2024年04月28日

中国のZ世代は倹約家

中国で若年層の節約志向が鮮明です。

経済成長のまっただ中で育った一方、景気停滞や高齢化で将来不安も膨らんでいます。

今後消費の主役を担う15〜29歳のZ世代の消費意欲の減退は長期的に打撃を与えかねず、中国政府は警戒を強めているようです。

Z世代と呼ばれる15〜29歳の中国人は、国内人口14億人の18.4%を占め、将来の消費や子育ての担い手ですが、同時に経済の不確実性や高齢化社会にも直面します。



中国の1〜3月期GDPは前年同期比で実質5.3%増と予想を上回ったものの、今後数年は減速が続くとの見方が支配的です。

また、16〜24歳の2月の失業率は15.3%と、他世代を含む全国平均の5.3%を大きく上回り、雇用の面でも不安を抱えます。



そんな中、SNS上で品質やコストパフォーマンス重視を意味する「反向消費」や、「ケチ経済」といった言葉が流行しています。

利用者の約8割がZ世代という中国のSNS「soul」のデータを調べた結果、2023年の「独身の日(11月11日)」のセールでは購入者の43.4%が明確な目的買いで、3割以上が複数のサイトを見て価格を比較していたということです。



例えば、某30代の女性はスイーツもバーゲン狙いで、「太りそうだし高いから」と普段は買わないものの、売れ残り品を割引販売するSNS上サービスを使うといいます。

旅行では、高価なホテルの利用に代わって、寺院の滞在も低予算の選択肢として人気が高まっています。



こうしたサービスが受けているのは、高い環境意識や強い自己肯定感、社会不安といった、中国の若い世代ならではの感性に寄り添っているという側面もありそうです。


年間約5%の経済成長率を維持し、デフレ懸念を和らげようと懸命な中国政府にとって、節約志向は悩みの種のひとつになりそうです。
posted by 川上義幸 at 10:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年04月26日

ゴルフ三昧

  今週はゴルフ週間といってよいぐらいゴルフづけの毎日でした。



  日曜日の筑紫丘GCの月例に始まり、翌日の月曜日は有志で応援している竹谷プロと一緒に雷山GCでのラウンドでした。

  そして、その翌日は福岡カンツリークラブ(和白コース)で前々から誘われていた壬子会(九大土木OB会)の後輩連中との親睦ゴルフでした。

  三連ちゃんは初めてでした。



  木曜日は、竹谷プロが出場しているABEMA TOUR「i Golf Shaper Challenge in CHIKUSHIGAOKA」に出場している竹谷プロの応援に筑紫丘GCに行ってきました。
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  そして今週最後となる明日は、ホームグランドの筑紫丘GCいつものメンバーとのラウンドです。



  今日までの歩数は98,903歩で、明日を入れると10万歩を軽く超えそうです。

  ゴルフの調子は、アイアンが当たりだして絶不調の時期からは少しずつ良くなっていますが、スコアメークに苦労しています。

  前半は90を切るペースで回っても後半は大たたきをするホールがあるとそこから崩れてしまい、この傾向はしばらく続いています。



  しかし、3日目の和白ではその流れを変えることができました。

  前半は右ドックが多いコースの中で、ドライバーショットがフェードで右に行き、前の木がスタイミーとなってピンが狙えずレイアップしてホギーが続き46でホールアウト。

  後半は、フェアウェイから第2打を打つことができ、アイアンの切れもよくてパーオンがみられるようになり40 で上がることができました。

  久しぶりに90を切ることができました。


  やっとショットが安定してきましたから、明日のラウンドが楽しみになってきました。
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2024年04月24日

