2024年12月31日

若八幡神社参拝と今年の振り返り

大晦日は、若八幡神社に家族でお参りに行きます。

若八幡神社は厄払いの神社として有名で「厄八幡」の愛称で親しまれています。


新暦と旧暦の大晦日に行われる「年越厄災除大祭」や年初の祈願にはたくさんの人が訪れ長蛇の列ができましたが、最近はそうではなくなってきました。

かつての博多の大晦日は、「おきゃがり(達磨)」を包んだ大きな風呂敷を担いだおきゃがり売りの、「おきゃがりやーい」という声が風物詩だったのだとか。



今年もあとわずかになりましたが、2024年を振り返ってみます。

年明け早々、能登半島は地震に見舞われ、そして、追い打ちをかけるように9月には大雨に見舞われ、大変な一年となりました。

9月に北陸地方に今年のような豪雨が発生したことがあったでしょうか、秋雨前線を頻発した台風が刺激しての現象で、これも気候変動の影響のように感じます。

まだまだ復旧・復興は十分に進んでいないようで、国を始め関係者の尽力もいただきながら被災者の方には一日も早く元の生活に戻っていただけるよう願っています。



また、今年はオリンピックイヤーの年で、日本は体操や柔道、レスリング、陸上、水泳など、数多くのメダルを確保し、日本人選手の活躍がみられました。

そして、なんといっても大リーグでの大谷選手の活躍は国民が歓喜した最大の出来事ではなかったでしょうか。

ソフトバンクホースも4年ぶりにリーグ優勝しましたし、大相撲でも若手の台頭がありました。

そのほかにもスポーツ界では明るい話題が多かった一年でした。



今年は世界的に選挙イヤーの年でしたが、主要国が実施した国政選挙で、すべての与党が議席を減らしました。

米国や英国で政権が交代し、日本も与党が過半を割り、野党が伸びた韓国はユン大統領の戒厳宣言で混乱し、欧州では極右政党が台頭しました。

民主国家で浮き彫りとなった合意形成の難しさは、経済や安全保障に影を落としています。


来年がどんな年になるかはわかりませんが、明るい一年となるよう一日一日を楽しみたいと思います。

 皆さん、よいお年を!
posted by 川上義幸 at 21:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年12月30日

打ち納め

  昨日は、今年最後のゴルフを楽しみました。


  筑紫丘GCでの7時30分スタートで、15分前まではまだ薄暗い状況でした。

  一番スタートで気持ちよく回れたのですが、その日は曇り空でまだ日の出前ということもあって、体も目が覚めていない中でのプレー開始となりました。


  昨日は気温も低く、体があったまっていない状況でティーショット。

  案の定、信じられないミスをしてOBとなり、続く2番ホールのショートホールも同様のミスショットとなって、スタートからつまづいてしまいました。


  暗雲が立ち込める中、ラウンドは淡々と進み、終わってみれば51もたたいてしまうことになりました。

  この時点で、今年最後のゴルフで90を切るという目標はついえました。


  後半は、盛り返してなんとか42で回りましたが、出だしのつまづきが尾を引いて、流れを作れず当然目指していたコースマネージメントも十分にできずじまいとなりました。

  言い訳になりますが、昨日のような寒い日には十分なウォーミングアップは必要のようです。

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  今年は年間に68回プレーしたようですが、振り返ってみればほぼ毎回のように同じ反省をしては次に生かせない、そんな繰り返しをしたような気がします。


  来年は、ワンプレー、ワンプレーのショットに一喜一憂するのではなく、悪いときは悪いなりに、ミスをしたらそれを受け入れて次を冷静に考える、コースマネージメントができるようにしたいものです。

  そんなゴルフを楽しみたいと思います。
posted by 川上義幸 at 10:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年12月28日

海洋深層水

  “海洋深層水”とはその名の通り、深海の水のことで、水深200メートルより深いところにある海水のことですが、表層の海水と成分が違うようです。

  深海は太陽光が届きませんので、低温が保たれ、植物プランクトンが光合成をしないことから、ミネラルなどの栄養素も豊富です。

  また、汚染物質も少ないとされています。



  この希少な資源が独特な地形を有する室戸で取れるようで、室戸岬から東の沖合は陸から海に急激に落ちる地形になっていて、この壁に水深1000メートル近くの深海の水が当たって上昇し、水深300メートルあたりのところで取水するのです。

  こうした海流は「湧昇流」が発生する場所は、あまりありません。



  室戸市は、こうした貴重な地形から国内で初めてとなる海洋深層水の取水地に選ばれ、35年前から取水を行っています。

  高い栄養素から健康につながるとして飲料水などに活用され、ブームにもなりましたが、高知県内の関連商品の売り上げは20年前のピークから減少傾向が続いています。

  こうした中、海洋深層水の新たな使いみちの研究が近年進み、再び注目を集めるようになってきました。



  室戸市にある県の海洋深層水研究所には海洋深層水が入った水槽があり、それにつかっているのは世界最大級のカニ、タカアシガニです。

  水族館で飼育した場合の平均寿命は2、3年と短く、黒い斑点ができて広がると朽ちて死にやすくなります。

  そこで寿命を延ばす期待がかかっているのが、海洋深層水の活用で、注目したのは、死因につながる黒い斑点をなくす「脱皮行動」です。



  海面に近い表層の海水と海洋深層水を用いて、2年近くカニを飼育した結果、表層の海水に入れたカニの3分の1が脱皮しなかったのに対し、海洋深層水ではすべてのカニが脱皮し、脱皮を促す効果があることがわかりました。



