2024年01月30日

気候変動は心身も変える?

地球温暖化が人の健康の悪化や動物の凶暴化などをもたらすという報告が出ています。


人類史を振り返る研究によると、気候によって脳の大きさは変わるとされ、その影響も注目されています。

人類の活動がもたらした気候変動は、気づかないところで私たちの心身を変えているのかもしれません。



温暖化が心の健康に影響するかもしれないと考えさせる統計報告もあります。

中国の復旦大学などは昨年の6月発表の論文で「熱帯や亜熱帯地域で年平均気温が1度上がると、妻などパートナーの女性への暴力が4.5%ずつ増える」と報告しました。


暑いと狂暴になるという疫学調査は動物でもあります。

米ハーバード大学の調査によると、気温が上昇すると人がイヌにかまれる頻度が増えたといいます。

蛇でも気温が1度上がるとかまれる頻度が約6%高まるといいます。

ただ、これらの統計の結果とはいえ、実際には別の理由で起きている可能性も残るようで、暑さが動物や人の脳にどのように作用するか、生理学的な仕組みはわかっていません。



ハーバード大のクラス・リーマン博士は「暑さなど生理的なストレスが高まると、視床株、下垂体、性腺軸といったホルモンを作る組織の働きが高まり、攻撃するなど短絡的な問題解決に走りやすくなる」と言います。

過去の人類の歴史を振り返ると、温暖化によって脳の大きさが変わる可能性があることもわかってきました。



  米ロサンゼルス郡自然死博物館の研究チームが発表した論文によると、気候の寒冷化と温暖化が相次いだ過去5万年の約300個の頭蓋骨の容積から脳の大きさを推定すると、平均より温かい時期は寒い時期より10%小さかったようです。

  今後も脳が温暖化に適応して縮むと考えられ、脳の大きさに影響するならば、いつから現れるのか、縮むと認知機能などに影響するのか、温暖化で脳が受ける影響のメカニズムの解明はこれかのようです。
posted by 川上義幸 at 21:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

中国で高まる公務員人気

中国の皇帝が統治していた帝政時代、官吏登用試験「科挙」は単なる試験という意味だけでなく、名誉、安定、尊敬への入り口でもありました。



現在、中国の国家公務員試験は科挙と同様の意味を持つようになりつつあるといわれています。

2017年以降、年間受験者は約70%増え、昨年は約260万人に達しています。



科挙は帝政で極めて重要な制度で、家柄や政治的コネではなく、実力で官吏を登用することを可能にしたからで、千年以上にわたって重要な役割を果たしました。

現在、中国政府の仕事に対する人気の高まりとして儒教的な価値観が挙げられることが多いですが、それだけでは大卒者の職業志向の大きな変化を説明できません。



20年以上前は、主に民間企業、特に高収入でより大きなチャンスがあり、オープンなコミュニケーションができる外資系の多国籍企業に目が向けられていました。

今の若者の動向は世界や経済の流れを浮き彫りにしていて、中国では景気減速で多くの産業で雇用が縮小し賃金も停滞していることから、当然ながら安定性が高い政府の仕事の魅力が増しているわけです。

最近のハイテク分野を中心とした規制の強化によって、民間の雇用市場の不透明感がさらに高まり、中国政府の介入によって雇用が大幅に失われ、かつては活気があふれていた産業に従事する人々がキャリアを考え直す必要が生じました。



こうした変化を受け、多くの若者が安全と思われる政府機関の雇用に流れている模様です。

従来は国際的な仕事のチャンスを求めていた海外留学中の中国人でさえ、自国での政府の職を求める傾向を強めています。


このまま政府関連の仕事に就く大卒者が増えれば、民間部門は優秀な人材が不足し、イノベーションや成長を阻害し、中国の発展を左右しかねません。
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2024年01月29日

メルカトル地図は錯覚を生む

  16世紀後半、地理学者メルカトルが考案した海図は大航海時代を支え、産業革命へとつらなる欧米躍進の端緒を生み出しました。

  北が上で南が下、欧州と米国東部を両脇に抱える大西洋を真ん中に、アジアやアフリカが辺境に広がります。

  しかし、高緯度ほど面積を大きく描く図法は同時に、陸地の多い北半球をことさら巨大に、欧米こそ世界の中心という錯覚を長く植え付けてきました。



  地図がうむ虚構の第一は北と南で、航海術が発達して以降、北の空に動かずにいる北極星が方角の目印として定着し、地図でも北を上に置くのが当たり前となりました。

  古代エジプトは南が上、中世ヨーロッパの一部は東が上と、地域や時代によって方角の基準はバラバラでした。

  メルカトル図法では北に位置するロシアが特に大きく描かれますが、南を上にして面積も正しく直すと、アフリカが存在感を増します。



  「カルトグラム」と呼ばれる手法を使うと、世界の実像が見えてきます。

  様々な統計データをもとに地図を描きなおします。



  わかりやすいのは人口で、中国とインドが突出して大きくなり、欧州各国がとたんに小さくなります。

  出生数ではアフリカとインドが異様に膨らむ新たな世界が現れます。



  移動時間も各国の世界観を示す指標になります。

  紅海沿岸の砂漠地帯で巨大人工都市「NEOM」の建設を進めるサウジアラビアがいい例で、「世界の4割の人が6時間未満にアクセスできる」と強調して世界中から投資マネーを呼び込んでいます。

  地中海をはさんで欧州と向き合うだけでなく、アフリカ、インド、中央アジアと、サウジから世界を眺めると成長センターに如何に近いかがわかります。

  2030年には首都リヤドで国際博覧会を開くことも決まり、外交や経済の場で勢いを増しています。



  視点を海に移すと、インドの地理的な重要さが際立ち、インドを中心に地球を逆さまにすると、沖に広いインド洋が見渡せます。

  インド洋には中東のホルムズ海峡、東南アジアのマラッカ海峡など主要な要衝が直接または間接的に連なっていて、インドは中東・アフリカから東南アジアへと至る航路の要に位置します。

