開花が遅れたり、逆に早まったりし、桜のイベント開催者やツアー会社は頭を抱えます。
地球温暖化の影響が大きいとみられ、2050年頃には九州の一部地域で桜が開花しない可能性があるといいます。
30年以上にわたり桜を研究してきた専門家によれば、今の気温の上昇が続くと、2050年頃には鹿児島市などではソメイヨシノの栽培品種の1つであり、日本で一般的な染井吉野が正常に咲く年がほぼなくなってしまうといいます。
背景には地球温暖化で休眠打破ができないことが影響として大きく、台風がこれまでとは異なる進路で動くことが増えていることや、夏場の乾燥も関連します。
日本の場合はヒートアイランド現象で都市の気温が高くなっている要因もありそうです。
冬の暖かさによる開花異常はすでに鹿児島など一部の地域ではみられていて、開花時期が遅くなり、花が1本の木の中でそろって咲かなかったり、花芽が咲かずに成長の途中で落ちたりします。
以前は奄美大島、種子島、屋久島のみで生じていたと思われますが、この5年ほどで静岡屋和歌山、高知、宮崎、熊本などにも広がっているとみられます。
染井吉野は人為的につくられた同じ品種のクローンで、成長が早く、苗木の入手が比較的容易で広まりましたが、暖かい地域では衰弱しやすいという弱点があります。
一つの解決策として、暖かい地域に適した桜の品種に植え替える動きがあります。
桜は訪日客の人気も高く、経済効果はうなぎのぼりとなっていて、花見の経済効果は25年に1兆3878億円と昨年を2割上回る見通しです。
このうち訪日外国人の経済効果は26.3%と過去最高となっています。
桜の開花状況は日本経済を左右しかねないともいえます。
(佐賀県庁前のお濠)
(山王公園で一番開花が進んでいる木)
(比恵公園でほぼ満開状態の木)
昨日は九州大学や佐賀大学などで卒業式が開催され、初夏を思わせる陽気の中で、スーツやはかま姿の卒業生が街のあちこちで見受けられました。
昨日はやっと、福岡や佐賀、大分で開花宣言があり、熊本と長崎、宮崎、鹿児島の各県でも24日までに開花が発表されており、九州7県で桜の季節が訪れたことになります。
昨日、福岡市と佐賀市の公園を覗きましたら、開花宣言どころか満開に近い木も見受けられ、福岡では例年よりも3日遅い開花でしたが、満開を迎えるのは早く後れを取り戻し、開花期間が短くなるのかもしれません。