今日から3月の春場所が始まります。
春場所はあれる場所といわれ、上位陣だけで優勝争いをするというより下剋上となって星をつぶし合い、これまで下位力士にもチャンスがありました。
最近はいつも春場所のような誰が優勝するかわからない場所が続いています。
さて、大相撲の力士数減少に歯止めがかからないようです。
3月の春場所の番付に載った力士数は588人と平成以降でほぼ最少となり、“若貴兄弟”ブームだった1994年夏場所(943人)のピークから6割の規模に縮んで、将来半減も現実味を帯びてきました。
担い手のいない世界に明るい未来はないと言わざるを得ず、大相撲は持続可能かどうか問われています。
2月に底辺拡大を目指して少年相撲の世界大会「白鵬杯」が行われ、相撲少年が熱戦を繰り広げる中、関係者からは2027年度から全国中学校体育大会(全中)で相撲が実施されなくなることを懸念する声が相次ぎました。
もとより底辺の揺らぎは深刻で、日本中学校体育連盟によれば、中学校の相撲部設置率は2024年度でわずか1.7%で、この設置率の低さが除外の主因でした。
ピラミッドの土台が細れば、上層部分も小さくなります。
2024年に日本で生まれた子供の数は約72万人と9年連続で過去最少を更新し、出生数の減少は力士予備軍の更なる減少を意味しています。
このままの減少ペースで進めば人口1億人割れが迫る25年後の2050年にはピークの約半分の464人程度となる計算です。
昭和の時代は稼げるスポーツといえば野球か相撲でした。
平成に入ると1993年のJリーグ開幕などでプロスポーツが多様化し、付け人制度や集団生活などの古い慣習を残し、不祥事が絶えない大相撲は令和の今、若者に選ばれなくなりました。
待遇面も魅力を欠き、2024年の日本人アスリートの競技別年収で大相撲の首位は大関・琴桜の1億4581万円で、サッカーの三苫選手の7億9000万円前後、プロ野球の村上選手の6億円などと大きな差があります。
2023年度末には米大リークの大谷選手がドジャーズと10年総額約1000億円の破格の契約を結びました。
若手親方は「力士のセカンドキャリアを支援する制度がないことが最大の問題」と指摘します。
そして、「力士として成功できなかった場合のリスクが大きく、興味があっても入門をためらうのは当然」とも語ります。
処方箋として、一つには中学卒業後に入門した弟子を通信制高校に通わせることがあります。
そして、次代の才能の供給源であるアマチュア相撲の支援にも目を向ける必要があり、全中がなくなってもその代わりの大会を相撲協会として開催するなどが提案されているようです。
様々なアイデアが飛び交う中でも、肝心な協会の腰が重いのが一番の問題のようです。