  周辺を経ずには原油などのエネルギー輸送、農産物・工業製品コンテナ船の運行は難しく、経済安全上のカギを握っています。



  グローバルサウスの台頭で、西側諸国が前提としてきた地理的な常識は崩れつつあり、地政学を読み解く新しい視点が欠かせなくなっています。
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2024年01月27日

アンコンシャスバイアス

  「アンコンシャスバイアス」とは、物事や行動に対して無意識に持っている思い込みのことです。

  どんな事象にも例外もありますが、ベテランゴルファーがイメージや印象だけで持っている「アンコンシャスバイアス」は、すべてが正しいワケではありません。



  ゴルファーが持つ「アンコンシャスバイアス」は、頑固なベテランに多いようです。

  例えば「若いビギナーや女性ゴルファーはプレーが遅くマナーが悪い」というイメージは、実際にゴルフ場に行っている人やゴルフ場関係者から話を聞くと「むしろ逆」で、マナーが悪いのはスコアに固執している上級者や年配者の方が多いそうです。

  「若い」「ビギナー」だからこそ「自分たちはヘタ」という意識が強く、経験から来るきめ細かい所作こそないもののネット情報には十分にアンテナが張っているため、「嫌われるゴルファーにならない」行動をとる人を実際に多く見かけます。



  一方、ごく一部のベテランの中には「自分基準」でラウンドするため、周りへの配慮に欠けてしまったゴルファーがいるようです。

  渋滞時でも「大声量」で話し、カートマナーが欠落したベテランや、前の組がセカンドショットを待っていても「どうせ届かないから」とティーショットを打ってしまう人などです。



  ネットに「お手本モデル」があふれている現代、「理屈を理解したら上達する」という考え方も「アンコンシャスバイアス」なのかも知れません。

  「お手本になるモデル」があふれている現代ゴルファーには、「理論」や「打法」などの理屈よりも「結果」が重要なのですが。

  「頭を残せ」が「ステーショナリーヘッド」や「インパクトを確認」などと言葉が変わっても、結果としてナイスショットが打てる確率が上がればいいだけなのです。



  今日、久しぶりにゴルフに行ってきました。

  ショットは「お手本モデル」など気にせず、理屈ではなく自然体で肩を回して力まずスウィングすることだけに気を配り、だいぶ良くなってきました。

  ただ、アゲインストの風やのぼりを計算してのセカンドショットの距離感がうまくつかめず、ナイスショットでも距離が足らずバンカーへというシーンが多くありました。


  年齢とともに飛距離も変化し、風の影響も受けやすいのでしょうが、昔のイメージを引きずり、番手を変えることができない、これも「アンコンシャスバイアス」でしょうか。

  思うようにいかないもどかしさがスコアに現れ、後半は大叩きをしてしまいました。
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2024年01月26日

献血

ここ数年、かなりの頻度で献血言っていますが、いま、若い世代で献血を行う人が減ってきているようです。

この20年間、ほぼ横ばいで、500万人前後を推移しています。



ところが年代別に見ますと、30代以下の数は、大きく減ってきていて、2002年度には361万人いましたが、2022年度は167万人と、半分以下になっています。

いまは私のような比較的高齢の方の献血が増えて、量を維持出来ていますが、この傾向が続きますと、将来的に、血液の安定供給に支障を来す恐れも懸念されています。



若い世代の献血が減っている理由はいくつかあるようで、まずは少子化で、そもそも若い世代が減っていることが挙げられます。

それに加えて、「学校献血」が減っているという点もあります。

献血は16歳から実施できますが、これまでは、高校や専門学校などに献血バスが出向いて、集団で採血を行う学校献血が数多く行われてきました。

それが、学校の方針の変更などによって、徐々に数が減ってきているようです。

若いうちに献血を経験する機会がないと、大人になっても、献血に意識が向かない可能性も出てきますから、若い頃から献血の大切さを知ることは重要です。



この度の能登半島地震では、大勢の人がけがをしましたが、輸血を受けた被災者の方もいたのではないかと思います。

医療の技術が進歩しているとは言え、血液を人工的に造ることは出来ません。

多くの人が継続的に、献血に協力していかなければなりませんが、こうした献血の必要性を、若い世代にもっと理解をしてもらうことが、今の大きな課題であると言えます。



日本赤十字社や国などは、啓発活動を強めていて、毎年1月から2月にかけては、「はたちの献血」というキャンペーンを実施しています。

WEBサイトやテレビのCMなどで、若い人をターゲットに、献血の目的や意義を伝えたり、協力を呼び掛けたりしています。



この献血の目的ですが、実はあまり知られていないことがあります。

集められた血液のうち、病気やけがをした人の輸血用に使われるのは、実は全体の半分ほどで、残りは何かというと、血漿分画製剤と呼ばれる医薬品の原料に使われています。

血液の中に含まれる「血漿」という成分を、薬に変えていて、重症の感染症や一部の神経疾患などに使われる「免疫グロブリン製剤」、やけどやショックなどの治療に使われる「アルブミン製剤」などがあります。

重要なのは、こうした薬の原料となる血漿の需要が、いま急激に増えているという点です。

必要量は5年間で1.3倍になっていて、これは血漿で作る医薬品の使い道が、どんどん広がっているからです。



最近は、病気の症状が悪化する前に投与して、状態を維持するためにも使われています。

薬の原料としての需要も高まっているわけです。

こうした状況に対応しようと、最近は、薬(血漿分画製剤)の原料となる「血漿」だけを取り出す、専用の献血ルームも出てきています。


血液を戻す成分献血も、戻さない全血献血も、どちらも重要です。
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2024年01月24日