  古くからヨーロッパでは海水を利用した“タラソテラピー”という自然療法があり、研究所は全国の水族館から海洋生物の治療を受け入れて、ビジネス化できないか検討しています。

  海洋深層水で食卓を支える研究も進んでいます。

  それがノリの養殖です。



  瀬戸内海などでは、プランクトンの栄養になる窒素やリンの減少などによって、養殖ノリの色落ちが発生し、収穫量の減少が続いています。

  高知県の海洋深層水研究所は、味のりや焼きのりに使われる「スサビノリ」を海洋深層水を使って培養する研究を行っています。

  ノリを海洋深層水に5週間、浸した結果、緑色のもととなる葉緑素が通常の海水と比べて2倍以上に増え、成長スピードも速くなることがわかってきました。


  高知県も海洋深層水のさらなる活用促進に向けて動き出しています。



  そのほかにも、佐賀大学で実施中の海洋温度差発電があり、20度から30度ある海面に近い表層の海水で、アンモニアなどを蒸発。蒸気によって、タービンを回して発電します。

  そして、およそ10度の冷えた海洋深層水で再びアンモニアなどを液体に戻し循環させる仕組みです。



  飲料水や化粧水などがけん引してきた海洋深層水ブームから20年余りたちますが、いま、海洋生物や海藻、
果てはエネルギー問題まで、その活用方法が広がっているようです。
posted by 川上義幸 at 15:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年12月26日

筑後川、クリスマスパーティー

  九州一の大河、筑後川。

  久留米市はこれまで幾度となく洪水被害を受けてきましたが、今では河川改修が進み、上流に松原・下筌ダムが完成してからは大きな氾濫被害は起きていません。

  昭和28年洪水では中流域の多くの箇所で破堤し、久留米市も一面水浸しとなり大きな被害が生じました。



  その後、東櫛原地区、大杜地区、合川地区などで大幅な引堤工事が実施され、流加能力が格段と向上し、治水安全度が増しました。

  久留米市内では、川幅が広がったことによって日常では広大な高水敷が都市公園として市民に開放されています。



  しかしまだまだ十分に利用されているとはいえず、このたび筑後川の水辺空間を活用した賑わいづくり実証実験ということで、宮ノ陣助っ人隊、宮ノ陣笑群バイクラフ主催の「筑後川クリスマスパーティー」が一昨日開催されました。

  焚火、マルシェ、軽トラ野菜販売、バンド演奏、キャンプスペースの活用など、寒い時期ではありましたが、宮ノ陣地区の皆さんや久留米市、筑後川河川事務所、北部九州河川利用協会の関係者が50名程度集まってくれました。

  夕日が沈み、堤防には200mの間にイルミネーションの明かりがともされました。
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  この会場は、急行が停まる西鉄宮の陣駅に近く、近隣の人たちはもとより福岡都市圏の人たちが押し寄せるような魅力ある企画が実施されるようになればもっともっとにぎわいが増すことでしょう。



  昨日は連チャンとなりましたが、玄海ゴルフクラブに行ってきました。

  前日のショットの乱れを修正することができ、前半は41で回ることができました。

  久しぶりに、90を楽々と切れるかなと思っていましたが、休憩をはさみ緊張感が緩みいつもの大雑把なプレーにもどり後半は50もたたいてしまいました。

  今年最後となる29日のゴルフに懸け90切りの再チャレンジです。
posted by 川上義幸 at 16:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年12月24日

新世代(Z世代)ヒットづくり

  これからを担うZ世代を中心とした若い層のヒット商品・サービスを追いかけても、法則性は見つからないようです。


  企業が需要予測や顧客分析など計算し尽くしたマーケティングで売れたものより、たまたま配信された情報でブームが巻き起こるケースが多いからだといいます。

  今は「出来事」がヒットになる時代を迎えています。



  若い人々の消費行動を追いかけるマイナビのマイナビティーンズラボやZ総研のトレンドランキングから見えて共通しているものは、自宅でカスタマイズした食べ物への関心の高さです。

  例えばマイナビの「10代女子が選ぶ流行ったコト」のランキングの第1位は「焼きボンデ作り」です。

  これはミスタードーナツの定番商品「ボン・デ・リング」をフライパンで焼くアレンジレシピのことです。

  焼くだけという 簡単なアレンジなのに、別の食感が生まれるほか、誰でも手軽に簡単にできることでSNS界隈で一気に広がりました。



  流行ったコト2位も食品アレンジで、「氷タンフル作り」です。

  韓国語でフルーツあめを意味する「タンフル」が派生したもので、冷凍フルーツを氷水に入れるだけでアレンジになる「氷タンフル」が話題になりました。



  Z総研のランキングでも「流行った食べ物・飲み物」ではアサイボウル(1位)、グリークヨーグルト(2位)、マーランタン(3位)などアレンジ可能な食品がランクインしています。

