2024年10月31日

流域情報交換会

昨日は、北部九州河川利用協会が令和2年度から始めている「流域情報交換会」をホテルニューオータニで開催しました。



令和2年といえば、コロナ禍の真っ只中でありました。

社会経済活動は制限され、私たちの生活もいろいろと不自由な面も多々あり、先の見えない不安定な社会情勢でした。



コロナかを経験して、私たちはいろいろなことを学びました。

人口や経済活動が集中する都市の脆弱性が指摘される一方、在宅勤務を可能とするテレ―ワークの普及などで自然が豊かな地方での生活(移住)が見直されるきっかけにもなりました。

九経連の前会長で私共の協会の前会長でもあった麻生様が、『6がけ負担で倍人生』を唱え、住みやすい地方にヒトを呼び込もうといわれていたのを思い出します。



そこで考えたのがSDGsの取り組みとも関連しますが、地方の持つ自然の豊かさをこれからはアドバンテージとして捉え、今まで以上に地方創生の動きを加速させるチャンスを捉えるべきではないか。

今まで地方は人口が減少し都市に比べて経済活動も低調でアゲインストの風が吹いていましたが、多少フォローの風が吹き始めたのではないか。

このような認識のもとに、コロナ後の地方について、流域の関係者で情報を共有して地方創生に向けて前向きな議論ができないかということでこの「流域情報交換会」を開催した次第です。



またテーマは地方創生に加えて、近年の頻発する豪雨災害に鑑み、『流域治水』の取り組みが始まっていて、防災についても議論しようということにした。

特に地方においてはひとたび激甚な災害に見舞われると、それをきっかけとして産業の衰退、人口の流出といった過疎化が一層進むといった負の連鎖もみられ、それを断ち切らないと地方創生とは逆こうした流れになり
ます。



今回の衆院選で与党に厳しい審判が下りましたが、石破内閣において、「地方創生」と「防災」は最重点課題の一つとして位置づけがなされました。

今回の流域情報交換会では、「流域・地域の未来を創る持続的な取り組みを考える」というテーマ設定をさせていただき、取り組み、活動にはその『持続性』が大事だと思いますので、『持続性』を強調した議論をさせていただきました。


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会議の前に柳町市場を覗いてみると、昼過ぎではありましたが、まだ多くの外国人で賑わっていました。

海鮮丼を食べれる店には列ができていて、多分ネットを見て訪れていると思われます。
posted by 川上義幸 at 15:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年10月29日

タコの値段が高騰

以前も取り上げましたが、タコの値段が高騰し、世界一のタコの消費国である日本に重くのしかかっています。



小売価格は高級魚のマグロを超え、国内の漁獲が減る中、アフリカなどから購入して賄ってきましたが、世
界の需要増加や円安基調、輸送費上昇で値上がりが止まりません。

タコの小売価格は507円/100gとマグロの同499円を超え、2000年にはたことマグロは2倍の価格差があったのが、タコが右肩上がりを続けて逆転しました。

エビ(同362円)やブリ(同360円)と比べてもタコが高いのがわかります。



23年のタコ類の漁獲量は2万2500トンと、過去10年間で3割減りました。

国産だけでは需要が賄えず、23年には約3万トンを輸入しました。

主にモーリタニアやモロッコなどアフリカ産で、回転ずしで安い皿で回っていたのはほぼアフリカ産です。



しかし、近年では世界的に需給が引き締まり、輸入コストがかさんでいます。

スペイン料理などとして欧米ではタコを食べる国が増えています。

海の環境が変化する中、アフリカも資源管理のため漁獲制限を強化しています。

円安や運賃の上昇も重なっています。



タコの高騰が響いているのがたこ焼きです。

たこ焼きの現下の7割ほどをタコが占める店もあります。

たこ焼き店のメニューも変化していて、たこ焼きの元祖、会津屋では「ホタテバター」や「豚アスパラチーズ」、マスカルポーネチーズを使った「牛すじクランベリー」など多彩な具を提供しています。

タコが高いためで、売上高にしめるタコ以外の割合は2〜3割ほどに高まっているようです。
posted by 川上義幸 at 19:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年10月27日

長寿の秘密

日本人は世界でもトップレベルの長寿を誇ります。

生活習慣や医療体制など環境要因の影響が大きい中、長寿にかかわる遺伝要因を探る大規模な研究がいくつも進んでいるようです。



そもそも長寿を左右する要因は何かというと、大阪大学などの研究チームが高血圧が最も寿命を縮める原因になっているとゲノム(全遺伝情報)などのデータを解析して指摘しています。

研究では肥満や高血圧、高コレストロールなど33項目の健康リスクについて調べ、最も寿命への影響が顕著に出た高血圧は、心筋梗塞や脳卒中など、死因の上位を占める循環器疾患につながるとしています。