COP28

年明け早々から能登地震が起きて、今でも被災者の皆さんは昨日からの今年一番の寒波に見舞われ避難生活にご苦労されています。

地震国、日本をあらためて認識させられましたが、今年ももう一つの自然災害である気候変動による水害が話題となりそうです。



世界は危機的な状況にあるにもかかわらず、昨年開催されたCOP28では大きな成果は得られなかったようで
す。

世界中の科学者が口をそろえて指摘するのが、一つには気候変動に伴う災害は人類の活動に起因する、2つ目が2015年の「パリ協定」(2100年までに世界の平均気温上昇を産業革命前と比べて1.5度以内に抑える)は順守できない、3つ目が世界の平均気温は少なくとも4度上昇するというものです。



COP28で議論されたのは、気候変動でもたらされる大損害のごく一部を補償する基金の創設と、すでに他の場で決定されている再生可能エネルギーの利用促進だけでした。

化石燃料の使用廃止に関する具体的な約束はありませんでした。

早急に対策を講じないと、気候変動の災害はさらに激化します。



水没するのは太平洋に浮かぶ島国だけではなく、パキスタンやバングラデシュの沿岸部はもとより、世界各地で住めない地域が生じます。

クアラルンプールや東京、上海、シンガポールは大型台風に見舞われ、氷河は融解し、永久凍土が解けてメタンなどの有害なガスが放出されます。

これらの惨事は確実に起こり、損害保険でカバーすることは難しく、多大な税負担などが生じることになります。



元欧州復興開発銀行総裁のジャック・アタリ氏は、人類の存亡の危機に追いやるのが「死の経済」とすれば、それと対峙する方向の「命の経済」という概念を示し、その重要性を説きます。

この対象は、再生可能エネルギーや交通、医療、教育、食料、物流、治安、防衛、市民の自由、司法、文化、イノベーションなどで、「死の経済」は化石燃料や人工甘味料、薬物に関する分野といいます。

現在、「命の経済」が占める割合は、個人の暮らし、各国のGDPいずれにおいても50%未満とみられていて、70%の目標を掲げないと人類は滅びてしまい、この目標を達成できれば、世界経済は再び力強く成長し、環境、社会、政治に関連する問題は解決に向かうとジャック・アタリ氏は言います。



COP28での交渉は玉虫色の決着だったようで、「化石燃料からの脱却」という文言が成果文書初めて盛り込まれましたが、約200の参加国・地域に削減の義務はありません。

どうとでも解釈できる内容になっており、どこまで化石燃料の削減が進むかは不透明で、言葉よりも今後の行動が問われています。


posted by 川上義幸 at 20:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年01月23日

2024年の北東アジア

1950年勃発した朝鮮戦争に旧ソ連が秘密裏に「参戦」した事実をロシアのプーチン大統領が公式に認めています。

昨年の7月、朝鮮戦争の休戦70年を祝う行事にあわせて北朝鮮の金正恩総書記に贈った祝辞にそれを認める内容がつづられているようです。



朝鮮戦争で戦ったのは北朝鮮と後ろ盾の中国、そして米国を中心とする国連軍と見なされていました。

1953年の休戦協定に署名したのも米中朝の3者でした。

スターリンの命令でソ連空軍のパイロット数万人が先頭に加わり、中国人民義勇軍の制服を着て、ミグ15戦闘機で6万回にわたり出撃をしたといいます。

ソ連兵の参加を隠したのは第3次世界大戦への発展を恐れたからだとされています。



プーチン氏が今になって「参戦」を認めた意図は何かというと、専門家は「北朝鮮をめぐる対話プロセスにロシアが割って入ることへの布石だろう」分析します。

そして、ロシアは北東アジアの秩序作りで米国に主導権を握らせたくない、この地域で米国の覇権が強まらないようにしたいと考えていると指摘します。



北朝鮮は中国だけでなくロシアを対話の枠組みに引き込み、自らに有利な外交を展開しようもくろみ、ここ数年で大幅に増強した核やミサイルの削減と引き換えに、経済制裁の緩和を引き出す交渉に乗り出す時期を探っているようです。

金正恩氏は今年の米大統領選を見極めていると思われ、トランプ氏の再登板なら再び取引きを目指すかもしれませんし、直接交渉に関心のないバイデン大統領の再選ならば中国とロシアを含む多者協議を動かそうとする可能性も指摘されています。



2024年は世界の「選挙イヤー」といわれ、1月の台湾総統選、3月のロシア大統領選、4月の韓国国会議員選と続き、中国やロシアのような権威主義国家が発言力をさらに増すのか、日本など民主主義の価値観を重んじる側が結束できるかを左右します。

選挙結果は世界と日本の経済に直結し、地政学リスクであるウクライナやパレスチナ自治区ガザの戦況にも影響しそうです。

米国の貿易政策や中東への関与姿勢が変われば、原油などエネルギー価格にも跳ね返ってきます。



2024年は緊迫の1年になりそうですから、まずは政治を安定させることが重要になってきます。
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2024年01月22日

日本三大河川シンポジウムin吉野川

一昨日、徳島市で、「日本三大河川シンポジウムin吉野川」が開催され、筑後川からは“NPO法人筑後川流域連携倶楽部”と “(一社)北部九州河川利用協会”が参加しました。



日本三大暴れ川である利根川(坂東太郎)、筑後川(筑紫次郎)、吉野川(四国三郎)では、これまでの相互交流と水環境の研鑽を礎として、さらなる理解と友好を深めるため、平成24年に各河川の活動団体により、「三大河川の兄弟縁組」を締結しています。