  とりわけアサイボウルとグリークヨーグルトの組み合わせは、若い世代のトレンド発信源である韓国からの流行です。



  ヒットの条件として、完全にパッケージされたものよりもカスタマイズあるいはアレンジという体験価値の提供が欠かせないというわけです。

  ヒット商品の共通性を探してみると、自ら参加するセルフの要素があり、今ここの瞬間を楽しむという感覚、そして時間的にも費用的にもパフォーマンスの高い点です。

posted by 川上義幸 at 20:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年12月22日

ルリーロ福岡、初戦を勝利で飾れず

  ラグビーのNTTリーグワンが21日に開幕しましたが、3部(D3)に新規参入したルリーロ福岡(LR福岡)は本日、久留米総合スポーツセンター陸上競技場でヤクルトレビンズ戸田(L戸田)と対戦しました。

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  歴史的な初戦に挑んだLR福岡は多少硬さがみられ、ゴールに迫った肝心のところで反則、ミスがみられ、相手も同じリーグワンに参入しての初陣でこちらも攻めているのにあと一歩という展開で、前半はしばらく両者無得点が続きました。

  結果は、25対17で負けてしまいましたが、両チームの差はセットプレーにあったように感じます。

  ラインアウト、スクラム、モールとLR福岡はL戸田にボールを支配され、トライに結びつくシーンもありま
した。


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  ハーフタイムでは久留米市内の小中高生によるクリスマスパレードが披露され、選手の活躍を後押ししてくれました。

  試合の開催にあたって、多くのサポーターの支援があったようで、こちらも地域のクラブチームとして育ってほしいという熱い気持ちが伝わり、そして観客も寒い中2418人が応援に駆けつけてくれました。



  LR福岡は、福岡県内を拠点としながら休廃部したコカ・コーラと宗像(サニックス)の主力が集結し、2022年春に始動し、同年参戦したトップ九州Aリーグを制すと、23年シーズンは無敗で2連覇を達成しました。

  そして、財務条件なども満たし、3部(D3)参入を決めました。



  LR福岡は、うきは市を拠点とし、母体となる親企業をもたず、地域とともに成長していくチームとしてスタートして、さらにその活動の拠点を拡大し、福岡県南部の多くのエリアで活動しています。

  根源にあるのは地域への思いで、代表の島川大輝さんは「ここで育った子供たちが、戻ってこれる場所を作るように、ラグビーを通じて活力ある地域づくりに取り組み、この地域への『誇りと愛着』を持ってもらえるように、支援していただいた多くの方々とつながって、新たな価値を創造していく」と熱く語ります。



  ホーム初戦で激突するL戸田は同じD3の新規参入組で、今後を占う意味でも負けられない一戦でしたが残念でした。

  次の試合に期待しましょう。
posted by 川上義幸 at 20:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年12月20日

中国のテーマパーク、閑古鳥

中国のテーマパークに寒風が吹いていて、主要テーマパークの約4割で利益が出ていないようです。

特に有力IP(知的財産)を持たないテーマパークは苦境に陥っており、一部は法的手続きに入っているといいます。

中国では投資ブームが起きると、各社が軒並み参入し、供給過剰になる歴史が続いていて、この現象がテーマパークでも起きているというわけです。



米人気映画「アバター」の舞台として知られる中国南部の景勝地、湖南省張家界市に20億元(約420億円)を投じて2021年に歴史テーマパーク「大庸古城」が開業しましたが、深刻な経営危機に陥っています。

24年1〜6月のチケット購入者は1日平均13人どまりだったとか。

映像に連動して座席が動く体験型映画館や屋外劇場での演劇、遊覧船を楽しめるはずの大人258元のチケット
は販売を中止しており、アトラクションはいずれも営業休止中となっています。

園内でバー・レストランの経営者は「夜になると照明が消えて真っ暗になり、観光客はほとんど来ないし、商売あがったり」と嘆いています。



大庸古城は、実際には市中心部にあったバラック街を再開発した「新造遺産」のようで、張家界市民も「行っても何もない。市内には世界遺産があるのにわざわざ行く必要もない」と冷淡です。

大庸古城の経営不振で資金繰りが厳しくなり、親会社は債権者から法的整理を申し立てられています。



水族館を中核とした上海市郊外のテーマパーク、上海海昌海洋公園も資金繰りに直面し、エサ代や人件費などコスト削減のための奇策としてジンベイザメの代わりに、長さ4.7mの充電式ジンベイザメ型ロボットを導入しましたが、経営好転につながっていません。



中国で圧倒的なブランド力を誇る上海ディズニーランドも変調が目立ちます。

上海ディズニーランドはチケット価格が段階的に引き上げており、最繁忙期は799元(1万7000円)という高額チケットとなり、これには消費者の節約志向が重荷になっています。



中国385カ所のテーマパーク中、赤字が22%、19%が損益ゼロという有様です。

中国のテーマパークは不動産バブルによる投資ブームに地域振興を狙う地方政府の後押しが加わり、各地で乱立し、供給過剰となっています。

中国では不動産不況や主要顧客である若年層の就職難で消費者の節約志向が強まっていて、ブームに沸いたテーマパーク経営は一転難しさを増しているようです。
posted by 川上義幸 at 17:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年12月19日