デフレの象徴、牛丼の原価が上昇

牛丼といえば、「吉野家」「松や」「すき家」の3社が浮かびます。

デフレの象徴といわれることもあったその牛丼の原価が今上がっています。

米国産牛肉が過去最高値になり、コメも値上がりし、牛丼チェーンの間では足元で再び値上げ機運が高まっています。



コスト負担が最も重い食材は牛肉で、主に牛丼に使われているの牛肉は米国産バラ肉ですが、米国での生産減少や円安の影響を受けて高騰が続いています。

米国からの輸入が自由化された1991年以降で最も高くなっています。

1年間で輸入牛肉の卸値は5割上がり、3社平均で並サイズで25.6円のコストアップです。



白米はスーパー店頭に並ぶコメよりも安価な業務向けのコメを主に使用しています。

現在は2022年産が中心になっており、1杯当たりで3社平均で2.5円アップしていますが、牛肉ほどコスト面での影響は大きくないようです。



もう一つの食材、タマネギですが、輸入タマネギは卸値で1年前に比べると8%安と使用量が少ないため、減価への影響は限定的とみられます。



牛肉とコメ、タマネギの3食材のトータルコストで見ると、3社平均で、1年間での値上がり率は38.4%となります。

牛丼の値段には食材だけでなく、調味料や店舗運営費、物流費などの諸経費ももちろん織り込まれています。



各社が2021年以降、値上げを重ねてきましたが、コストが膨らむ状況は続いているようです。

牛肉は米国での生産が当面減少するため、昨年に続いて今年も卸値が上昇する可能性が高いようです。

輸入牛肉は十分な手当てが難しいまま、在庫の消化が続いていて、今後は高値で牛肉を調達せざるを得ない状況に追い込まれていく可能性が出てきました。



牛肉は今でも他の外食と比べれば安くて身近なメニューですが、コスト上昇が止まる気配はなく、ワンコインで食べられる時代は終わりが近づいているのかもしれません。

その変化は日本のデフレ脱却の行方を映しだしているようにも見えます。
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2024年04月22日

東南アジア、「米より中国」が半数

シンガポールのシンクタンクが東南アジアの民間企業や政府、研究機関などに所属する識者を対象として行った調査で、ASEANが米国と中国の選択を迫られた場合は「中国を選ぶ」と答えた人の割合が初めて半数を超えたということです。

この調査は、2019年から毎年実施しています。



中国を選択すると答えた人は50.5%と米国 (49.5%)を上回り、前年調査より11.6%上昇し20ポイント以上の差を逆転したことになります。

中国を選択した回答者はマレーシアが75.1%と最も高く、インドネシア(73.2%)と続き、ラオス、ブルネイも7割を超えています。



マレーシアでは中国企業が積極的に投資していて、中国自動車大手が100億ドルの投資を計画しています。

インドネシアも次期大統領のプラボウォ氏が就任前に習近平氏と会談するなど、関係強化の動きが目立ちます。



背景には経済的な影響力の拡大があり、「東南アジアに対して最も経済的影響力がある国・地域連合」を聞いた項目では59.5%が中国と挙げ、米国の14.3%を大幅に超えています。

中国は海外直接投資や貿易相手国として存在感を強めてきました。



米国を選択する人が多かったのはフィリピン(83.3%)とベトナム(79.0%)で、両国とも前年より米国の選考度が高まりました。

南シナ海問題を中心とした安全保障上の懸念が要因とみられます。



一方で、東南アジアの国々は中立の立場を撮る国が多く、米中の衝突を望んでおらず、米中のどちらかを選択するのではなく、経済や安全保障などを自国の利害との関係で選択しているようです。



日本は「信頼できる国・地域連合」で1位を獲得し、信頼度は昨年より増しているようで、国際法順守の観点や経済力に期待する人が多く、米中やEUと比べても日本への信頼度が厚かった結果でした。

休暇に訪れたい旅行先としても、ASEAN加盟国や韓国、欧米諸国を抑えて日本がトップだったようです。

posted by 川上義幸 at 17:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年04月20日

九大跡地の再開発

  九州大学箱崎キャンパス跡地の再開発について、九大と都市再生機構(UR)が行った開発事業者の公募の結果が示されました。



  公募には住友商事を代表者としてJR九州や西日本鉄道、西部ガスなどが参加するグループ、九州電力などの企業グループ、小売業を展開するトライアングルのグループ3陣営が応募していました。

