運び込まれています。

しかし、貨物列車やトラックといった輸送能力などに限界があり、ウクライナ産の農産物がそれぞれの国内で流通した結果、価格の安さから自国の農家が打撃を受ける事態となっていて、抗議活動も起きています。

このうち、ポーランドとハンガリーは今月15日、自国の農家を守るためだとして、ウクライナ産の農産物の輸入を6月30日まで禁止すると発表し、スロバキアも17日、輸入禁止を明らかにしました。


ロシアの軍事侵攻が長期化し、ウクライナ産の農産物の海上輸送が滞る中、隣国の輸入禁止による影響が懸念されています。

posted by 川上義幸 at 16:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年04月20日

自衛官採用、過去最低

自衛隊が2022年度に採用した任期制自衛官の候補生が計画人数半分以下だったようです。

これまで最も低かった2018年度の72%を大幅に下回る40%台後半でした。

政府が目指す「防衛力の抜本的な強化」の実現へ人材確保が急務となっています。



任期制自衛官は18〜32歳を対象に1期2〜3年で募集しますが、志願すれば2期目以降も継続して任官できます。

採用時の平均年齢は20歳前後で、最も階級の低い「士」の職務に就きます。

最初の3か月は教育・訓練を受ける候補生という立場になります。

全体の4割が任期制自衛官で、その8割強は2期以内で、入れ替わる割合が大きいといいます。

「士」階級の自衛官の人数は現在でも定員の8割に満たないようで、毎年安定的に新規採用できなければ現場の人出が足りなくなり、自衛隊の運用に支障が出かねない状況のようです。



防衛省内では急減した要因として、2022年に起きたウクライナ侵攻や中国による台湾周辺での軍事演習が影響した可能性が指摘されています。

戦争が身近に感じ、現実に起こるリスクを考慮し、任官をためらう層がいたとの見方です。


また、企業が人出不足を受けて賃上げに動いている影響もありそうで、税金から人件費を出す自衛官は初任給などの待遇改善が民間よりも遅れがちで、民間求人が急増すると獲得競争が厳しくなります。



任期制自衛官は承認試験に合格し教育訓練を終えれば階級が1つ上で人気のない「曹」の階級に上がれ、その上の階級で幹部自衛官にあたる「尉官」へ承認するケースもあります。

「士」の人数を確保できなければ、現場のたたき上げで幹部になるような人材を採る機会も減ります。



毎日のように報道されるウクライナ戦争ですが、ロシア、ウクライナとも兵員の数が不足し、その調達に苦労しているということですが、台湾問題も戦争へ発展する危険性がこれまで以上に高まるなかで、戦争を現実の問題として捉えると自衛官の採用はこれから益々厳しくなりそうです。
posted by 川上義幸 at 21:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年04月19日

北朝鮮のマンション

金正恩朝鮮労働党総書記は首都平壌に、外見は豪華な高層マンションを続々と建設しており、最近80階建ての物件が完成しました。


脱北者など北朝鮮の人々によると、こうしたマンションはエレベーターが満足に動かず、電気や水道に不備があり、職人の技量にも懸念があるため、最上階近くに住みたいと思う人は少ないといいます。

韓国への亡命者は「北朝鮮では富裕層ではなくて貧困層がペントハウスに住んでいる。エレベーターが正常に稼働しないことが多く、水圧が低くて給水できないからだ」と話します。

そして、自分はエレベーターのない13階建ての物件の3階に住んでいましたが、40階建ての28階に住んでいた友人はエレベーターが動かず、使ったことがなかったといいます。



今週竣工した80階建て高層マンションについても、金氏が自慢しているだけだと考えており、「住民のことを思ったというより、北朝鮮の建設技術がどれだけ上がったかを示すのが目的だ」と冷ややかです。