新世代に対するヒット商品

  2024年も残すところ、あと2週間を切りました。

  今年も様々なヒット商品が生まれましたが、若い世代、20〜30代を中心とした層に刺さり、市場を揺さぶったのが、一つにはキリンビールの「晴れ風」とサッポロビールの「黒ラベル」です。



  24年4月に発売した晴れ風と、ビール各社の主力ブランドでも古参の黒ラベルは好対照ながら20代をひきつけました。

  まずは晴れ風ですが、販促をCMに依存して売り上げが低迷する製品が続出する中、人気タレントを起用して大がかりなテレビ広告を打ちました。

  「一番搾り」に続く2番手ブランドの育成に苦戦してきたキリンの歴史を考えると、一時的なヒットに留まるかと予想していたようですが、年間販売目標を430万ケースを予定していたのが550万ケースに上方修正し、年   内には達成できそうだということです。



  晴れ風にはこれまでに「ない」要素が3つあり、1つ目はビールの素材や味、企業ブランドとは関係のないネーミングだったこと、2つ目はパッケージの色でZ世代に人気がある緑がかった青の「ターコイズブルー」を採用したことです。

  ブルー系は「食欲減退色」といわれ、食品には使われるケースは少なかったのを、常識より今どき感覚を優先し、レア色を選んだといいます。



  3つ目は寄付で、パッケージに付けたQRコードを読み取り、好きな自治体の花火大会や桜の保全への寄付ができる仕組みとなっています。

  花火と桜という風物詩にビールは重要なアイテムで、関連性が高い寄付先を設定することで若い消費者を引き付けたようです。



  これに対して黒ラベルは王道の若者戦略を続けてきました。

  「大人エレベーター」というCMで若い世代が憧れる人物の「人生指南」を伝えてきたほか、ロックフェスティバルの協賛や「黒ラベルTHE BAR」の運営などで、実はここ10年で20代の顧客数を60%近く増やしてきました。

  とりわけTHE BARでビールを注ぐ姿はSNSで拡散され、若い世代の消費を後押ししてきました。



  重要なのはブランドの体験価値や世界観で、大量の情報が流される今、若い世代に新しいブランドかどうかなんて正確に伝わらないし、新世代にとって晴れ風と黒ラベルはそんな条件を満たしていたのかもしれません。

  「売る」のではなく、「共感を呼ぶ」姿勢が真剣かどうかで消費を泡立たせるということでしょうか。
posted by 川上義幸 at 15:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年12月17日

ビジネスの視点で途上国支援

企業の力を使った新興・途上国への支援で、安全保障環境を守ろうとする動きが出てきました。

例えば、地雷除去にAIを活用するなどビジネス視点で社会課題の解決に取り組むと、事業の持続可能性は高まります。

事業を通じての海外との信頼関係の積み重ねが日本を守るすべとなります。



NECは赤十字国際委員会と共同で、AIで地雷が埋まった場所を予測する実証実験に取り組んでいます。

ドロンでの「リモートセンシング」も組み合わせることで安全性を確保しながら迅速に地雷を見つけ、作業員の負担を軽減できるということです。

赤十字側が地形や建物などの情報を集め、NECがAIで分析して地雷がある可能性が高い地域や箇所を特定します。

NECは2024年から政府機関のカンボジア地雷対策センターとも実証実験を始め、同国や第三国への支援を検討しています。



NGOの連合体「地雷禁止国際キャンペーン」の報告によると、対人地雷による死傷者数は22年にシリアで834人、ウクライナで608人で、世界での年間の被害者数は約7000人、うち死者が3000人というデータがあるように、その取り組みは世界から期待されてます。



NECの担当者はデジタル技術を活用した途上国支援について「社会貢献の位置づけだけでは資金面で限界がある。将来のビジネス展開を見据えて課題解決に取り組めば継続性を担保できる」と話します。

「政府の完全デジタル化」をうたうカンボジアでは国内の人口のおよそ6割以上にあたる1090万人ほどがデジタル通貨「バコン」を使っており、日本の開発のスタートアップ、ソラミツが技術面で支えています。

ソラミツの社長は「中国がアジアや大洋州の島しょう国を投資で取り込もうとしているが、途上国に日本企業の技術を使ってもらうことは経済安保の観点で重要だ」と指摘します。



広域圏構想「一帯一路」で巨額投資を進める中国との差別化する狙いもあって、外務省もODAの使途の軸を従来のインフラ整備から科学技術の活用へ移そうとしているようです。
posted by 川上義幸 at 17:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年12月16日

次期大統領トランプ氏による対中国政策の行方に不安

米国の次期大統領トランプ氏による対中国政策の行方に、日本の半導体企業が身構えているようです。

日本が強みを持つ半導体製造装置の中国への輸出規制が強まるとの観測が広がっているためです。

加えて、中国も関連産業の国産化投資を進めており、現地企業の台頭も日本勢のリスクとなるようです。



このため、半導体装置大手のKOKUSAI ELECTRICは、「先端半導体の製造に使う装置の中国向け輸出は何らかの形で規制が強化されるだろう」といいます。

また、東京エレクトロンは「中国の新興メーカーでは歩留まり(良品率)改善が進み、設備投資に一服感が出る)」といい、中国売上高は足元の45%から3割まで下がると予測しています。