欧州の人は日本人よりも肥満の影響が大きいのに比べ、詳しい理由は不明ですが、もともと日本人の方が肥満になりにくく、日本人は太るよりも腎臓が悪くなったり糖尿病になったりしてしまいます。



血糖値を下げるホルモン「インシュリン」を出す能力が白人の半分程度しかない点が一因といわれています。

インシュリンが多く出る人は、高カロリーの食事でも多くの血糖を体に取り込み、死亡などの形でため込みます。



一方、あまりインシュリンの出ない日本人では、脂肪が付きにくい代わりに血糖値が下がりにくいようで、こうした体質の違いが寿命に影響しているのかもしれません。



100歳以上の「百寿者」のゲノムからも長寿にかかわるポイントが見つかりました。

百寿者は、認知症や糖尿病、循環器疾患になりにくい遺伝的な背景を持つ人が日本人一般よりも多かったことが調べでわかりました。

この3つの病気になりにくい遺伝的特徴が長寿につながるのは、日本だけの特徴ではなく、世界の他の地域でも同じ傾向が報告されています。



ただ、元々の寿命を決める要因は、遺伝子よりも環境要因の方が大きいことが知られており、寿命に遺伝的な要因が影響する割合は10〜25%ともいわれているようです。

posted by 川上義幸 at 19:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年10月25日

コメの国際価格

  米の国際価格が急落しています。

  国際指標となるタイ産米の輸出価格は、直近で1トン529ドルと、1か月で8%下落しました。



  背景にあるのは、最大の輸出国であるインドの動きで、23年7月に「国内の適正なコメ在庫の確保と値上がりの沈静化」のため、高級品種であるバスマティ米以外の白米の輸出禁止を打ち出しました。

  雨による不作のほか輸出の増加もあり、同国内のコメの価格が1年弱で3割超上昇していました。

  こうした措置を受け、国際価格(タイ産)は高騰した経緯があります。



  一方で9月末、インド政府は自国の在庫水準が回復していることや新米の収穫も始まることから、14か月ぶりにバスマティ米以外の白米の輸出を許可するようにしました。

  今度は、供給量の増加や価格競争の激化を見込み、国際価格は大きく下落しました。



  インドがコメの国際市況に与える影響は大きく、輸出量は世界全体の37%を占めます。

  タイやベトナムなどもコメの輸出国として存在感はありますが、割合は1〜2割とインドには及びません。



  今年作のコメの生産量が前年より増加する見込みであることも相場を押し下げる材料になりそうです。

  インドでは収穫面積の拡大や雨期に降水量があったことで収穫量が増加し、タイでも生育が順調で収穫量が増えました。



  米の需要が大きく、輸入依存度も高いアフリカやアジアの一部では、インフレの緩和につながる期待があります。

  ナイジェリアやインドネシア、フィリピンなどではコメの輸入量が多く、近年では天候要因などもあり、コメをはじめとする食料品の高騰がインフレの一因ともなっていました。



  米の国際価格の下落は今後物価に反映されていき、インフレ抑制の要因となり、家計の実質所得の増加などにつながっていくことが期待されます。

posted by 川上義幸 at 17:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年10月23日

久しぶりの武雄の夜

  昨夜は、武雄会(国土交通省武雄河川事務所OB会)が武雄市北方温泉「四季の里」で行われました。

  OBに加えて現役の皆さんも参加いただき、総勢65名の賑やかな会となりました。



  所長から事務所の現状について、そして気象予報士のOB メンバーからは近年の気象変動について、お二人
から興味深いお話をいただきました。



  翌日の10月23日は武雄市が秋祭りとなっていて、街の中心部ではその準備がなされていました。

  前夜の昨日には、「エイトウ」という行事が行われていました。
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  現職のころは記憶にありませんが、これは1186年、源頼朝の勅使が武雄に下向した際、奉献の品を武雄神社に運んだ行事を今に伝えるものだそうです。

  古くから武雄市甘久(あまぐ)地区がこの行事を行い、「エイトウ、エイトウ」と囃しながら青竹を打ち鳴らし家々を回ってくると、町中に翌日の祭りの気配が漂うということです。



  その日は東洋館に宿泊したこともあって、「エイトウ」という行事に出くわしました。

  昨日は夕方からあいにくの雨になりましたが、地元の人は「30年続けているけど、雨ははじめて。雪はあったけどね」と言われます。

  しかし、人々の表情にはむしろ晴れ晴れとしたものがあり、伝統行事にたずさわることへの誇りを感じました。



  今年は9月から雨がほとんど降らず、日中は例年になく暑い日が続き、農作物にも影響がでていると聞きますが、今日の雨は秋祭りがもたらしたいわば恵みの雨といえます。

  今日の午後には晴れわたる空の下、見事な流鏑馬が奉納されたと思います。

  これからは、一雨ごとに秋が深まってくることでしょう。
posted by 川上義幸 at 20:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年10月22日