  入札ではアリーナ建設への賛否が注目されていて、当初は共同で事業計画を進めていた地場企業間でアリーナ建設を巡り意見が食い違い、分裂した経緯がありました。

  今の時代、ハコモノはそぐわないという判断かわかりませんが、建設費が高騰する中、稼働日数が限られる大型アリーナは採算性確保が難しいところがあります。

  それに、佐賀市にもアリーナが完成し、すべて福岡市にということでなくてもよく、機能分担が図れた方がよかったとも言えます。



  開発予定地は九大の伊都キャンパスへの移転により生まれた東京ドーム約10個分に相当する約50haの敷地のうち南側の約30haで、博多駅から4kmほど北に位置し、福岡市地下鉄箱崎線などが乗り入れる貝塚駅からほど近く利便性が高い立地です。

  再開発予定地としては国内でも最大規模を誇ります。



  採択されたグループは、遅延が少なく高速大容量の通信が可能になる次世代通信基盤「IOWN」を活用したスマートシティを目指します。

  商業施設での顔認証決済やデマンド交通などを導入し、居住面では2000戸の分譲住宅に加え、高齢者向け住宅や学生寮なども設けます。



  人口170万人をうかがう成長都市・福岡市の転換点になるのかどうか、これからの具体化に注目です。
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2024年04月19日

「親不孝介護」のススメ

働きながら親の介護をする「ワーキングケアラー」が増加しています。

その一方で、2022年度には介護や看護のために離職した人が10万人をこえました。



「自分が何とかする」という強すぎる思いが、老いゆく親との関係を悪化させることもあり、専門家は親との距離を保って支える“親不孝介護”を勧めています。



介護や看護のために過去1年間に離職した人は2014年に10万人に達しましたが、政府が「介護離職ゼロ」を目指して閣議決定するなど、しばらくは10万人を下回っていたものの、2022年度にはまた10万人を超えました。

その背景には、団塊の世代が介護を必要とする割合が増える75歳以上になってきていることがあります。



老いてゆく親を「自分の手で介護してあげよう」と考える人は多いようで、介護離職者で最も多いのは60代前半ですが、働き盛りの40、50代も多く、中でも離職者は女性が多いようです。

しかし、介護相談に取り組むNPO法人「となりのかいご」の川内代表理事は、介護離職を含めて子による介護は子がくじけるばかりか、親のためにもならないと指摘します。



心配だから親の近くにいるという状況がいったん出来上がると、親は子に依存するようになり、子も必要とされる自分に喜びを感じ、介護を家族内に抱え込んでしまいがちになるといいます。

どんなに尽くしても老いは進みますし、育児と違い、介護は終わりが見えず、長期化しがちです。

認知機能が低下し、できることも減っていき、「仕事を辞めてまで頑張っているのに…」といら立つ思いも生まれやすいといいます。

無意識に虐待など事態が深刻化することもあります。



「親不孝介護 距離を取るからうまくいく」という共著でもある川内さんは「親との物理的かつ心理的な距離が必要」と説きます。

そのため国の制度に加え、自治体の支援も活用することが重要です。

そして、川内さんは「親の介護のために自分の生活を犠牲にせずかかわりを続けることが、結果として最大の親孝行ではないか」と話しています。

posted by 川上義幸 at 14:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年04月17日

自然体験ツアー

長野県小梅町が企業向けに、社員の心身をリフレッシュさせる自然体験ツアーを提供しています。

豊かな環境や都心からのアクセスのよさ、企業の要望に柔軟に応えるもてなしぶりが評判となり、福利厚生に力を入れる企業を中心に利用を伸ばしています。



「憩うまちこうみ リ・デザインセラピー」と銘打ち、松原湖を中心に広がる自然を生かしたツアーを提供し、地域の活性化にも一役を買っています。

専門家による研修を受けた町民が「セラピスト」となり、インストラクターを務めます。

宿泊場所やセラピストの手配は街の地域おこし協力隊らが担い、企業は人数や日程、ツアー内容の要望などを伝えるだけで済むようになっています。



研修とは異なり、社員のリフレッシュに主眼を置いていて、ツアーの最初に取り組むことが多いのは、松原湖を一周歩く「セラピーウォーク」です。

湖や木々に触れたり、木の実を食べてみたり、野鳥の声に耳を澄ませたり、都心では味わえない自然の中で五感を研ぎ澄ませるというわけです。

気持ちがリラックスできたところで瞑想を中心としたヨガなどのメニューに移ります。

食事は町内の飲食店や宿泊施設の協力を得て、新鮮な地元食材を使い栄養バランスも考慮した弁当などを提供してもらいます。



ツアー内容は企業の希望に応じて組み立て、社員間のコミュニケーション促進の場を求められれば、焚火やバーベキューができるロッジに宿泊してもらいます。

地域について学びたいと要望されれば、農業体験や地元住民との座談会など、小梅町の特徴や課題などを詳しく知ることができるアクティビティーを設けています。



町が事業を本格的に開始したのは、働き方改革の重要性に対する認識が広まった2019年度で、社員が日ごろ疲れを癒すせるツアーがあれば、利用したいと考える企業が多いとひらめいたようです。