マンションの最上階に造られる特別仕様の高級住戸「ペントハウス」は、多くの国では人々にとって手の届かぬ憧れの的ですが、北朝鮮ではそうでもないようです。



社会主義国家の北朝鮮は住居が割り当て制で、住宅やマンションの売買は厳密には違法となっています。

しかし専門家によると、実際には物件の売買が普通に行われており、主に金正恩体制下で拡大した民間市場で利益を得た人たちが手を出しているようです。

金氏は、建築の質を高め、何万戸ものマンションを新築する方針を打ち出しています。



北朝鮮経済は、新型コロナウイルス感染防止のための国境閉鎖や自然災害、核・ミサイル開発への制裁措置で打撃を受けており、米国によると、入手できる資源は限られ、国民の需要を満たすには程遠い状態にあります。

一方、北朝鮮の国営メディアは13日、平壌で計画されている5万戸のマンションのうち、80階の高層マンションを含む最初の1万戸が完成したと報じました。

国営朝鮮中央通信は、建設に携わった労働者によって「品質が保証されて」おり、マンションのほか、教育や公衆衛生、福祉サービスに使われる予定の他の建物は、平壌が「人民ファースト」の都市となる上で一層貢献するだろうと伝えました。



北朝鮮は金正恩政権下で電力事情が大幅に改善し、夜遊びの機会も新たに生まれました。

しかし依然として電力不足や、ときにはお粗末なインフラに悩まされています。


高層マンションの普及には電気や水道の供給体制をさらに改善し、建築の品質に対する懸念を克服する必要があるといいます。
posted by 川上義幸 at 20:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年04月18日

途上国債務

急激な金利上昇で経済力の弱い途上国の過大債務問題が世界経済の重荷となってきました。

すでに61ヵ国が債務危機に直面しており、5200億ドル(約70兆円)の債務減免が必要となっている見られます。



20ヵ国財務相・中央銀行総裁会議でも集中討議がなされたようです。

いずれにせよ、途上国向け債権を多く抱える中国の協力が不可欠となります。

今回G20が途上国債務問題を主要議題にしたのは、インフレ対応で急速に利上げが進んだことで、それまで長く続いた緩和環境下で膨らませたツケが途上国の重い負担となっているためです。



米ボストン大学が出した報告書では、すでに債務危機に陥っているか、陥る可能性が高い61ヵ国が抱える債務8120 億ドルのうち、3170億〜5200億ドルの減免が不可欠だと指摘しています。

途上国債務の再編は返済の繰り延べが主体でしたが、事実上の棒引きである減免まで踏み込む必要性を説いています。



これまで途上国の債務再編は先進国が主導してきました。

ただ、スリランカの債務問題は、同国との2国間融資の52%を占める最大の債権国は中国で、すでに2022年と23年の債務返済の猶予を決めていてます。

国際開発協会加盟の最貧国に絞ると、中国の存在感はより顕著になり、中国の協力なしには途上国債務問題を前進させるのは難しい状況になっています。



中国は外交・安全保障と絡めて途上国への支援に濃淡をつけます。

スリランカへの支援には協力的で、ザンビアやガーナ、エチオピアなどの債務再編には慎重のようです。

世銀は年1%程度の低利で資金を貸し出しますが、中国の融資は金利が7%を超えるケースもあるといいます。



世銀によると、2021年時点の途上国の債務は、9.2兆ドル(約1200兆円)とリーマン危機時の3倍に膨らんでいます。

利払い負担とドル高に伴うドル建て債務はさらに膨らんでいる公算が大きいようです
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2023年04月17日

歌舞伎町タワー

14日に、「東急歌舞伎町タワー」が開業しました。

国内有数の歓楽街である歌舞伎町の中心部、「新宿ミラノ座」の跡地に、湧き上がる噴水のようにキラキラと輝く超高層ビルが誕生しました。

超高層ビルのフロア構成において定石とも言えるオフィスや物販施設が入居していない、異例の巨大エンターテインメント複合施設です。



超高層ビルが少ない新宿駅東口エリアでひときわ目立つ外装デザインは、永山祐子建築設計が手掛け、「オフィスフロアがなく企業テナントが入らないからこそ、噴水をモチーフとする大胆な形状と色使いの外装デザインを提案できた」といいます。