開村60年 岐路に立つ大潟村の農業

1964年に発足した大潟村ですが、全国各地から選抜された人たちが入植しました。

広大な農地で、田植えから収穫までを大型機械で行うモデル農村になっていきます。

現在、農家一戸当たりの平均耕地面積はおよそ19ヘクタール、全国平均の6倍近くにのぼります。

農業所得は、専従者1人当たり600万円以上と、いわゆる“食べていける農業”が行われています。



しかし、かつて589あった農家の戸数は年々減少し、現在は464戸となり、中でも、労働力を必要とする有機農業の作付面積はおよそ10年で半減するなど、労働力不足の影響が表面化しつつあります。

将来の労働力不足に不安を感じる中、米からの転作を行っている人もいて、一部の耕地で大豆や麦の二毛作を始めた人は、作業が集中する時期を分散できるほか、大豆や麦は稲作に比べると労働力を必要としないといい
ます。



大潟村の農業について調査している秋田県立大学の濱村寿史准教授は、大潟村は農業で十分な所得を得るというフェーズは脱したということで、日本の中では先進的な地域だといいます。

しかし、所得だけでなく農業のやりがいを示さないと、担い手が確保できなくなると訴えます。

人が職業を選択していく上では経済性だけでは不十分であって、その上でやりがい・魅力といったことが必要で、社会に貢献していけることは大きな魅力になり得るのではないかといいます。



そうした中で、濱村さんが注目している動きがあります。

大潟村で米を育てながら、隣の三種町で長ネギを栽培している農家で、障害者の就労支援施設に長ネギの出荷作業を依頼しています。

大きさごとにわけられた長ネギを、施設の利用者たちが箱詰めして重さを確認し、サイズごとに並べていきます。



農業と福祉を連携させて仕事の創出につなげることで社会的意義を見出しています。

施設の利用者にとっても、一緒に働く地域の人たちとの交流は大切な経験となっているようで、作業の場を通して地域の方々と触れ合って、その中から新たな刺激を受けたりしています。

農家の方も、経済的には厳しい面も多々あるけど、こうやって地域貢献できたりとか、実際に利用者さんの方に感謝してもらえてありがたいと話をし、利用者の様子に手ごたえを感じているようです。



社会に貢献できるものであることが実感できないと、職業として農業が選んでもらえない状況となっている中で、有機農業も生物の多様性を守り、食の安心感を高めるものとして生産者のやりがいにつながると考えられます。

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2024年10月21日

エチゼンクラゲ

  大きいものでは体長2m・重さ200kgにもなる大型のクラゲ「エチゼンクラゲ」が、鳥取県沖で大量発生しています。

  2009年にも日本海沿岸で大量発生し、漁業に深刻な影響をおよぼしました。

  ことしは2009年ほどではないものの、この10年では最も多い規模で発生しているといわれています。



  ことし8月からエチゼンクラゲが急増し、近年見ないほど大量のクラゲが網にかかったということです。

  クラゲの重さで網が切れてしまったり、一緒に入った魚が傷んで市場に出せなくなったりといった被害が出ているといいます。

  鳥取県の水産試験場によると、ことしはクラゲによる底引き網漁の被害が県内で相次ぎ、ここ10年でも多い状態だといいます。

  漁業者も、クラゲの影響で漁に出る頻度が例年の10分の1程度まで減りました  。



  エチゼンクラゲは、中国の沿岸、主に長江の河口域付近で生まれ、成長しながら、7月頃には対馬海峡にやってきて日本海沿岸を北上します。

  なぜことしは日本海で大量発生しているのか。

  クラゲの研究をしている広島大学の上真一名誉教授に話によると、要因としては、地球温暖化による水温上昇、肥料などが沿岸に流れ込む富栄養化、そして魚の乱獲によって敵がいなくなってクラゲが増えたこと、そういう要因が複合していると考えられるようです。



  鳥取県漁協は、こうした事態を受けてことし、2009年以来15年ぶりにクラゲの駆除を行いました。

  今後も出現する量が増えた場合にはさらなる駆除を行う計画だとしています。

  漁業者も、クラゲを外に逃がすよう改良された網を使うなど対策に乗り出しましたが、その効果は今ひとつでした。



  上教授は、クラゲの発生源が中国近海のため、日本単独で対策を講じるのはなかなか難しいといい、そんななか少しでも有効な対策として提唱するのが「クラゲ予報」です。

  大学などが、民間フェリーに乗ってクラゲが発生している海でその発生量を目視で確認し、その年のクラゲの多さを予測するという方法です。

  2019年まではこの方法で調査されていましたが、その後、新型コロナの影響でフェリーに乗ることができず最近は実施できていません。

  上教授は、今後は衛星情報なども活用しながら「クラゲ予報」の体制を構築していくことが望ましいと考えています。



  また、クラゲ対策は台風と一緒といい、発生場所がわかっているので、今年は多いか少ないかはその発生場所の調査をすればわかるといいます。

  山陰沖のクラゲは徐々に北上するため次第に減っていくと上教授は予想しますが、長期的には注意が必要で、大学などによる発生状況の全体把握、そして網の改良や駆除といった漁業者の水際対策の両輪で乗り越えて
いくしかないといいます。

posted by 川上義幸 at 17:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年10月20日