東京から北陸新幹線とJR小梅線を使って2時間程度で通える利便性も生かせると考えたということです。
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2024年04月15日

ロシア、アフリカに軍事基地

ロシアがアフリカ各国で軍事基地の建設を進めています。

軍事政権の支持や治安対策支援の見返りに拠点を確保しようとしていて、存在感を高め、NATOに対抗する狙
いのようですが、アフリカで活動するイスラム過激派を刺激するリスクもありそうです。



中央アフリカでは、ロシアとの軍事協力を拡大するための交渉を進めているようで、ロシア軍が駐留する基地の場所を選定中ということです。

西アフリカのマリでも軍事拠点を拡大させており、衛星情報ではロシア軍は管理する首都近郊の国際空港で新たな道路や貯蔵施設とみられる建物などの建設を進めています。



故エフゲニー・プリゴジン氏が創設した民事軍事会社「ワグネル」がアフリカ各国で軍事活動を展開してきましたが、同氏の反乱を経て解体されていました。

その後、ロシア国防省の傘下として「アフリカ部隊」が後継組織として設立され、多くのワグネル戦闘員が籍を移したとされています。

アフリカ部隊は今年の中ごろまでに戦闘員を2万人まで増員する目標のようです。



アフリカ部隊は西アフリカ諸国などの独裁政権を軍事的に支え、見返りにワグネルが現地で保有してきた金などの鉱山、製油所の権益を維持しています。

ウクライナ侵攻の長期化で財政難に直面するロシア政府の歳入を増やす狙いかもしれません。

米欧と対立するロシアは、国際的な孤立を回避するとともに、NATOをけん制する地政学的な要衝としてアフリカを重視しているようです。



ロシアが地中海やギニア湾に拠点を構築すれば、米欧にとって軍事活動の制約になりかねず、米シンクタンク、戦争研究所はロシア海軍の駆逐艦や潜水艦がリビア東部で展開すれば、南欧や中欧はロシアの巡航ミサイル
の射程圏に入るとし、脅威となると分析します。



一方、ロシアにとってアフリカでの軍事活動はリスクもはらみ、西アフリカでは過激派組織ISに忠誠を誓う勢力が活動し、テロが頻発しています。

ロシアのアフリカ部隊は現地政府のテロ鎮圧支援を最も重要な課題に掲げますが、ISなどがロシアをさらに
敵対視する要因ともなりえます。
posted by 川上義幸 at 15:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年04月14日

東南アジア、ハブ港競争

マレーシアの最大のコンテナ取扱量を誇るクラン港。

首都クアランプールから西へ車で約1時間、世界の船舶が往来するマラッカ海峡沿いに位置します。



同港でコンテナターミナルを運営するウェストポーツは、コンテナ取り扱い能力を現在の年間1400万TEUから2700万TEUに拡張する計画を立ち上げました。

今後40年で396億リンギ(約1兆2600億円)を投じ、米中対立を背景に東南アジア経由の供給網が注目される中、国際貨物需要の取り込みを狙っています。

ちなみに、クラン港は東南アジアでコンテナ取扱量がシンガポール(3728万TEU)に次いで2位ですが、上位には1位の上海(4730TEU)、寧波、新船、青島、広州と中国の港が続きます。



ウェストポーツの会長は、サプライチェーンの再編は東南アジアに集中すると言い、背景にあるのが米中の対立過熱です。

製造業を中心に中国から東南アジアへ生産移管が進んでいて、東南アジアでは貨物量が増加する余地が大きいとみられています。



ウェストポーツは拡張により、船から港へ荷物を積み下ろしするコンテナターミナルを現在の9つから17に増設します。

シンガポール港に比べて利用料を大幅に安く設定することで差別化を図ろうとしているようです。



これまで、シンガポールとマレーシア、タイの3か国は港湾の拡張競争を繰り広げてきました。

マレーシアはクラン港の南西部に位置するキャリー島で新港整備を計画するとともに、南部にある現在同国2位の貨物港であるタンジュン・ペラバス港でも拡張計画を控えています。