設立当初は、毎年三河川に集い交流を行っていましたが、最近は毎年1回持ち回りで開催することとし、今年は吉野川が当番でした。



まず最初に、三河川における活動団体、続いて四国の他の河川における活動団体、最後に徳島県内の活動団体から発表がありました。

発表は真新しいものはありませんでしたが、三大河川とは関係ない団体の活動発表は初めて聞くということもあり、新鮮で参考となるものもありました。



夜の部のいつもの交流会は盛り上がりました。

ご当地の地鶏「阿波尾鶏」などの料理をいただきながら、それぞれの河川から持ち寄った地元のお酒を楽しませていただきまし、何といっても交流を深めることができました。


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翌日は、“NPO法人新町川を守る会”のご厚意で、新町川、吉野川本川、旧吉野川をボートで遊覧することができました。

新町川から吉野川本川に出るにあたっては水門を通らないといけませんし、旧吉野川には堰があり閘門をくぐらないといけませんが、日曜日にもかかわらず管理者のご厚意で操作をしていただきました。
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来年は利根川が当番となっており、上流にある水上町での開催が決まりました。
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2024年01月21日

果物、卸値が最高

2023年の果物の卸値が過去最高となったようです。

記録的な猛暑や少雨で供給が減少し、そして果実のブランド化や高単価な品種への作付け転換も価格の押し上げ要因になっています。



東京都中央市場の2023年の果実入荷量は前年比で5%減となり、果実卸値の平均価格は1935年以降で最高値となった模様です。

大田市場の青果卸の担当は、「2023年度産は猛暑や少雨の影響で全体的に小ぶり傾向で、入荷量も減少した」といいます。



主産地の青森県や長野県などで猛暑だったリンゴは、実の日焼けや、夜も気温が高かったため、実に色が入らない影響がありました。

青森県全体のリンゴの収穫量は前年比2〜3割減り、リンゴの価格は3〜4割高かったようです。



ナシも値上がりし、主産地の福島県では2023年度産の出荷量が前年度比2割減少し、実も大きくならず畑での廃棄も見られたといいます。



柿は、病害の発生に加え、暑さや少雨で一回り実が小さくなって、11月は富有柿が前年比4割高だったようです。



そもそも果実卸値は10年以上にわたり上昇基調にあり、背景には、果実の消費が細る中、農家の高単価品種への作付け転換や、付加価値を付けた果実のブランド化があります。

ブドウの高級品種であるシャインマスカットは、さわやかな風味で種もなく皮ごと食べられることから人気ですが、高単価で栽培しやすいこともあり、他のブドウ品種や他の果樹からの転作も盛んです。

紅まどんなは11月中旬から12月いっぱいまで流通するかんきつですが、愛媛県独自の高級品種で、ゼリーのような食感と甘さが特徴で、これも生産量が増えています。



ブランド化や高単価品種への転作、生産者の減少は今後も続き、高値基調は続く可能性があります。

果実の値上がりは消費に一層水を指しかねないようです。
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2024年01月19日

人口戦略会議

民間有識者でつくる「人口戦略会議」は先週、人口減少下の日本がとるべき戦略「人口ビジョン2100」を提言として発表しました。

政府は2100年に人口が半減し、6300万人程度になると見込みますが、同会議は少子化対策などで8000万人台
で安定させる目標を掲げました。

人口が減っても成長できる社会を目指すというわけです。



日本の人口は50年後に今の7割になり、2100年には半分になりますが、この未来図を、今の日本社会はどこか他人事と捉えています。

楽観論にすがりたくなるのは分りますし50年、100年先のことを自分の問題と受け止めにくいのも確かです。
しかし、現世代が危機感を持って動きださないと将来の日本は悲惨な姿になります。



今の流れに身を任せるとどうなるか、2030年以降は、総人口が毎年70万人を超すペースで減る急激な減少期に入ります。

消費は減り、国内市場は急速に減少し、その結果、投資が国内に向かわなくなり、社会全体が果てしない縮小と撤退を強いられます。



同会議の副議長を務める増田寛也元総務相は、2014年に「日本創生会議」の座長として「消滅可能性都市」を公表し、話題となりました。

政府が取り組んできた少子化対策は概して単発・対処療法的だったとし、減少要因や対策の調査分析が不十分で、深刻な影響を国民と情報共有する姿勢が政府と民間に欠けていたと言及しました。



提言には日本の長期的な経済構造に関して2つの注目すべき視点があります。

1つは総人口が大きく減ってもマイナス成長を許容せず、GDPを増やす必要性を訴えたことと、もう1つは人口減少を外国人で補う補充移民政策を否定し、永住・定住する外国人の受け入れを生産性を高める戦略の一環と位置づけしたことです。



これらは社会のあり方に深くかかわる論点で国民的な議論が必要です。

このためには、提言で人口危機に立ち向かう国家ビジョンを描く司令塔機能の必要性を強く訴えています。
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2024年01月18日