利根川流域フォーラムinみなかみ町

  坂東太郎(利根川)、筑紫次郎(筑後川)及び四国三郎(吉野川)の3河川は暴れ川で知られていて、その縁で三川交流を実施してきました。

  今年は、利根川が当番ということで、利根川最上流で源流のまち、群馬県みなかみ町に18、19日の二日間行ってきました。

  18日には利根川流域フォーラムinみなかみ町が開催され、それに参加する形で三川交流が行われました。
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  みなかみは、ユネスコ生物圏保存地域(ユネスコパーク)に選ばれ、SDGs未来都市にも選定されています。



  世界自然遺産が自然保護を目的とするのに対し、生物圏保存地域は、人と自然の共生関係の創造を目的とし、貴重な自然(核心地域)、調査・学習の場(緩衝地帯)、自然とともに人が暮らす場(移行地域)の3つの地域が指定されています。

  移行地域はまさにSDGs実践・構築の場です。

  みなかみから流れ出す利根川流域全域が「みなかみユネスコパーク」の移行地域といってもよく、利根川上下流を人と自然の共生関係創造の活動として展開していくことが期待されます。



  そのような問題認識のもとに、このフォーラムは開催され、まずはみなかみの皆さんの考えと活動をお聞きし、中・下流域の交流の試みを発表し合い、その輪に筑後川、吉野川の参加者も加わり、意見交換をしました。



  東大名誉教授の虫明先生から8月の閣議決定された「流域総合水管理」の話を紹介していただき、これからは流域治水、水利用及び流域環境に一体的に取り組むことが方向づけられたようです。

  益々、今回のようなフォーラムの取り組みが期待されます。



  終了後の懇親会は、いつもになく盛り上がりを見せ、最後は出席者の皆さんによる阿波踊りが披露されました。



  翌日は、奈良俣ダム、谷川岳インフォメーションセンター、道の駅水紀行(河川のオープン化)を見学させていただきました。
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奈良俣ダム上流

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道の駅水紀行(河川のオープン化)

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2024年10月17日

勝ちたいという気持ち

  昨日から、クライマックスシリーズファイナルステージが始まりました。

  ソフトバンクホークスの相手は、ファーストステージを逆転で勝ち上がってきた日本ハムで、ホークスが今シーズン苦手としてきた伊藤投手がこの試合に合わせて準備してきたこともあって、いやな予感もありました。
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  PayPayドームは満員で、いつものシリーズと違ってなぜか応援する側にリラックスする雰囲気を感じました。

  選手も当初固さが散見されましたが、徐々に延び延びとしたプレーが見られるようになりました。

  一番の心配はエースの有原投手が日本ハムを苦手としていることでした。



  立ち上がりこそ順調にでしたが、3回に同点にされてなお1アウト1、3塁で、松本選手のセンターへ抜けると思われたあたりを川瀬選手が飛び込んでキャッチし、何と4、6、3のタプルプレーを演じたのでした。

  やられたと思った瞬間、チェンジアウトとなり、場内は興奮し、割れんばかりの拍手の渦となりました。

  間違いなく逆転されていたとすれば、さらに追加点を奪われ、選手全員にまたやられたと意気消沈してしまう場面でした。



  多分、このステージが終わった後にこの局面が流れを左右した素晴らしいプレーと評価されることでしょう。

  終わってみれば、5対2の完勝で、ほとんどの選手にヒットが出て、滑り出しとしては最高の試合となりました。

  選手の勝ちたいという気持ちが伝わった試合でした。



  一昨日から、衆議院選がスタートし、自民党の不祥事もあって戦いそのものは面白くなったようです。

  公示後の新聞の一面に大きく取り上げられ、「裏金問題を問う」といった裏金問題だけがあたかも今回の選挙の争点となるような見出しが躍っています。

  また、裏金問題で公認をもらえなかった候補者の選挙区を取り上げ、注目区として国民の関心を呼ぼうと腐心しています。



  自民党は大幅に議席を減らしそうで、立憲民主党は増やしそうな勢いです。

  裏金問題で政治不信を招いた自民党の責任は大きいですが、日本の内外の政治課題は多く山積していることを考えると、選挙後の政治がどうなるか心配になります。



  いずれにしても、候補者は国会に戻れるか大変となっている人も多いですが、まず当選できるように国民に理解を求めてほしいですし、最後は勝ちたいと思う気持ちが強いかどうかで決まるように思います。
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2024年10月16日