シンガポールも東南アジアの最大港としての地位を守るべく、大規模な港湾整備を進めています。

同国西端に最新鋭の設備を導入したトゥアス港を一部開港しましたし、今後は同国の港湾機能をトゥアス港に集約する方向のようです。


追い上げるタイでは「ランドブリッジ構想」を掲げ、マレーシア半島のインド洋と太平洋側に港湾をそれぞれ設け、陸に引き上げた貨物を反対側の港へ鉄道輸送します。

そうすることで、貨物船がマラッカ海峡を通過する必要がなくなり、平均で移動時間が4日短縮できるということです。



各国は巨額の拡張計画を打ち上げますが、大型のインフラプロジェクトは長期にわたり、資金難や地元住民の反対、政権交代などで計画がとん挫するケースも少なくありません。

各プロジェクトの進捗を慎重に見守ることが必要のようです。
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2024年04月11日

植物由来の航空燃料

  三井物産が出資する米ランザジェットは、米国で植物由来の再生航空燃料(SAF)の量産をはじめました。

  ランザジェットは2020年に創業した再生燃料のスタートアップです。

  世界のSAFの総生産量の6%程度を占め、日本企業にも生産技術を提供するといいます。



  植物由来のSAFは原料を確保しやすいため、廃油由来よりコストが最大6割ほど安くなり、低コストのSAFが普及すれば、脱炭素の後押しになりそうです。

  SAFは主に航空機向けの環境配慮型の燃料で、主流のジェット燃料に比べてCO2排出量を7割以上減らせます。

  ただ、世界の航空燃料の消費量の0.2%程度にとどまっています。



  植物由来は、トウモロコシやサトウキビを処理して発酵させてエタノールを製造し、脱水や蒸留などの皇帝
を経てジェット燃料を作ります。

  既にエタノールを使ったガソリンやディーゼル燃料などが実用化されていますが、ジェット燃料は要求される品質規格が厳しく、効率的な大量生産が難しかったようです。



  ランザジェットは独自の触媒技術の開発などで量産を実現しました。

  現在のSAFは飲食店や食品工場から回収された廃食油や動物性油脂を原料としていますが、回収に手間がかかるため、コストが高く大量に作れない点が課題となっていました。

  世界最大手のネステによると、SAFの販売価格は化石燃料由来のジェット燃料の3〜5倍といいます。



  植物由来のSAFの需要増に対応するため、世界でエタノールを増産する動きが相次いでいるようです。

  SAFは世界で需要が急拡大していて、EUは2050年にはCO2排出量を実質ゼロにする方針を掲げており、達成に向けて航空燃料SAFの比率を2025年の2%から2050年には70%まで段階的に引き上げる規制を導入します。

  実現にはSAFを大量調達することは必要不可欠となります。



  世界最大のSAFの需要地である欧州では、2040年代にはSAFの原料で植物由来のシェア50%を超える見通しだといいます。
posted by 川上義幸 at 13:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年04月10日

睡眠時間と死亡リスク

60歳を過ぎた頃から、多くの人が直面する「眠れない」という悩みを持っていましたが、やみくもに「眠ろう」と努力することは、むしろ死亡リスクの上昇にもつながるということのようです。

シニア世代の中には、そんな悩みを持つ方も多いようです。

もちろん、若い世代にも睡眠の悩みを抱えている方はいますが、若い世代と60代以降とで「眠れない」の性質が全く異なっていることは、あまり知られていません。



睡眠を「量」ではなく「質」の面から考えることが必要で、若い頃は睡眠の「量」を確保することが「質」を上げることにもつながったのですが、ことシニア世代に限って言えば、いたずらに「量」を追求すると「質」を低下させてしまうといいます。



今年2月に厚生労働省が改訂版「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を出しましたが、“新ガイド”の特徴の一つが、必要な睡眠時間がライフステージによって異なることを明確にした点です。