中東、確執と憎悪の100年

  パレスチナでのイスラエル軍とイスラム組織ハマスによる衝突は、多くの民間人に犠牲を広げながら現在も続いています。

  戦禍は中東に封じ込められていた確執と憎悪を呼び覚まし、パレスチナ問題は民族、宗教が複雑に絡み合い、歴代の米大統領が何度も解決に失敗してきた難題となっています。



  問題の根っこは、100年以上前の英国による「三枚舌外交」にあるといわれています。

  アラブ人には「フセイン・マクマホン協定」により、アラブ独立とパレスチナ居住を認めると約束しました。

  一方ユダヤ人には「バルフォア宣言」で、パレスチナへの国家建設に協力をすると表明しました。

  二つの約束は大きく矛盾しますが、英国の本音はさらに別にありました。

  フランスとは「サイクス・ピコ協定」で第1次大戦後のオスマン帝国の分割について取り決めを交わしていました。

  アラブ人、ユダヤ人、フランスと互いに相いれない約束を交わしたことが、地域の確執を深めました。



  第2次大戦でナチスドイツの迫害を受けたユダヤ人は、悲劇を繰り返さないためにも国家の建設が必要だと主張しました。

  これに対しパレスチナのアラブ人たちは、自分たちの犠牲の上に英国が勝手な約束をしたと反論しました。

  1948年のイスラエル建国はユダヤ人にとって悲願が現実となった日ですが、パレスチナ人はこれを「ナクパ(大惨事)」と呼びます。



  建国直後にパレスチナ人を支援するアラブ諸国が攻撃を開始しましたが、イスラエルに敗れました。その後4回の中東戦争や衝突で、多くの市民が犠牲になっています。

  イスラエルとパレスチナという二つの国が平和裏に共存する「2国家解決」こそが安定への唯一の道筋ですが、和平を求める声は暴力でかき消されています。



  イスラエルが首都と自認する街エルサレムを、パレスチナ側も将来の首都として期待しています。

  さらに、この街には3つの世界宗教の聖地があり、問題を複雑にしていて、ユダヤ教の聖地である「嘆きの壁」、キリスト教の「聖墳墓協会」、イスラム教の「岩のドーム」が旧市街地にひしめき合っています。
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2024年01月16日

中国マーケットは今後も魅力的か

2020年の中国の国勢調査によれば、同国の総人口は世界最多の約14億1178万人でしたが、これから人口減少によって巨大な消費マーケットや豊富な労働力を短期間で失っていく予測されています。

言うまでもなく中国は巨大な人口を武器として短期間で経済発展を遂げましたが、現在ピークにあると言ってもよさそうです。

人口減少については中国政府も認めていますが、問題はそのペースで、速ければ社会の負担は大きく、経済成長にブレーキをかけることになります。



中国政府は合計特殊出生率を2020年の国勢調査に合わせて「1.3」と公表しました。

これは国連の低位推計が前提としている値に近く、低位推計による2100年の総人口を確認してみると6億8405万人で、80年かけてほぼ半減するということです。

ところが、「1.3」という数値については、中国国内の学者からも「実態より高い」といった異論が噴出しており、各国の研究者には「実際には1.0〜1.2程度」との見立てが少なくありません。

合計特殊出生率が1.0〜1.2台ならば、母親世代と娘世代と比較して出生数がほぼ半減していくこととなり、総人口はとてつもなく速いスピードで減っていくこととなります。



これを裏付けるような衝撃的な研究レポートがこのほど西安交通大学の研究チームによって発表されました。

合計特殊出生率が1.0の場合、2050年には中国の総人口は7億人台になるというのです。

中国政府の“言い値”の通り「1.3」が持続したとしても2066年には7億人台になるとしています。

あと30年を待つことなく総人口が半減する事態となったならば、社会の各制度を改革している暇がなくなり、半減に至るまでもなく年金をはじめ人々の暮らしにひずみが生じ、社会の混乱が避けられないということです。



中国が激しい人口減少を招くことになった要因は「一人っ子政策」で、中国政府は自らまいた種に苦しんでいるのです。

人口が減ることだけが課題ではありません。

むしろ、中国は人口減少の過程で起きる高齢化の進行に苦しむこととなるといいます。
2020年11月1日時点における65歳以上は日本の総人口を上回る1億9064万人を数え、高齢化率は13.5%です。

2060年には高齢者数のピークを迎え、この時点の高齢化率は33.8%に達し、3人に1人が高齢者という社会となります。



高齢化の進行に伴って勤労世代(20〜64歳)は減っていき、今後40年間は、日本と同じく勤労世代が減りながら高齢者だけが増えるいびつな社会になります。

これを65歳以上の高齢者に対する25〜64歳の人口比率でとらえ直すと、2050年には1.9となり、早くも2人の勤労世代で1人の高齢者を支えなければならなくなる。合計特殊出生率が「1.3」よりも低ければ、もっと早い段階でこうした社会が到来します。

すでにいくつもの省の年金積立金の枯渇危機が伝わってきており、勤労世代の負担は年を経るごとに大きくなり、やがて若者の不満の高まりや労働意欲の減退という形で表れるといわれています。

年金生活になれば、若い頃のようには消費できなくなり、必要とするモノやサービスも年齢とともに変わることになりますから、実際の人口が減少する以上にマーケットは縮むということになります。



中国政府は人口減少に伴う経済面のマイナス要素を技術革新によってカバーすると考えているようですが、社会としての“若さ”を失うにつれてイノベーションを起こす力も弱っていきます。

中国には、十分に豊かになる前に衰退がはじまることを指す「未富先老」という言葉がありますが、これらの人口データを見る限りそうした未来は避けられそうにありません。



いくつかのシンクタンクは、中国のGDPが米国を追い抜くといった予測をしていますが、夢物語に終わるかもしれません。
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2024年01月15日

船もハイブリッドの時代へ

来年4月に開幕する大阪・関西万博では、“空飛ぶクルマ”が目玉といわれていますが、船の分野でも次世代の開発競争が繰り広げられています。


全長30m、定員150人乗れる次世代船は、大阪・関西万博で客を乗せて日本で初めて運行する水素から電気をつくりモーターで動く水素燃料電池船です。

CO2の排出量がゼロにできるため、次世代船として期待が高まっています。



来年の万博開催期間中は、大阪中之島からユニバーサルスタジオジャパン近くの港を経由して万博会場へ40分でつなぎます。

この事業をリードしているのは、水素燃料事業における日本の先駆者である岩谷産業で、関係者はエンジンがないので非常に静かで、振動が少なく、臭いもしないのが特徴といい、船内の利用も幅が広がるといいます。