低層部の外壁にはアルミキャストの波模様、中・高層部には同じく波のようなアーチ窓を取り入れ、ガラスは光の当たり方で輝きが変わるように屏風状に並べています。

先端の白い部分は水しぶきをイメージしています。

耐候性の高い特殊インクを用いて、窓ガラスの外側表面に小さな「への字」形の模様を幾つもプリントしてアーチ窓に見せています。



建物は地下5階・地上48階建てで、延べ面積が約8万7400m2で、事業主体は東急と東急レクリエーションです。

低層部は劇場や映画館、ライブホールで構成し、上層階にはホテルが入ります。

地下にはライブホールの「Zepp Shinjyku(TOKYO)」を誘致し、地上階には約900席の劇場「THEATER MILANO-Za」や、8スクリーン計752席を備える映画館「109シネマズ」の新ブランドが入ります。
横町型の飲食フロアやアミューズメント施設に加え、サウナやプールが入る会員制施設も整備されています。



東急グループが運営する2つのホテルも5月19日に高層階に開業します。

高価格帯の「ベルスター東京」と中価格帯の「ホテルグルーヴ新宿」で、ベルスター東京は客室平均単価8万円以上を想定し、最高級客室は315万円強になるとようです。


エンターテイメントに特化したコト消費型の観光拠点として打ち出し、夜のインバウンド需要を開拓します。

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2023年04月15日

高級茶“八女茶”

  八女市を中心に生産される高級茶“八女茶”の国際展開がみたび動き出したようです。

  これまで協力者の死去や、新型コロナウィルス禍など不測の事態で2度頓挫していました。



  著名ソムリエを商品開発の助っ人として迎え、伝統ある玉露の手法で入れた最高級のお茶をワインボトルに詰めて販売します。

   ボトリングティーの名は「YAME(ヤメ)」で、年間わずか124kgしか生産されない最高級の茶葉を使い、500mlですが価格は27000円とペットボトル飲料の100倍を優に超えるものです。



  ボトリングティー開発の強力な味方となったのが、有名ソムリエのフランソワ・シャルティエ氏です。

  彼は昨年八女に来訪した際に「八女伝統本玉露」の茶を飲み、アルザスのワインをほうふつさせると絶賛したといいます。

  八女茶をワインのように取り扱うには、茶葉から入れる方法では茶葉を正しく管理し、湯の温度などにも気を遣わないと望み通りの味わいを出しにくいといわれています。

  静岡市のベネフィッティーに製造を依頼し、マイナス1度前後という低温抽出でうまみを引き出し、不純物も抑えた高品質なボトリングティーを実現しました。



  福岡県がニャーヨークの1つ星レストラン「クラウンシャイ」で開いた八女茶と料理のペアリングイベントに参加しました。

  県が参加した他のレストラン関係者やインフルエンサーなど28人に印象的だった組み合わせを尋ねたところ、牛肉の「ショートリブと八女伝統本玉露」を6割の参加者が選んだといいます。



  県は前後して、久留米市にも拠点を置くニューヨークの日本茶専門店「ケトル」で八女茶フェアを開催しました。

  その時ケトルのオーナーは、「お酒を飲まない人が増えていることも追い風になる」と指摘したといいます。


  5年後には5000本を出荷し、世界の「YAME」を目指すということです。
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2023年04月13日