バイデン政権は中国の半導体産業を抑え込むために、先端半導体向けの製造装置の対中輸出を制限していて、日本やオランダなどの同盟国にも呼びかけて「対中国包囲網」を敷いていました。

米国による輸出規制の強化を見据え、中国の半導体メーカーは製造装置の確保に奔走していて、中国の装置販売は24年1〜6月に前年同期比で84%増と急増しています。

そして、中国メーカーが実需以上に買っている可能性がありそうです。

対中規制の長期化を見据えて、中国は官民を挙げて半導体の国産化を急いでいます。



中国受託生産大手のSMICは回路線幅が7ナノ(ナノは10億分の1)メートルの高性能半導体の製造に成功したとされています。

歩留まりを度外視すれば、30年代には中国が高度な製造装置を手掛けるようになりそうです。

中国の半導体産業を封じ込めようとする米国の規制が、皮肉にも地場のメーカーを育てるという構図になっているようです。



トランプ氏は「米国第一主義」を掲げ自国産業の保護を最優先に据える「内向き」な政策を推進しようとしています。

過去にもTSMCを抱える台湾を念頭に「米国の半導体ビジネスを全て奪った」などと、国境を越えた半導体開発と生産の分業に否定的な発言をしたことがありました。



先導半導体の量産を目指すラピダスは、米IBMから技術供与を受けており、半導体設計開発の技術者を育成する施策も始めています。

こうした日米連携に影響が及ぶリスクは排除できないと関係者は危惧しています。

トランプ次期政権がもたらす地政学リスクに日本の半導体産業が振り回される展開が心配です。
posted by 川上義幸 at 10:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年12月14日

年末年始、国内旅行が堅調

5年ぶりの9連休となる年末年始の国内旅行は予約が堅調のようです。

旅行各社やホテルの予約は23年度を上回っているところが多いようですが、実質賃金の減少を受け節約志向は根強く、旅費の高い日程や旅先を避ける動きも目立ちます。



国内旅行の1人当たりの費用は4万3000円と23年度よりも5%上がり、2年連続で過去最高となっています。

旅行者数は横ばいの2800万人と、新型コロナウィルス禍前の19年度の96%の水準となりました。

宿泊費の高騰に加え、平均旅行日数や複数の交通機関を使って遠方へ旅行する人が増え、1人当たりの旅行費用を押し上げました。

旅行日数は1泊2日の計画が最も多いものの、2泊3日や3泊4日が23年度よりも増えました。



旅行では信越や北海道方面が堅調で、国内旅行の予約者数は3%増となりました。

カニなどの冬のグルメやイルミネーションを組み合わせた日帰りバスツアーが4割伸びたほか、高級宿の予約も好調でした。



一方で実質賃金は9月まで2か月連続で前年同月を下回っています。

ホテルや飛行機代が上昇するピーク日や人気観光地を避ける傾向も出てきています。

日本旅行では例年好調な首都圏や関西方面が、ホテル代の上昇やテーマパークの入場料の値上げが影響し低調のようです。



専門家は「定額減税や賃上げで旅行やレジャーへの消費志向は上昇傾向で、ただ、実質賃金の減少や旅行費用の高騰で、限られた予算で節約をしながら旅行を楽しむ人が増えるだろう」と言っています。



一方、海外旅行ではANAがハワイ線のほか、北米線・欧州線が前年度に比べて大きく伸びており、JALもハワイ線は年末年始を通じてほぼ満席状況となっているようです。

ただ、円安や航空運賃の上昇の影響により1人当たりの平均費用は7%増の27万3000円で、旅行者数は19年度の63%にとどまっています。


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2024年12月13日

中国の飲食、「9.9元」の節約旋風

  中国の飲食市場に「9.9元(約210円)」の旋風が吹いています。

  不動産の不況や大学生の就職難で節約志向が強まっており、割安さを感じさせる9.9元がキーワードとなっているようです。



  カフェチェーンコッティコーヒーが火をつけた「9.9元コーヒー」に続き、新興火鍋チェーンが9.9元を売り物にして出店を増やしています。

  「鍋スープが9.9元、外国産牛肉も9.9元、白飯やデザート、キムチは無料」といった具合です。

  火鍋スープは100元近くかかることも珍しくありませんが、同店では1人用に特化するなどして9.9元で提供しています。

  エビやアワビなどの海鮮や野菜はさらに安く3、5、7元です。



  火鍋の客単価は100元を上回ることが多いですが、同店は35〜45元前後で、日本の回転すし店を模した省人化の設計で、ライバルに比べた安さを実現しました。

  顧客は、座席前のレーンに流れる野菜や海鮮などの食材を手に取ります。



  食材の値段は皿の形状によって3種類に分類されており、会計や配膳を簡素化し、店員数を抑えました。

  厨房スタッフは肉や野菜のカット、盛り付けが中心で、高度な調理経験は不要としました。

  鍋スープは重慶市に設立した3万m2の工場で集中的生産しています。



  中国では、一部のファーストフード店が提供する3元の朝食セットに対抗してビジネスホテルチェーン、城市便捷酒店の一部が宿泊者以外にも9.9元の朝食券を販売するなど低価格路線が広がっています。