客室では、ビジネスプレゼンテーションをするシーンも想定しており、カクテルパーティーの開催も視野に入れています。

しかし、課題もあって、モーターは馬力が小さいので時速は従来船の半分の約20キロとスピードが出せません。

そこで、馬力を最大限生かすため、船体をアルミ製にして軽量化を図り、今年度中に完成を目指すということです。



これに対して、強力なライバルもあらわれていて、万博を目指して開発を急ぐのがスイスのスタートアップ企業のモビフライの次世代船です。

燃料は水素ではないものの、リチウムイオン電池の電動船で定員12人乗りで最高時速70キロ出ます。



そのほかにも、スイスのスタートアップ企業のアルマテックが水素燃料電池船を開発中です。

このように、万博を巡る次世代船の開発は激しさを増しているようです。



一方、すでに次世代船として、昨年進水式を終え、4月に福岡で就航を目指すハナリアがあり、商船三井グループが出資するスタートアップ企業モナシーが開発しています。

水素+バイオ燃料で電気をつくるハイブリッド旅客船です。
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2024年01月13日

ウクライナの状況

ウクライナ軍は反転攻勢の作戦で成果を上げられず、戦闘は今こう着状態に陥っています。

ウクライナの兵士や国民の間にも「戦争疲れ」が見え始め、アメリカからの軍事支援が途絶えてしまうことへの懸念も強まる中で、厳しい冬を迎えたウクライナの戦いはこれからどうなるのでしょうか。



2023年6月から半年をかけたウクライナ軍の反転攻勢の作戦は、欧米から供与された兵器などで武装した大規模な地上兵力がザポリージャ州を一気に南下してロシア軍を東西に分断する計画でした。

しかし、前進できたのは極わずかで、現地は厳しい冬を迎えて戦況はこう着状態に陥って、東部ではロシアが攻勢を強め、ウクライナ軍が後退を余儀なくされるところもでています。



こう着打開に向けた課題は、@ウクライナの想定を大きく超える規模の“地雷原”の存在です。

Aそして、「航空優勢」(いわゆる制空権)がとれないことも苦戦の理由です。

Bまた、「欧米からの軍事支援の遅れ」も苦戦の要因です。

各国の供与決定の判断が遅く、必要な時に兵器が届かず、その最たるものが、F16戦闘機です。

  Cさらに、大量の兵士を捨て駒のように使う、いわゆる「人海戦術」もウクライナ軍を苦しめてきた要因です。

  このような課題にどのように対応するか。



  さて、戦争に終わりが見えない中で、ロシアに対する徹底抗戦を支えてきた兵士や国民の間には、“戦争疲れ”が見え始めています。

  塹壕にこもるなどして戦い続ける兵士たちは、極度の緊張と疲労にさいなまれています。

  弾薬不足も深刻で、ウクライナに送られるはずの弾薬がイスラエルに送られていることが影響しているとの指摘もあります。

  こうした中、ウクライナ国内では、賄賂によって徴兵逃れをはかるケースや成人男性の国外逃亡も後を絶たず、ウクライナ軍は兵員の確保という課題にも直面しています。



  一方、戦場から遠く離れた都市部もミサイル攻撃にさらされ続け、戦況も好転しない現状は、国民の心理にどのような影響を及ぼしているのかというと、「領土の一部放棄もありうる」との回答は1年前の2倍以上の19%と、交渉による解決を望む声が少しずつ増える傾向にあります。

  市民の苦境に追い打ちをかけるように、ロシアはこの冬再び、ミサイルやドローンを使って、都市や電力などのインフラへの攻撃を強めています。



  ウクライナ国民は侵略に抗う強い意志を持ち続けることができるのか、試練の冬です。
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2024年01月11日

カラスを何とかしたい

「鳴き声がうるさくて眠れない」、「大量にフンをして困る」と、各地で「やっかいもの」とされているカラス。

ゴルフ場で、カートに載せていた弁当を取られたこともありました。



カラスをなんとか遠ざけることができないか、市民からの苦情で困った福島市は、カラスの研究を20年以上続けている宇都宮大学の塚原直樹 特任助教に相談しました。

塚原さんによると、カラスは日常的に鳴き声でコミュニケーションをとっていると言います。

例えば、警戒すべきことを仲間に知らせる場合でも、自分の縄張りに別のカラスが侵入した時、天敵が来たことを知らせる時など、さまざまな鳴き声をその場その場で使い分けているといいます。

これを逆手にとることで、居場所をコントロールしようとしています。



塚原さんは、録音したカラスの鳴き声を再生する“秘密兵器”を開発し、例えば、ねぐらにしている場所で“警戒すべきことを仲間に知らせる”音声を流すと、カラスは今いる場所が危険だと誤って認識し、その場所から飛び去ります。

とはいえ、人間が望む場所に行ってくれなければ意味がありません。

このため鳴き声を流す装置を効果的に配置し、カラスが1日の活動を終えてねぐらに戻るときに出す音声を流して、森林など地域の人の暮らしを妨げない場所へ誘導します。

それでも、カラスは賢く、すぐに慣れてしまうといいます。

このため、音声の組み合わせも定期的に変更しているということです。



気になる効果ですが、これまで30を超える自治体で実証実験を行い、少しずつ成果をあげているといいます。

山形市では、300羽の群れを市街地から200mほど離れた場所に誘導できた実績もあるそうです。



一方、集中的な対策によって、カラスが激減したところがあります。

それは、東京の都心です。

東京都環境局の報告によると、2001年に、都内におよそ3万6000羽いた、主にハシブトガラス・ハシボソガラスが現在はおよそ9000羽と実に4分の1になっています。