ヒマワリに農地再生を託す

和歌山県中部の海沿いの町、日高町。その山あいにある集落で小浦地区にはおよそ90人が暮らしています。

ここでは、いま、住民の力で耕作されなくなった田んぼを再び豊かな農地によみがえらせようという取り組みが行われています。



その第一歩が「ひまわりの花」を咲かせることで、「ひまわり」に農地の再生を託しました。

小浦地区は豊かな水に恵まれ、江戸時代から米作りが盛んに行われてきました。

しかし、地区の住民のおよそ7割が65歳以上の高齢者で、人口減少が進み、農家の担い手も減り、耕作されなくなった田んぼが目立つようになりました。

50年も先人が守ってきた農地を荒らさないで、どのように維持していくかが課題となっています。



歴史ある農地を次の世代に残すことが地区の人たちの使命で、その思いを託したのは肥料用のひまわりです。

背丈が低いのが特徴で、ひまわりは深く土壌に根ざし、地下で分解されて肥料となります。

さらに、咲いたあとのひまわりを土に混ぜ込むことで豊かな土壌を生み出します。

地域の人たちに「ひまわりの花」が咲き誇る景観を楽しんでもらい、そして自然の肥料で野菜や米を育てたいと考えています。



しかし今年、ひまわりが芽を出すことはありませんでした。

種をまいた数日後に大雨が降り、まいた種がすべて流されてしまったのです。

改めて、今度は手作業でひまわりの種をまき、およそ1週間後、待望の芽が出て喜んだのですが、出たばかりの芽を野生のシカが食べてしまっていたのです。

もともと小浦地区では野生のシカが頻繁に現れる地域で農作物の被害も出ていましたが、まさか「ひまわりの芽」を食べてしまうとは思ってもいなかったようです。

想定外の出来事でした。



柵が設置された場所で種をまき今度こそはと期待しました。

種をまいてから2週間後には15センチほどの高さとなり、順調に成長し、地区の人たちは協力して定期的に水やりや草刈りを行いました。

夏の強い日ざしが照りつける中、多くの住民が集い、汗を流しながらのひまわりの世話は地域の新たな交流の場になりました。

そして8月。山あいの緑に囲まれた風景を彩る黄色い花、ついにひまわりが花を咲かせました。

豊かな農作物を育む農地によみがえらせたい、地域の人たちが希望を託す「ひまわり」が成長しました。 



秋を迎え、小浦地区の畑ではキャベツに似た「トレビス」という西洋野菜が育てられています。

咲き終えたひまわりが土壌の栄養となっています。



日高町の農業法人と協力して野菜を育てています。

来年以降、レンゲを肥料にした無農薬の米作りにも挑戦する予定で、農地にはレンゲの種がまかれ、春には農地一面がピンク色に染まることを地域の人たちは心待ちにしています。
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2024年10月14日

秋の花、金木犀

  今朝、山王公園でウォーキングをしていると、どこからか甘酸っぱいにおいがしてきました。

  金木犀の香りです。
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  10月に入り、例年と変わらず朝夕が涼しく、日中は晴天ですと少し汗ばむ秋の気候になってきました。

  そのころになると、公園や街いたるところからこの金木犀の香りがしてきて秋が本格的に訪れた実感がします。



  金木犀は、香水やアロマなどで楽しまれるほどふんわりとした甘い香りが特徴的な秋の季節の花です。

  金木犀の花言葉は、「謙虚」「謙遜」「気高い人」「真実」「真実の愛」「初恋」「陶酔」などです。



  ふわっと匂い立つ素晴らしい香りに反して、控えめな小さな花弁を持つことから「謙虚」という花言葉が名付けられています。


  雨が降ったときに、その小さな花弁が潔く散ってしまうことが「気高い人」という花言葉の由来となっています。


  金木犀の香りが由来していて、離れていてもはっきり金木犀だと分かるほど香りが届くので、金木犀の存在を隠しきれないことから、「真実の愛」という花言葉になっています。


  ふんわりとした甘い香りが特徴的な金木犀、「初恋」という花言葉は、その独特な芳香が由来となり、一度知ったら忘れられない香り=初恋という意味でつけられているそうです。


