名古屋モーニングを代表するコメダは福岡にも進出して、市内のあちこちで見ることができます。
コメダHDは喫茶店「コメダ珈琲店」を中心に1071店舗を展開していますが、海外店舗は48店舗5%に満たない状況で、売り上げも国内が大半を占めるといいます。
人口減少傾向にある国内では店舗を増やすことは難しく、高い成長が見込めないと判断してか、コメダHDは海外店舗を増やす目標を掲げていて、おむすびに目を付け、海外市場攻略の切り札にしたいと考えているようです。
ウナギや名古屋コーチンを使った『名古屋流おむすび』で、日本食ブームに沸く海外をターゲットにしています。
コメダ珈琲店の「コメ」は創業者の実家が米屋を営んでいたことに由来するとされ、同社はコメに由縁があるようです。
コメダは、展開する和風喫茶「おかげ庵」のモーニングで提供するおむすびが好調なことから着想し、同業態の姉妹ブランドとして米屋太郎を立ち上げたといいます。
このコメダの新業態「おむすび 米屋の太郎」では、注文後につくりたてのおむすびを提供するほか、味噌ヒレカツやウナギといった愛知名物の具材を充実させいています。
コロナウィルス禍の持ち帰り店舗などを契機に近年、おむすびブームが広がりつつあるのを商機とみているようです。
コメダHDがおむすび専門店を出店するのは本格化させる海外事業強化への布石です。
今後は海外のコメダ珈琲店でおむすびを提供する構想で、「日本の喫茶店」としてのブラント構築を狙っています。
アジアでは米スターバックスが強く、コメダが海外事業を成功させるには、まずブランディングが必要のようです。
これからは、一事業に頼る外食チェーンの経営は原料価格などの事業環境の変化の影響を受けやすく、吉野家HDがラーメン店のM&Aを加速させるなど、各社は相次いで事業の多角化を進めています。
おむすび専門店は小規模チェーンや個人店が多く、大手飲食店グループが手掛けるのは珍しいかもしれません。
コメダが目指す事業の成功にはおむすびブームを一過性にしない、顧客をつなぎとめる工夫が必要のようです。