  日本では外食チェーンが激しい値下げ競争を繰り広げ、マクドナルドのハンバーガーは2002年8月に59円まで下がったのを思い出します。

  日本のようなデフレが懸念される中国ですが、飲食店の価格競争は始まったばかりかもしれません  。
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2024年12月12日

水都大阪再び

大阪は、かつて旧淀川や多くの堀川を利用した舟運が盛んで、「水の都」と呼ばれていました。

来春開幕する2025年国際博覧会を機に、国や大阪府・市、企業、住民団体などが船着き場の整備や運航ルートの社会実験を進め、にぎやかな水辺空間を取り戻そうとしています。



01年に政府の都市再生プロジェクトに採択されてから着実に進んできた「水都大阪」復活の取り組みは、新型コロナウィルス禍などで一時停滞しましたが、万博をきっかけに本格的に動きだしました。

万博会場となる大阪湾の人工島「夢洲(ゆめしま)」と市内などを繋ぐ航路の整備も進んでいます。

橋げたが低い市中心部は川船で運行し、途中で海船に乗り換えて夢洲に向かいます。

夢洲には中型船用の桟橋も整備され、会期中は神戸、淡路島、堺などと結ぶアクセス航路が5ルート開設される予定です。



淀川下流の淀川大堰では国土交通省が船の通り道となる閘門を設けて京都など上流から大阪湾へ直接運航できるよう工事を進め、万博での運用を目指しています。

来春には新大阪にも近い十三に船着き場が完成し、夢洲と結ばれます。



歓楽街の北新地に近い堂島浜では水都を意識した32階建ての複合ビル「大阪堂島浜タワー」が4月に竣工しました。

川にかかる阪神高速道路の橋脚は夜間にライトアップされています。

川沿いの店舗も水辺活用に前向きなっていて、川に向けて開いたカフェやレストランが相次いで登場しています。



先月、大阪コンソーシアムが夢洲を周遊する特別航路の社会実験を実施しました。

落語家による案内やグルメなど工夫を凝らした有料ツアーは19種類あるようで、すべて満席に近いといいます。

万博に向けて回転ずしのレーンを備えた船を整備している企業もあり、水辺の楽しみは一気に広がります。
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2024年12月09日

中国の飲食、「9.9元」の節約旋風

中国の飲食市場に「9.9元(約210円)」の旋風が吹いています。

不動産の不況や大学生の就職難で節約志向が強まっており、割安さを感じさせる9.9元がキーワードとなって
いるようです。

カフェチェーンコッティコーヒーが火をつけた「9.9元コーヒー」に続き、新興火鍋チェーンが9.9元を売り
物にして出店を増やしています。



「鍋スープが9.9元、外国産牛肉も9.9元、白飯やデザート、キムチは無料」といった具合です。

火鍋スープは100元近くかかることも珍しくありませんが、同店では1人用に特化するなどして9.9元で提供しています。

エビやアワビなどの海鮮や野菜はさらに安く3、5、7元です。

火鍋の客単価は100元を上回ることが多いですが、同店は35〜45元前後で、日本の回転すし店を模した省人化
の設計で、ライバルに比べた安さを実現しました。



顧客は、座席前のレーンに流れる野菜や海鮮などの食材を手に取ります。

食材の値段は皿の形状によって3種類に分類されており、会計や配膳を簡素化し、店員数を抑えました。

厨房スタッフは肉や野菜のカット、盛り付けが中心で、高度な調理経験は不要としました。

鍋スープは重慶市に設立した3万m2の工場で集中的生産しています。



中国では、一部のファーストフード店が提供する3元の朝食セットに対抗してビジネスホテルチェーン、城市便捷酒店の一部が宿泊者以外にも9.9元の朝食券を販売するなど低価格路線が広がっています。



日本では外食チェーンが激しい値下げ競争を繰り広げ、マクドナルドのハンバーガーは2002年8月に59円まで下がったのを思い出します。

  日本のようなデフレが懸念される中国ですが、飲食店の価格競争は始まったばかりかもしれません
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2024年12月08日

精勤杯

12月に入り、一気に冬の天気となってきました。

特に今週の土日は冬の気圧配置となり、例年よりも寒くなりました。

自宅の前の比恵公園の木々は紅葉から落葉と変わり、初冬の景観に変わりました。
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比恵公園の初冬の風景