黄砂飛来

  今日13日(木)も、昨日に続き、北海道から九州の広い範囲に黄砂が飛来しています。

  アレルギー疾患をお持ちの方は、症状が悪化するおそれがありますので、症状がひどい方は、なるべく長時間の外出を控えるなど、注意をした方がよさそうです。

  また、車や洗濯物に黄砂が付着するなどの影響も予想され、洗濯物は外干しを避けて、車はタオルなどでこすって汚れをとろうとせず、水洗いをした方が良いということです。



  黄砂の時の洗車では「やってはいけない」注意点は、黄砂の粒は硬いためボディを直接傷つけてしまいますから黄砂が付いた車をタオルで拭くこと。

  そして、やってしまいがちなNGな行為2つめが、そのまま洗車機に入れてしまうことです。

  洗車機はブラシで汚れを落とすことが多く、黄砂が付いた状態だとボディが傷付く原因になってしまいます。



  明日14日(金)にはいったん黄砂が落ち着きますが、16日(日)には、再び西から黄砂が飛来する予想になっています。

  黄砂とは、中国大陸奥地のタクラマカン砂漠やゴビ砂漠などで舞い上がった砂ぼこりが、飛んでくる現象です。

  黄砂は、上空の強い風によって、遠く離れた日本へも飛んできます。

  この東アジアが起源の黄砂粒子が太平洋を横断し、北米やグリーンランドへ輸送されたことも報告されています。



  黄砂が最も多く観測されるのは、春(3〜5月)で、時には、空が黄褐色に煙ることもあります。

  黄砂の影響は、量が少ないと、遠くの景色がぼんやりかすむ程度ですが、黄砂の量が増えるにつれて、車や洗濯物などが汚れてしまったり、小型航空機の運航に影響がでたりすることもあります。黄砂が予想される場合
は、注意が必要です。
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2023年04月12日

ChatGPT

ネット上などの膨大な情報を学習し、まるで人間のように会話ができるAI「ChatGPT」が登場し、世界中で急速に利用が広がり、私たちの生活に大きな影響を及ぼし始めています。

正と負の両面が、大きくクローズアップされている“異次元”のAIで、「私たち人間は、AIとどう向き合っていくのか」という避けられない命題が、いま、突きつけられています。



「読み進めるうちに、物語に引き込まれ、最後まで手放せませんでした」

「主人公を守ろうとする姿勢に共感し、その命運に思わず涙しました」

先月、小学5年生が提出したハリーポッターシリーズの読書感想文の一節に、字は年相応ですが、使われている表現は「感銘を受けた」「涙した」など、小学生が書いたとは思えないほど巧みだったといいます。

これは「ChatGPT」を使って書かれたものでした。



ChatGPTの利用は、いま日本でも急速に広がり、私たちの生活を変え始めています。

企業向けのシステム開発を手がけるIT企業、「パナソニックコネクト」は、ことし2月、国内の1万2500人の全社員を対象に、ChatGPTを利用した独自のAIシステムを導入しました。

すでに劇的な業務効率化の効果がでているといいます。

ただ、会社では、AIはあくまでアシスタントとして、限界を理解した上で使用するよう、使う際の「注意事項5か条」を決めている。

▽「正確とは限りません。最終的な判断は人が行う必要があります」

▽「最近のことは回答できません」

▽「パブリックな情報からしか回答できません。社内情報は学習していません」

▽「英語の方が正確な回答が返ってきます」

▽「未来のことはわかりません」

導入を決めた責任者は、AIによる効率化で生まれた余力や時間を使うことで、業務の生産性がさらに上がっていくことに期待しています。



ChatGPTの普及が進むアメリカでは、その能力のすごさゆえ波紋が広がっています。

雇用や仕事への影響に関しては、先月、アメリカのペンシルバニア大学などの研究グループが、ChatGPTなどのAIが人々の仕事にどんな影響を与えるのか、研究結果を公表しましたが、この中では「アメリカでは80%近い人々の仕事に、何らかの影響がでる」とされています。



日本でも教育現場での利用が広がっていると見られますが、詳しい実態は分かっていません。

こうした中、国内の大学でも対応や見解や注意喚起を始めるところも出てきていて、東京大学は、学内向けのホームページに副学長名で見解を示し、「学位やレポートについては生成系AIのみを用いて作成することはできない」などとしました。



このほか、小中高校生の「読書感想文」の今年度のコンクールについても、主催する全国学校図書館協議会が、応募要項に「盗作や不適切な引用等があった場合、審査対象外になることがある」と追記したほか、文部科学省も、今後、学校現場での取り扱いを示す資料を作成する方針です。



進化が速いAIの魅力、可能性にただただ驚愕するばかりですが、一方でその脅威に世界中で懸念の声が高まっているようです。
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2023年04月11日