「睡眠ガイド」によれば、各年代に応じた推奨睡眠時間は、1〜2歳児が11〜14時間、3〜5歳児が10〜13時間、小学生が9〜12時間、中高生が8〜10時間、成人が6時間以上となっています。

しかし、子どもや成人について「睡眠不足」の問題が強調される一方、高齢者については「8時間以上にならないこと」と睡眠のとりすぎに注意が向けられ、長時間睡眠による死亡リスクすら指摘されています。



健康長寿のために必要な睡眠の量については、これまで膨大な数の調査がなされ、成人の睡眠時間は7〜8時間程度を基本として、それより短くても、長くても死亡リスクが高まるとされてきました。

しかし、国立精神・神経医療研究センターの研究グループの睡眠データを追跡調査結果によると、65歳以上の場合、睡眠時間が短くても死亡リスクが高まらないことが判明したといいます。

睡眠時間が短くても死亡率が高まらないという高齢者の傾向は特異であり、「十分な量を確保しなければならない」という「睡眠の常識」は、加齢とともに通用しなくなることが明らかになりました。 



この調査では、もう一つ重要なことが分かっていて、高齢者の場合、布団で過ごす「床上時間」が長いほど、死亡リスクが増すということです。

一方、現役世代の場合、睡眠時間が長いことは死亡リスクを下げることが新たに判明しました。

つまり「寝過ぎ」によって死亡率が高まるのも、高齢者特有の問題といえるのです。  



では、布団に入っている時間が長いと、なぜ死亡リスクが高まるのでしょうか。

これは60代以降の睡眠時間は6時間程度で十分なのに、7〜8時間も布団に入って眠ろうとしてしまうことで、睡眠の「質」が低下するからだと考えられます。  

そもそも高齢者の睡眠時間が短くなる理由は、若い頃に比べて基礎代謝が低下し、生活の負荷や活動量が減るためで、「眠れなくなる」のではなく、正確には「眠る必要がなくなる」のです。



また、寝起きの時間が前倒しになったり、眠りが浅くなったり、昼間に眠気を催したりするのも、体内時計が作り出す昼夜のメリハリが加齢によって小さくなることに起因しています。

つまり、60代以降の「眠れない」「夜、目が覚める」といった睡眠の悩みは、多くの場合、自然な体の変化の結果ということです。

posted by 川上義幸 at 14:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年04月09日

桜散る

  年度が改まり、令和6年度がスタートしました。

  今年の桜は予想よりも開花が遅れましたが、久しぶりに桜の満開と入学式、入社式など年度初めの恒例行事が一致した年となりました。



  一週間が過ぎ、桜の花もほとんど散って、葉桜となりつつあります。

  やはり桜は開花を待ち遠しく感じる頃が一番で、散って風に舞う姿は何かもの悲しく感じます。
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  一昨日の筑紫丘ゴルフ場の桜は、多少高度もあるからでしょうか満開で、桜を鑑賞しながらのゴルフも風流があっていいものです。
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  ただ、大叩きをしてスコアがまとまらないのにはストレスがたまる一方でしたが。

  最初でつまずいたものですから、プレーが荒くなり無理をして墓穴を掘り、スコアメークができずにまたショットにも影響し、負のスパイラルとなって流れはどんどん悪くなっていきました。

  そうなると、その日のゴルフは終わりです。



  ただ唯一の光明は、ドライバーの理想的な振りに気づいた点とアイアンが昔の距離が出るようになったことでしょうか。

  後は、スコアメーキングで、一球一球を大事に打つことで無理をしないようにしないといけません。

  次を期待しましょう。
posted by 川上義幸 at 17:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年04月08日

LRTへの期待

  栃木県宇都宮市に去年8月、LRT(次世代型路面電車)が開業しました。

  国内で新たな路面電車が開業したのは実に75年ぶりで、すべての線路を新設したLRTの開業は全国でも初めてです。



  LRT(次世代型路面電車)とは、英語の「Light Rail Transit」の略称で、従来の路面電車よりも床が低く、振動や騒音を抑えた新しいタイプの公共交通システムです。