  金木犀の香りは香水としても人気なほど、うっとりするほどの芳香。秋になるとどこからともなく漂ってくる香りに、「陶酔」というぴったりな花言葉がつけられています。



  金木犀の開花は気温の影響を受けるため、気温が高いほど開花時期が遅くなり、低いほど早く咲くそうで、まさに秋の訪れを届けるお花です。

  金木犀の花は、時に年に2回咲くことでも知られていて、気候や気温の変化によっては一度散ってしまってもまた蕾をつけて2度目の開花を迎えることもあるようです。

  数年前に、2度の開花を見た記憶があります。


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  今年は、金木犀の開花は例年通りのように感じますが、その前に咲く彼岸花は例年よりだいぶ遅れて咲きました。

  まだ、御笠川河畔には彼岸花が咲いていました。
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2024年10月13日

伊勢えび

  10月1日は三重県の伊勢えび漁の解禁日でしたが、地元の漁業者の表情は晴れないと言います。

  その理由は、三重県の伊勢えびの漁獲量が、急激に減っているからのようです。

  2018年が311トンだったのに対し2022年は163トンとここ5年でほぼ半分に減ってしまっています。



  なぜこれほど急激に減ってしまったのかというと、その原因は、伊勢えびの餌を食べる場所やすみかとなる「海藻」が無くなってしまったことだと言われています。

  そしてその背景には、「黒潮の大蛇行」があると見られています。

  三重県の沖合を流れていた黒潮が枝分かれした温かい海流が三重県の沿岸に流れ込んで、特に冬場の水温が下がらないことが背景にあるといいます。



  冬場の水温が下がらないとどうなるかというと、ブダイとかアイゴといった海藻を食べる魚が、これまでは水温が低くなると活動が鈍くなっていたのが、黒潮の大蛇行で冬場の水温が上がって、冬でもブダイやアイゴが元気に海藻をたべ続けてしまうということです。

  そうすることで、冬場に育つはずの海藻が無くなってしまったということのようです。



  その海藻を増やそうと、地元の漁協では、海藻が生える場所、「藻場の再生」に取り組んでいますが、今のところ抜本的な解決に繋がっていないと言います。

  漁協は、「海藻は育っても魚に食べられてしまう。いたちごっこの状況だ」と話しています。



  伊勢えびの漁獲量を人間の手で戻すことは今のところ難しい状況ですので、三重大学大学院で伊勢えびの生態を研究している松田浩一教授は地元企業と連携して、少しでも漁業関係者の収入を増やそうと、去年春から
「ソフトシェル伊勢えび」の研究に乗り出しています。

  ソフトシェル伊勢えびとは「殻もまるごと食べられる脱皮したての伊勢えび」で、通常の伊勢えびは食べられる部分が35%しかないとされていますが、まるごと食べられるようにすることで1匹当たりの価値を高められないかという考えです。


  伊勢えびの本場・三重県ですが、地元の特産を守る挑戦が続いているようです。
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2024年10月10日

ごみ処分限界

ゴミの減量やリサイクルの重要性が高まっています。

可燃ごみの焼却灰や不燃ごみ、粗大ごみを埋め立てる処分場の残りスペースが減っているからです。



家庭や事業所から出る一般廃棄物では、自治体が管理する処分場の残容量は10年前から14%減り、今のペースが続けば23.4年後の2046年度には満杯となります。

ただ、満杯の見通しは現在の埋め立て量などがベースになっていますが、人口が1億人を割る2050年代にかけて、ごみの排出量が全国的に減る可能性は高いようです。



様相が異なるのが東京で、都の推計では23区の人口は2035年まで増え、2050年時点も現在並みになりそう
で、訪日外国人客も流入し、ゴミが減りにくい状況が続きます。

23区のごみを埋めるための処分場を広げてきた東京湾には、船の航路確保のため拡張余地がなく、現在の処分場で最後となります。

満杯になれば他地域にゴミを運ばざるをえず、東京と地方の押し付け合いになりかねません。



人口が減る地方では土地に余裕ができ、処分場を造りやすくなるように思えますが、水源に近いと埋め立てが飲み水に影響したりしてそう簡単には進みません。



このような事態を改善するにはカギは住民の協力が必要で、よい取り組み事例も出てきました。

鹿児島県大崎町では処分場の延命のためごみの分別強化を行っており、紙おむつなど28品目に上り、リサイクル率は84%と全国で最も高くなっています。

分別が定着し、埋め立てるごみの量を以前より8割削減し、処分場の使用期間を60年以上伸ばしました。



また、新技術の後押しも欠かせません。

焼却灰をセメント原料などに再生する手法の拡大や、丸ごと食べられてゴミが出ない野菜や果物の開発にも期待がかかっています。



また、AIを使ってビンを色ごとに選別するシステムの開発も行われています。

街にゴミがあふれる未来にしないためにも知恵を絞らないといけません。


posted by 川上義幸 at 20:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年10月09日

日本人は旅行をしなくなった?