なぜここまで減っているのかというと、東京大学総合研究博物館の松原始 特任准教授は、2001年に当時の石原慎太郎都知事が始めた3つのカラス対策を理由としてあげています。



1つ目が駆除、つまり捕まえて処分することです。

2つ目が巣の撤去、日本では野鳥の卵とヒナは完全に保護されるため、暮らしに悪影響があっても基本的に、巣に手を出すことはできませんが、東京都は条例で、苦情申請があった場合はカラスの巣の撤去を可能にしました。

そして、3つ目がカラスのエサとなるごみの適切な処理です。

カラスが直接触れられないよう、バケツなどに入れてごみを出すことを推奨したのです。



その一方で、松原さんはカラスが減りすぎてしまうことも懸念していて、個体数があまりに減ってしまうと、自然の生態系にも影響が出るおそれがあると指摘します。



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2024年01月09日

グローバルサウスの台頭

グローバルサウス(新興・途上国)の影響力は年々高まっています。



IMFによると、G20に参加する先進国のGDPは2008年時点で51兆ドルと、新興・途上国(中国やロシアを含む)合計の約3.6倍に達していました。

そして、2024年には71兆ドルまで増える見通しです。

ただ、新興・途上国側の伸びはさらに大きく、双方の差は2倍弱の水準まで縮小し、国際的な力学もおのずと変化が生じることになります。



しかし、経済面での影響力が高まる一方で、国際的な問題を話し合う場は先進国に主導権を握られたままです。

ブラジルは2024年にG20の議長国を務め、同国のルラ大統領は「時代遅れで、実態を反映していない国際機構に関する議論に真剣に立ち向かいたい」と、現在の国際秩序に疑問を呈します。



G20ではインドネシアを皮切りに、2025年の南アフリカまで4年連続でグローバルサウスが議長国を務め、欧米と中ロのどちらの陣営にもくみしない第三の勢力として、国際的な存在感を高めてきました。

このうち、2023年の議長国インドは「グローバルサウスの声サミット」を開催し、G20にアフリカ連合を加えるなど、途上国の地位向上に一定の役割を果たしてきました。

モディ首相は「世界の物語を構築する上で、発展途上国が正当な立ち位置を得る時代をもたらした」と持参しました。



さらなる躍進に向けてブラジルへの期待は高まりますが、課題も多くあります。

グローバルサウスには強権的な政治体制を敷く国が多く含まれ、人権侵害や貧困、環境などの問題も抱えています。

米中対立の狭間で自国の利益確保ばかりに追われ、結束することも容易ではありません。



2023年のG20では、閣僚会合のたびに共同声明の採択は見送りが相次ぎました。

ウクライナ情勢に加えて中東の混迷が深まり、国際社会の秩序作りはより困難さが増しています。



グローバルサウスの台頭で、国際社会はパワーバランスの変わり目に直面しており、日本にとっても、こうした国々との関係強化は重要なテーマとなってきました。
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2024年01月08日

絶滅危機を救う細胞

世界で4万種以上の生物が絶滅の危機にあると言われています。

国内には絶滅危惧種が3700以上いて、中でも汽水・淡水魚は開発など環境変化の影響を受けやすく、評価対象の約4割が指定されています。

海洋に生息する魚では絶滅危惧種は1%以下であるのと比べて非常に多くなっています。



東京海洋大学の吉崎悟朗教授の話では、「生息環境を戻すまでの感を繋ぐ『タイムカプセル』をつくれば、そこにいた魚を戻せる」ということで、魚類を保全切り札と考えられるのが、卵や精子の素となる「生殖幹細胞」の凍結保存です。

これまで希少な魚を保護するには、個体そのものを残すしかありませんでした。

ヒトの不妊治療などでは卵子を凍結して保存する方法が使われていますが、魚類には適していません。

イクラやカズノコのように卵が目に見えるほど大きく、中心まで凍るのに時間差が生じるため凍結保存がうまくできていませんでした。



そこで卵になる前の生殖幹細胞に目を付けたようです。

吉崎教授らは絶滅危惧種のミヤコタナゴで生殖幹細胞の凍結保存に成功しました。



哺乳類や鳥類などでも卵子の凍結保存は難しいといいます。

大阪大学の林克彦教授らはキタシロサイの体の細胞から万能細胞のiPS細胞を経て、卵子や精子のもとになる細胞をつくりました。

そこから卵子をつくろうとしています。



ケニアに生息するキタシロサイは密猟や環境破壊によって野生では絶滅し、保護区にメス2頭が残るにすぎま
せん。

ただ、死んだ個体の体の細胞や精子は保存されていて、ここから卵子を増やすことができれば、近縁のミナミシロサイを代理母にして次世代につながります。

ミナミシロサイは19世紀に100頭以下まで減りましたが、保護活動によって今では2万頭まで回復しています。

この方法で、キタシロサイが復活する可能性はまだあるということです。



iPS細胞を使う手法の応用は幅広く、多くの生物に応用できる可能性がありそうです。
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2024年01月06日