本日、12月8日は日本軍が米太平洋艦隊に打撃を与えた真珠湾攻撃を行った日で、太平洋戦争が勃発し、以降3年8か月の間戦火を交えることになります。

開戦を伝える翌日新聞には、日本軍が「西太平洋全面」で「電撃戦」を展開したと伝え、見出しにはハワイ真珠湾のほかマレー半島、香港などの見出しが踊っていたようです。

太平洋戦争は真珠湾攻撃から始まったという印象が強いですが、厳密にはその前に日本陸軍がマレー半島に上陸し、英国軍との戦争を始めています。



世界では現在も、ウクライナやイスラエルパレスチナでは戦争が繰り広げられています。

今年、ノーベル平和賞を日本の被団協が受賞し、核廃絶、戦争のない平和な社会を訴えてきたことが評価され受賞に至ったことは非常に喜ばしいことですが一方で、戦争が繰り広げられている現実の世界があると思うと残念ですし、何とかこの現実を変えることができないか切にそう思います。

トランプ大統領は就任するや一日で停戦に持っていくと豪語していますが、一時的なものではなく恒久的な平和解決へ導いてくれないと困ります。



今日は、筑紫丘ゴルフクラブで精勤杯の大会がありました。

年に40回以上来場したゴルファーを対象に行うもので、126名の参加者が寒い中、風が強い中、年間鍛えた腕を試す機会となりましたが、結果はそれぞれまちまちのようでした。


私は随所でパーオンもすることができショットはまあまあでしたが、パットが全くダメだったのといつものように大叩きのホールがいくつかあって、また90を切ることができませんでした。

ショットの精度を追い求めすぎてスコアのマネージメントが全くできておらず、来週は月例がありますので、何とか頑張って入賞したいと思っています。
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    筑紫丘GC。南の5番ホール、谷越え名物ホールにかかる斜張橋で、今は使われていない。

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2024年12月06日

博士エリート、国を担う

不動産市況の低迷に少子高齢化、長引く米国との貿易戦争……。

一見すると、中国経済は先細りが避けられそうにありませんが、それでも潜在力はなお残ります。

その一つが優秀な学生数です。



2023年におよそ8万7000人が博士課程を修了し、年間の修了者が1万6000人弱で推移する日本の5倍を上回る規模です。

また、海外で博士号を取得した学生を加えれば、10万人を超える計算となります。

  12年に12年に発足した習近平指導部は、米国に対抗しうる「科学技術強国」に向けて邁進し、宇宙開発や人工知能、半導体といったハイテク分野で欧米への依存脱却を目指しています。



  11年の博士課程修了者は約5万人で、習政権になって7割増えました。

  22年の博士課程修了者を分野別にみると、理学や工学、医学などの理系は全体の約8割を占めました。



  博士の増加に伴い、質も向上し、主要国の論文数などを分析すると、全分野の総論分数で中国はトップとなっており、2位の米国をリードしています。

  引用数が上位10%に入る「注目論文」の数でも中国は首位で、政府が科学技術分野において研究者の育成に力を入れた成果が出てきました。



  学術分野での成果は軍事力を含め国力の増大にもつながります。

  政府が特に力を入れるのが、月面探査、中国版全地球測位システム(GPS)の「北斗」、単独の望遠鏡で世界最大の規模を誇る電波望遠鏡「天眼(FAST)」で、これらのプロジェクトにかかわる技術者の平均年齢は30歳代前
半だといいます。



  世界の高校生らが参加する「国際数学オリンピック」では、23年まで5年連続で世界一となっています。



  精華大学の23年の卒業生の就職先で最も人数が多かった国有企業は宇宙開発を担う中国航天科技集団、民間ではファーウェイでした。

  官民が支えた理系エリートがハイテク分野の向上という国の目標に挑み、高度人材を中長期的にわたって生み出すシステムは中国による新たな技術革新の可能性を秘めています。
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2024年12月05日

ゲノミック評価

  ゲノムをもとに美味しく育ちやすい家畜や魚、果物などを選んで増やす「ゲノム選抜」の利用が広がっています。

  先行する肉用牛では、A5という最高等級の比率が増すなど高付加価値にする競争が進んでいますが、それをゲノムが後押ししています。



  栃木県にある敷島ファームの那須牧場で育つ子牛の両親はゲノムをもとに選ばれており、家畜改良事業団が手掛ける「ゲノミック評価」を利用して雌牛の遺伝的な能力を数値化し、その特徴に合う雄牛を選んで人工授精をしています。

  A4以上でより大きく、可食部位が多く筋肉質で「歩留まりがいい」牛を目指しているといいます。



  ゲノミック評価とは、家畜や農作物などについて、ゲノムにある無数の遺伝子変異(SNP)をもとに成長した際の姿形、可食部の形質といった遺伝的な能力を推定する技術のことです。

  生物のゲノムには個体ごとに様々にSNPがあり、その無数の組み合わせが肉質など様々な形質に影響を及ぼすようです。



  同事業団のゲノミック評価は約6万5000個の肉質データ、そのうち約2万1000個のSNPデータ、その個体に関わる25万頭の血統情報などをもとにしています

  雌の子牛を採血してゲノムを評価し、その優れた点を伸ばしたり、欠点を補ったりできる雄牛を将来あてがいます。

  従来、雌牛は何頭か産まないとその遺伝的な能力を評価できませんでしたが、ゲノミック評価によって雌牛の選抜が生後すぐできるようになりました。



  効果は表れていて、肉質については、敷島ファームが2017年に初めて利用した際は肉質に関する主要6項目ではすべて全国平均以下の割合が高かったのが、23年生まれでは全国平均以上の割合が7割を占めるまで改善されたといいます。