インバウンドが新型コロナ前の水準を超え過去最高を更新しました。

その反面、日本人の旅行の動きがさえません。

海外渡航者はコロナ前の6割程度にとどまり、、国内の宿泊旅行も前年割れが続いているようです。

今年のスイス旅行の経験からすると、そうは思えないのですが。



レジャーといえば、旅行ということで、高度経済成長期からこの嗜好は変わっていません。

コロナ中こそ低迷しましたが、2022年には国内旅行が首位に復帰し、23年も続いています。

しかし、市場が順調に伸びてきたとは言えない状況で、海外旅行者は1996年ごろから頭打ち状態で、日本の旅行収支が大幅に黒字なのは海外旅行不振の影響のようです。



国内旅行の総宿泊数も昨秋からほぼ前年割れしています。

理由は複数ありますが、レジャーの多様化、団体から個人など嗜好の変化への対応の不備、円安や訪日客増による内外での旅行費用の高騰などが挙げられます。



最大の理由は休暇取得の難しさで、国内旅行は2泊から伸びず、海外渡航の時期は集中します。

長期分散型の休暇が定着する欧州とは対照的です。



海外旅行者は格安航空の就航で19年に初めて2000万人をこえましたが、パスポート保有率は19年の23.8%から23年に17.0%に低下しています。



そして気になるのが若者の海外体験の減少で、若者層の53%は「留学したいと思わない」というアンケート結果もあります。

海外体験は異文化への理解や人脈作りにつながり、留学などの海外体験に乏しい若者の増加は将来の国力も左右しかねません。



欧米やオーストラリアにはギャップイヤーという制度があり、大学入学前などの若者が留学や長旅で視野を広げているようです。
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2024年10月08日

ベトナム、即席麺大国に

東南アジアで即席麺市場が拡大し、世界の約3割を占める巨大市場に成長しています。

特にベトナムでの消費量は4年で5割増えました。

屋台など外食することが多い文化圏ですが、食品インフレなどの影響で安価で手軽な即席麺を選ぶ消費者が増えています。



世界ラーメン協会によると、世界の消費量は2023年は1202億食と新型コロナウィルス禍前の2019年に比べて13%増えました。

外出規制で家庭内で食事を取る機会が急増した際、即席麺の消費量が大幅に伸びました。

新型コロナ禍後も、手軽に調理できる比較的安価な点等が再認識され、堅調に需要は推移しているようです。



東南アジアの中でも市場が急成長したのはベトナムで、2023年の消費量は81億食と2019年比で49%増えました。

1人当たりでは年間83食となり世界一の「即席麺大国」に浮上しました。

元々、米麺「フォー」などを食べる文化が根付いています。

ベトナムに行ったときにフォーを食べましたが、琉球そばに味が似ていて美味しかったことを思い出します。



複数の有力企業が市場でしのぎを削り合う点も市場拡大の背景にあります。

日本勢のエースコックがベトナムではトップメーカーであり、約30年前に進出し、同国の即席麺市場を切り開きました。

看板ブランド「ハオハオ」は4500ドン(26円)前後の手ごろな商品が主流ですが、最近は少し高めですが具材にこだわった商品が好調のようです。


タイの「ママ―」やフィリピンの「ラッキーミー」など各国でご当地ブランドが強いようです。



地場のマサンコンシューマーも大胆なプレミアム戦略に舵を切り、ベトナムを代表する即席麺ブランド「オマチ」で価格が10万ドンを上回る鍋型商品に力を入れているようです。

東南アジアは即席麺市場のけん引役となっていますが、同地域の麺重量は日本より3〜4割少ない商品が一般的で、1度に2食分を食べたり、間食で小腹を満たしたりするため、即席麺消費が伸びやすいところがあります。

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2024年10月05日

保育園、大閉鎖の波

保育園不足が社会に広く認識されるようになったのは2016年で、共働き世帯の増加に整備が追いつきませんでした。

それから8年が過ぎ、待機児童は1/10の水準に激減しました。

24年の定員は16年に比べ2割増の322万人分となり、反比例して子どもは減りました。



そこで新たな課題として浮かび上がるのが、需要が飽和した後のあり方です。

保育政策は待機児童の解消を目指す段階から、淘汰に備える「ポスト待機児童」時代に入りました。



地方を中心に定員割れが起きているようで、その流れは都市部の保育園にも及んでいます。

利用児童の減少による赤字が続いていたことなどを理由に、24年3月末に都内の3施設が閉鎖しました。

いずれの園も10年近く運営実績があり、開園以来、「地域にも開かれた子育て支援の拠点」を目指し、園の行事に地域住民を招待したり、散歩に出る際に声を掛け合ったり 交流をしてきたようです。



今、保育園が新規に開設されるのは、自治体が公立園を民営化するタイミングで建て替えるか、タワーマンションが建設されるなどで子育て世代が流入することが見込まれる場合がほとんどのようです。