アンモニア発電

  再生可能エネルギーや原子力に続く二酸化炭素を排出しないエネルギー源として、アンモニアが脚光を浴びています。

  脱炭素の切り札とされる水素よりも保管や輸送が容易で、現実的な実用化を見込めそうです。



  2030年ごろには生産から燃焼に至る一連の技術が出そろう見通しで、普及期に向け着々と技術を磨いており、石炭や天然ガスを燃やす火力発電の一部を置き換えそうです。

  温暖化ガスをほとんど出さない世界初のアンモニアガスタービンの試験運転がIHIで進んでおり、2025年には工場やビルの自家発電用などに実用化する見込みです。

  実現のカギは燃焼技術で、アンモニアを2段階で効率よく燃やすなどして、亜酸化窒素の発生を抑えることができました。

  亜酸化窒素は温暖化への影響がCO2の約300倍大きく、その対処が問題でした。

  今後は、発電所用に大型化も狙っています。



  アンモニアに先行して脱炭素の切り札とされたのは燃やすと水になる水素でした。

  2000年代末から家庭用燃料電池や燃料電池車が登場しましたが、保管や輸送に使うタンクを大気の数百倍の高圧にするか、零下253度の極低温の状態にする必要があります。

  しかし、インフラ整備が難しく、発電分野への普及が遅れました。



  その水素に代わって注目されるのがアンモニアで、数気圧か零下33度で保管でき、通常のガスタンクで扱えます。

  今後は発電量が天候に左右される再エネの普及が進み、現在は補助電源として石炭や天然ガスが担う出力調整の一部をアンモニアが代替する期待が高まっています。

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2023年04月10日

ロシア系住民の苦しみ

ロシアと国境を接するバルト三国の1つ、エストニアは、第二次世界大戦中の1940年に旧ソビエトに併合され、その後、半世紀にわたってソビエトによる支配を受けてきました。

1990年に独立を宣言した後もロシアの動向を強く警戒し、ロシアによる軍事侵攻が始まってからは他のバルト三国とともにウクライナへの軍事支援の議論を主導しています。



一方で、エストニアにはソビエト時代に多くのロシア人が移り住み、ロシア語を話すロシア系住民は人口の4分の1、およそ30万人にのぼります。

首都タリン では、エストニアの独立戦勝記念碑がある自由広場に面する建物にはエストニアの国旗とともに大きなウクライナの国旗も掲げられています。



ロシアへの強硬な姿勢を続けるエストニア。

その姿勢は、国内に住むロシア系住民に対しても向けられています。

軍事侵攻後の去年4月には、ロシアと国境を接し、ロシア系住民が人口の9割を占める東部の都市・ナルバにあるロシア領事館を閉鎖し、さらに9月にはロシア人の観光などでの入国を原則、禁止としました。

ナルバと、ロシアを隔てる幅100メートルほどの川には橋が架かっていますが、エストニアとロシアの間を行き来する人や車はほとんど見られません。



その影響は、言語政策にも及んでいます。

エストニアにはロシア語で教育を行う学校も多くありますが、政府はこうした学校にもエストニア語での教育を義務化し、来年から段階的に導入していくことを決めたのです。



ロシアとの関係が悪化の一途をたどる中、ロシア系住民の女性は、二重の苦しみを受けているといいます。

彼女の話では、「私の娘はロシアの大学を卒業し、ロシアで仕事を見つけ、戦争前はすべてが順調でした。しかし今は『なぜウクライナを支持するのか。エストニア人はロシアが嫌いなんだろう。みんな死んでしまえ』などと知人からも言われ、ひどい扱いを受けているそうです。
ロシアにいる娘に会いにいってやりたくても、今はビザを取るのも難しくなり娘に会いに行くことすらできません」ということです。



ソビエトの支配から独立し30年が経つエストニア。

自由で開かれた経済は大きく成長し、言論の自由も保証されています。

ロシア系住民でも若い人たちはエストニア語を学ぶ人も多いといいます。


しかし、ロシアとヨーロッパの「決別」がいっそう深まるなか、着実に「脱ロシア」を進めてきたエストニアでは、これまで両方の社会を行き来し、国家の“狭間”で暮らしてきた人たちが、誰にも言えない思いを抱え、苦しんでいるようです。
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2023年04月09日