  走行する車両は、1台が3両編成で、長さは30メートルほどで、バリアフリー仕様となっていて、車いすやベビーカーが利用できるスペースも設けられています。

  バスより多くの乗客を一度に運べることから、欧米の都市部では数多く見られ、国内では富山市などで導入されています。

  利用者数は順調に伸びていて、平日の利用者数は、1日1万2000人を超えて当初の想定どおりとなっている一方、土日祝日は想定の2倍を超える1万人前後にのぼっています。



   宇都宮市がLRTを導入した背景の1つには、移動手段を車に依存しがちな地方都市ならではの課題がありました。

  栃木県は、1世帯あたりの車の保有台数が全国で5番目に多く、このまま高齢化が進むと、運転が難しくなって、外出しなくなる人が増えると懸念されています。

  また、人口減少や少子高齢化を背景に、中心市街地の空洞化も深刻です。



  こうした課題を解決しようと、市が打ち出したのがLRTを軸とした「ネットワーク型コンパクトシティー」という構想です。

  都市の中に、人が集まりやすい「拠点」を設けて互いを公共交通機関で結び、都市の機能を拠点に集約していくことで、車だけに頼らず、誰もが移動しやすいまちづくりを目指そうという考え方です。



  このため市は、沿線に住む人だけでなく、離れた地区の住民もLRTに乗り継げるよう停留場を中心にバス路線を再編し、さらに乗り合いタクシーなどの地域内交通も整備しました。

  定時制にすぐれて大勢を運べるLRTが市内の交通の「動脈」を担う一方、路線バスや地域内交通は「毛細血管」の役割を果たし、互いに乗り継ぎがしやすい環境を整えたのです。



  LRTの乗客数は順調に伸びている一方、開業から半年以上がたって、新たな課題も見えてきました。

  周辺の路線バスや乗り合いタクシーを利用して、LRTに乗り継ぐ人が伸び悩んでいるのです。

  「動脈」を担うLRTと、「毛細血管」にあたる路線バスや地域内交通との接続がうまくいっていないのです。



  その理由の1つは、路線バスの運行本数の少なさです。

  もう1つの理由は、公共交通機関を乗り継ぐことへの抵抗感です。

  複数の電車やバスを乗り継ぐのが当たり前となっている大都市と違い、地方都市では自家用車で直接、目的地に移動する人が多く、乗り継ぎに慣れていない人が多いのです。



  開業したばかりのLRTを積極的に利用していこうという動きは、行政や企業からだけでなく、地域の住民からも出始めています。
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2024年04月07日

“新基準バット”でホームラン激減

  甲子園球場で開かれたセンバツ高校野球は、高崎健康福祉大高崎高校(群馬)の県勢初優勝で幕を閉じました。



  今年のセンバツ高校野球では大会を通じてのホームランの数は3本で、高校野球に金属バットが導入されて以降、最も少なくなりました。

  外野のフェンスを越えた2本は、いずれも左バッターが引っ張ってライトのポール際に打ったもので、残り1本はランニングホームランでした。

  その一方で、1点をどう奪い、1点をどう防ぐかという野球の原点を再認識させ、新たな時代の訪れを感じさせる大会となりました。



  今年から導入された“新基準の金属バット”ですが、ピッチャーをけがから守ることを主な目的に、反発力が抑えられ、打球の飛距離が5、6メートル落ちると見込まれていました。

  外野手の守備位置にも大きな変化があり、頭を越される打球が飛ばないことを想定し、複数の選手たちが「これまでより3、4歩前に守った」と明かしました。

  特にランナーを二塁に置いた場面では、シングルヒットでホームに返るのを防ぐため、前進守備が顕著となり、内野の土と外野の芝生の切れ目まで数歩の位置に守る極端なケースもありました。

  これによって、二塁ランナーがヒットで一気にホームに返るのが難しくなり、三塁で止まるケースが相次ぎました。



  ”飛ばないバット”で得点が入りづらくなった印象がありますが、データを見ると実はこれまでと大きくは変わっていません。

  1試合平均の得点は去年が「7」だったのに対し、今年は「6.45」でした。



  ベスト4まで勝ち上がったチームは、いずれも大会を通してホームランがありませんでしたが、どのように得点を重ねたのかというと、勝負どころで二塁打や三塁打といった長打が出て、試合展開をがらりと変えました。