気候難民を救う海上都市

  気候変動により、2050年にも大半が海に飲み込まれるといわれる島国モルディブで、人口50万人が「気候難民」となる現実を前に、移住計画が進んでいます。



  その秘策が世界最大級の水上都市の建設です。

  モデルハウスと同型の住居をハチの巣状に組み合わせ、海底とは伸縮する柱でつながり、海面上昇しても沈まないといいます。

  3年後に入居をはじめ、2028年には4万〜5万人が住む街がサンゴ礁の上に浮かびます。



  電気は屋上の太陽光パネルや潮流を利用した発電で賄い、空調には海からくみ上げた冷たい水を使い、飲料水や生活用水も海水をろ過して使います。

  大量のエネルギーと資源を使う従来型の開発が地球温暖化を招いたその反省に立った設計思想が根底にあります。



  技術協力したのはオランダの民間企業です。

  国土の1/4が海抜ゼロm以下のオランダは、古くから治水技術が発達し、浮体式の水上住宅に取り組んできました。

  多くの運河などに浮かぶ水上住宅は1万戸にのぼり、今やオフィスや農場も水上にあります。

  「我々は水との関係を再定義すべきだ」と水上住宅設計者は強調し、水と闘うのではなく、水と共生することだと述べています。

  浮体式住宅は水面の上下に適応し、地震や津波、洪水にも強いといいます。



  水没が迫るのはもはや一部の国に留まりません。

  国連安全保障理事会は2月、国際紛争ではなく海面上昇を初めて議題にしました。

  「あらゆる大陸の大都市が深刻な影響に直面する」と、グテレス事務総長はニューヨークやロンドン、上海などを挙げて警告しました。

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2024年01月05日

ノリ苦境

  ノリの消費が減少傾向のようです。

  推定消費量は5年間で1割落ち込み、不作による値上がりに加え、ノリを使わないおにぎりの増加など、業務需要の移り変わりもあるようです。



  2022消費年度のノリの推定消費量は75億枚で、直近で最多だった2014〜2017年度に比べ13%少ないといいます。

  主因はここ数年の高値で、2022年度の共同販売価格の全国平均は1枚17.24円と前年度比46%高く、40年ぶりに17円を超えました。



  これは主産地である有明海の不作が響いたようで、全国の生産枚数は48 億枚で、51年ぶりに50億枚を下まわりました。

  また、贈答品が定番だったノリも、近年は業務需要が大半で、コンビニのおにぎりは中食の主力製品ですが、コメと具だけのおにぎりなど、ノリを使わない商品も増えました。

  商品トレンドの変化や多様化に、ノリ消費も影響を受けているようです。


  国産の価格が高騰する中、他国産で消費を促す動きもあって、ニコニコのりは韓国産の輸入を増やしています。

  専門家は、「食品は味わってみないと消費にはつながらない。ノリもおいしさを知ってもらう、忘れさせないよう新たな用途や商品の開発をする必要がある」と指摘します。



  有明海では今年の秋芽ノリは順調だったようで、品質もまずまずで、品質基準が厳しい佐賀県産の「佐賀海苔有明海一番」は1枚355円の高値が付きました。


  秋芽ノリが販売された年末に、佐賀市の有明海直販所「まえうみ」で200枚購入してきました。



  我が家はずっと毎朝、朝食にそののりを焼いて食べています。

  正月にも、帰省した子どもたちにおにぎりにして食べさせましたが、おいしいノリを食べなれていることもあってノリのおいしさはわかるようで、今年のノリの評価は上々です。
posted by 川上義幸 at 19:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年01月03日

初打ち

  今日はゴルフの初打ちでしたが、あいにくの雨の日に当たりました。

  正月ということで、お客は少なかったようですが、よく来られる方には正月といえどもそして雨にもかかわらず、とにかくゴルフが好きのようです。



  インでは終始雨の中でのプレーとなり、集中力が欠けて1m前後のパットを決めることができず、バーディやパー逃しをすることもあり、なかなかスコアがまとまりませんでした。

  ショットはドライバーもアイアンもナイスショットがいくつかあってそれなりの成果はありました。

  90を切ることはできませんでしたが、初打ちとしては上々の出来だと納得しています。



  今年は、年明け早々、地震、航空事故の大惨事に見舞われ、不吉な予感さえします。

  今回の能登半島地震では震源の浅さと地震の規模が相まって、石川県志賀町では震度7を記録し、輪島市では最大約4mの地表の流派を観測し、大きな地震があったことを示しています。

  津波が広範囲に及んだのも今回の地震の特徴となっており、昭和58年に起きた日本海中部地震に似ています。

  被害はまだ全容は見えていませんが、火災被害も含めて地震の揺れや津波による被害はこれから明らかにな
っていく模様です。



  また、昨日の夕刻に起きた日本航空機と海上保安庁の航空機の衝突も悲惨でした。

  何が起こっているかもわからず、テレビの映像には日航機が炎上する姿だけが流れ、乗客の安否がわからず多くの人が心配したと思います。

  乗客全員が避難したことがわかりホッとしましたが、海上保安庁の職員の死亡が確認されショックでした。

  彼らは、能登半島地震の被災者への救援物資を運ぶミッションが与えられていて、一昨日の地震さえ起きていなければ連鎖的な惨事にはつながらなかったわけで残念です。



  世界に目を向けても、今年は何が起こるかわかりません。
posted by 川上義幸 at 20:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年01月01日

謹賀新年

  新年明けまして、おめでとうございます。

  新しい年、2024年がスタートしました。

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  今年の元旦は、福岡ではあいにくの曇り空で、初日の出を見ることができませんでした。

  ただ、厚い雲に覆われていましたが、東の空の雲の切れ間から朝日がぼんやりとではありますが覗いていました。


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  近くの日吉神社に初もうでに行ってきましたが、参拝に今年は珍しく長蛇の列ができていていました。

  いつもは地元の人が中心でしたが、今年は若い人も多く見えていて、今までにない正月の光景でした。



  今年は古希を迎え、これからの人生をどのように過ごすか考えながらの1年1年になると思います。

  ゴルフは今年も体が許す限り熱心に取り組みたいと思いますし、仕事は成果を出さないといけないものに限定して注力したいと考えています。

  今年も皆様にお世話になると思いますが、よろしくお願いします。



  夕方、石川県能登地方ではM7.6の直下型の地震が発生した模様ですが、甚大な被害が出ていないことをただただ祈るばかりです。
posted by 川上義幸 at 18:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記