赤いダイヤとなるか、サケ

いつまでもサケが“安くて美味しい魚”であり続けることができるのでしょうか、もしかすると貴重な“赤いダイヤ”になるかもしれません。



“サケの街”として知られる新潟県村上市では、年末年始の贈答品などとして「塩引き鮭」を作るのが伝統です。

家々の軒下に吊り下げられたサケが寒風に揺れる様子は、町家が立ち並ぶ城下町の冬の風物詩となっているようです。

サケとこの街との結び付きは古く、江戸時代には村上藩の藩士が、サケが遡上する川に「種川」と呼ばれる産卵用の川を作り、世界で初めてサケが自然に増殖する環境を整えたと伝えられています。

村上市では塩引き鮭の材料などとして国内で漁獲される天然のサケを多く扱っていますが、サケを取り扱う商社によりますと、国内で流通するサケのうち、いまや輸入される養殖のサケが8割にのぼっているということです。



地域の飲食店や旅館などにサケの加工商品を卸している水産加工会社では、最近は素材として輸入の養殖のサケも使っているとのことですが、サケの流通をとりまくある“異変”があるようです。

国産のサケだけではなく円安で輸入のサケも価格が高騰していて、規模の小さな会社ではどうしても“買い負けて”しまうといいます。

去年急速に進んだ円安で輸入コストが急上昇し、輸入にあたった商社、そこからサケを買い付ける卸売会社がそれぞれコストを販売価格に上乗せしたことで、調達価格は20%ほどの大幅な値上がりとなりました。



“買い負け”の背景には、別の要因があるようで、サケの人気が高まり、世界的なブームが起きていて、この影響で質のよいサケを日本に安く仕入れることができなくなったのが根本的な問題のようです。

200万人もの日系人が暮らすブラジルの最大の都市、サンパウロでは、肉料理・シュラスコのレストランよりも日本食レストランの方が多いと言われるほど日本食は人気です。

その中でも人々が好んで食べるのがサケを使った料理で、サンパウロで消費されるサケは、そのほとんどが隣国チリから輸入されたものだと言われています。



健康志向の高まりなどで仕入れ価格は去年、3年前に比べて2倍にまで上昇しましたが、チリ産のサケの需要は衰えませんでした。

人口2億人を超える巨大市場ブラジルでのサケ人気で、そのあおりを受けて、養殖の本場チリでも価格は高騰し、もはや手軽に味わう食品とは言えなくなっています。


  チリ産の輸出先を見ると、ブラジルは全体の約12%と、アメリカ、日本に次ぐ3位になっています。

  一方、日本のシェアは15年前の2008年には全体の36%と輸出先ではトップでしたが、去年は20%まで低下しています。



  世界で巻き起こる「サーモンブーム」。

  これは、健康志向の高まりで世界的に水産物の消費量が増えていることが背景にあるといいます。



  さらにウクライナ情勢も影響していて、養殖のサケの一大産地であるノルウェーから日本への空輸ルートを変更したことで輸送コストが上昇し、これも販売価格に影響しているといいます。

  エネルギー価格やエサ代の高騰でサーモンの養殖にかかるコストが増加し、さらに円安の影響もあって、仕入れにかかるコストは総額で30%から40%も上昇しています。



  現時点では輸入量が不足する事態にはなっていませんが、今後、世界で拡大するとみられる需要に対し、供給側がどう対応していくかが課題となります。

  世界ではチリやノルウェー、アラスカといった従来の生産地に加え、黒海で養殖するトルコにもバイヤーから熱い視線が注がれています。
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2023年04月06日