  また、育ちやすくなり、出荷時期は月齢30ヵ月から26ヵ月に縮まりました。



  近年、市場ではA4・A5といった高い等級の肉の比率が増えていて、融点が低く口どけが良い脂肪になる「オレイン酸」などを増やす改良も進んでいますが、これにもゲノムミック評価が使えます。

  和牛はブランド戦略が進み、都道府県ごとに力を入れており、ゲノミック評価を取り入れているようです。



  ゲノミック評価はかんきつ類など果樹のほか、サーモンの養殖など様々な分野で取り組みが進んでいるようです。
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2024年12月03日

中国の強まる国産ブランド志向

  中国で国産品への支持が広がっています。

  2019年から22年にかけて消費者1人当たりの国産品の消費額は70%を超える伸びとなっています。



  背景には、民族意識や節約志向の高まりがあるようです。

  中国ではかつて、自国ブランドの品質問題などに対する懸念が根強く、経済成長による所得の増加とともに海外ブランド信仰が輸入を押し上げましたが、最近では若者を中心に「新中式」ブームが広がっています。



  化粧品や自動車でも国産メーカーが台頭し、中国の化粧品市場を業界メディアが調べたところ、国産品の販売比率は23年に5割を超え、初めて外国ブランドを上回りました。

  輸入額は22年から減少が続いています。

  中国系ブランドの乗用車の出荷シェアは24年10月に70%に達し、5年間で30ポイント上がりました。

  政府も自国ブランドの後押しに動いています。



  自国ブランドへの志向が強まる背景は何かというと、中国インターネット情報センターが実施した電話調査によると、最多の回答は「国の発展を支援する」で75%に及びました。

  そして、「品質で外国製に劣らない」が67%で続きました。

  愛国心に加えて、品質や性能も国産品への支持を押し上げています。



  ファーウェイは9月、三つ折りの折り畳み型のスマートフォンを発売し、世界初の三つ折りとうたっています。

  1台約42万円の価格設定でも発売時に680万人を超える予約が入ったといいます。

  価格面でのお得感も国産ブランドの普及を支えます。



  コスパ重視の背景には、景気の減速に伴う給与の伸び悩みもありそうです。
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2024年12月02日

有明海の創生に向けての呼びかけ(シンポの開催)

  サンマの漁獲量が10年前から9割減、イカが8割減、不漁は資源だけでなく、とる人が減ったことが大きいといわれています。

  漁師数は統計上12万人とされていますが、実際はもっと少ないとみられています。

  65歳以上が4割で、稼働している漁師は半数ほどの漁協も多いようで、50年代には7万人に減ると予測されています。



  演歌歌手、鳥羽一郎さんの「兄弟船」がヒットした1980年代前半、日本の漁業は黄金期にありました。

  45万人の漁師が過去最多の年1300万トンを漁獲し、自給率9割の魚は食卓の主役でした。



  デフレが長引き、スーパーの売り場には比較的安い輸入冷凍品や東南アジア、ヨーロッパ、アフリカの海外加工品が並び、季節性があり少量多品種の日本の地魚は本来一番価値のあるものなのに、量販店にとって売りにくい商材ともなったようです。

  商圏が奪われ、気候変動で漁獲量も減り、漁師の経営は悪化し、後継者が育たないという悪循環が起きています。

  食料安全保障の観点からも漁師の役割の重要性が再認識されています。



  一昨日、佐賀大学で“有明海の気候変動に関するシンポジウム”が開催されました。

  これは、環境研究総合推進費の予算で九州大学の矢野真一郎教授を中心とした研究グループが実施している研究「自然外力の増加に適応する水環境保全に向けた有明海・八代海等の気候変動影響評価」の成果に基づいて実施されたものです。

  この実施にあたって、企画や関係者の協力要請など、シンポの実効性が上がることを期待してお世話をさせていただきました。



  有明海は2000年の大規模ノリの色落ちを経験して、環境の再生を期待して「有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律」が制定され、これに基づいて関係省庁による各種取り組みがなされてきました。

  それから20数年が経過していますが、これまで有明海の環境悪化の原因に対して終始、諌干事業との関連で議論されてきました。

  残念ながら必ずしも、純粋に科学がリードして関係者による有明海創生に向けた取り組みとはなっていなかったと思われます。



  諌干事業の裁判が終わりに近づく中で市民の関心も薄れ、また有明海環境の再生・創生に至っていない中で有明海研究を行う研究者が少なくなっていることが懸念されます。



  一昨日のシンポは、「気候変動と水産資源」が全国的に問題視される中で、有明海において着実に気候変動の影響が忍び寄ってきていますから、もう一度今後の有明海研究の重要性と気候変動への認識と対応の必要性を
考えてもらいたい、この2点が真の開催趣旨でした。

  特に行政や漁業関係者に考えてもらいたいということでお声掛けさせていただき、多くの関係者に来場していただきました。



  来年は、この研究も最終年を迎え、その成果をもとに熊本(熊本大が、熊本県立大学)で開催できたらと研究
当事者の先生方と話し合っています。
posted by 川上義幸 at 09:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記