保育園はもはや共働き家庭の子どもを預かる従来型のスタイルに安住するのではなく、社会のインフラとして存在感を示せるかが問われるようになってきているといいます。



北海道厚沢部町の中心にある認定こども園「はぜる」は、19年に町内の3つの保育園を統合して開園しました。

地元の子どもだけでなく、普段は都市部に暮らす子もいて、町が21年にスタートアップ企業のキッチハイクと連携して始めた「保育園留学」取り組みです。



魅力的な保育施設には人を呼び込む力があります。

1〜2週間、家族の宿泊拠点やテレワークの場所を提供し、子供は保育園の「一時預かり」を使い、在園児と一緒に過ごします。

この園を核に街ににぎわいが生まれ、周辺への観光などで年間3千万円ほどの経済効果見込んだり、移住につながった事例もあるといいます。




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2024年10月04日

コンビニウェア、「ファミマの顔」

ファミリーマートのアパレルブランド「コンビニエンスウェア」ですが、靴下やハンカチ、タオルなどで構成し、いかにも繊維に強い伊藤忠商事のグループ会社的な企画です。

全国展開から3年半で、今も前年実績のおよそ30%増で売れているようです。



とりわけ消費者の支持を受けているのが、タオルの名産地で有名な今治市で製造する「タオルハンカチ」です。

コンビニは食品が中心となり、ハンカチのような雑貨は緊急時のニーズが主で、荷動きは少なくなっていま
す。



ファミマは2010年代後半まで中国製の値ごろ感のあるハンカチを置くだけでしたが、デザイン性の高い商品を置くと、市場が広がるのではとの提案が社内から生まれ、今治産をプライベートブランド(PB)として投入しました。

日本の伝統的なタオル産地といえば今治で、硬度成分が低く、染などに適した良質の水が豊富だったことなどから発展しました。

しかし、低価格の輸入品の攻勢も受けてきました。



転機は「今治タオルプロジェクト」で、ブランディングのために人気アートディレクターの佐藤可士和氏を起用し、独自のブランドロゴを製作すると同時に人気デザイナーによる新商品を投入したり、三越と共同企画を打ち出したり、高い品質の国産ブランドとして確立しました。

そしてファミマがPBとして、今治タオルハンカチを全国の店舗に並べると不思議なことが起きました。



隣に値ごろな中国製のハンカチがあるのに、高い今治産が圧倒的に売れたのです。

理由の一つは100円という価格差で、中国製が500円に対し、ブランドとして認知された今治タオルハンカチは600円ですから利用客は「割安感」を覚えたのかもしれません。

少し高くても、拭き心地のいい高品質の今治産を選ぼうという消費者心理を引き出したようです。



ファミマ全体に占める衣料品の売上高は少ないですが、21年からはデザイナーの落合宏理氏と共同開発したソックス、タオル、ハンカチなどのコンビニウェアを本格的に投入し、「ファミマの顔」になったのは間違いな
さそうです。



また今年も、音楽イベント『フジロック フェスティバル』とコラボしたタオルやハンカチを販売すると、ほぼ完売しました。

コンビニは身近な消費の場ですが、そこでアート的な「日常のおしゃれ」が広がるなら生産者の所得が倍増し、経済の再成長につながるかもしれません。
posted by 川上義幸 at 15:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年10月01日

サーモン価格の変動、9月がノルウェー産の買い時

ノルウェーは世界最大級のサーモン養殖国です。

そのノルウェー産サーモンが大幅に値下がりしたようです。

産地からの輸出単価は過去最高値だった4月上旬と比べて4割下がり、豊洲市場の卸値や小売価格も同3割安くなりました。



世界の需要増加で高騰していましたが、日本では高値を敬遠して購買意欲が低下し、他産地との競合も激化していました。

秋以降、供給増が見込まれることも高値を和らげているようです。



サーモンの国際相場は春節とイースター、クリスマスなどの需要に合わせて上昇し、夏場は下落する季節性があります。

24年春はイースターに加えて「世界の需要がノルウェーの生産量の伸びを上回るペースで増えている」ことなどを背景に高騰しました。

日本では為替相場の円安も一部で響き、店頭価格の高騰を見ました。



ノルウェー産は脂のりがよく高品質ですが、日本の消費者が付いていけない価格になり、鮮魚店ではカナダやチリ産に切り替える動きが進みました。

近年はトルコやオーストラリアなどでもサーモンの養殖が盛んになり、日本でも北海道や東北などで生産量が増えてきています。



国産サーモンの水揚げは春から夏であるのに対し、9〜12月はノルウェーから日本に向けて生サーモンの輸出が増えていきます。

9月が値ごろになっているようですが、10月以降はクリスマス向けの需要が増えていきます。
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