グローバルサウス

西側諸国と中ロの政治対立が深まる中、グローバルサウスと呼ばれる南半球を中心とする新興国や途上国の国々に注目が集まっています。

西側、中ロのどちらにもくみせず、第三極の立場をとることが多く、これらの勢力の行動により、国際政治の力学が大きく変わります。



中国はかねて途上国との関係を足場に、世界への影響を強めようとしてきました。

国連内にはG77という名のグループがあり、1964年にアフリカや中南米など77の途上国で発足し、今は約130ヵ国超が名を連ねています。

中国は「G77+1(中国)」の枠組みで会合を重ね、連帯を促しています。

ウクライナ問題でロシアを非難する国連決議に毎回、数々の途上国が棄権するのは、中国の働きかけと無縁ではないようです。



さらに中国は、広域経済圏「一帯一路」でアジアやアフリカに巨額のインフラ支援を注ぎ、影響を拡げてきました。

しかし、ここにきて中国には一転、逆風が吹いていて、「一帯一路」はスリランカや一部のアフリカ諸国に巨額の債務を残し、火種となっているようです。



そんな中、興味深いのがインドの動きで、中国よりも自分の方がサウスの盟主にふさわしいということで、G20の議長国である今年、しきりにそんな立場を宣伝しています。

インド政府は「グローバルサウスの声サミット」と称するオンライン会議も開催しました。

120ヵ国以上を招きましたが、中国は呼びませんでした。


インドの戦略は、9月のG20首脳会議に向けて、インドは様々な関連会合を開き、過剰債務や食料、エネルギーといった問題に焦点を当て、同時に米欧日と調整し、G20首脳会議で解決策を打ち出し、インドこそが途上国の声を代弁できることを示そうとしているようです。
posted by 川上義幸 at 17:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年04月05日

「21世紀は水をめぐる争いの世紀になる」

水不足は国どうしの緊張にもつながっています。


近年干ばつに見舞われ、水不足が深刻なトルコですが、水不足の改善と電力の確保などを目的にユーフラテス川上流でダム建設が進められ、2000年代に入ってからは、およそ20のダムが建設されました。

エルドアン大統領も、自国の水源確保に全力で取り組む姿勢を強調し、「我が国の水源のただの1滴も無駄にすることは、許されない。かつて石油をめぐって争いが起きたように、これからは水や食料をめぐって争うことになる」といいます。

一方で、下流に位置するイラクは、「トルコが水を独占することでイラク国内の川の水量は6割も低下した」とこうしたトルコの姿勢に猛反発しています。


中東ではナイル川でも、上流のエチオピアがダムを建設したことに、下流のエジプトとスーダンが反発し、軍事演習を行い、軍事的な介入も辞さない姿勢を示しました。


ほかにも、ドナウ川やインダス川など世界各地で水を巡って、国家間でのあつれきが生じています。



水資源政策の専門家は、「水が共通の財産である以上、ライバルは生まれます。気候変動によって降水量がさらに不規則になれば水不足はさらに深刻化し、水の奪い合いも世界レベルでさらに激しくなることは間違いないでしょう。簡単なことではないが、問題の解決のためには、当事者同士が解決に向けて対処し、水を共有する文化を身につけていかなくてはいけない」と指摘します。


いま、地球は気候変動の影響で、待ったなしの状態にまで追い詰められています。



世界の人口は80億人を突破。

国連によると、世界では8億2800万人、10人に1人が飢餓に直面しています。

さらに安全な飲料水が入手できない人は22億人、毎日700人以上の子どもが不衛生な水が理由で死亡しています。



2022年の夏のヨーロッパは、「少なくとも過去500年で最悪」とも言われる、記録的な干ばつに見舞われるなど各地で、異常気象に見舞われています。


「20世紀の戦争が石油をめぐって戦われたとすれば、21世紀は水をめぐる争いの世紀になるだろうと世界銀行元副総裁 イスマイル・セラゲルディン氏が言うように、世界各地で水の危機ともいえる状況が表面化しています。


私たちはこの危機を乗り越えられるのか、人類の英知が問われています。
posted by 川上義幸 at 17:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2023年04月03日