  今大会は9回までに3点差以上を逆転した試合は無く、逆転されたチームが再び試合をひっくり返す「再逆転」は1回もありませんでした。



  高校野球解説者を19年務めてきた川原崎哲也さんは、1点の重みが増すなかで、野球の基本に立ち返ることが勝利につながると指摘しています。

  かつて日本の野球のお家芸とされた、機動力や小技を絡めた「スモールベースボール」に立ち返って、手に汗握る展開が増えていく可能性もあります。
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2024年04月06日

CO2から高機能製品が作れれば、脱炭素に役立つ

米エネルギー省ブルックヘブン国立研究所などは二酸化炭素(CO2)から、蓄電池や航空機の機体などに使える高機能な炭素繊維を作る技術を開発したということです。

付加価値の高い製品を作れれば、CO2の回収コストを補えますし、脱炭素に向けたCO2の回収や利用の促進に
つながるというわけです。



温暖化対策でCO2の回収が進むと、利用方法が課題となり、CO2に熱エネルギーなどを加えれば、炭素と酸素
に分離でき、再利用技術として燃料や化成品原料を作る研究が進んできました。

汎用的で需要が高い一方、化石燃料由来の製品に比べるとコストが高くなり、そこで価格が高くても市場で受け入れられる付加価値の高い製品をCO2から作る研究が活発となってきています。



ブルックヘブン国立研究所はCO2をカーボンナノファイバーに変換する方法を開発しました。

直径がナノメートルサイズの繊維で、炭素でできていて樹脂と混ぜると強度が高まるため、航空機や自転車などに使われています。

また、導電性が高く、蓄電池の負極材料にも応用できます。

炭素はもともと電気が通りやすく、強度が高いため、構造をナノレベルで工夫すれば、付加価値の高い製品が作れます。



京都大学の野平教授らは炭素原子だけでできているダイヤモンドをCO2から製造する技術の確立を目指し、2023年には微量のダイヤモンドの合成に成功したといいます。

ダイヤモンドは使い道として切削加工向けが一般的ですが、純度が高いこともあって半導体などへの応用も期待できるようです。

ダイヤモンドは高い電圧への耐久性があって、放熱性も優れていることから、電力制御用のパワー半導体の次世代材料として注目されています。



CO2の回収や利用のほか、貯留も含めた“CCUS”の新技術開発は各国がしのぎを削っています。
posted by 川上義幸 at 13:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年04月03日

データから見る花粉症の特徴

日本人の約半数がかかるとされる花粉症ですが、観測データを分析すると、花粉にさらされる期間の長い「高リスク地域」に人口が集まり、結果的に花粉症に苦しむ人を増やしてきたことがわかります。



約1700の自治体を花粉シーズンの長さで4つに分類し、1980年以降の人口の推移を調べたものがあります。

「20〜29日」の地域では594万人増、「30日以上」の地域では136万人増と、期間の長い2グループで合計730万人に増えました。

一方、期間の短い地域の人口増は限られるようで、スギやヒノキが少ない北海道などで過疎化が進みました。

日本の総人口は1980年から40年間で900万人増えましたが、増加分の8割は高リスク地域に集中します。



花粉にさらされる人が増えるにつれ、花粉症が社会問題として取り上げられるようになったことが伺えます。

1980年頃から花粉症の仕組みや治療法をとりあげる文献が増えてきたようで、1990年代には5000回以上に達しました。



1980〜1990年代は、高度経済成長期に植林されたスギが花粉を活発に飛ばす樹齢30年以上を迎えた時期と一致します。

住宅需要などを見込んでいましたが、低価格の輸入木材に押されて伐採・利用が進まず、現在も日本の国土面積の2割はスギとヒノキの人工林となっています。



地球温暖化の影響も指摘されています。

スギ花粉のシーズン開始は1990年代には2月下旬だったのが、2020年代には2月上〜中旬と2週間ほど早まっています。



スギの落ち着く3月下旬からはヒノキ花粉が飛び、スギ花粉症の人の7割はヒノキ花粉症で、ヒノキの花粉量は4月上旬のピーク時で1990年代の7倍、2000年代の3倍に増え、つらい花粉シーズンを長引かせています。

posted by 川上義幸 at 08:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記