ホークス3連勝、野球シーズン始まる

  球春到来。

  今年はWBC開催の影響でプロ野球の公式戦のスタートが例年よりも遅れました。

  ジャパンチームのWBCでの戦いが素晴らしかったものですから、盛り上がりに欠けるのかと思っていましたが、何のそのどの球場とも満員の観客で埋まり、熱戦が繰り広げられています。



  PayPayドームでも連日の満員で、鳴り物入りの応援が復活し、ホークスの得点のチャンスには、トランペットの演奏に合わせて“ワッショイ、ワッショイ”のお祭り騒ぎです。

  対して、対戦相手のロッテの応援もコロナ前の応援が復活し負けてはいません。

  ロッテ応援団は黒のビジターユニホームを身にまとい、左翼席から飛び跳ねて大音量で声援を発し続けます。  

  サッカーの応援に似たロッテの迫力ある応援がスタンドに戻ってきました。



  昨日の第3戦は、孫たちを連れての今年最初の観戦となりましたが、序盤は東浜投手の力投でホークスペースで進みました。

  6回に入り、東浜投手の疲れが出てきたのか、三振が取れていた球も球速が落ちると内安打になり、チャンスが広がるとロッテの応援が勢いを増し、タイムリーへと得点につながっていきました。

  試合は完封勝ちの2連勝を受けてのホークスが終始リードを許さず、5対3で最後は今年の守護神オスナが占めてゲームセットとなりました。

  今年の勝ちパターンの展開となりました。


  久しぶりに勝利の花火を見て、勝利の余韻を楽しんできました。
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2023年04月01日

人口減少と中国社会

14億の人口を抱えながらも、ついにその数が減少し始めた中国、その一方でインドが中国を抜いて世界トップの人口大国となる時代を迎えつつあります。


「自分の人生を犠牲にしてまで、結婚したくない」

中国では、結婚を望まない若者が増え、結婚する人の数はこの10年で半分に減少しています。

そして、かつてないスピードで少子高齢化が進み、親の介護が負担で殺人事件に発展するケースまで出ています。



中国本土で去年1年間に生まれた子どもの数は956万人で、前の年よりも実に106万人減少しています。

さらに人口1000人あたりの生まれた子どもの数を示す「出生率」も去年末の時点で6.77となっていて、1949年の建国以来、最も低くなっています。



初めて結婚する人の数は2021年まで8年連続で減少し、過去最多だった2013年の年間2385万人余りと比べて半分以下の1157万人余りになっています。

家庭を持つと多くの責任が伴い、今の自分の人生の楽しみを犠牲にしてまで、結婚したくはないという意見もあります。

ほかにもさまざまな要因が指摘されていて、異性との関わり方がわからないという人も多くいると言われています。

経済発展に伴って社会的に競争が激しくなる中で、受験勉強などに集中してきた結果、異性との関係を築く余裕がなかったという見方も出ています。

一方、結婚や出産を望んでいても、不動産価格の高騰や子どもの教育費の増加など、生活コストの負担が重いことを理由に踏み出せない人も多くいるのが実情です。



少子化の傾向が続く中で、急速に高齢化も進んでいます。

去年の65歳以上の高齢者は2億978万人と人口全体の14.9%。いわゆる「高齢社会」に位置づけられる数値です。


高齢化が加速する背景にあるのが「一人っ子政策」です。

中国では、1980年ごろから人口の増加を抑制するためにひと組の夫婦に原則として1人の子どもしか認めてきませんでした。

そして今では40代となった「一人っ子」も多くなっていて、高齢の親を1人で介護しなければいけないことが現役世代に重くのしかかり始めています。



中国では日本の介護保険にあたる制度はありませんし、医療費に対する支援も十分とは言えません。

中国では、介護を支える公的な仕組みは整っておらず、一部の地域で試験的に介護保険制度の導入を始めていて、2025年をめどに全国的な導入を目指してはいますが、今は家庭での介護に依存しているのが実態です。


社会主義を掲げていますが、社会保障制度が十分に整備されていないのが中国です。

中国の社会保障制度に詳しい専門家は、早急にこの課題に対処しなければ社会的な不安を招きかねないと指摘します。
posted by 川上義幸 at 18:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記